今まで映画と読書が基本的だったけれど、時にはドラマについて書くのも面白いかもしれない。(忙しいから昔のように1時間ドラマを見ることはほとんどないが)
NHKの朝ドラ「さくら」が終わってしまった。
基本的に朝ドラは大学生の頃から毎日ほとんど欠かさず見ていたりする。それも毎日ビデオにとって見ているので、相当暇人とも言える。とはいえ、さすがにこれだけを毎日見るとなると、面白いか面白くないかで見方は全然異なる。たとえば、面白いドラマなら画面にかじりついて役者の表情なども楽しみながら、小細工なども楽しみながら見る。が、つまらなくなってくると、画面は見ていなくて、その間色々と好きなことをして音声のみを楽しむ。(別に副音声にしているわけではない、念のため)
で、「さくら」は今までの朝ドラとはちょっと趣向が違って、私としては結構面白かった。というのは、多分今まで1年間を半年で描くということがなかったと思うからだ。(少なくとも私が見ていて記憶にあるうちにはない) これまでの定番といえば、子役を使った子供時代からどんどん時代を経て・・・というパターンで、時には悩んでいる状態を延々とやられてしまうので、時の進みが遅い部分と、いきなり何年か後に飛んだりする部分とがあったりした。今回のは季節が移り変わっていくし、半年で1年間をということでなかなか面白かったと思う。
また私が個人的に外国関係のものが好きというのがある。特に英語の教育については多少意見を持っていたりするので、その点や、学校を舞台にしているということ、ハワイの日系人という歴史を感じさせること、日本の伝統を思い出させるところ・・・などなど、なかなか面白かったのである。
しかし、最後の方はやはり私もほとんど画面を見なくなってしまった。最後の桂木先生とのやりとりには、段々いらいらしてくるというか、こんな対応をする男は全くいい男とは思えん・・・と思ってしまったりする。いや、それまでも実のところ、桂木先生のいい加減さに私は納得ができない部分があった。本当によい先生、日本男児、これぞサムライという男を桂木先生で表現したかったのだろうが、そうだとしたらちょっと手落ちのような気がする。まあ、そんなに完璧な人間はいないのはわかるけれど。
たとえば、さくらは学生の身でいわば教育実習生みたいな存在である。桂木は担任で家庭訪問に行くことになる。そんな時桂木は面倒だからとさくら一人に家庭訪問を押し付ける場面があった。普通許される、そんなこと?と言わざるを得なかった。まあ、そのおかげでろうそく屋さんに居候することになるんだけれど。
ありえないとかそういうことは朝ドラではあまり重要視されない。それはわかるが・・・。
そして、最後の恋愛がらみの部分では、自分が女だからかもしれないけれど、こんな対応をするなんてひどすぎると思ってしまい、桂木最低・・・と思った場面は数知れず。確かに相手のことを思っての行動であるとか何とか聞こえはいいが、結局は自分の気持ちを偽ることで相手をものすごく傷つけているだけである。こういうのは真の優しさとは言わないだろうし、逆に本当にサムライで優しい男なのだとしたら、彼女の夢と自分たちの恋愛とどうにか続けていけそうな第二の選択肢を考え出すものではないのだろうか?と思ってしまったのだった。
まあ、何はともあれ最後は一応ハッピーエンドなんだけどさ。
ちなみに次のドラマ「まんてん」はまたもや原点に戻って女の一代記のようなのだけれど、今後どのような展開になっていくのか少し楽しみにしてみるか。ただ、もしこの一代記がまた不評なら、次からはまた短期間を描いた作品なんかが企画されるかもしれないよね。
2002年09月24日(火) |
インストール 綿矢りさ |
河出書房新社 2001
STORY: 高校3年生で優等生の朝子。母は自分に無関心で、受験に向かう毎日に嫌気がさし、ついには登校拒否。学校に行く振りをして親をだましつづけていたある日、小学生の男の子と出会う。その男の子とともにエロチャットでお金を稼ぎ始めた朝子がたどる行く末は?
