Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年09月30日(火) サブプライムローン に関する金融屋の 「 大嘘 」



「 経済学を学ぶのは、経済学者にだまされるのを避けるためである 」

                                      作者不詳

The purpose of studying economics is to avoid being deceived by economists.

                                    Anonymous



物価を決める最大の要素は、「 需要 」 と 「 供給 」 の バランス である。

それを意図的に操作することで、儲けようとする集団もいる。


アメリカ金融危機を深刻化させたのは、間違いなく 「 サブプライムローン 」 であるが、その詳細については、語られていない部分が多い。

一般的に知られているのは、信用度が平均以下の個人 ( サブプライム ) に対し、主に住宅購入費用として、貸し付けられたローンという知識だ。

信用度が低いだけに、金融機関のリスクが高く、必然的に利用者の金利も高くなるが、簡単に住宅ローンが組めるとあって、とても人気があった。

だが、一昨年の後半から、ローンを支払えない率 ( 延滞率 ) が 13%台にまで上昇し、余波を受け、事業に関わった企業の経営が悪化し始める。

この問題が、単なるローンの焦げ付きで済まないのは、融資したローンが証券化され、債権の形で、世界中の金融機関に販売されていたせいだ。


債権購入者の中には、世界中の株式に投資しているヘッジファンドもあり、ローンの焦げ付きは、株価に影響力のある彼らへの信頼失墜に繋がった。

その結果として、世界的な株安の流れになったわけだが、「 ここまでの話 」 は何度も報道で伝えられているから、当然、ご存知の方も多いだろう。

ただ、これだけの情報では、「 せっかく、お金を貸してあげたのに、返さない連中が悪い 」 という、短絡的な判断しかできない。

そして、最悪の事態を招いた犯人は、ローンを焦げ付かせた利用者たちであり、貸し付けた金融機関は 「 被害者 」 であるという論理に至る。

たしかに、焦げ付きがなければ問題はなかったとも言えるが、銀行などの金融機関が 「 被害者 」 であるという意見は、まったくの 「 嘘 」 である。


金融機関は最初から、この程度の焦げ付きが発生することを予測済みで、13%台の不良債権が生じたことは、けして驚くほどの事態ではなかった。

彼らが、信用度の低い人々に融資し、リスクの高い “ 賭け ” に出たのは、善意による 「 人助け 」 のためではなく、以下に挙げる三つの理由による。

まず第一に、この事業は 「 高金利がとれる 」 という魅力があり、将来的に破綻の危機があろうとも、短期間で大きな収益を獲得できた点にある。

今回、破綻した金融機関の経営幹部には、その功績によって、2〜3年前には、「 55億円のボーナス 」、「 70億円の年収 」 を稼いだ者もいる。

彼らにとっては、将来的な不安を察知しながらも、目先の莫大な大金を得ることのほうが大事で、会社が潰れてしまっても、なんら困ることはない。


第二に、普通なら住宅ローンが組めぬ人々へ資金を供給すれば、空前の 「 住宅ブーム 」 が起こり、不動産価格が高騰するという予測があった。

仮に返済面で焦げ付きが生じても、債権の抵当として不動産を抑えており、その資産価値が上昇するのなら、金融機関にとって損失はない。

つまり、もともと サブプライムローン は、金融機関が抵当権を持つ不動産の価格を上昇させるために仕組んだ 「 住宅価格の操作 」 なのである。

ところが実際には、住宅価格の上昇は早期に鈍化し始め、場所によっては 「 二束三文 」 に陥った物件も多く、この目論見は外れてしまった。

返済が延滞している利用者の中には、住宅の値上がりを期待し、転売目的で使ったものの、売るに売れなくなり、破産に至ったという人も少なくない。


第三に、サブプライムローン は前述した通り、当初から 「 証券化 」 して、債権の形で世界中に販売する計画があったから、資金調達が楽だった。

結果的には、そのせいで 「 世界中の金融機関を直撃 」 する羽目になったのだが、取り扱い業者は、小資本で大きな融資を行うことが可能となった。

アメリカでも、当初はこのような 「 からくり 」 が秘匿されていて、滞納者側に非があるという論調も強かったが、最近では様子が変わってきた。

いくら銀行が 「 自分たちは被害者だ 」 と主張しても、それは彼らが私服を肥やすために仕掛けた末の 「 失策 」 であると、徐々に知られていった。

公的資金投入に反対する大規模なデモが発生したり、金融安定化法案が下院で否決されたのは、そうした 「 金融屋の嘘 」 が露呈した結果による。


金融機関を救済する法案だといえば 「 必要な措置 」 のようにも思えるが、アメリカ人全体の約25%は、低所得者層 ( サブプライム ) である。

先に述べた通り、「 55億円のボーナス 」、「 70億円の年収 」 を得ていた経営者の失敗を、貧困層の納める税金で補填することが正当なのか。

なにがなんでも 「 アメリカは公的資金を投入すべきだ 」 と言う人もいるが、これでは、お金持ちは何をしても許され、庶民は隷従の義務を負う。

各人、労働の質や量が異なることで、所得格差が生じるのは仕方ないが、「 銀行は国が救済 」、「 庶民は尻拭いをせよ 」 と格差付けるのは疑問だ。

日本の銀行も、過去には莫大な公的資金を受けたが、また、性懲りも無く、海外の金融機関を掌中に収めようとしており、まるで反省の色がない。






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2008年09月29日(月) 反対228 : 公的資金投入は 「 当然 」 ではない



「 お金にしか興味のない人間には、どこか病的なところがある。

  同じことが、利潤のみを追い求める会社にも言えるだろう 」

                  リチャード・J・ハイエン ( アメリカの実業家 )

There is something sick about a person whose only interest is money.
And the same can be said, I think, for the company whose sole goal is profit.

                              Richard J. Haayen



近頃、見た目は普通でも、「 どこか病的 [ something sick ] 」 な人が多い。

視野が狭く、自分の価値観でしか物事を考えられないのは、その典型だ。


アメリカの下院で、不良債権処理のため 「 公的資金75兆円を投入する 」 という法案が “ 賛成205、反対228 ” の反対多数により、否決された。

金融危機拡大を阻止する狙いの法案が否決されたことで、ダウ平均株価の終値は前週末比777・68ドル安と、過去最大の下げ幅を記録した。

東京株式市場も全面安となって、日経平均株価の終値は483円75銭安の1万1259円86銭で、約3年4カ月ぶりの安値水準となった。

歯止めがかからない世界株安に、「 先行きの不透明感などから、日経平均が “ 1万円を割り込む ” 可能性もある 」 との見方が広がっている。

事前に合意されているものと思われた経済安定化法案が、まさかの否決となったことに、世界中が驚き、動揺していると考えて間違いない。


法案が否決された理由は、退任が間近な ブッシュ 大統領 の威信低下が大きく影響し、共和党議員の3分の2が、反対に回った結果だという。

窮地に立たされた ブッシュ 大統領 は、30日夜、金融システム安定のための声明を発表する予定だが、それで動揺が収まるかどうかは疑わしい。

元来、「 サブ・プライムローン 」 という “ アメリカ製の爆弾 ” が金融不安の発端だから、世界の金融関係者は、米議会の決定に不満を示すだろう。

金融関係者ならずとも、市場の低迷は景気の後退につながるので、けして好ましいことではないが、冷静に考えると、「 否決 」 は不可解でもない。

この法案には、なぜ 「 銀行だけを救わねばならないのか 」 という米国民の強い不満が背景にあり、選挙を控えた議員らは、それに逆らえなかった。


農業や、漁業や、あるいは物を作ったり、売ったり、動かしたり、サービスを提供する “ 普通の職業 ” に従事する人と、“ 金融屋 ” の発想は違う。

金融屋にとって、お金は 「 数字 」 でしかなく、彼らは、お金を動かすことでバランスをとり、そこから発生する利潤というものにしか興味がない。

どんなに不公平であっても、公正でなくても、結果として金融市場が安定し、景気が回復するなら、税金、公的資金を投入することに迷いがない。

しかし、それ以外の人々 ( 額に汗して、労働の価値を知っている人々 ) の場合は、自分たちの稼いだお金を、単なる 「 数字 」 とは考えないものだ。

欲に目がくらんだ金融屋の失敗を、なぜ自分たちの税金で補填する必要があるのか、納得できないのが 「 普通の感覚 」 というものだろう。


銀行は預金者を募る際、自らの経営基盤が安定し、「 安全 」 であることをアピールしており、けして 「 ギャンブルへの投資 」 だとは謳っていない。

実際、ギャンブルにしては 「 見返り ( 利息 ) 」 が少なすぎるので、命がけで預金を保護することが、銀行にとっては義務だといえるだろう。

ところが、私利私欲のために、リスクの大きな投資に手を出し、挙句の果てには 「 潰れては困るだろ、お金を出しなさい 」 と、すぐに開き直る。

自分たちが儲けようとして、失敗したら預金者を脅せばいいという発想は、若者言葉でいう 「 逆ギレ 」 と同じで、身勝手このうえない。

バブル崩壊後の日本は、この不条理に反撥せず、公的資金を湯水のようにばら撒き銀行の破綻を防いだが、本来は 「 理不尽な話 」 なのである。


今回の金融危機で、「 ウオール街のボーナスが半減 」 との報道もあるが、真面目に、堅実に働いても、ボーナスが支給されない労働者もいる。

そんな人々から徴収した税金を、公的資金として投入することが 「 当然 」 のように錯覚しているのは、金融屋の エゴ でしかない。

現実問題として、今回の危機を回避するには一定の公的資金注入が必要ではあるけれど、まず、金融屋の態度を戒め、猛省を促すことが肝要だ。

最大限のリストラを行い、残った従業員の給料は 「 生活保護レベル 」 まで落とし、国民に 「 土下座して謝る 」 ぐらいでないと、救済の資格はない。

そこまでして、「 助けてやろうか 」 という方向に民意を動かすのが 「 当然 」 で、「 公的資金を投入しろ 」 などという暴論は、もってのほかである。






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2008年09月28日(日) 阪神タイガース と決別した日のこと



「 誰の人生にも、ここぞという時がある。 私には随分たくさんあった 」

                    ケーシー・ステンゲル ( 大リーグの監督 )

There comes a time in every man's life and I've had many of them.

