○プラシーヴォ○
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2002年10月26日(土) マッカなウソ

小さくて

毛深くて

話し方がいかにもオタクっぽい
男の人がお店に来た


彼女連れで


「あ〜、ああいう人でも
 ちゃんと彼女がいるんだ〜
 …何やってんだよ、俺は」

忍君は現在彼女ナシ


「でも、忍君は彼女欲しくないんでしょ?」


「え…俺、そんな事言った??」


「ううん、そんな気がしただけ…」


「ああ…俺、思ってる事があんまり
 顔にでないからなあ
 でもね、こう、両手をがばっと広げて
 女の人をとっつかまえて行きたいくらいの
 気持ちはあるよ」


また胸がうずく


「がちゃ子さんは?
 彼氏とは長いの?」


「ううん、最近別れたばっかりなの」


ウソ
ウソです


でも

後悔してない



ハム男と会えない一週間より

忍君と会えない2日間の方が辛い




会いたいのは


忍君


2002年10月24日(木) 別の心

同じ店に働いている忍君が愛しくてたまらない


店での唯一の男性だからか?


姫路の時もそう思ってた
きっと、すぐ冷める思いだ


忍君の笑顔が見たくて
私は吸い付くように
側によってしまう


本当にすくすくとしてて
のびのびとしてる

一緒にいると
救われる



電話で

具合が悪いと

相変わらずうめくハム男の声を聞いて
我に帰る



ああ

そうだ

私はこの人の彼女だったんだ



分かってるけど


わかってはいるんだけど


2002年10月22日(火) とりあえず普通

家に帰るとハム男から着信


慌てて電話を取る


私の店の状況を聞き、
もうすぐつぶれるんじゃないかと
心配するハム男


話しながら、鼻をかむ


「…何?今の音!」

「あ、ごめん、鼻かんだの」

「うそ!だって、
 バヒーンって、ものすごい音したよ!」

「悪かったわね…」

「本当に鼻?
 俺今、がちゃ子がバイクではねられたのかと思ったよ」


しつこーーーい!



でも笑った

久しぶりに
こんだけ笑ったね


ハム男、楽しいね


2002年10月20日(日) どっちもどっち?

