○プラシーヴォ○
目次←どうして?それから?→


2002年08月28日(水) あなた、いったい誰?

『この前は楽しかったよ〜
 また会ってね!』


自分の彼氏の携帯に
こんなメールが入っていたら
どうしますか?


これは私でなくて
私の友達の話


彼氏のことが好きで好きで好きで

「結婚して〜、毎日会いたい〜」

と彼氏におねだりしては、
ちょっとクールな彼氏に

どうどう

と落ち着け落ち着けと
いさめられている友人


そんな友達がふと彼氏の携帯のメールを
見てしまい

上記のようなメールを発見してしまった


一人で一気にパニックになった友達は
彼氏と別れようと決意した


急に別れ話をだされた彼氏は
あせって

「結婚しよう、不安なら」

だってさ


どうやらそのメールは
友達に誘われていった
お見合いパーティーで会った女性らしい


その場で会ったきりだし
メールの返事も打ってないし…


と彼氏は一生懸命言い訳してたらしいけど

でも、
メールを覗き見したことを怒らずに
プロポーズしてくれるなんて
優しい(?)彼氏よね〜



人事のように聞いていたんだけど


なんとハム男のメールにも入っていた


『お〜っす!ナナ坊にオンナを紹介してくれって
 頼んだら、ショートカットのかわいい子を
 連れてくるって言ってくれたぞ〜!
 ハム男の分も紹介してくれって
 頼んでおいたからな〜』


は?


ナナ坊って誰?

いや、それはいいんだけどさ

このメールを盗み見た瞬間、

ああ、ハム男は友達に
私の悪口を言ってるんだな〜
って
思った


だって、ラブラブのノロケ話をしてる人に
オンナを紹介したりしないでしょう


「もう俺んとこ、ダメかもしんない」

なんて
ホロリと言うからこそ
友達が世話してくれるんでしょう


急いで他のメールを見る
機種が違うから
よく分からず、あせる


『おはようございまぁす!
 この間はありがとうございました
 今、病院に行ってきました
 おかげ様で大分良くなりました』


名前は分からない
ハム男が登録していないらしく
電話番号がアドレスの所に載っている


でも、オンナ…だよね


次のメール

『今ビデオ屋さんにいま〜す
 おすすめがあったら
 教えてくださ〜い』


オンナだよね???!!!



一気に血が上がったり下がったりする


どうしよう


怖い


寝る前に、ハム男に言った


「私を捨てたくなったら
 なるべく早めに言ってね」


そんなこというなよ
捨てるわけないやん


いつもならそう言ってくれるはず


「うん、分かった」


納得しやがったよ

いい返事しやがったよ


ばかばかばかばか〜


私、

近々捨てられるの?


2002年08月25日(日) 何だろうねこの空気

私今日、早番だから
ご飯でも食べよう


そう誘うとハム男はあっさりと
承諾した


20時に、私の家の前にハム男が
迎えに来てくれる


「さて、どこ行こうか
 がちゃ子の家のそばって
 何があったかなあ」


ああ

私の家のそばで食べるんだ

このまま

ハム男の家に連れてってはくれないんだ



すっかりお泊りセットを入れた鞄


恥ずかしい

絶対に見つからないようにしよう


車を走らせてすぐ、
ハム男がまた口を開いた


「がちゃ子、明日は何時から仕事?」


なるべくさりげなく響くように
最大限気をつかって私は答えた


「ん?14時からだよ。
 遅番なんだ」


あ、じゃあ
俺の家に来る?

泊まっていく?



うん



よかった、肩の力が抜ける


でも私は心のそこでは
ハム男を許していなくて

決して自分からハム男に触れようとしなかった


車に乗ると、
いつもすぐさま
ハム男の膝の上に手を滑らせるのだけれど


今日は、両手で自分の膝の上のハンカチを
握りしめたままだった



ハム男の家につき
テレビでやっていた映画を見る


ハム男の肩を少し齧る


「痛いよ」


少し笑って

けれどこちらを見もせずに
ハム男は言った


元元元彼なら


すぐに抱きしめてくれるはずなのに


2002年08月20日(火) カラダカラダカラダ

元元元彼と飲んだ。

9年前につきあっていた人。

今もまだ私のことを好きでいてくれる

奇特な人。



飲んで飲んで

居酒屋の階段から転げ落ちた。



私を引っ張って警察で手当てをしてもらおうとする彼。


やめて〜!!恥ずかしい!!