                                  Casey Stengel



今年の セ・リーグ は、終盤まで緊迫した戦いが続いている。

前半戦、圧倒的な差をつけた阪神に、巨人が猛追する展開となった。


昭和48年10月、セ・リーグ 優勝の行方は、9連覇を狙う巨人と、9年ぶりの優勝を目論む阪神が、直接対決するシーズン最終戦に持ち込まれた。

この 「 勝ったほうが優勝 」 という大一番は、試合前の盛り上がりを裏切るように、巨人が 9−0 の圧倒的大差で、あっけなく快勝した。

試合終了と同時に、阪神優勝の夢破れた一部の悪質なファンがグラウンドへなだれ込み、王 貞治 を殴るなどの暴挙に及び、醜い幕切れだった。

巨人ナインは、グラウンドの状態が沈静化するのを待ち 川上 哲治 監督 を胴上げする予定だったが、状況を察してか、さっさとバスで逃げ帰った。

この日 ( 昭和48年10月22日 ) は、奇しくも イチロー の誕生日でもあり、中学2年生の私が 「 阪神タイガース に愛想が尽きた日 」 でもあった。


最終戦の二日前、阪神は10月20日の中日戦で、勝つか、引き分ければ、優勝が決まるという位置にあった。

当時の阪神には 「 ドラゴンズ・キラー 」 と呼ばれた 上田 二朗 という投手がいて、この年も中日戦には 8勝1敗 の好成績を収めていた。

誰もが 上田 の登板を予想したが、なぜか先発は、中日球場で過去二年間も勝ち星が無く、極端に相性の悪い 江夏 豊 だった。

後日談によると、当時、阪神を率いていた 金田 正泰 監督 が、優勝決定の濃厚な中日戦で、エース 江夏 を “ 胴上げ投手 ” にしたかったらしい。

中日の先発は 「 巨人嫌い 」 で有名な 星野 仙一 だったが、優勝を目前にしたプレッシャーで固くなった阪神打線は、ことごとく凡打の山を築いた。


結果、阪神は 2−4 で逆転負けを喫し、6回で降板を命じられた 江夏 があからさまな不満をぶつけ、チームの雰囲気は “ 最悪 ” のものとなった。

この試合が行われている最中に、巨人勢は新幹線の車中にいて、当時は新幹線から中日球場のスコアボードが見えたので、阪神の負けを知った。

この年の阪神と中日の勢いからみて、名古屋で阪神の優勝が決まるものと思っていた巨人ナインは、予想外の結果に色めきたったという。

中心選手の 長嶋 茂雄 は 11日の阪神戦で右手薬指を骨折し、最終戦の欠場が決まっていたが、他の選手は 「 V9 」 への意欲をたぎらせた。

一方の阪神勢は、中日戦の敗因に伴う 「 首脳陣批判 」 と、プレッシャーの重さから冷静さを失い、最終戦を前にして、精神面で大差がついていた。


今年の巨人と阪神の戦いぶりをみると、昭和48年の記憶が悪夢のように甦り、どうしても 「 阪神が勝つ気がしない 」 のである。

それは、トラウマ ( 心的外傷 ) というほどのものではないが、声のかぎりに応援し、屈辱的な大敗を目のあたりにした少年時代の記憶に起因する。

当時、まだ生まれていなかっただろう若い阪神ファンが、一片の疑いも無く “ 優勝 ” を信じ、居酒屋で騒いでいる姿も、どこか物悲しく感じてしまう。

いまは、阪神の優勝に執心していないが、地元経済の活性化に繋がるし、周囲には阪神ファンが多いので、彼らのためにも頑張って欲しいと思う。

裏切られても、裏切られても応援するのが 「 本当のファン 」 と言う人もいるけれど、最近は、肩の力を抜いて眺めるほうが、性に合っている気がする。






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2008年09月27日(土) 名優 ポール・ニューマン 逝く



「 自分の墓碑銘が目に浮かぶ。

“ ポール・ニューマン ここに眠る。 失脚の果て死亡。

  失脚の理由、目が茶色になったこと ”

( 彼はブルーの目をしている ) 」

                           ポール・ニューマン ( 俳優 )

I picture my epitaph : “ Here lies Paul Newman, who died a failure because his eyes turned brown. ”

                                  Paul Newman



子供の頃に憧れた スター が、この世を去っていく。

仕方の無いことだが、それは淋しいものである。


ハリウッドの名優 ポール・ニューマン が26日、癌のため、コネティカット州ウエストポートの自宅で83歳の生涯を閉じた。

1960年代中半まで、社会派作品でのシリアスな演技が多く、劇場で最初に観た覚えがあるのは69年の 『 明日に向かって撃て 』 あたりからだと思う。

そして、中学生になって観た 73年の 『 スティング 』 以降、公開された作品と、最近では、DVD化された過去のほぼ全作品を鑑賞している。

特に印象深いのは、スティーブ・マックイーン と夢の共演を果たした 74年の 『 タワーリング・インフェルノ 』 で、豪華競演は映画界の話題を独占した。

タイトル画面で 「 どちらの名前が先に出るのか 」 と興味津々で観に行ったら、順列を付けれなかったらしく、左右に並べられる配慮が施されていた。


1952年、ポール・ニューマン が通った俳優養成所 「 アクターズ・スタジオ 」 は、いまでも名優の登竜門として、世界的に知られている。

ジェームズ・ディーン、マーロン・ブランド、スティーブ・マックイーン、アル・パチーノ、ロバート・デニーロ、ブラッド・ピッド ら、出身者の顔ぶれは見事だ。

女優たちも、マリリン・モンロー、エレン・バーンスタイン、メリル・ストリープ、ジェーン・フォンダ、アンジェリーナ・ジョリー など、多数が輩出されている。

この養成所では、演じる役柄の内面心理を重視する 「 メソッド演技法 」 という育成方法がとられており、自然体でリアルな演技の基礎となっている。

現在、アル・パチーノ、エレン・バーンスタイン、ハーヴェイ・カイテル が共同で学長を務めているが、今後も、ここから スター が生まれることだろう。


彼自身、デビュー当時 「 第二の マーロン・ブランド 」 と売り出され、大いに失望したことは有名だが、「 第二の ポール・ニューマン 」 は誰か。

端正な外見とは裏腹に、陰のある役どころ、敗北者などを演じられる彼の後継者には、マシュー・マコノヒー、ジュード・ロウ らの名が挙がっている。

ただ、ポール・ニューマン 自身が語る冒頭の言葉にもあるように、魅惑的な 「 透き通る ブルー の瞳 」 は、彼固有のもので、代わりが務まらない。

昨年の5月、テレビ番組で 「 満足できるレベルの役者でいられなくなった 」 と語り、既に彼自身は俳優業から引退していたが、とても残念だ。

彼の偉業を称えつつ、書庫から 『 栄光への脱出 (1960 米) 』 の DVD を引っ張り出して鑑賞し、今夜は訃報を悼んだ。






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2008年09月26日(金) 国交相 発言 : 日教組は 癌 = 「 失言 」 か 「 正論 」 か



「 学問は、結局、世のため人のためでなくてはならない 」

                              柳田 國男 ( 民俗学者 )

Learning, after all, must serve the world and the people.