『今日も、ハム男の家に帰っていい?』

サッカーにでかけたハム男にメールをするが、
返事が無い


18時ころ、意を決して電話をかけると

「おう、どこにおるの?」

居場所を言うと

「…えらいまた遠いとこに遊びに行ってんねんな
 早く帰っておいで
 雨で、サッカーのナイターがお流れになってん
 俺も、今帰ってる最中やから」


早く、帰っておいで


この響きが嬉しくて

私は尻尾をぶんぶんふって
走って電車に飛び乗った


嬉しくて嬉しくて

久しぶりに私も緊張が解けていた


最近、妙にハム男が怖くて
知らず知らずのうちに
態度が硬化していたんだと思う


普通に話して
笑って
ご飯を食べた



やっぱり、ハム男は酔っ払って先に寝てしまった


私も慌ててお風呂に入って
ベッドに潜り込む



寝返りを打つたびに
うめくハム男


サッカーで両膝を打撲して
すごく辛そう


何ヶ月かぶりに
私はハム男にキスをした


うめくハム男の頭を
そうっと撫でる


撫でて、撫でて

問いかける

「寝にくい?
 端っこによろうか?」


ハム男は若干、顔を私と反対側に向けたまま
返事をした


「…がちゃ子は俺を
 寝かせたくないんか?」


苛立ちを隠そうともしないハム男


ああ、
ああ、
ごめんなさい


油断してました
ごめんなさい

もう触らない
もう話しかけない


だから
怒らないで

ゆっくり寝て


胸に急激に上がってくる
泣きたい塊をグッと押さえて

ハム男をまたいで
ベッドを出る


何事かと
私の様子を伺っているハム男


とりあえず、
ハム男を安心させるために

音量を最小限に絞って
テレビをつける



どこかの世界遺産の映像を
ぼうっと眺める


しばらくして
振り返ると

右腕を目の上にあてて
光を遮りながら
ハム男が寝ている



テレビを消して
ソファーの上の荷物をどけて
頭を乗せる


体の下から
フローリングの感触が伝わる


早く、早く寝てしまおう


こんな悲しい現実は
もういりません



背中から
ハム男の声


「がちゃ子…風邪ひくぞ
 そんなところで寝れるわけないやろ
 早くこっちこい」


相変わらず不機嫌そうな声


同じことを三回ほど繰り返したとき

いいかげん殴られそうな気がしたので
私はしぶしぶベッドに戻った


「何を怒ってんねん…?」


オコッテナイヨ
首を横に振る


「最近、エッチしてないからか?」

また首を横に振って…しまった
うなずけばよかった


ハム男、気づいてたの?

だったら
キスくらい
してくれればいいのに


そこから
スコンと眠りについた


朝、出勤するハム男

まだベッドでうとうとしてる私


いつもササッと私の頭を撫でてから
行くのだけれど


今日は、しゃがみこんで
私の顔を覗きながら頭を撫でていた


「がちゃ子…雨が降ってるからね
 じゃ、行ってくるよ」


「…行ってらっしゃい」


雨が降ってるからなんなの?

気をつけて帰れってこと?



ほんの少しの優しさにすがって
9割方をしめる嫌いなところを
帳消しにしてしまうなんて


ドメスティックバイオレンス?


一度、喧嘩をしなくちゃ
いけないね


2002年10月17日(木) ボンクラども

スタッフルームで、
マッサージのメニュー表を修正していると
(別に誰にも頼まれていない
 見にくいので自分で勝手に作ってるだけ)


アヤちゃんがこっそりと入ってきた

手には、11月のシフト表


皆がそれぞれ休みたい日や
希望のシフトを書き込んでいる隙間だらけの
シフト表


「あのね…がちゃ子ちゃん
 これ…ケイちゃん(店長)とマユミさん(受付)
 が言ってたの聞いちゃったんだけど…
 がちゃ子ちゃんが土日に集中して休みをとってるのを
 怒ってるみたいなの
 
 忙しい時に休むのが、気にいらないみたい

 だから、あまりにも多く土日に休みをとる人は
 平日にも休んでもらうことにするって…」


そうやって、人の時給を減らしていくわけやね

はあ、とため息をつくのを飲み込んで
喉の上から優しい声を出す


「あ、そうなんや〜
 ケイちゃんがね、土日はスタッフが多すぎるから
 こんど、休んでねって言われて
 私、19日に休まされたから
 だから、休んだほうがいいのかと思って…
  