なんとか必死にくいとめて

カラオケ屋に流れ込む。



彼はカラオケ屋の受付で絆創膏をもらっていた。


そうっと血まみれの膝に貼ってくれる。


次の瞬間、キスされていた。



そしてまだ一曲も歌ってないのに

カラオケ屋を飛び出て

(まだ十分くらいしかたってなかったから

 受付の人が電卓で計算してた)


タクシーに乗って

ホテルへ。



7年ほど前に

体を重ねようとしたときは

鼻息が荒いのが気持ち悪くて

私が処女だったのもあって


結局、達成できなかったんだけど



今回は

とても

レベルアップしていて


私も何故か彼を愛しく思えて


優しく優しく私を撫でてくれて

(愛撫という意味が分かった気がする)


涙が出そうだった



本当に気持ちがよくて


何度もきつく抱きしめられると

ハム男がかすんでいく



印象的だったのは

朝の6時半に外にでると

いい天気で


風がすごく涼しくて


あー、気持ちいいねー


って、笑えたこと


2002年08月19日(月) なにもなかったかのような

明日、飲みに行く友達をとっつかまえた


明後日も、飲みに行く


しばらく、ハム男のことを考えなくても
よさそうだ


なんとか

やっていけるかな?

と思った矢先



ハム男から電話がかかった



私、死んでないよ


新聞にも載ってないのに


「もしもし〜、がちゃ子?」



延々と他愛の無い話


何事もなかったかのように



おやすみ


だなんて




ハム男の能天気さに

時々救われる


2002年08月18日(日) わたしはあなたがすきなんだけど

結局、今日芝居を見終わった後
迎えに来てくれるかどうか分からなかったので

電話した


「ハム男?
 あのね、今日21時ころ終わるんだ〜
 あのねあのね、場所は…」


「がちゃ子、
 これからもう、
 迎えに行かせるのはやめて」


「あ?あ?
 う、うん!ごめ…ん」


冷えた冷えた
ほんとうに
私を嫌そうな
ハム男の





そこから

どちらも言葉が出なかった


30秒ほどの沈黙の後

たまらず私が電話を切った



その後みたお芝居なんて

ほとんど頭に入らなくて


テレビのボリュームを絞るように
役者の声が遠くなっていく

お芝居が終わった後、

イチかバチかで
ハム男に電話


「ハム男?
 今から行っていい?
 電車で行くからさ」


ニコニコの声でさりげなく
ハム男に問う


「いいけど…
 俺もう、寝るんだ
 明日から仕事だからだ
 がちゃ子分かってんの?
 俺、明日から仕事なんだぜ」

だから迎えにいけないし
明日仕事場に送ることもできないんだぜ


これには私も腹がたった

思わず語気が荒くなる

「…分かってるよ!」

「…ならいいけど…」



結局、行かなかった


今晩、ハム男の背中にすがって寝れば

なんとか仲直りできると思ったのに

そのチャンスすら

もらえなかった



足が震える



ホームに飛び降りて

新聞に載ったら


ハム男は


心配してくれる?


2002年08月17日(土) ぞぞぞぞぞぞ

仕事中にこっそりハム男に電話


「今日ね、22時に終わりなんだ
 明日はね、お芝居を見に行くんだ」


「そっか〜、迎えに行ってやろうか?」


「ええ??いいの?
 じゃあどこで待ってればいい?」


「…おいおい、今日はもう酒を飲んじゃったから
 だめだよ
 明日、芝居が終わった後迎えにいってやる」



「あー、…じゃあいいよ、じゃあね」


これは私が悪かったと思う


今晩迎えに来てくれなかったからといって

ぶっちりと電話を切った私が


100パーセント悪い



だから明日、

あんな寒々しい言葉をハム男が言ったとしても

ハム男は悪くない


2002年08月16日(金) 拾ってください

友達にメールしてもことごとく


「田舎に帰るの

 また誘って」


明日会う予定だった

ヒライさんから電話


「彼女が急に会いたいと言ってきた
 
 また、電話する」


私に会いたいと言っていた

短大時代の友人のMくんからは

返事がない




私は

ひとりぼっち



ハム男と

ヒライさんに


ワン切りをした


そして


電話が

かかってきたら


「あれ〜

 今の職場の子達のアドレスを整理してたら

 電話がかかっちゃったんだ〜

 かけるつもりはなかったのに〜

 ごめんね〜」


って

すかすつもりだった


でも


今だにかかってこない


しゃっくりがとまらない


たぶん



「みじめなオンナ」

世界一







誰か






ギュッと








して


2002年08月15日(木) 怒ってないだす

明日、の夜

行って、いい?



「いいけど…あさっての朝、

 早い出勤だったら、送って行ってあげれないよ」



ドウシテ


「だって、早く起きたくないやん」



喉がつまる


言葉が出ない




「怒ったの?」



ガチャコ ガ オコル ト ツカレル



「怒って…無い!」



そうだよね

あさはやくなんて

めんどくさいよね

あははっははは






すばやく電話を切る



悔しくて


涙が出る





ハム男は盆休みで

何もしてないのに

私を送るのが


面倒くさい?






「どうせ

 寝てるだけのくせに


 ケチケチウンコマン」




これは本音


これに

腹が立って



文句があるなら



私はもう


ハム男と


一緒に




いることが



できないよ


2002年08月14日(水) 血がとまりません

お店の定休日の水曜日。


ハム男は盆休み。


二人揃って丸々一日休みだなんて

いったい何週間ぶりだろう!