                                 Kunio Yanagita



仕事の良し悪しは、もたらされた 「 結果 」 で判断される。

民間企業であれば、それは当たり前の話だろう。


就任したばかりの 中山 成彬 国土交通相 が、自らの発した 「 問題発言 」 の責任を負う形で、早くも辞任の意向を示しているという。

問題視されている発言は三つで、成田空港建設反対闘争を 「 ごね得 」 と評した件、「 日本は非常に内向きな単一民族 」 と述べた件は謝罪した。

前者については、千葉県、成田市や関係団体から批判が殺到し、後者は、アイヌ民族の人たちでつくる 「 北海道ウタリ協会 」 から抗議を受けた。

ただし、もう一つの 「 日教組 ( 日本教職員組合 ) は日本の 癌 ( がん ) 」 と話した件については、その批判を撤回しない考えを示している。

野党議員のみならず、身内の自民党議員、連立を組む公明党議員からも、これらの発言を 「 不適切 」 とする声が挙がり、本人も辞任を了承した。


中山 成彬 議員 は、旧大蔵省の出身で、世界銀行に出向した経験を持ち、彼の妻は、入省同期の 中山 恭子 (前)拉致問題担当相 である。

鹿児島 ラ・サール高校、東京大学 法学部、大蔵省 と進んだ 「 エリート 」 だが、空手 六段 の腕前を持つ、まさに 「 文武両道 」 の好漢だ。

歴史認識問題に一家言を持ち、伝統文化の尊重を訴える自民党文教族の 「 保守派論客 」 として知られ、小泉内閣では 文科相 も務めている。

2007年1月の 宮崎県知事選挙 では、自民、公明の推薦する候補ではなく、民主、社民の推す候補者を応援し、自己の信念に固執する姿をみせた。

麻生 内閣 にとっては、解散総選挙を前にした大事な局面での 「 失態 」 となったが、自党の利益より信念を重んじる 中山 氏 らしい発言ともいえる。


今回の 「 失言 」 で何が問題かというと、たとえば、成田空港の問題では、既に国が認め、謝罪している事柄を、覆すような発言であることだ。

単一民族発言も、歴史認識上の観点から、アイヌ民族を先住民族と認め、彼らの権利回復や地位向上を目指す国家政策を無視したものである。

そして、日教組が国民教育の 「 癌 」 になっているという指摘についても、科学的に関連づけることができないため、事実無根ということになる。

公人である以上、根拠の無い持論を振りかざす暴挙は避けるべきであり、最悪の場合は、「 罷免 」 されても文句の言えない状況に陥る。

また、日教組が 「 民主党の支持母体 」 であることは公然の事実なので、彼らを巡る批判には、激しく抗議することが最初から予測されていた。


中山 氏 が、大分県の教員採用汚職事件に絡め 「 日教組の子どもなんて成績が悪くても先生になるから、県の学力は低い 」 と話したのは問題だ。

全国学力テストの結果などをみても、そうした論拠を裏付ける事実はなく、日教組の腐敗や汚職の実態と、教育レベルの因果関係は証明できない。

ただ、では 「 日教組には何の問題もないのか 」 となると話は別で、今回の 「 失言 」 が無くても、多くの国民は同じことを考えているだろう。

つまり、「 日本の教育の “ 癌 ” である日教組をぶっ壊せ 」 という発想は、一般国民にとっては 「 ごく ノーマル な意見 」 でもあるのだ。

だから、大臣の辞任は仕方ないが、その発言に対して日教組の幹部らが、堂々と 「 開いた口が塞がらない 」 などと反論するのは、どうかと思う。


教育制度の成果というものは、短時間で結果が出るものではなく、数年後、数十年後の歳月を経て、評価されるものであろう。

昔に比べて、日本人は頭が良くなったのか、子供の躾は出来ているのか、社会秩序は安定してきたのか、それが 「 結果 」 として判断される。

冒頭の名言が示す通り、学問は 「 世のため、人のため 」 に貢献でき得る人材を育成するための手段であり、社会の進歩、安定と無縁ではない。

どの調査結果をみても、残念ながら、大部分の人が 「 悪くなっている 」 と感じている社会情勢で、その責任は、当然、教育現場にも問われるだろう。

自民党にとっては危機を招く 「 失言 」 だが、改めて、日教組の是非を問う機会となった 「 正論 」 が、国民に警鐘を鳴らす効果はあったと感じる。






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2008年09月24日(水) 明るく強い国へ : 麻生 新内閣



「 言葉では表現し難いが、初めにわきあがる熱い思いが、人間の

  行動の源泉である 」

             アルバート・アインシュタイン ( アメリカの物理学者 )

All these primary impulses, not easily described in words, are the springs of man's actions.

                                  Albert Einstein



暗さ、地味さも、一つの個性ではあるが、リーダー としてはどうか。

やはり、明るく、ハッキリと物が言える人物には、強い 「 牽引力 」 がある。


自民党の 麻生 新総裁 が国会で第92代の首相に指名され、すぐに組閣を行い、皇居での首相任命式、閣僚の認証式を経て、新内閣を発足させた。

報道陣の前で、閣僚名簿を首相が発表するという 「 極めて異例な対応 」 は、選挙前のパフォーマンスでもあるだろうが、なかなか好印象だった。

政治に疎い人、興味の薄い人も、今回の閣僚発表のように 「 この大臣に、この課題を担当してもらう 」 という説明が付くと、とても解りやすい。

誰にでも解るように明瞭な説明を施すのは、実は、とても勇気の要る作業であり、そこには重大な責任が生じるので、概ね政治家は嫌がるものだ。

難解な用語を小声で囁き、後から 「 そんなこと言いましたっけ 」 と煙に巻くのが、従来の常套手段だったことを思えば、大きな前進といえよう。


就任後、最初の記者会見で 「 明るく強い国にする 」 と、意欲を示したことに、賛同した人も多かったのではないだろうか。

前任者、前々任者は、世相を反映したかの如く 「 鬱 ( うつ ) 」 的な印象の強い人物像で、未来への希望を国民に抱かせるタイプではなかった。

この 「 明るさ 」、「 強さ 」 という二つの キーワード は、日本人が失いつつあり、また、心底より渇望している概念ではないかと思う。

時代の厳しさに変わりはなく、それに対応する具体的な方策が明示されていないと揶揄する評論家もいるが、方策より前に 「 熱意 」 こそが必要だ。

政策や方法論も大事だが、最初に情熱や心意気がなくては、成果など期待できないわけで、その点、新総理、新内閣には大きな期待感がある。


政権交代を賭けた選挙が近いために、「 選挙管理内閣 」 などという呼称もついているようだが、はたして、今後どのように展開するのだろうか。

次の選挙で民主党を推す人は、けして、心から支持しているわけではなく、「 一度 ( だけ ) やらせてみたい 」 という意見が大半を占めている。

たしかに、試みとして面白いと思うが、問題は、その “ タイミング ” であり、世界恐慌も起こり得る金融不安の今は、時期として大いに疑問だ。

このような混迷期では、政治や経済の舵取りを誤ると、取り返しのつかない苦境に陥る危険があり、リスク を張ってまで、何かを試す時期ではない。

以前より、少しは期待できる内閣になったことだし、しばらくは政権交代の揺らぎを抑え、現政権の存続を維持するほうが、国益として得策だと思う。






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2008年09月23日(火) 麻生 太郎 新総裁 誕生 : 前任者との大きな違い



「 成功とは、失敗を重ねても、やる気を失わないでいられる才能だ 」

                  ウィンストン・チャーチル ( イギリスの首相 )

Success is the ability to go from failure to failure without losing your enthusiasm.

                                Winston Churchill



人事には、「 適材適所 」 という発想が必要である。

美人コンテストと違って、最も優秀な人を選べばよいというものではない。


第23代自由民主党総裁に 麻生 太郎 が選出され、明日には、新しい組閣の顔ぶれが発表される。

結果は予想通りだったが、注目すべきは 「 地方票の95% 」 を獲得した点で、党内の調整による 「 出来レース 」 が全てでもなかったところだろう。

政党への支持、国民の期待度では、いまだ民主党に分がある気もするが、「 代表の個人比較 」 では、麻生 支持のほうが多いという調査結果もある。

おそらく近日中に 「 解散総選挙 」 が行われるだろうから、場合によっては短命内閣となる可能性もあるが、やるからには期待に応えて欲しい。

総理大臣が誰であっても、日々、我々が努力すべき事柄に変わりはなく、全責任を押し付けるわけにいかないが、適任者を望む声は自然である。


学校でも、会社でも、町内会でも、リーダー を選ぶ際の基準は、単に、その組織において 「 最も優秀な人物 」 ということではない。

それに、一口に 「 優秀 」 といっても、頭が良いだとか、体力があるだとか、性格が素直だとか、様々な尺度があるので、簡単に順位付けはし難い。

大事なのは、その組織が直面している課題、目指すべき方向性、置かれている環境などに、適応し、能力を存分に発揮できる人物を選ぶことだ。

前任者の 福田 氏、安倍 氏 も、けして、能力的に 「 総理として不適格 」 な人物ではなかったが、この “ 時代 ” に適応する何かが欠けていた。

それは、一言でいうと、厳しい時代に対応できる 「 タフ さ 」 であり、もっと気楽な時代であれば、彼らとて十分に任期をまっとうできたはずだ。


今回の 麻生 総理 は、自らを 「 生まれは良いけど、育ちが悪い 」 と語り、ただの “ ボンボン ” ではないことを自他共に認めている。

総裁選に立候補をしたのもこれが4回目で、幾度となく苦渋を舐めており、周囲に 「 冷や飯の食べ方なら俺に訊け 」 と、皮肉まじりに話すらしい。

前任の二人に無かった楽天的な明るさと、モントリオール五輪には射撃で出場したアスリート特有の忍耐力など、彼には独特の 「 タフ さ 」 がある。

また、世界恐慌も起きかねない金融の混迷期にあって、企業家ならではの 「 経営マインド 」 を併せ持っているのも、今の時期には心強い。

どこまで出来るか不明だが、少なくとも 麻生 総理 は、国会に行きたくないから 「 お腹が痛くなっちゃった 」 なんて理由では、辞めないだろう。






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2008年09月21日(日) 食品偽装問題は、農水省で防げない



「 懲らしめの女神はのろまだが、足音を立てずにやってくる 」

                    ティッブルス ( 古代ローマの抒情詩人 )

Sera, tamen tacitis Poena venit pedibus. = ラテン語
[ Punishment comes later on niseless feet. =英語 ]