感想: 高校生の最年少だかで文学賞を受賞し、一躍有名になっていたこの本。タイトルは知っていたし、読みたいと思っていたら、図書館で一時人気だった本のコーナーに置かれていた。
最初、私が嫌いなタイプの本かと思って、読むんじゃなかったかなと思ったのだが、途中、小学生と出会うあたりから俄然面白くなった。また内容が押し付けがましくなかったのもなかなかよいと思った。
ただ一つものすごい疑問がある。この少年の家では内緒でパソコンをネットにつないでいたわけだけれど、もちろん普通で考えれば電話代がかかるはずで、チャットに長時間接続しているということは恐ろしいことになるのでは・・・とか思ってしまった。プロバイダはどうしてるんだろうとか、現実的なことを考えてしまった。だって、もし親に内緒でパソコンをつないで・・・となると小学生の子がどうやって?と思ってしまうのだ。まあ、もしかしたらすでにお父さんがPCをネットに接続済みで、LANか何かでケーブルをつないだりしていたのかもしれないし、常時接続だったりなんかして、電話代とか関係ないとか・・・そういうことだったのかもしれないけれど。もちろんそういうことに関しての説明もなく、最後に30万円の収入を得ていた。でも、もし万が一普通の電話回線を使い、プロバイダにも入っていたのだとしたら、その30万から結構なお金が消えていくのでは? とか思ったのだが、やっぱそれは考えすぎ?(でも、私もそういうことに詳しいわけじゃないんだけど)
2002年09月21日(土) |
さくらえび さくらももこ |
新潮社 2002
さくらももこのエッセイ集。
私は昔は「りぼん」を愛読していて、もちろん「ちびまる子ちゃん」も国民的アニメなどと言われる時代以前から読んでいたし、一応ファンでもあった。「ちびまる子ちゃん」に関しては、図書館で全巻借りて読んだし、エッセイに関しても主なものは読んでいる。ちなみに「ちびまる子ちゃん」でも思ったけれど、さくらももこは段々面白くなくなるというか、ネタが尽きてきているのかなと思うことがある。ただ単に私が飽きただけということかもしれないけれど。
そのノリが段々ついていけないノリになってきているような気もする。家族や知人のネタが多くなってきたりして、確かに面白いこともあるけれど、実際にその書かれた人物を知っているわけでもないので(さくら家の人々はともかく最近は仕事関係で出会った人のネタが多い) あまり興味がもてないのもあるかもしれない。まあ、面白い人物の話を読むのは嫌いではない。それに何と言ってもこのエッセイの一番いいところは気楽に読めることだ。そして、1日で読み終わってしまうというお手軽さ。昔はもう少し字がぎっしりしていたような印象もあるのだけれどね。
で、結局私はさくらももこが嫌いかというとそんなことはない。ただ、最近のノリは前と違う気はしているし、売れる前の方が味のある作品を書いていたような気はするけれど。
ところで、エッセイの中でさくらももこは自分ではなく別の人が手伝ってくれているという話をしていた。こういう話は実はよく聞く。平井和正も言霊がどうのこうのとか言っていたような。自分が触媒になって、何らかの意思が自分に乗り移って作品を作り上げていくんだって。
それと、このエッセイの中に出てきた四国のうどんがとても食べてみたくなった。四国には行ったことがないけど、もし行くことがあったらうどんを食べようと思った。
それから一度は登ってみたい思っていた富士山だけれど、相当きつそうだなということがわかった。登らないほうがいいかもしれないと思ってしまった。
そして、一番感動したのは、さくらももこがデビュー前に色紙を置いてきたお店のお話だ。こういうのに私は弱い。
そして最後に・・・さくらももこの息子は相当わがままに育っているような気がする。子供の頃から贅沢三昧な気がするんだけれど将来大丈夫なのかしら。でも、自分の親がさくらももこじゃないという嘘を信じてしまう、そのかわいらしさ・・・。将来どういう風に成長するのでしょう。
2002年09月19日(木) |
新版 指輪物語4 旅の仲間(下2) J・R・R・トールキン |
瀬田貞二・田中明子 訳 評論社文庫 (1954,1966)1992
STORY: フロド一行は旅を続ける。途中、雪山で遭難しそうになり、しかたなく洞窟を通る道を選択する。その際、ガンダルフは皆を助けるために怪物とともに地底へ落ちていってしまう。ガンダルフを失いながらも彼らはその意思を無駄にしないよう、旅を続けるが・・・。
感想: ついに第1部の最終巻を読み終わった。段々面白くなってきたので、読むスピードも前よりあがってきた。が、相変わらず地名や人名がわかりにくく、何か簡単に書いてあったらなーと思う。地図も見にくい地図が途中の巻についているだけだし、その地図を見ても、彼らがどこを歩いているのだかよくわからないので、あまり役に立たないような気もする。
映画ではこの部分で終わってしまったそうだが、これから先どうなっていくのか興味はある。ただ、途中の巻でガンダルフのこれからのことがあとがきで説明されてしまっていたので、どうもガンダルフが死んではいないらしいことはわかってしまっている。もう少し考えられなかったのかなあ。
2002年09月13日(金) |
