○プラシーヴォ○
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会社のトイレで、そっと紙袋から取り出す。
さっき、近くの薬局で買ってきた妊娠検査薬。 思ってた半分くらいの値段だった。
まるでお菓子のように、箱の中に入っていて さらに銀色の袋で包まれている。
説明書通りに尿をかける。
判定に必要な時間をたっぷり過ぎても 妊娠を示す赤いラインは 一向に出てくる気配がない。
ちえっ。
私は、少し妊娠を期待していた。
仕事が忙しすぎてノイローゼぎみだったから (と、自分だけで思ってた) 妊娠したら寿退社できると 思ったのに。
20時ころ、携帯にハム男から電話。
「まだ仕事してんのか」 「うん。あ…あのね、妊娠、してなかったよ」 「ええ? 昨日のコンドーム外れたのを気にしてたの? そんなん、昨日の今日では結果はでないよ〜 …でも、そっか。 そんなに心配やったんやな。ごめん」
一週間後 特に問題なく 生理はやってきた
SEXが終わって、ハム男が体を起こした後、
「あれ?あれ?」
とうろたえている。
コンドームがはずれて私の中に 残ってしまったのだ。
ええ??? と 焦って血の気がひく私を再び寝かせ、 よいしょよいしょ、とハム男が指を入れて引出した。
「早く、早くお風呂に行って水で流しておいで」 う〜ん、小学生並みの避妊の知識だなあ。こいつ。
裸のままで二人で横になっていると ハム男がおずおずと口を開いた。
「もし・・・もし子供ができてたら結婚してくれる?」
・・・それって 私(女)の台詞のハズじゃあ???(笑)
「そりゃあ、別にいいけど(なんちゅう返事!!) 子供、つくるのはいいけど できちゃった・・・ってのはイヤだなあ」
ハム男は、ただ笑っていた
そう。そう思ってた。 今でも、そう思ってる
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