                                       Tibulus



古代ローマ時代、一口に 「 女神 」 といっても、様々な種類があったらしい。

ラテン語の [ 罰 = poena ] は、「 懲らしめの女神 」 とも擬人化される。


どこかの企業で不正が発覚し、それが社会的に大きな騒動へ発展すると、監査が甘い、指導が足りぬと、監督官庁である 「 役所 」 に追求が及ぶ。

たとえば、どこかの製薬会社が販売する薬に、副作用の恐れがあったなら 「 厚生労働者 」 が、許認可の責任を負っているので追求される。

今回、大騒動になった事故米問題では、食糧流通ルートへ流れた背景や、流通先の検査を疎かにしたことで 「 農林水産省 」 が槍玉に挙げられた。

たしかに、食糧として適さないことを知りながら、非食用にかぎって販売するという 「 口約束 」 を鵜呑みにし、食品会社へ販売したのは大問題だ。

食用として不正に転売した企業も悪いが、そんな悪事を可能にした農水省も、大いに反省する必要があるだろう。


このような事件が再び起こらないように、国民に安心感を持たせるために、政府は 「 消費者庁 」 の新設を急ぎ、既存省庁へも改善を求めている。

しかしながら、いくら省庁を増やしても、農水省の役人が必死に頑張ったとしても、民間企業による不正を殲滅することは、不可能に近いだろう。

なぜなら、悪質な食品偽装を未然に防ぎ、食の安全を守る対策を農水省や消費者庁に求めても、彼らには、必要な 「 権限 」 が与えられていない。

一例を挙げると、事故米の流通に関して 『 三笠フーズ 』 へ立ち入り検査を行う際に、彼らは、抜き打ちでなく、事前に連絡してから訪問している。

これは、一部のメディアで問題視されていたが、警察官や検察官と違って、農水省の役人に、突然、押しかけて 「 倉庫を見せろ 」 という権限はない。


私服警察官 ( 刑事 ) といえども、常に拳銃を携帯しているわけではなく、それは、危険な状態に遭遇することが予測される場合にかぎられる。

具体的に言うと、「 犯人を検挙するとき 」 や、犯罪の証拠となる物品類を捜索する 「 ガサ入れ 」 の場合などが、それに当たるという。

つまり、怪しいと思われる倉庫へ突入して、不正や犯罪に関与する証拠を探す行為 ( ガサ入れ ) は、警察官でさえ 「 危険な行動 」 とみなしている。

たとえ武器を持たない一般人でも、「 不正を暴かれたら、俺は終わりだ 」 と思えば、衝動的に何をするかわからない。

ご承知の通り、農水省の職員は拳銃など携帯していないし、検査のたびに警官が同行することもないわけで、まったくの無防備である。


また、彼らには、あくまでも一般人の資格として、任意で質問することはできても、警察官のような 「 職務質問 」 を行うことはできない。

倉庫内に立ち入ることも、相手の同意を得て、はじめて実行できるわけで、相手が 「 見せたくない 」 と言えば、黙って帰るしかないのだ。

そんな検査で 「 動かぬ証拠 」 など滅多に出てこないし、万が一、それらを手に入れたところで、逮捕、拘留したり、尋問する権利などない。

ようするに、省庁は 「 不正の発生し難い仕組みづくり 」 が仕事であって、違反を監視したり、犯罪行為を取り締まるのは、警察にしかできない。

管轄する民間企業の不祥事は、関係省庁の 「 正義感 」 だけで抑えられるものではなく、「 責任 」 の行使には 「 権限 」 が伴うことを理解すべきだ。


不埒な企業に鉄槌を下し、懲らしめるためには、各省庁の改善を図ったり、新たな省庁を新設するより、警察機構を拡充するほうが効率的だ。

警察の中に、農水省担当とか、厚労省担当とかの窓口を儲け、関係省庁と緊密な連携をとりながら、検査や監視を行い、違反者は刑事告発する。

たとえば、大分県の 「 教員採用汚職 」 なども、現場には任せず、警察の文部省担当に当たらせれば、身内庇いがなく、実態の解明が早い。

すべて責任を省庁に押し付けるのは簡単だが、犯罪に手を染めた張本人を懲らしめる手段を強化しないと、ますます悪事がはびこるばかりである。

過去、「 国家権力の介入 」 を嫌う左翼的な人々の猛反対に遭い、潰されてきたプランだが、違反者、犯罪者の始末は、警察に任せることが望ましい。






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2008年09月20日(土) 農水相 は 『 呪われたポスト 』 か



「 穀物を残して、農民たちを輸出したほうがよさそうだ 」

            ロナルド・レーガン ( アメリカ合衆国第40代大統領 )

I think we should keep the grain and export the farmers.

                                 Ronald Reagan



農家の危機に際して、こんな失言を吐き、彼は全米の顰蹙を買った。

どこの国でも、農政は難しいようである。


内閣総理大臣は、日本国憲法第68条の規定に基づき、随時、国務大臣を任意に 「 罷免 」 することができる。

日本国憲法下における閣僚の 「 罷免例 」 は、過去に 4例 あるけれども、そのうちの 3例 は、農相である。

一人目は 1947年の 平野 力三 で、理由は 「 米価問題と GHQ の意向 」、二人目は 1953年の 広川 弘禅、理由は 「 首相懲罰動議採決欠席 」 だ。

三人目は、記憶に新しい 2005年の 島村 宣伸 で、理由は、郵政民営化に反対しての 「 衆議院解散決定への署名拒否 」 によるものだった。

なぜか、農林水産大臣に就任した政治家は様々な問題に直面し、任期まで務まらないケースが多く、永田町では 『 呪われたポスト 』 と呼ばれている。


1978年の 7月、「 農林省 」 は名前を 「 農林水産省 」 に変えたが、初代の大臣に就任した 中川 一郎 は、12月に退任し、翌年の1月に 自殺 した。

その後、現在まで 40人 の政治家が農相に就いたが、重要な閣僚の一つでありながら、首相の座を得たのは 3人 ( 羽田、宮沢、小泉 ) だけである。

安倍 内閣 では、最初に就任した 松岡 利勝 が 「 ナントカ還元水 」 などの意味不明な答弁の後、在任中に自殺という前代未聞の不祥事を起こした。

その後、若林 正俊 の臨時代理を経た後任 赤木 徳彦 は、事務所費問題で “ 参院選惨敗 ” の張本人となり、たった二ヶ月で更迭される。

再び 若林 の臨時代理を経て、遠藤 武彦 が就任するも、「 置賜農業共済組合掛金不正受給問題 」 などを追及され、わずか8日で辞任した。


またも 若林 ( 3か月余りの間で3度目の農相就任 ) を経て、今年 8月には 太田 誠一 が就任したけれども、事故米問題の責任から、本日辞任した。

とりあえず、町村 信孝 官房長官 が臨時に兼任しているが、解散総選挙も近いので、すぐに後任を指名するか、現時点では明らかにされていない。

自殺、不正、失言、『 呪われたポスト 』 に就く者は、愚かな宿命を背負っているのか、それとも、愚か者を選ぶ風習があるのか、単なる偶然か。

いづれにせよ、国民の 「 食の安全 」 を重視するなら、もう少し、農水相に マトモ な人材を当てはめないと、先行きが思いやられる。

福田 首相 は、在任した実績を残すために 「 消費者庁 」 の新設を急いでいるが、それよりも、農水相の “ 呪い ” を解くほうが先決問題だろう。






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2008年09月19日(金) イチロー が 107年ぶりの大記録達成!



「 全部でなくてもいいから、きみのスピードが欲しいよ 」

               マーク・マグワイヤ ( メジャーリーグ・プレイヤー )

I wish I had some of your speed.

                                  Mark McGwire



イチロー が、107年ぶり、史上二人目の大記録を打ち立てた。

ウイリー・キーラー に並ぶ 「 8年連続の200本安打 」 達成だ。


冒頭の マグワイヤ による台詞は、シーズン 70本塁打という記録をたてた彼が、イチロー と会ったときに放ったものである。

それに対し イチロー は、「 I wish I had some of your upper-body strengyh ( 全部でなくてもいいから、きみの上半身のパワーが欲しい ) 」 と返した。

タイプ は異なるが、互いに頂点を極めた者同士の会話は、短いけれども、それぞれに認め合い、称え合う 「 深さ 」 を感じさせるものである。

今年は、エンゼルス の 「 K・ロッド 」 こと フランシスコ・ロドリゲス投手が、史上初のシーズン 58セーブ を挙げるなど、記録が目白押しだ。

その中でも、特に イチロー の偉業は全米中を興奮させており、彼自身の活躍を通じて、大リーグ全体に与えた功績は、また、その価値を高めた。


記録には、1試合で達成できるもの、1年で達成できるもの、何年も継続しないと達成できないものがあり、今回、イチロー の記録は後者にあたる。

それには、長年に亘る健康管理や、精神面の維持など、グラウンド の外で努力すべき作業も不可欠なわけだから、当然、難易度は高くなる。

以前、日米の 「 ファン気質の違い 」 について、イチロー は 「 Here they sheer for both teams, not just the home team. I like that 」 と語った。

訳すと、「 こちらでは、ファンはホームチームだけでなく、ビジターチームにも応援する。 私は、そこが気に入っている 」 というところか。

敵味方を超え、すべての野球を愛する人々から賞賛される彼が、また新たな記録を目指して精進することに、一人のファンとして、私も期待している。






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2008年09月17日(水) なぜ AIG は救済し、リーマン は見捨てられたのか



「 神は私に、成功を収めることではなく、真心をつくすよう命じた 」

                     マザー・テレサ ( ローマカトリック尼僧 )

God has not called me to be successful ; he has called me to be faithful.