 でも、手の平を返したように
 休んでほしくないというのなら
 私はかまわないよ
 土日に、出勤するのは全然平気なの」


にっこり笑うと
アヤちゃんは
ほうっと息をついた


「オーナーに注意してもらう!!って
 ケイちゃんが息まいてたから
 心配になって…
 でも、がちゃ子ちゃんに理由があるのなら
 大丈夫だね
 よかった」


本当にこの店の上層部は狂ってる

その都度自分の言うとおりにならないと
気にいらないのだ


大体、オープン二ヶ月後にしてやっと

「就業規則を作る!」

ってオーナー…遅いよ


ルールが無いから
私達は勝手に休んだり出たり
文句を言ったり譲ったり…

いらない気をつかわなくちゃいけないんだよ


早く、ルール作ってくれよ


2002年10月15日(火) 糸の先

ハム男が出勤した後

ふと思った


私の荷物をかたづけよう



鏡の前にいつも散らかし放題の化粧品を
ひとつの袋にまとめて
ハム男の押入れの奥に押し込む


メイク落としやリムーバーを
いつも置いてある棚の
もうひとつ下の段の奥に隠す




パッと見ると

ハム男に愛想をつかして
出て行ったがちゃ子の図




だけどね


ちっとも電話がかかってこない

別に

あせってないみたいだね



私が一人で駆け引きしているつもりで
実は紐はあなたに繋がっていない


私が一人で
切れた糸を持って一喜一憂している


ハム男

寂しい





2002年10月14日(月) ワタシノタチバ

ハム男が職場に迎えに来てくれた


車に乗り込む

言葉少なな私達


「ムカエニコイッテ メイレイシナイデ」


ハム男の言葉で
怯えっぱなしの私

車に乗ると無口になってしまう


そうっとハム男の膝に手を置いても
それを握り返すでもなく
ハンドルを握りっぱなしのハム男

しかたなく
手をひっこめる


家について、
テレビを見る

完全に私に背を向けて
テレビに見入るハム男


「ねえ、今日会ってから
 一度も手を繋いでなくて
 一度もキスしてないよ」


心の中で呟く


フラリとハム男がベッドによじ登る


まただ


また焼酎にやられて
ハム男は先に寝てしまった


お風呂に入って
そろりとハム男の横に滑り込む



ハム男と出会って
私の特技がひとつ増えた


それは

完全に声を出さずに泣けること


ハム男と鼻を突き合わせながら
ハム男に気づかれずに泣けること


これでもう、
一ヶ月、セックスしてないよ

今日、一度もキスしてないよ



私は、


なにですか?


朝、いつも私はモゾモゾと起きだして
ハム男にいってらっしゃいを言う


だけど

今日はとても
言える気分では

なかった


2002年10月12日(土) 最初からそうすりゃいいのに

私はいつもハム男の左隣で寝る


私の左は壁


私はハム男と壁に挟まれる形になる


ハム男は普段
右を向いて寝るらしくて

最初はがんばって上を向いたり
私の方を向いたりしてくれてるんだけど

ぐっすり寝てしまう夜中には

私に背を向けてしまう


私が左にいけばいいんだけど
私はいつも家では布団で
確実に寝ぼけてベッドから転落してしまいそうだから
寂しいけれど右にいる


朝、私はいつもお腹がすいて
目が覚める


ヨーグルトと
カフェラテを食し、一息つく


そして、ベッドの右端で
丸まっているハム男を押しのけ、
無理やりハム男の右に納まる


そうすると、自然とハム男は
私を腕枕して
抱きしめる


ホッペにチュウをすると

ウフ、とハム男は口だけで笑って
また眠りにつく


幸せでしかたがない瞬間


最近無いなあ


2002年10月09日(水) また負けた

ハム男からの着信

震える携帯
小窓に見え隠れするハム男の顔


取ってしまった…


「温泉でにも行きたいね」

と何気なく言うと

「おお、俺な、新しいところ結構見つけたで
 京都の方とか、いろいろな」


へえ、すごいねえ


「社員旅行…もうすぐだよね?」


「おう、お土産は油取り紙がいいんやろ?」

「それは去年の金沢の時です」


他愛の無い会話

とりあえずスタートラインに私は戻った


2002年10月08日(火) シミュレーション

ハム男、もうちょっとお金の使い方
考えなあかんで?


毎日毎日いくら安いからって
養老の瀧行ってさあ、
2000円前後使ってりゃ
そら金欠にもなるわさ

私の誕生日プレゼントもまだもらってへんで?


え?
違うよ、そんな無理に買って欲しいとは言ってへんやろ


例えば、一年間かけて私のプレゼントのために
ちょっとずつ貯金するとか
飲むのをちょっと我慢するとかさ…

高速代も払えないような
貧乏な人に無理やり
何か買ってとは言えないやんか

計画性が無さすぎるやん?

ハム男、私のために
何か我慢してくれたことある?


行きたい時にサッカー行って
エッチしたいときにエッチして
見たいテレビ見て
行きたいとこ行って
行きたくないとこは行かなくて


楽しいやろ?

ハム男は楽しいやろ?


私も楽しんでると思ってる?


夜、あんたが寝てから
あんたの鼻先で
私が死ぬほど泣いてるの知ってる?


