宿題

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2001年06月30日(土) すべてがFになる/森博嗣
そもそも、生きていることの方が異常なんです。死んでいることが本来で、生きているというのは

そうですね・・・・・・、機械が故障しているような状態。生命なんてバグですものね。

ニキビのようなもの・・・・・・。病気なんです。生きているということは、それ自体が、病気なんです。

病気が治ったときに、生命も消えるのです。そう、例えばね、先生。眠りたいって思うでしょう?

眠ることの心地よさって不思議ですわ。何故、私たちの意識は意識を失うことを望むのでしょう?

意識がなくなることが、正常だからではないですか?

眠っているのを起されるのって不快ではありませんか?覚醒は本能的に不快なものです。

誕生だって同じこと・・・。生まれてくる赤ちゃんって、だから、みんな泣いているんですね・・・・・・。

7は孤独な数ですね・・・・・・。孤独を知っているものは泣きません。


★すべてがFになる/森博嗣★

2001年06月29日(金) 哀川翔
リクガメみたいに生きたい


★TR出演時の哀川翔の言葉★

2001年06月28日(木) キレイ/松尾スズキ
・・・・・・ごめん、ごめん。そういうんで倒れたんじゃない。やばいよ。 悲しさが足りないよ。

こんな悲しさじゃ、カスミのことをきちんと悲しめないよ。

・・・・・・もっと感じたいな。感じれない私は、もう、嫌いだよ。


★キレイ◇カスミの死に対するミサの台詞/松尾スズキ★

2001年06月27日(水) ピーナッツ/産経新聞6月24日より
チャーリー・ブラウン 

「ぼく退屈なやつだと思われるのがすごく怖いんだ・・・退屈するのもすごく怖い・・・。

 今まで一番何に退屈した?」

ルーシー        

「たった今はぬきにして?」 


★ピーナッツ/産経新聞6月24日より★     

2001年06月26日(火) 愛する/長田弘
小さなものを愛する。緑なすもの、花つけるものを愛する。

梢に射す午前の光りを愛する。古い木の椅子を愛する。

語るべきものをもちながら、何もついに語ろうとしないものを愛する。


動詞があらわすものを、名詞はあらわすことができない。

愛という名詞がきらいだ。名詞は名詞にすぎない。

愛するという動詞は、営為だ。営為は、讃えず、否定しない。

人生は不完全だ。

繰りかえし読むことのできる本。

繰りかえし聴くことのできる音楽。

一日が一日として感じられるような日。


愛すると言えるものがいくつあるか?