                                  Mother Teresa



けして信心深い人間ではないが、この 「 教訓 」 には大いに賛同する。

後味の悪い成功をするよりは、信念を貫いて失敗するほうがよい。


アメリカの連邦準備制度理事会 ( FRB ) は、経営不振の米保険最大手 「 アメリカン・インターナショナル・グループ ( AIG ) 」 を救済した。

今週の月曜、「 リーマンブラザーズ 」 に “ 引導 ” を渡したアメリカ政府が、AIG の経営危機にどう対応するか、この問題は世界中が注目していた。

FRB は 「 AIG の破綻は金融市場の不安定さを一段と増幅させる 」 とし、同社資産を担保に、最大 850億ドル ( 約 9兆円 ) の融資を決めたのだ。

融資の見返りに アメリカ政府は、同社株式の 79.9% の取得権を獲得し、今後、AIG は実質上、政府管理の下で再建を図る。

先の 「 連邦住宅抵当金庫 ( ファニーメイ ) 」、「 連邦住宅貸付抵当公社 ( フレディマック ) 」 に続き、同じく政府管理下に置かれた形である。


規模の違い、業種の違いがあるとはいえ、AIG は救済し、リーマン は潰したことで、FRB の対応における “ 一貫性 ” が疑問視されている。

おそらく、誰もが納得する明快な基準は、永遠に語られることがないだろうし、そもそも、そんな基準が存在するのかどうか、怪しいところだ。

FRB の資力を以ってすれば、両者とも救済するだけの “ 資金調達 ” が、さほど困難だったとは思えないし、最後まで、その可能性は十分にあった。

日本でも 「 バブル崩壊 」 の後、不良債権処理が遅れた挙句、三洋証券、山一証券、北海道拓殖銀行が連続破綻し、深刻な金融危機に陥った。

当時の日本政府は、それから 「 大手銀行の経営安定化 」 を目的として、無軌道に公的資金の注入を行ったが、世論の強い批判を浴びた。


銀行も、証券会社も、保険会社も、一つの 「 個別企業 」 に過ぎず、彼らは自由な経済活動を行い、成果が挙がれば身内で利益を甘受する。

もちろん、納税の義務はあるが、自分たちが儲かったからといって、経営の思わしくない企業に対し、利潤を 「 おすそわけ 」 したりはしない。

ところが、荒稼ぎを狙い危険な賭けをした結果、経営破綻の危機が迫ると、政府に公的資金の注入を迫り、当時の日本政府は、それに応じたのだ。

地道に商売をしている中小、零細の企業が、金融屋の 「 間違った舵取り 」 の結果、無残に潰れても、国は救いの手など差し伸べない。

この矛盾した非公正な対応は、「 too big to fail ( 大きすぎて潰せない ) 」 という言葉で片付けられ、社会倫理、商道徳は闇に葬られたのである。


金融市場の混乱を避けるために、「 アメリカは公的資金を投入すべきだ 」 と安易に語る人もいるが、はたして、それは正しい選択なのか。

たしかに、そうすることでマクロ経済は安定し、金融市場は沈静化するが、いわゆる 「 too big to fail 」 が常習化することで、別の問題も起きる。

つまり、「 潰れるべき企業が市場から退場せず、いつまでも無能な経営を繰り返す 」 ことで、ますます損失が拡大するという恐れだ。

実際、日本国民が多額の血税を注いだ大手銀行や、再生企業の大半は、抱えていた問題を先送りしただけで、抜本的な改革が進んでいない。

結局は、「 馬鹿にお金を渡しても、また、馬鹿な出費しかしない 」 わけで、そういう輩を市場から追放してこそ、初めて金融不安は解消するのだ。


FRB が 「 リーマンブラザーズ 」 を見捨てたのは、日本を反面教師として、どこかに “ みせしめ ” を設ける必要を感じたからという説がある。

たとえ大企業であっても、欲にくらみ無謀な賭けをしたり、放漫経営をすると 「 痛い目に遭わせる 」 という前例が、彼らには必要だったのではないか。

あるいは、“ みせしめ ” というよりも 「 いけにえ = sacrifice 」 という見方のほうが正しいかもしれないが、いづれにせよ、何らかの秩序は必要だ。

真の 「 仕事 」 とは、真心をつくして働き続け、社会に貢献することであり、私利を追求するだけの、金融屋が得意とする マネー・ゲーム ではない。

日本の銀行も、サブプライムローン に関して アメリカ に文句を言う前に、それを利用して “ 荒稼ぎ ” しようとした犯人を、まず処分すべきだろう。






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2008年09月14日(日) リーマンブラザーズ 破綻 : 勇気ある決断は是か非か



「 成功の秘訣とは、目的に忠実であることだ 」

                 ベンジャミン・ディズレーリ ( イギリスの首相 )

The secret of success is constancy to purpose.

                                Benjamin Disraeli



自分のやるべき仕事を、ただひたすら忠実にこなす。

人並みの能力と運があれば、それだけで、標準的な成果は上がる。


欲の深い人間が失敗する大きな原因は、得意な本業以外に手を出したり、無謀な賭けに打って出たことによるところが多い。

しっかりと大地に根を張り、地道に働くことこそが成功の近道であり、楽して大儲けしようとか、不正な手段で利益を得ようとすると、概ね失敗する。

どの業界にも、そのような輩はいるけれど、「 大手 」 と呼ばれるクラスに、そのような悪習が浸透しているのは 「 金融業界 」 だろう。

大手銀行は、リスクの高いギャンブルに投資して、成功すれば身内だけで利益を甘受し、失敗すれば、公的資金の導入など、国に救済を求める。

本来、自分たちが果たすべき社会の役割を逸脱して、私欲のために暴走しては、その尻拭いを国家、国民に強いてきたのが、彼らの実態である。


アメリカで4番目に大きい投資銀行である 『 リーマンブラザーズ 』 が経営破たんし、世界中の金融市場に大きな波紋が拡がっている。

原因は、ご承知の通り 「 サブプライムローン 問題 」 だが、早くから破綻の危機を察知しながら、彼らは何の対策も講じていなかった。

今年の3月、投資銀行 ベアースターンズ が JPモルガンチェース によって救済買収された際、米当局は 300億ドル の救済融資をしている。

融資理由は、ベアースターンズ が巨額の CDS ( 債券倒産保険 ) を抱えており、倒産すると 62兆ドル のCDS市場が崩壊しかねないからだった。

リーマンブラザーズ の経営陣は、さらに巨額の CDS を抱えていたので、「 当局の融資を受ける資格がある 」 と勝手に解釈し、油断していた。


だが、アメリカ の ボールソン 財務長官 ( ゴールドマンサックス 出身 ) は、ベアースターンズ の時とは違い、救済金の支出を拒否した。

3月の危機は突然だったが、今回の危機はそれから半年間が経っており、リーマンブラザーズ には 「 十分な対応期間があった 」 という判断からだ。

いくら金融市場に多大な影響が発生するとはいえ、自分たちで改善努力を行わず、窮地に立てば国が助けてくれるという姿勢には、同調できない。

安易な公金注入は、金融の自己責任原則を崩し、アメリカ 経済界全体の「 モラルハザード ( 倫理崩壊 ) 」 に繋がる危険もある。

バブル が崩壊した時に、日銀、大蔵省、銀行の癒着体質から、無造作に公的資金を垂れ流した日本と違って、この勇気ある決断は立派だと思う。


とはいえ、今回の破綻による金融市場への影響は大きく、日本にとっても、原油高、ドル安、株安の 「 三重苦 」 が直撃する不安がある。

1930年代の 「 金融大恐慌 」 と同規模の騒ぎになれば、これは、アメリカ だけでなく、世界中を巻き込む混乱の火種になりかねない。

過去に、私は経済問題を日記に書かず、多少のことは楽観視してきたが、今回だけは 「 とんでもないこと 」 が起こるのではないかと、危惧している。

アメリカ の経済力が破綻した場合、アラブの石油産出国や、中国、ロシア などが台頭し、世界全体の覇権体制にも変化が現れるだろう。

単なる一時的な不景気で収まらず、アメリカ がさらなる 「 自滅 」 を続けた場合には、すなわち、安全保障の面でも、大きな 「 変革 」 が起こりそうだ。






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2008年09月13日(土) 大阪府の教育委員会は、なぜ 「 クソ野郎 」 なのか



「 自由と人生は、毎日それらを改めて征服する人のみに価値がある 」

           ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ ( ドイツの作家 )

Of freedom and life he only is deserving who everyday must conquer them anew.

