感想メモ

2002年07月30日(火) 黄昏に生まれたから  リンダ・ハワード

加藤洋子 訳 ソニーマガジンズ (1998) 2002

STORY:
なぜだか幽霊を見たり、様々な不思議な現象が起こるようになってきてしまったスウィーニーは画家で、画廊の女オーナー、キャンベラとの取引がある。キャンベラと夫のリチャードは冷え切っていて離婚調停の真っ最中。だが、画廊で出会ったときからスウィーニーとリチャードはなぜかお互いを意識しあい、二人は愛し合うようになるが、キャンベラが何者かに殺害されて・・・。

感想:
 多分これもロマンス系の本。でも、そういう要素がなくても十分話として楽しめる。特に超常現象物なので、なかなか面白かったかな。



2002年07月17日(水) ユカリューシャ  斎藤友佳理

奇跡の復活を果たしたバレリーナ 世界文化社 2002

東京バレエ団のプリマ・バレリーナ斎藤友佳理さんの自伝。

 この本を読んで面白かったのは、実はロシアでの生活とか、ロシア人の夫コーリャとの出会いやその後の関係などだった。大怪我をしながらバレエに復帰していく様子にも、自分も大怪我とは言えないまでも、怪我をして一時期思うように踊れなかったこともあるから、ものすごく辛い気持ちなど、わかる気がしたり、励まされるような気がしたが、それよりも飾らない文章で色々な人の出会いなどが書いてあったこと、そのことのほうが面白かったし、印象に残っている。

この本の最後に
「人生の中で遭遇する出来事には良いことにも悪いことにもすべて意味がある。
そして、出会った人には、出会うべくして出会ったのだ。」
というくだりがある。自分の周りに今いる人々とも出会うべくして出会ったのだろうか・・・とちょっと思いをはせてみたりした。



2002年07月09日(火) 白い犬とワルツを  テリー・ケイ

兼武進 訳 新潮文庫 (1990) 1998 

STORY:
最愛の妻コウラを亡くした夫サムは、子供たちと孫・ひ孫たちに囲まれ、最期のときを不思議な白い犬とともに過ごす。

感想:
 何と言うか、淡々とした中にほのぼのとした、というか、しんみりしたというか、とにかく老後、老いていくということを考えさせられた本である。お涙頂戴物とは違い、読んでいて涙が出るということもなかったのだが、あとに残るものは何ともいえない感情である。

 それにしても、伴侶というものについて考えさせられる。どうも物語の回想から考えるに、サムとコウラの出会いは友達がサムのためにコウラに声をかけてくれたことであり、この2人は出会ってすぐに結婚を決めた。結婚後は子供たちにも恵まれ、仕事上でも成功している。もちろん人生の途中で色々あったとは思うし、息子を一人、交通事故で亡くしたりもしているわけだが、この最期の時、妻との思い出を回想しつつ、老いという現実を受け入れていくサムの様子は何というか本当に幸せな姿のような気がした。

 自分もこのように老後を送れるだろうか。とにもかくにも、このように最愛の伴侶に恵まれ、(先立たれはしたが)幸せな最期を送れるというのはとてもうらやましいような気がした。


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