★愛する◇一日の終わりの詩集/長田弘★

2001年06月25日(月) 記憶の捏造/SUPER JUNKY MONKEY
言葉は霧の中深く 空に向ひて放り投げ

投げた言葉は雲を抜け 太陽に解け白と化し

歪んだ時間に浴びせかける 歪んだ時間に浴びせかける

歪んだ時間に語りかける 歪んだ時間に襲いかかれ 

「尖ッタ時間は殺シテシマエ」


光を浴びた時間は消えて 新たな種が産み落とされる

広がる枝は我身を包み 色が斑を流れ埋め

空虚の時間が真紅の海に 空虚の時間が真紅の森に

空虚の時間が真紅の空に 空虚の時間が真紅の波に

尖った記憶の「記憶の捏造」


★記憶の捏造/SUPER JUNKY MONKEY★

2001年06月24日(日) 永遠も半ばを過ぎて/中島らも
削除する何かがこの上にあるのなら削除すればいい。骨と皮だけのこの世界から。

茶を飲みすぎて骨と皮だけになったこの世界の上でおまえはもう充分にやせている。

風に吹き飛ばされそうなくらいに。

四十三になって腰痛と眼精疲労と下痢と不眠を人にあげたいくらい抱えて。

おまえがおまえを削除すればいいんだ。

ただし、おまえがおまえから削除できるのは、思い出だけだ。

乾いた、腐ることもできないくらいに乾いた、虫の屍骸みたいな思い出だけだ。

永遠に乾いて、その辺の砂の一粒と見分けのつかない、

風に吹かれて宙を舞うだけの塵のような思い出だけだ。


★永遠も半ばを過ぎて/中島らも★

2001年06月23日(土) 三人のおまわりさん/ウィリアム・ペン・デュボア
ファーブ島で、市長さんのつぎにえらいのは、三人のおまわりさんです。

三人のおまわりさんは、とてもすてきな洋服をきていて、とてもえらそうにみえます。

でも、この三人は、おまわりさんとして、つまり警官として、どれほどのやくにたつのか

たたないのか、だれもしりません。

というのも、ファーブ島の人びとは、ひとりのこらずしあわせで、

おまけにとてもいそがしいものですから、だれも、わるいことをしないのです。

ですから、三人のおまわりさんは、ひまなときは、といってもいつでもひまなんですが、

じぶんでじぶんの制服をデザインして、あたらしい制服をつくります。

ですから、三人のおまわりさんの制服は、ますますすてきなものになっていきます。

制服をつくることだけが、三人のおまわりさんにとって、ただひとつのしごとのようでした。


★三人のおまわりさん/ウィリアム・ペン・デュボア★

2001年06月22日(金) 言葉/長田弘
人をちがえるのは、ただ一つ

何をうつくしいと感じるか、だ


★言葉◇一日の終わりの詩集/長田弘★

2001年06月21日(木) 流れ星ビバップ/小沢健二
教会通りにきれいな月 火花を散らす匂いとまぼろし

も少し僕が優しいことを言や 傷つくこともなかった?

そんな風に 心はシャッフル 張りつめてくるメロディのハード・ビバップ

ただ一様の形を順々に映す 鮮やかな色のプリズム


真夏の果実をもぎとるように 僕らは何度もキスをした

やがて種を吐き出すような 固い固い心のカタマリ

流れ星静かに消える場所 僕らは思いを凝らす


長い夜に部屋でひとり ピアノを叩き 水をぐっと飲んで

あん時誰か電話をかけてくりゃ 涙だって流してた?

そんな風に 心はシャッフル 張りつめてくるメロディのハード・ビバップ

ただ激しい心をとらえる言葉を ロックンロールの中に隠した


時は流れ傷は消えてゆく それがイライラともどかしく

忘れてた誤ちが 大人になり口を開ける時

流れ星探すことにしよう もう子供じゃないならね


薫る風を切って 公園を通る 汗をかき春の土を踏む

僕たちがいた場所は 遠い遠い光の彼方に

そうしていつか全ては 優しさの中へ消えてゆくんだね


目に見える全てが優しさと はるかな君に伝えて


★流れ星ビバップ/小沢健二★

2001年06月20日(水) 日曜日/真心ブラザーズ
日曜日の夜みたいだ 楽しい時は終わり 

月曜日に雨が降ると やり切れなさがつのる 

火曜日に雨がやんで グラウンドはびしょびしょ 

水曜日の掃除当番 音楽室でさぼる 


窓のカギを開けて 校庭の空気を混ぜると 体育の授業がうらやましい
 

木曜日は中途半端 テレビもつまらない 

金曜日までかんばれば 週末は間近だよ

  
花壇を囲い込んでる 白い柵に腰をかけて 僕はあの頃 いったい何を 考えてたのか


土曜日になったら 半分休日だよ 

そしてまた日曜日 楽しい 楽しい日曜日
  
  
ときどき あの頃の気分が 生々しく体を通りぬけるよ 

今よりも ズルくて 残酷だった
 

日曜日の夜みたいだ 楽しい時は終わり 

日曜日の夜みたいだ お楽しみは過ぎたよ

日曜日の夜みたいだ 日曜日の夜みたいだ


ねえ 君 この感じだよ あの頃の 日曜日の夜 

そう 僕らの そう 僕らが過ごした あの頃の日曜日だよ


★日曜日/真心ブラザーズ★  

2001年06月19日(火) ひまわり娘/伊藤咲子
だれのために咲いたの それはあなたのためよ

白い夏の日差しをあびて こんなにひらいたの

恋の夢を求めて まわるひまわりの花

あなただけの花になりたい  それが私の願い

もしも いつか あなたが顔をみせなくなれば きっとかれてしまうのでしょう

そんな ひまわりの花


★ひまわり娘/伊藤咲子★

2001年06月18日(月) 鏡の国のアリス◇ハンプティ・ダンプティ/ルイス・キャロル
冬になり、野原が白くなるときに、わたしはあなたの喜ぶように、この歌をうたうとしよう。

春になり、木々が緑になるときに、わたしはきっと、あなたにわけを話してみせよう。

夏になり、昼間が長くなるときに、きっとあなたにこの歌がわかるだろう。

秋になり、木の葉がとびいろになるときに、ペンとインクでこの歌を書きなさい。


★鏡の国のアリス◇ハンプティ・ダンプティ/ルイス・キャロル★

2001年06月17日(日) ハチ公の最後の恋人/吉本ばなな
その時から私は言葉で説明をしないことにした。

どこまでも、どこまでも説明をしたら私の血管を流れる血のことさえわかってもらえるかもしれない

という甘えは、年よりも老けた私が淋しい私の肉体から全宇宙に発信していた

唯一の子供の心だった。


★ハチ公の最後の恋人/吉本ばなな★

2001年06月16日(土) カリオストロの城
ああ なんということだ!