                      Johann Wolfgang von Goethe



世の中には、好戦的な人と、なるべく争いを避けたいと願う人がいる。

だが、どちらの タイプ も、あらゆる競争から逃れて生きることはできない。


自由に生きることは、言い換えれば 「 他人の影響を受けない 」 ことだが、そのためには、自分の生き方を、他人に認めさせなければならない。

経済的に自立しておらず、他人から生活の面倒をみてもらっている人は、その生き方に対し、ある程度の干渉をされるのも当然だろう。

たとえば、「 自分は働かず、毎日、遊んで暮らしていたい 」 と望むのなら、毎日、遊んでいても暮らせるだけの収入なり、資産なりが必要になる。

それが出来ず、勤務先の企業から報酬を得ることで暮らしているのならば、その企業の服務規程に従い、報酬に見合う労働をすることが求められる。

もちろん、ほとんど働かない代わりに、極貧生活で我慢したり、生活保護の世話になる方法もあるが、それはそれで 「 不自由 」 な面が多いはずだ。


子供の自主性を重んじ、勉強やスポーツの競争から開放し、各人の個性に沿った人格形成を主眼とした 「 ゆとり教育 」 は、見事な失敗に終わった。

学力平均が低下する一方、運動能力、身体能力も落ち、鬱病が蔓延して、非正規雇用者が増え、街には ニート、ネット難民が溢れている。

これが、「 各人の個性に沿った人格形成 」 の結果であり、競争への参加を無理強いせず、「 子供の自主性 」 を重んじた教育の “ 産物 ” である。

たしかに、学校生活は 「 勉強がすべて 」 ではないし、学業やスポーツで 「 他人との競争に勝つ 」 ことだけが誇りではないだろう。

だから、「 努力しない生き方 」 を選択肢として教えたことは非難しないが、その一方で 「 努力しないと、どうなるか 」 も教えるべきだったろう。


大阪府の 橋下 徹 知事 が、学力テストの結果を公表しない市町村教委を 「 クソ教育委員会 」 と罵倒したことに、賛否両論が起きている。

共産党府議団は、「 教育関係者を侮辱し、教育への不信感を拡大させる暴言 」 として、撤回と謝罪を求める申し入れを知事側に行った。

たしかに、知事の発言として 「 クソ 」 はどうかと思うが、府民の大部分は、教育委員会よりも知事の言い分を支持しており、抗議も少ない。

これは、「 結果を公表して、競争を煽りたくない 」 と、 ゆとり教育の失敗 を顧みない教育委員会に対する、府民の強い憤りによるものだ。

言葉遣いは乱暴だが、どこかの首相のように 「 他人事 」 ではなく、本音でぶつかる 知事 の姿勢が、評価されていることも大きい。


最近は、「 努力しなくてもいい 」 という風潮がもてはやされ、何かに熱中したり、一生懸命、真面目に取り組むことが善しとされない。

勝ち負けの発生する競争は、「 敗者へのいたわり 」 から敬遠され、結果が良い者も、悪かった者も、すべて同様に 「 頑張ったね 」 と評価される。

学力テストの結果を公表すると、成績の悪い子がイジメられるとか、差別につながるという理由から、教育関係者は 「 非公開 」 が正しいと主張する。

だが実際には、結果が示されることで、成績の悪い子も 「 次は頑張ろう 」 と努力するし、成績の良い子は、さらに高みを目指せるのではないか。

それに、結果の優劣を示さないのであれば、何のための 「 学力テスト 」 であるのかも不明で、最初から、まったくやる意味がない。


格差社会、競争社会を批判しながら、これでは 「 私学 」 との格差が拡がるばかりで、公立校の教育レベルが落ちていくことは明白だろう。

また、学校を出たら、厳しい競争社会が待ち受けているので、幼い頃から徐々に慣らされていないと、そこで大きな壁に直面することになる。

なかなか社会に馴染めない若者や、簡単に挫折する人の多くが、競争から逃れ、甘やかされて育ってきた人たちであることは、紛れも無い事実だ。

自由や、自分らしい生き方は、自分の力で 「 努力して勝ち取るもの 」 と、教えることこそが教育であり、教育に携わる者の使命ではないかと思う。

教え子には、「 皆で仲良く馬鹿になろう 」 と指導しておいて、自分の子供は私学に通わせるような、そんな教育委員会は、たしかに 「 クソ野郎 」 だ。






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2008年09月12日(金) 『 鬱 ( うつ ) の時代 』 の政治



「 我々の時代の問題点は、道しるべばかりで、目的地がないことだ 」

          ルイス・クローネンバーガー ( アメリカの作家、編集者 )

The trouble with our age is that it is all signpost and no destination.

                             Louis Kronenberger



旅行中、どの ルート を通るかは、どこへ辿り着くかよりも重要ではない。

政治も同じで、目先の道標に惑わされていては、目的地に辿り着けない。


作家の 五木 寛之 氏 は、戦後、ひたすら日本人が上昇志向で突っ走ってきた数十年を 『 躁 ( そう ) の時代 』 であると、自著の中に記している。

それに比較して、急速な経済成長が鈍化し、かつての勢いを失った現代は 『 鬱 ( うつ ) の時代 』 で、躁 が終われば 鬱 になるのは自然だと語る。

たしかに、高度成長期の日本人は、文句も言わずに長時間の激務に耐えたが、近頃は、少し残業しただけで音を上げたり、鬱 に陥る人が増えた。

誰もが貧しい時代、誰もが死に物狂いで頑張った時代、ごく稀な数であった 鬱病 の患者数が、急激に増加しているのは、時代の影響が大きい。

今後、しばらく 『 鬱の時代 』 が続くだろうが、鬱 だからといって途中で投げ出したり、やる気をなくす人ばかりでは、仕事も、政治も、前に進まない。


各国の国内総生産 ( GDP ) に対する税収の割合比較によると、日本は 30% 弱で アメリカ と同レベルにあり、先進国経済の中でもかなり低い。

かたや、公共サービスの手厚さ、社会福祉の充実度でみると、アメリカ などに比べれば、はるかに行き届いているという実態がある。

もちろん、スウェーデン などに比べると、社会福祉が万全とは言えないが、スウェーデン の税収/GDP比は、約 50% にも上っている。

つまり、日本は 「 低い税率 」 で 「 手厚い公共サービス 」 を実行しているわけで、その点において政府は、なかなか優秀な手腕を発揮してきた。

国内事情しか知らない御仁は、「 税金の無駄遣いが多い 」、「 もっと社会福祉、公共サービスを強化しろ 」 と仰るが、その評価は正しくない。


では、どうして日本が 「 低い税金 」 で 「 手厚い公共サービス 」 を実施できたのかというと、その理由は二つある。

まず第一は、「 景気が良かったから 」 であり、景気が良ければ低い税率でも税収は多く入り、また、生活保護などの福祉を受ける人も少ない。

戦後、バブル崩壊までの間は、失業率が 1% 程度だったから、失業手当が少額で、短期間しかもらえなくても、さほど困る人はいなかった。

第二の理由は、「 高齢者が少なかった 」 ことで、たとえば、1970年の日本の年齢構成比をみると、65歳以上の老人は全体の 7% しかいなかった。

若者が多く、高齢者が少なければ、老人医療費を無料にしたり、年金を多く支払ったり、「 お年寄りに気前のよい政策 」 を実行するのは簡単である。


自民党による政治が長く続いたのも、高齢者からの支持が高かったのも、こうした背景があったからで、『 躁の時代 』 に、その政策は賢明だった。

問題は、現在の 『 鬱の時代 』 にどのような政策を実行していくかであり、小泉、安倍、福田 の三氏とも、首相として、明確な指針を示さなかった。

過去のような好景気は望めず、1970年に 7% だった65歳以上の人口は、2006年に 20% を超えたが、2050年には 40% を超える見通しだ。

日本の将来という 「 目的地 」 を見据えた場合、いま問題になっている年金問題や、消費税をどうするかなどは、まったく些細な悩みに過ぎない。

前述した一連の流れからみて、「 税金を高くする 」 こと、「 公共サービス、社会福祉の国庫負担を減らす 」 ことは、当然の成り行きなのである。


当たり前の話だが、「 前より少ない商品に、前よりも多く支払ってくれ 」 と要求して、国民に喜ばれるはずがない。

それで、自民党は支持を失ったが、一方で、利子支払い後の財政赤字が 2002年には 対GDP比 8% だったのを、2007年には 3.4% に縮小した。

次の選挙で、自民党が敗北したとしても、それは有権者の決めることだし、どのような政策を打ち出すかは、次の政権に任せるしかない。

日本が、どのような 「 乗り物 」 を利用し、どのような 「 経路 」 を辿るのかは問題でなく、正しい目的地を知っている政党が選ばれることが望ましい。

目先の甘言では民主党に分があるけれど、彼らが 「 財源 」 を言及されると常に沈黙する姿勢は、はたして目的地に辿り着くのか、どうも不安だ。






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2008年09月11日(木) 墓穴を掘った オバマ



「 他人に落とし穴を掘る人は、自分がその穴に落ちるかもしれない 」

                                     ロシアの諺

He who digs a hole for another may fall in himself.

