<ギターを持った股旅>
大瀧 これからはピストルだというんで、みんな早撃ちを一生懸命練習したわけだ。
どれくらい早く抜けるかと。
細野 僕は早かったよ、負けないよ。しまうのも早かったけど。
大瀧 それは、刀を早く抜いて早く納めるという、大衆演劇のパターンの拳銃版なんだよね。
細野 出し入れにこだわるよね(笑)。刀も難しかったよな。
大瀧 わざと外してやるという由利徹さんのネタがあるけどさ。
我々はチャンバラもピストルもいけるんだよ。
「ひとつに決められない情けない世代」っていわれりゃそれまでだけど。
攻められて、刀にしようかピストルにしようか迷っているうちに、殴られたりするんだよな。
細野 そもそもピストルも刀もおもちゃだからね(笑)。
大瀧 まさにブリキ世代だから。現実にどうも役に立たないヴァーチャルな世代だよな。
だから電脳の中心でこの世代になっちゃうんじゃないの?
★僕らのアメリカ/細野晴臣×大瀧詠一★
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