その女の子は 悪い魔法使いの力を信じるのに 泥棒の力を信じようとはしなかった!!

そのまま信じてくれたなら 泥棒は空を飛ぶことだって 湖の水を飲みほすことだってできるのに。


★カリオストロの城◇ルパンの台詞★

2001年06月15日(金) ある体験/吉本ばなな
「じゃあ、今夜は貸し切りだ。」

田中くんは言って、はしごに登って高い棚からボトルを取ってきた。

そして器用な手つきで水割りを作りはじめた。

「この人、最近飲みすぎだからさ。」

水男が笑って言った。

「うんと濃く作ってやって。」

「おお、わかった。」

田中君が笑い、私も笑った。いつも思う。水男は私を信じていて、きちんと大人扱いする。

そのことが、途方もない安心を呼ぶのだ。

きっといくつになっても、人は扱われ方によって色を変えるところがあるように思える。


★ある体験◇白河夜船/吉本ばなな★

2001年06月14日(木) THE CHIME WILL RING/Flipper's Guiter
the chime will ring to bring
the rhyme that is a sting to sing
I'll gradly realize it's the end of youth
those golden words well-triedi wonder why my tongue is tied
i don't care if you call it prayer or fate

やがて鐘が鳴り

痛みのある韻詩を運んでくる

僕はよろこんで 僕らのユースの終わりを知るだろう

何度も口にだそうとした黄金の言葉

どうして僕の舌はもつれるのかと思う

それを祈りと呼んでも運命と呼んでもかまわない


★THE CHIME WILL RING/Flipper's Guiter★

2001年06月13日(水) きれいな水/YO-KING
退屈を不幸と間違えてしまわぬように

くだらないことでいつまでも笑えますように

ほどほどのことなら誰でも許せますように


きれいな水を ゴクゴク飲むのさ  汚い僕と混ざって ちょうど良くなる


★きれいな水/YO-KING (倉持陽一)★

2001年06月12日(火) ローラー・スケート・パーク/小沢健二
ありとあらゆる種類の言葉を知って 何も言えなくなるなんて

そんなバカなあやまちはしないのさ


★ローラー・スケート・パーク/小沢健二★

2001年06月11日(月) 散歩前/稲垣足穂
ある晩 散歩から帰ってきた自分は 街かどで見たある不思議な光景について考えていた

ふと壁を見るとなにかくっついている 近づいてよく見ようとしたら ドン! とうしろから突かれた

と思ったら壁の外に出ていた むこうのスレート屋根の上にお月様が昇りかけていた

自分はまだこれから散歩するところだったのに気がついた


★散歩前◇一千一秒物語/稲垣足穂★

2001年06月10日(日) 猫町/萩原朔太郎
瞬間。

万象が急に静止し、底の知れない沈黙が横たわった。何事かわからなかった。

だが次の瞬間には、何人にも想像されない、世にも奇怪な、恐ろしい異変時が現象した。

見れば町の街路に充満して、猫の大集団がうようよと歩いているのだ。

猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。

どこを見ても猫ばかりだ。 そして家々の窓口からは、髭の生えた猫の顔が、

額縁の絵のようにして、大きく浮き出して現れていた。


★猫町/萩原朔太郎★

2001年06月09日(土) この日本人に学びたい/松尾スズキ
よかったね(どした)よかったね

生んでくれとは言わないけれど 生まれたものは仕方ない

野ウサギに(ぴょん)野ウサギに 生まれていたなら死んでいる

走るの遅くて死んでいる

人に生まれてよかったね

あなたもこなたもかなたもそなたも

動物だったら死んでいる

(あ、こりゃ)

偏差値が(どした)偏差値が 高い奴ほどバカ多い国

勉強しなくてよかったね

ライオンに(がお)ライオンに 生まれていたなら死んでいる

象に踏まれて死んでいる

人に生まれてよかったね

どなたもすなたもたななもちなたも

動物だったら死んでいる

(いやっほーい!)