                                Russian proverb



最近、クールポコ という二人組の芸人が、お笑い番組に出ている。

餅をつく格好で 「 やっちまったな! 」 と叫ぶのが、彼らの芸風だ。


これは、職場や家庭で、つまらない ミス をしたり、失言を放った人などに、彼らの真似をして 「 やっちまったな! 」 とやれば、素人でも ウケ る。

周囲を観察すると、けっこう 「 やっちまってる人 」 は居るもので、場違いなファッション、空気の読めない会話など、その対象は広範囲に及ぶ。

今週、最も 「 やっちまったな! 」 と感じたのは、次期アメリカ大統領候補として、民主党の代表に選出された バラク・オバマ 上院議員 である。

彼は、対立する共和党の マケイン 陣営 が 「 変革 」 を訴え始めたことを、「 豚に口紅を塗ることはできるが、でも、豚は豚だ 」 と述べて批判した。

マケイン 陣営 は、これを 「 女性の副大統領候補 サラ・ペイリン 女史への侮辱だ 」 と非難し、全米のマスコミが大きく取り上げる事態に発展した。


アメリカも日本と同じく政党政治を行っているが、大統領選出に関しては、政党でなく、個人の得票で決まる仕組みになっている。

そのため、候補者の人柄や個性に注目度が集まるので、場合によっては、支持政党と異なる候補者を有権者が選ぶことも、けして珍しくない。

各候補とも頭を悩ませるのは、ある特定の層から好まれる印象的な魅力を放つことが、別の層からは、敬遠される理由になりかねないという現実だ。

共和党の マケイン 候補 は、保守派の厚い信頼を受けながらも、民主党の支持基盤である リベラル な層には、どうしても弱い一面を持つ。

民主党の オバマ 候補 は、黒人初の大統領を望む層に熱烈な支持を受けながらも、やはり、保守派には敬遠されがちな側面を持っている。


各党の代表を決める予備選で、オバマ 候補 は ヒラリー 議員 との激闘を勝ち抜き、対する マケイン 候補 は、さしたる苦労もなく選出された。

当初、「 ヒラリー 優勢 」 といわれた予備選を突破するために、オバマ 陣営 は、半ば泥試合に近い中傷合戦を展開するしかなかった。

過熱気味の予備選は、負けた ヒラリー を支持する人々に遺恨を残し、同じ民主党の候補でありながら、「 オバマ 憎し 」 という反感を抱かせた。

実際、予備選終了時に行われた調査で、「 オバマ に入れるぐらいならば、マケイン に一票を投じる 」 と答えた ヒラリー 支持者も少なくはなかった。

オバマ 候補 には、「 予備選で “ ヒラリー 支持 ” を唱えた人々を、本選で取り込む 」 ことが重要で、それは、勝利への必須条件でもあったはずだ。


長く熱い予備選の名残か、オバマ 候補 は、禁断の 「 女性蔑視発言 」 を繰り出し、手痛い 「 女性票 の損失を招く危機 」 に陥ってしまった。

当然、女性初の大統領誕生を望んだ層の中心は、ほかならぬ女性有権者たちで、まさに、この発言は 「 やっちまったな! 」 という失言である。

ヒラリー 支持の女性だけではなく、オバマ 候補 を支持し、差別的な態度を嫌う層にも、この発言を不快だと感じた人は多かっただろう。

折しも、全米を深い悲しみに覆った 「 9.11 」 の前後は、全米に保守的な ムード が高まる時期でもあり、趨勢が、マケイン に動く可能性も出てきた。

ときに、対立候補への中傷に近い攻勢も必要だが、中傷の対象とする人物や、戦う時期について、オバマ 候補 は選択を誤ったとしか考えられない。


オバマ 候補 にしてみれば、ヒラリー との接戦を制した後、今度は共和党が副大統領候補に ペイリン 女史 を擁立したことで、焦りを感じたのだろう。

彼女は、持ち前の美貌に加えて、アラスカ州の知事を務めた実績があり、見た目も中身も、ヒラリー 以上の 「 強敵 」 と考えて間違いない。

私生活では、陸軍に志願入隊した長男や、ダウン症児の次男を含む5人の母親で、全米の 「 働く女性 」 たちに、カリスマ的な人気を誇っている。

その一方、全米ライフル協会会員で、硬派な政治理念を掲げる姿勢から、共和党に多い 「 タカ派の男性 」 からも、好意的な支持を得やすい。

最近の世論調査でも、彼女が加勢したことで、女性票に弱いとされていた マケイン 候補 の支持率は急増しており、共和党には心強い存在だ。


相手の弱点を突き、醜聞を追求するのは、選挙戦の常套手段でもあるが、それは 「 同じ立場にある有権者を、同時に攻撃すること 」 でもある。

その対象者が、ごく少数の場合なら得票に影響しないが、性差別によって 「 女性全体を敵に回す 」 と、これは致命的な失点になりかねない。

日本の民主党もそうだが、自分たちの能力を示さずに、中傷の繰り返しで 「 落とし穴を掘る 」 戦法を続けていると、いずれ自らが、そこに転落する。

骨のある硬派な男性票は マケイン が獲得しやすいので、オバマ としては、女性票や、女々しい男性の票を数多く取り込まなければ勝てない。

メディアから優勢と報じられて調子に乗ったのか、元来、落とし穴を掘るのが好きなのかは不明だが、彼が 「 やっちまった 」 のは明らかなようだ。






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2008年09月10日(水) 北朝鮮 : 金 正日 の後継者は誰か



「 子供たちに何ができるのか知りたければ、彼らに物を与えるのを

  やめるべきだ 」

                      ノーマン・ダグラス ( イギリスの作家 )

If you want to see what children can do, you must stop giving them things.

                                Norman Douglas



最近の親御さんには、過保護と、育児放棄の 「 両極端 」 が増えている。

どちらも、子供にとっては不幸でしかない。


ある程度の年齢までは十分な愛情を注ぎ、その一方、なるべく早い時期に独立 ( 親離れ ) を助けることが、理想的な親の姿ではないだろうか。

社会人として一人立ちできない ニート の大半は、基礎的生活条件を親に依存している 「 パラサイト・シングル 」 で、いわば “ 親の責任 ” でもある。

どの親も “ 甘やかせ過ぎてはいけない ” と頭では理解しながら、我が子が悩んだり、苦労する姿を見たくないあまり、つい、過保護に陥りやすい。

家に引きこもる ニート は、世間に直接的な害を与えないけれど、もっと困るのは、一般社会で通用しない子供が 「 世襲 」 で トップ に座ることだ。

同族企業に勤める人の多くが、世襲で トップ に就いた 「 無能な二代目 」 に苦労しており、それは、組織のモチベーションを著しく低下させている。


1974年、北朝鮮の 金 日成 主席 ( 当時 ) は、息子の 金 正日 を後継者に決定したが、これに最も不快感を示したのは 「 中国 」 だった。

なぜなら、「 社会主義には、世襲はない 」 ことが原則であり、それを認めてしまうと、社会主義という思想が、独裁国家の代名詞になりかねない。

事実、中国では国家主席の息子であろうとも、世襲で ポスト を引き継いだ例はなく、もし、実行していれば、国民の信頼を一気に失っていただろう。

北朝鮮が後継者を決める際に、中国の了解を得る必要はないが、中国の機嫌を損ね、援助と支援を打ち切られれば、北朝鮮の存続は危うい。

最終的には、当時の中国指導者 小平 が、北朝鮮は社会主義国であると同時に儒教国家だから、「 一回だけ 」 という条件で世襲を認めた。


北朝鮮が 1980年までの 6年間、金 正日 総書記 の世襲を公表しなかったのも、中国が世襲制度に対して、公には合意しなかったことによる。

当時の “ 約束 ” を守り、中国との対立を避けるためには、今後、北朝鮮が 「 二度目 」 の世襲を行うことは難しい。

このところ、金 正日 の重病説が報じられ、後継者問題についても取りざたされているが、そうした理由から、息子への世襲は無いという説がある。

逆に、たとえ中国を敵に回しても世襲を実行しないと、自分の死後、国内で猛烈な 「 金 正日 批判 」 が起き、個人崇拝が崩れ去る危険もある。

それは、金 正日 や、その側近たちが最も恐れていることなので、次の世襲が北朝鮮の崩壊に結びつくとしても、実行される可能性は否定できない。


旧ソ連では スターリン の死後に、中国では 毛 沢東 の死後に、かつての指導者に対する批判の声が上がり、少しづつ 「 開放政策 」 が進んだ。

仮に、金 正日 の後継者が世襲でなくなれば、新しい指導者は、旧体制を批判することもできるし、面子よりも、実利を優先する可能性が高い。

そうなると、日本にとっても、拉致問題解決が急速に進展する好機となり、核開発などの安全保障に関しても、今よりは展望が開ける。

もし本当に、金 正日 が生命の危機にあるのなら、中国を通じて、後継者の世襲を止めさせることが、日本の国益にとっても プラス に働くだろう。

それに、どう考えても 「 独裁者の跡取り 」 が有能な人格者に育っているとは思えないので、北朝鮮の後継者選びは、とても重要な問題なのである。






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2008年09月09日(火) 相撲 : 外国人力士の躾 ( しつけ )



「 スーパーマンに、シートベルトは必要ない 」

                         モハメド・アリ ( プロ・ボクサー )

Superman don't need seat belt.