新版 指輪物語3 旅の仲間(下1) J・R・R・トールキン |
瀬田貞二・田中明子 訳 評論社文庫 (1954,1966) 1992
STORY: ようやくのことで裂け谷にたどり着いたフロド一行。彼らはつかの間の歓迎を受ける。フロドは傷も癒え、日に日に元気を取り戻す。ビルボとも再開を果たす。彼らは会議を開き、今までの流れを整理し、今後指輪をどうするかについて論ずる。結局フロドと選ばれた者たちが指輪を破壊するために、指輪が作られた場所へ旅立つことになる。しかし、彼らの旅は困難を窮め・・・。
感想: 少しずつ真相が見えてきて面白くなっては来た。しかし、登場人物の人数が多すぎることとその人種(というの?)が色々でよくわからないことなども重なって、実のところ実際どんな感じなのかが想像できない。
やはり主な登場人物の特徴などについてでも一言でもまとめてあれば・・・とつい思ってしまう。
2002年09月07日(土) |
アバウト・ア・ボーイ |
ヒュー・グラントの最新作、男版「ブリジット・ジョーンズの日記」と言われる「アバウト・ア・ボーイ」を見てきました。
この映画、面白いです。「ブリジット」がそこまで面白いと感じなかった(というより、私にはブリジットが途中でかわいそうでならなかった)のに比べると、こっちの方が軽い仕上がりで、お気楽に見ることができます。
子役のマーカス役もなかなかいい味を出していたし、イギリスの風景も堪能できるし。
やはり今はシングルマザー、シングルファーザーが多いのでしょうかね。これは日本の話ではないのかもしれないけれど。
そして、ウィルのような生活、なんか一度でいいからやってみたいような。親の遺産で仕事もせずに。普通なら何もやることがなくて退屈してしまいそうだけど、彼はそれを楽しむ術を知っているというか。でも、多分私がそういう生活をしたら、すぐに飽きてしまいそうだけれど。
2002年09月04日(水) |
新版 指輪物語2 旅の仲間(上2) J・R・R・トールキン |
瀬田貞二・田中明子 訳 評論社文庫 (1954,1966) 1992
STORY: フロドの一行はさらに先を急ぎ、トム・ボンバディルと出会う。彼らは塚人に捉えられるが、間一髪のところをトムに助けられる。その後、小馬亭という宿屋でフロドは過って指輪を使ってしまい、敵に居所を知られてしまう。彼らは小馬亭で馳夫と出会い、彼が魔法使いガンダルフと親しかったことを知り、彼らは馳夫とともに旅をすることに決める。また小馬亭の主人からガンダルフからの手紙をもらう。翌日、彼らは逃げるように裂け谷に向けて旅立つことにする。途中黒の騎手にフロドは襲われるが、何とか一命を取り留める。そして、さらに途中でエルフたちと合流し、彼らは先を急ぐが・・・。
感想: いまいち面白くないところ(字の文で風景描写が続くところや、歌が多用されるところ)と面白く話が続いていくところの差が激しいかも。 なぜかこの巻の巻末に解説がついていて、この物語の筋立てを簡単に説明しているのだが、まだ読んでいないのに先が読めてしまったような気が。もしかして細かいところは読まずあらすじだけ知った方が簡単でよい? なんて思ってしまう。
決して面白くないわけではないのに、どんどん読み進めていけないのは、やはり話が古いからなのだろうか。いや、ただ単に自分が字の文、特に風景描写や人物描写があまり好きじゃないからかもしれない・・・。
なんか元気な気分、楽しい気分になりたいなーと思って この映画を見に行ってみたのだけど、 もう驚いたのが、はじめに時間ぎりぎりに映画館に入ったら 誰も人がいなかった。 すごいびっくりして、誰もいない映画館って怖い・・・って思って なんかいやだな・・・と思っていたら、 その後、ぽつぽつと人が入ったけど、それでも全部で多分4人だった。
どうやら人気のない映画だったようだ。失敗したか。
映画は非常に短く、1時間半過ぎには終わってしまった。
冒頭からして、もしかしてこのシリーズ(漫画だったらしい)のことを よく知らない人が見に行っても無理な映画だった?と 思わせる展開。私は悪いが、漫画を読んだことはないし、 前知識もほとんど仕入れずにこの映画を見に行ってしまった。 それも大失敗だったかも。
それでも見ているうちに少しは事情もつかめてくるが、 それでもなんかよくわからないうちに最後までいってしまった。 そして、笑いもノリがちょっとちがったようで、 元気を出すどころか意気消沈。 それに、さすがに劇場内に4人しかいなくて、 4人とも大笑いするわけでもないし・・・。 もうなんというか、面白い映画で他の人でもばか笑いしてくれれば まだ救われたのかもしれないけれど、 誰もがクスリともせず、この状態で映画をずっと見る苦痛というか。
ともかくはあ、一体なんだったの・・・と思ってしまった。 まあ、一応この映画、無料で見られたのだけが幸いって感じだった。 これでお金出してたらかなり泣ける。
このところ映画館で見たいなーという映画があんまりないんだよね。 「リターナー」でも見てくるかね。 なんか明るくて気分すっきり吹っ切れそうな映画ってないのかな。
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