★動物だったら死んでいる音頭◇この日本人に学びたい/松尾スズキ★

2001年06月08日(金) 昼・夜/ホフディラン
もし全ての疑問が今すぐ解けたなら

僕はもう こんな世界に淋しくていられないだろう


★昼・夜/ホフディラン★

2001年06月07日(木) ベイビー・スター・ダスト/thee michelle gun elephant
天使はずいぶん悪魔に憧れていて 自分の羽を真っ黒に塗り潰した

どうしても角だけが生えてこないと 嘆く姿はどう見ても天使だった


★ベイビー・スター・ダスト/thee michelle gun elephant★    

2001年06月06日(水) ブレーキはずれた俺の心臓/thee michelle gun elephant
砕かれた小さな岩のかけらと 空想の音階でできている  俺の心臓バイオリン


★ブレーキはずれた俺の心臓/thee michelle gun elephant★

2001年06月05日(火) どくとるマンボウ航海記あとがきより/北 杜夫
私はこの本の中で、大切なこと、カンジンなことはすべて省略し、くだらぬこと、取るに足らぬこと、

書いても書かなくても変わりはないが書かないほうがいくらかマシなことだけを書くことにした。


★どくとるマンボウ航海記あとがきより/北 杜夫★

2001年06月04日(月) 無色の混沌/小沢健二
人は分ける。上と下。右と左。陰と陽。善と悪。とにかく分けたがる。自分自身さえも分けてしまう。

不良か優等生か。運動神経がいいか悪いか。人間嫌いか社交家か。

完全にどちらかである人なんて絶対にいなくて、僕らは混然とした存在なのに、

混然を受け入れるってのは難しいから、面倒くさがりの脳は、あるいは機能は

それ自体をあるがままに受け入れないで、白黒つけてゆく。

そうすると物事は、すごく簡単になるから。ボケとツッコミ。


光は全ての色を含んで未分化。無色の混沌。それはそれのみとして、分けられずにあるもの。

切り分けられていない、混然とした、美しく大きな力。それが人の心の中にある。

僕らの体はかつて星の一部だったと言う。

それが結合して、体が在って、その心が通じ合ったりするのは、あまりにも驚異的で、

奇跡で、美しい。


★無色の混沌/オリーブ連載「ドゥーワチャライク!」より◇小沢健二★

2001年06月03日(日) ケプラー/世界の調和
速く回転する天体ほど高い音を発し、その結果、天球全体が一つの音楽を奏ででいる。


★ケプラー/世界の調和★

2001年06月02日(土) ぶらんこ乗り/いしいしんじ
よるのみなとで、やせたちゅうねんおとこがくちをひらきます。

「きみにプレゼントがあるんだ」

「んまあ!」

おんなのひとがすっときょうなこえをあげてふりむく。

スカーフのはしをくちにくわえてて、へんなかっこうだけど、すごくきれいなひとです。

「いったいなんでしょうね!」

やせたおとこはポケットにいれたてをそっとだします。

おんなのひとのてのひらをとり、やさしくにぎらせます。

おんなのひとのめは、みるみるうちにうるんでいく。

うれしそうにくちびるをかんで、やっとのおもいでいいます。

「あなた、なんてすてきなこばこ!」

はこをめのまえにかかげながら、おんなのひとはくるくるまわる。

「こんなすばらしいはこ、わたし、みたことありませんわ!あなた、もうなんていっていいのやら!

まったくなんてこばこなの!」

「きみ、あのう」

くるくるまわりつづけるかのじょをみながら、やせたおとこはくちごもっていいます。

「ほんのちょっとでいいから、はこのなかみもみてほしいんだけどな」


★ぶらんこ乗り/いしいしんじ★

2001年06月01日(金) ぶらんこ乗り/いしいしんじ
ぼくは、おねえちゃんがよんで、わらうのがすきなんだ。

このよでいちばんすきなこえさ。だからまちがってたなんてことはない。

そりゃぼくはひとりで、まっくらなきのうえにすわっていて、

ものすごくこわい、しぬほどさびしい、ってときがある。

そんなときさ、どうぶつがくる。ぼくはあっちがわにぐいといきよせられる。

でもね、かくんだよ。ぼくはかくの、あしをふんばって。おねえちゃんのわらいごえをきくためにね。

おねえちゃんのこえはこっちがわにある。

ぼくは、どうぶつのこえと、おねえちゃんのわらいごえ、

あっちがわへこっちがわへとゆれているぶらんこみたいなものなんだ。

 
★ぶらんこ乗り/いしいしんじ★

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