デートしてるとき、
さりげなく繋いでる手をほどかれて
そのたびに体が凍りつくほど
悲しい思いをしてるの知ってる?


誕生日にプレゼントをもらって
デートには手を繋いで
電車の中では私をかばうように立って
毎日電話をしてくれて
エッチはちゃんと私のことを考えてしてくれて
好きだと口で言ってくれて
酔っ払ってさまよってる私を迎えに来てくれて


これって、
ダサイオンナの考えること?

ひとつでもかなえて欲しいと思うのは
自立していないオンナ?


私がまずハム男を死ぬほど幸せにしてあげなくちゃ
いけない?


ねえ、少し距離をおこうか?


2002年10月07日(月) やばい?

ハム男に電話をかけると
しばらく呼び出し音が鳴って
一度つながって切れた


電源を切った


初めてだ

初めて私の電話を切った


最近、毎晩着信がある
『しのぶ』さんと話をしてるの?


そして、折り返しの電話はなかった


普通でいいのに
普通に恋人っぽくしてくれればいいのに


それもだめなの?



今日からしばらく
ハム男の電話に出ないことにした


少しは心配してくれるかな


2002年10月06日(日) 見て見ないフリ

10月で唯一、私が日曜日に休める日…なのに

なぜか私達は太秦映画村に来ていた


人少ね〜!

そしてなぜか
コスプレイヤー達が山のように…


うぜえ!


なんとなく気持ちがはずまないまま帰宅


昼ごはんが遅かったので
少したってから
夕食を食べに出ようということに


しかし、先走ってチュウハイを
作って2杯飲んでしまったハム男


さ、出かけようか

と立ち上がると


ハム男が抱きついてきた



外は雨

傘はひとつ



「ちょ…歩きにくいんで離れてくれる?」

「やだ、やだ!
 俺を置いて傘を持って一人で走っていっちゃうんやろ!」


キャラ変わってるよ!

腰に手を回されるのなんて
何年ぶりだよ!


帰りも、私にしっかと抱きついていた


い…いよいよ2週間ぶりのエッチか??


家に帰り、私の横でテレビを見ているハム男をそっと見る







白目むいてる…




「ハム男!ハム男!」


「あ…がぴゃご…
 天井がめ…回ってるりょ…」


マンガかよ!
なんだよそのセリフ!


ため息をなんとか飲み込んで
ハム男のおでこにチュウ


「ベッドでちゃんと寝な」


ハム男がアメーバのように
ベッドへ上る


少しして、私も隣に寝転ぶ


私に気づいて
ハム男がしがみついてくる


私じゃなくてもいいよね?

もう私って、性的魅力無い?

これって、恋人?



また涙


私はハム男と会うたびに
泣いている


もう、しんどいなあ


例えばさっき、
ビールを取ってきてくれたとき
ついでにプルトップも開けてくれたこととか

昨日、ビールを飲んでいる私を尻目に
さっさと鍋の後始末をしてくれたこととか

私の好きな鍋の具は
お花の形をしたうずらの卵入りのかまぼこだということを
覚えていてくれたこととか



そんなささやかな喜びを
しっかと掴み取って
心に押し付けていないと

ハム男を好きだということを
忘れそうになる


辛くて辛くて
辛すぎる


2002年10月05日(土) おいちい

仕事が早く終わり、ハム男に迎えに来てもらった


車の中で

「スーパーで買い物をして
 鍋、しようか」

とハム男


わーいわーい


カニはまだ旬じゃないし
魚は嫌いだし

これといってメインのない鍋になってしまったけど


「これ…がちゃ子と出会って
 こんなにおいしく食事ができたの
 初めてかも」


は…はあ??

「ずっとずっと調子悪かったからなあ
 今日はすっごいおいしくご飯が食べれてる」


まあ、よしとしようか
本当にハム男が珍しく
もりもり食べている


食べ終わって、
先にベッドに入る


ハム男はいつものとおり、テレビを見ている


ねえ、知ってました?