嬉しくて嬉しくて

寝る前にハム男にいっぱい提案をした



「城崎温泉行く?有馬温泉行く?

 フルーツフラワーパーク行く?
 
 あ〜、どうしよう!」



眠いから明日決めようね、と言って

眠りについた。


起きると、ハム男が突然言った


「映画にしようか」


とりあえず、いつも行く映画館に行ってみた。

そこは、ショッピングビルに入っている映画館で

7つほどスクリーンがあり、

場所が不便なのでいつでもすいているのだ。



行くと、絶対に見たくない

つまらなそうな映画ばかりだった。

(夏休みということもあってか、
 
 子供向けの映画が8割をしめていた)


その時点でもう15時で、

今から行き先を変えて遊びに行くには

中途半端な時間だった。


とりあえず駐車場に戻って車に乗る。


ねえ、大阪に行こうか。

「人が多いところは嫌」

ねえ、有馬温泉に行こうか。

「もう遅くなっちゃうよ」

ねえ、神戸に行こうよ。

「もう、じゃまくせえよ」

じゃあ…帰ろう。


そこで、私の不機嫌な声に気づき、

ハム男が私の顔を見て笑った。


何がおかしいの?


何週間ぶりの丸一日の休みに

私達は何をやっているの?


ねえねえ、道を歩いてるカップルは

あんなに楽しそうだよ


涙が出てきそうで

窓の外を見た


もう嫌だ


しばらく走って、ハム男が言った



「アポロシアターに行くか?阿倍野の。
 
 がちゃ子、行ったことないだろう?」


「別にもういいけど」


「…なんでそういう言い方をするんだよ」


ハム男の怒った声

血が引いていく


「がちゃ子はどうして、そうやってすぐ怒って
 
 すぐ拗ねるんだ?

 もう…疲れるよ」


ふう〜っと、

私は静かに長く息を吐いた


知らず知らずのうちに

息を止めていたらしい


「…俺が、怒ったことあるか?

 がちゃ子のすぐ怒るクセ…よくないぞ」



わたしだって、りゆうもなしにおこったりしないわよ

おこられるようなことをしてるのは

はむおでしょう???

わたしばっかりせめるまえに

じぶんがいいかげんなことをしてるのに

きづきなさいよ


なんて反論を思いついたのは

ずいぶんと後のこと


その時はただ、窓の外を見ながら

飛び降りてしまいたいと思っていた


ワカレマショウカ?


って、すごい勢いで頭の中で回るけど

なんとか歯をくいしばって

口からこぼれださないように押さえ込む


もうここでそれを言ってしまうと

どちらも後に引けなくなるから


別れざるをえなくなるから


「疲れるよ」


ハム男の言葉が

痛くて痛くて

右手が勝手に握りこぶしをつくって

爪が手の平に限界までささってる



助手席でぶるぶる震える私を乗せたまま

車は大阪の駐車場に止まった


おそるおそる車を降りる


人ごみをかきわけて

映画館に行ったけれど

1時間後でないと

どの映画も始まらなくて

それを待ってまで見たいような映画は無くて


30分ほどウロウロして

また車に乗った


その間私はずっとニコニコしていて

「この映画、見る?

 あと一時間待たなくちゃだめだね〜

 ご飯でも食べとく?

 でもお腹いっぱいだね〜」

なんて、一生懸命ハム男に話しかける。


「別に、待ってまで見たい映画じゃないしな」

あっさりと言ってさっさと映画館に背を向けるハム男


ツカレルンダヨ


ハム男の言葉が孫悟空の輪のように私の頭をしめつける

文句をいえない


「そ、そうだよね

 いい映画じゃないよね

 よし、じゃあどうしよう?ハム男はどうしたい?」




これからずっと、こうやっていくの?

ずっとずっと

笑顔をギリギリと音がするほど

無理やり貼り付けて?


怒る人がいるのは

怒られることをする人がいるからでしょう?


違う?

疲れた



初めて怒ったハム男の声と

顔が

はりついて


私はきっと

一生どこかで

怯える


2002年08月03日(土) 私を邪魔に思うとき

ツーカーで

3回コールしてから

「お客様の都合によりおつなぎできません」


って


どういう設定なんですか?


私のハム男は

メールの返信すらできない

携帯オンチの男で


とても留守番電話設定ができるとは思えないのです



今まで、電波が届きにくいハム男の家で

「留守番サービスセンターにおつなぎします」

っていう声は

何度か聞いたけど



ハム男は今、海に行っている


会いたいと電話をした私を振り切って



「海もいいけど
 お寺にもいってよね」


だなんて

すっかり私のチビちゃんの命日を忘れているハム男に

皮肉をこめて

気持ちの悪いメールを送ってしまったんだけど


それが

気に入らなかったのかな


もしくは



料金滞納?


がちゃ子 |偽写bbs

My追加