○プラシーヴォ○
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ハム男に電話がかかってきた
もしもし? 今日は、いかないよ え?どうしても! いかないったらいかないの!!!
ハム男の所属する 社会人サッカーチームの部長からの電話だった
今日は、何かの公式試合らしい
えらく変わったなあ
去年かおととしの クリスマスには とめる私を振り切って、サッカーの試合に出かけたのに
えらく、優しくなったもんだ
お昼に神戸へ行って、南京町で 屋台のラーメンを食べる
「注文、お決まりですか?」
ガムをくちゃくちゃかみながら 中国人の女の子がメニューをダルそうに見せる
私もハム男もチャーシュー麺を選ぶ
すんごく美味しくないラーメンが手元に来た
二度とここでは買わない
肉マンを食べて、センター街の喫茶店へ移動する
がちゃ子、どこに行きたい? プレゼント、何か買うよ
驚いた
伊勢に旅行に行った時点で お互いお金を使ってしまったから プレゼントは無しだと思ったから
お金ないから、 私は買えないよって 釘をさしておいたから
大丸に行って 指輪を買ってもらう
うっとりする
ルミナリエを見て ハム男の家の近くでうどんを食べる
クリスマスっぽくないけど 私の左手には ぴかぴかと指輪が光ってる
嬉しくて嬉しくて 飛んでいきそう
ハム男と 一泊二日伊勢海老ツアーに出かけた
伊勢の『季しづく』というホテルに泊まる
まず、部屋のトイレが汚れっぱなしなことに衝撃を受ける 水が茶色くにごっていて 便座にも飛沫が飛んで汚れている
貸しきり露天風呂が2つあって どちらがいいですか?
と聞かれたので
どう違うんですか?
と聞くと
○か■かの違いです といわれたので
どっちでもよかったので ■のお風呂にした
しかし、 入ってから気がついたのだが ○の形のお風呂の方からしか 海に沈む夕日が見えないのだ (壁の開いている方向の関係で)
これって、重要じゃない???
料理も少し物足りなかったし (デラックスプランにしなかった私たちが悪いんやけど)
料理を食べた部屋は狭くて 12人がギュウギュウに押し詰められて 食べにくかったし
仲居さんが料理を運びやすいように フスマが開けっ放しで 寒くて死にそうだったし
オーナーらしきおじさんは 無愛想だったし
なんだか悲しくなった旅行だった
予約をした当のハム男も
「がちゃ子にもっと大きいエビを食べさせてやりたかったなあ…
あんなんちゃうねん 俺の思ってた料理は」
でも私は
「私、伊勢エビ食べたの初めてだから 嬉しかったよ
量は少なかったけど、おいしかったよ」
ハム男は最後の最後まで 納得してなかったみたいだけど
だけど、 私にしてみれば
面倒くさがりなハム男が じゃらんを買って一生懸命宿を探してくれた時点で 100点なので 別にいい
13、14日とたまたま連休がとれたので ハム男と蟹を食べに行くつもりだった
だけど、予約をとるのが遅すぎて 日本海側の旅館はことごとく全滅だった
どうしようかと 落ち込んでいると 夜中にハム男から電話がかかってきた
今日はサッカーチームで忘年会をしていたはず
「今帰りやね〜ん あのな、がちゃ子、旅行やけど 鳥羽にしようか」
鳥羽??
「がちゃ子と、行ったことないもんな 蟹はあかんかもしれへんけど 伊勢エビがあるで〜
ほんで、帰りはパルケエスパーニャやな!」
遊園地ダイキライハム男だから それは嘘だと思うけど
でも、嬉しい!
「泊まるとことか、俺が全部決めるから!」
これに驚いた
いつも、食事をする場所や 遊ぶ場所をちっとも自分で決めないハム男だから
少し嬉しい
4年前に辞めた会社の同僚から 鍋パーティーに誘われた
久しぶりに見る顔はどれも変わっていなくて 安心
久しぶりに好きな人が出来た (しかも、未婚者) と嬉しそうな子
2月に結婚すると幸せそうな子
もう4年もたつのに 会社の人が時々私のことを言ってくれているという幸せ (似ている人がオーディションに来たとか ダジャレが苦手で、いつも固まってたとか)
そして、帰りが遅くなって ハム男に電話しても 迎えにくるのをあっさり拒否された悲しさ
私は ハム男とどうしたいんだろう
私が決めれる
続けるのも 別れるのも
今なら私が決めれるんだ
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