18時30分に出会ってから
現在0時30分


私達、チュウもしてないよ


さみしいね

私だけ?


ご飯食べて
平行に寝て

交わらないね、私達



付き合ってる意味がないね


2002年10月04日(金) 中学か高校か

店の台所で洗い物

目の前の壁に
2センチほどのスリムなゴキブリータ登場


洗っていたカップを放り投げて
外に出る

と、忍君(新人でアメフト部所属)
がすぐソバにいた


腕をむんずとつかんで
台所へ引きずり込む


「ゴッ…ゴッ…ゴキ…」


私達の目の前で
ガス給湯器の裏へ走り去るゴキリータ


「あれ、いなくなったな」

忍君が給湯器の裏を覗き込む

「だめだな、真っ暗で、見えない」


はっと、我に返る

まるで女子高生のように
はしゃいでしまった自分

いかんいかん
私は男 私は男
冷静にならねば


「あ…逃げちゃったね…
 ごめんね、引き止めて…」


忍君を解放してあげようとしたのだけれど


「いや、ちゃんとしとめるよ」


と、洗い場の上に乗って、
給湯器の裏を覗き込む


私が手渡したゴキ抹殺スプレーを
忍君が乱射する


「あ〜、出てきた出てきた」


給湯器の上にフラフラと出てきたらしい


ティッシュでつまんで
おびえる私の目の前で
わざと大げさに

ん〜と

握りつぶしてくれた


ハム男だったらきっと、
ゴキが見えなくなった時点で

「もう大丈夫だろ」


と私を見捨てたに違いない


ここまできっちりと
面倒を見てくれる男の子に
クラリとする

私、おばさん?
飢えすぎ?


でも、純粋に嬉しかった


2002年10月03日(木) どつきたい 一発でいい

8月にオープンして以来、
初めての
『ミーティング』


オーナーの接骨院に集合して
昼休みの間に行う


「えっと…最初の契約と違ってきちゃったんやけど
 思ったより売り上げが伸びなかったので
 時給850円でしばらくいきたいと思う
 これ以上はだせない」

これが気に入らないなら
辞めてくれ


またかよ、とうんざりする


どこのマッサージ屋に行っても
こんな話ばっかりだ


怒鳴りたい衝動をぐっとこらえて
死に物狂いで笑顔をつくる


「…でもね、オーナー
 接骨院がお忙しいのも分かりますけれど
 営業活動も何もせずに
 お客がこないな〜
 困ったな〜なんて
 言ってるようじゃ、こっちも納得できないんですよ
 とりあえず、死に物狂いで営業活動をしてください」



そうやなあ、
考えるわ、とオーナーは呟いた



ほんまにわかっとんのかい?
このボンクラ!


と、またもや言葉を飲み込み、


「はい、お願いしますね」


とにっこりする


オーナーは、自分が5年前に始めた接骨院が
開業と同時に満員御礼で
経営に困らなかったもんだから

今回のマッサージ店オープンにあたっても
同じ気持ちでいたらしい


あまい
あまい
あまい
あますぎる〜!!!



結婚もしていない38歳、

本当に子供のように

「さっきのお客さん、デブやなあ」

なんてくだらないことを言ったりする



お前、やる気あんのか?


ピリピリしてるのは私だけ?




ちくしょう


この怒りを
どこにぶつける?


ハム男に会いたい


チュウしてほしい


2002年10月02日(水) ううううう

連絡とらない


なんて

決心してたのに

ハム男からの電話をあっさりと取ってしまった



「がちゃ子?」

含むような
優しい優しい声

私がすねた後は

ハム男はいつもこんな優しい声を出す



以前から体調が優れないといっていたけれど
それがいよいよ
限界に来たらしい


「今37度熱が出て…吐き気がおさまらないよ
 もう、だめ
 病院、いってくるね」


さっさと行けって前から言ってるやん!


がちゃ子 |偽写bbs

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