                                 Muhammad Ali



絶頂期の アリ は、実に傲慢で、不遜な態度をとる場面が目立った。

彼自身、後年になって 「 若気の至り 」 と後悔する言動も多かったという。


冒頭の言葉は、連勝街道を走る彼が飛行機に乗ったとき、客室乗務員から 「 シートベルトを締めるように 」 と注意され、思わず口をついた台詞だ。

若くして成功し、栄光を掴むと、なんだか偉くなった気がして、他人を見下したり、規定のルールに従わなくても許されるような気分に陥りやすい。

本当は、何かの分野で名を成し、関心を集めるほど、改めて襟を正して 「 模範的な人格 」 を示すべきなのだが、大部分の者は、過ちを犯す。

有頂天になるのも無理はないが、けして天狗にならず、周囲にも気を配り、常に “ 自分の取るべき態度 ” を冷静に見つめる余裕があると望ましい。

それを困難にしているのは、成功した途端にチヤホヤし、多少の脱線には目を瞑り、的確な注意や指導を行わない “ 周囲 ” の責任が大きい。


そんな彼が、この 「 シートベルト騒動 」 を後年まで印象深く覚えていたのは、注意を拒絶した彼に、同じ客室乗務員が言い返した一言による。

客室乗務員は、「 スーパーマンに、シートベルトは必要ない 」 と言い放った彼に対し、「 スーパーマンは、飛行機も必要ありませんよ 」 と答えた。

さすがの アリ も、これには絶句して、自分は “ 身の程知らず ” で、社会の規律を無視した横暴な振る舞いを行っていたと、そこで気付いたという。

この “ 身の程を知る ” という姿勢は、社会の一員として立派に評価され、他人から一目置かれる上で、誰にでも必要不可欠な要素である。

不遜な態度を改めず、王様気分に浸り、独善的な言動を続けている間は、マトモな成人として認められ難いので、なるべく早く、身の程を知るとよい。


最近の角界は、「 力士死亡事件 」、横綱 朝青龍 の 「 サッカー騒動 」 など不祥事が噴出し、北の湖 理事長 は、その監督責任が問われ続けていた。

それでも、まさに 「 土俵際の粘り腰 」 をみせ、相撲協会のトップに居座り続けたが、今回、力士による大麻使用の実態が露呈し、辞任を決めた。

特に、陽性反応が出た力士の一人である 白露山 が 北の湖部屋 の所属であったことから、彼自身の弟子に対する指導、監督責任は大きい。

過去、不祥事が起こる度に、一貫して 「 師弟の問題 」、「 部屋の問題 」 と彼自身が語ってきたので、自身の発言から逃れることもできなかった。

今後、新しく就任した 武蔵川 理事長 のもと、相撲界は新しい船出を迎えるが、しばらくは世間から、厳しい視線を向けられることになるだろう。


いわゆる 「 外国人力士 」 が増えたことで、相撲界特有の伝統的文化や、神事としての作法、儀式的な価値などが損なわれてきた。

それは、けして外国人に対する偏見ではなく、現代の日本人にも完璧には理解し難い 「 複雑な格式 」 が、相撲界には存在することに依る。

また、伝統と格式を重んじるわりに、若くして昇格した力士の行儀作法や、躾 ( しつけ ) に対して寛容すぎる矛盾も、相撲界の悪しき慣習だ。

上位入幕者ほど、立ち居振る舞いに留意し、襟を正して “ 身の程を知る ” という指導、教育を、生い立ちの異なる外国人にも徹底すべきであろう。

それが出来ないなら、態度の悪い 「 不良外国人 」 を量産するだけの組織にもなりかねないわけで、外国人力士の参入は禁止したほうがよい。






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2008年09月08日(月) 事故米 : 農水省 に問題あり



「 分別とは、すべきではなかったと、あとから教えてくれる声 」

                                   英語のジョーク

Conscience is the voice that says you shouldn't have done something after you did it.

                                   English joke



概ね、謝罪会見というものは、「 はたして必要なのか 」 と疑問に思う。

言い訳ばかりで反省の色がないし、謝られたところで許せるものでもない。


大阪の米卸売加工会社 『 三笠フーズ 』 が、殺虫剤や、発がん性カビ毒に汚染されている 「 事故米 」 を安く買い付け、食用として高く転売していた。

大半は外国産で、有機リン系殺虫剤 「 メタミドホス 」 が残留した中国米、異臭がするオーストラリア米、カビがはえたベトナム米やアメリカ米である。

過去、日本は米の輸入規制を敷いていたが、95年以降、「 世界貿易機関 ( WTO ) 」 の協定に基づき、最低輸入義務枠が設けられた。

そのため、年間約77万トンに上る大量の外国産米が流通するようになり、主には米菓や味噌などの調味料、日本酒などに加工されている。

しかし、輸出国の衛生管理や、輸送、保管方法などの不備から、食用として使えないモノが多量に発生し、それらは 「 事故米 」 として扱われる。


農水省は、非食用となった事故米が発生すると、ホームページで告知して、購入を希望する業者に、工業用 「 のり 」 など用途を限定して売却する。

三笠フーズでは、過去4年間に 「 のり 」 の原料に加工する名目で、およそ1779トンを仕入れたが、事故米をのり原料として販売した形跡はない。

つまり、全量を食用に転売した疑いが強く、一億円以上もの暴利を不正に取得した計算となり、健康被害に及ぶ危惧を含め、許し難い悪行である。

三笠フーズ の 冬木 三男 社長 は、謝罪会見で 「 経営が厳しかった 」 と動機を語ったが、まったく同情の余地も無い。

消費者の 「 食の安全 」 に対する不安を増幅し、食品業界全体の信用度を貶める大問題であり、司法としても厳正な処分を下すべきだろう。


ただし、この問題では、事故米を取り扱う 「 農水省 」 の責任についても、関係各方面から、疑問や不満の声が噴出している。

事故米が食用に適さず、用途を工業用に限定しているならば、どうして工業メーカーではなく、食品業者に販売したのか。

仮に故意でなかったとしても、食品倉庫内に 「 食用 」、「 非食用 」 の米が混在した場合、誤って出荷されてしまう危険が伴う。

政府は現在、「 消費者庁 」 を設置する法案を進めているが、既存省庁の管理不行き届きや、検査方法の見直しをはかることが優先課題だろう。

役人も無能だが、農水省は 松岡 ( 自殺 )、赤城 ( 更迭 )、遠藤 ( 更迭 ) に続き、現職の 太田 大臣 も更迭の危機にあり、問題の多い役所だ。






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2008年09月07日(日) 民主党 「 ホップ、ステップ、肉離れ 」



「 何よりもまず、準備ができているということが成功の秘訣である 」

                    ヘンリー・フォード ( アメリカの自動車王 )

Before everything else, getting ready is the secret of success.

                                    Henry Ford



決戦の前には、物質的な準備だけでなく、精神的な準備も怠れない。

大事なときに焦ったり、うろたえているようでは、勝負に勝てないものだ。


ほんの少し前まで、「 次の選挙は民主党の圧勝 」 という空気が流れていたのに、世論調査の結果をみると、ここへきて様子が変わってきたらしい。

福田 首相 が突然の辞任を発表し、自民党から “ 予想を上回る人数 ” の候補者が後継の総裁選に出馬を表明したことで、事態は一変した。

マスコミの大半は 「 民主びいき 」 だが、派手な総裁選が始まった以上は、それを伝えないわけにもいかず、お茶の間に自民党の露出が増える。

当初、民主党も党首選を行う予定だったが、党内の結束を重視する執行部が 小沢 一郎 の 「 無投票再選 」 を貫き、他者の擁立を認めなかった。

総裁選を 「 単なるパフォーマンスである 」 と揶揄する民主党の議員もいるが、党首選をやらなかった彼らに、それを非難する資格はないだろう。


前回の選挙結果 ( 参院選 ) が示す通り、自民党が国民から信任を失い、民主党に有利な風が吹いていることは、誰の目にも明らかだ。

安倍 前首相 に続いて、福田 首相 が突然の辞任に追い込まれたことも、政権交代を目指す民主党にとっては、本来、追い風となるはずだった。

ところが、民主党の動きをみていると、いつも肝心なところで ミス をしては、せっかくの好機に乗り切れていない。

参院選の圧勝後は、大連立に心を動かされた 小沢 が幹部に反撥されて、いきなり代表を降りると会見し、その後すぐに前言を撤回した。

当の本人らは、まるで何事もなかったかのように振舞っているが、絶対に イザコザ を起こすべきではない時期に、あれは明らかな ミス だった。


福田 首相 が辞任を表明したときに、驚いたように 「 無責任だ 」 と コメント したのも、少し “ 芸が足りない ” というか、無策すぎたように思う。

今まで、さんざん 「 辞めろ、辞めろ 」 と連呼しておいて、実際に辞めたら 「 無責任だ 」 では、まるで道理に合わない。

あの場面は、「 当然です、遅すぎるぐらいです 」 ぐらいの コメント を発し、後は我々が引き受けるという姿勢を、違う言葉で示すべきだった。

それが言えなかったのは、彼らに “ そういう覚悟と準備 ” が出来ていないことの証であり、民主党の支持者にも少なからぬ不安を与えたのである。

そして今回の党首選では、早々と無投票決着を決めた民主党が、ド派手な総裁選に話題をさらわれるという “ 凡ミス ” に至った。


党首選を行わなかったことで、民主党には “ 党首選を行えない事情 ” があるのではないかという憶測も広がっている。

つまり、党内の不協和音は限界に達していて、いま党首選を行えばそれが明るみに出て、一気に空中分解してしまうのではないかという恐れだ。

党首選が行われていれば、有力な対抗馬となっていたはずの 野田 佳彦 議員 は、以前、民主党について 『 ホップ、ステップ、肉離れ 』 と評した。

助走の勢いは良いのだが、着地に失敗する “ 三段跳び ” みたいなもので、やや自虐的ではあるけれど、民主党の実態を如実に表した名言だ。

党内結束の弱さや、ミスが多い諸事情は、彼らが 「 自分の野心に夢中で、周りが見えていない 」 ためで、政権担当能力となると、どうにも疑わしい。






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2008年09月05日(金) 誰が首相でも、問題は 「 あなた自身 」



「 あなたの人生の最高の数年は、自分の問題は自分のせいであると

  観念したときであろう。

  うまくいかないことで、母親や、環境や、あるいは国の指導者を

  責めない。

  あなたの運命を支配しているのは、あなた自身なのである 」

                   アルバート・エリス ( アメリカの心理学者 )

The best years of your life are the ones in which you decide your problems are your own. You don't blame them on your mother, the ecology, or the President. You realize that you control your own destiny.

                                    Albert Ellis



人は皆、うまくいかない理由を、つい、自分以外のところに求めやすい。

だが、「 自分の問題は、自分のせい 」 であることが、大部分のようだ。


最近、「 ワーキングプア = working poor 」 という言葉が流行っており、直訳すると “ 働く貧者 ” だが、「 働く貧困層 」 という意味で使われている。

正規雇用でない就労者や、正社員でフルタイムに働いていても、人並みの生活水準が維持できない社会層のことを指す。

北朝鮮では、大半の国民が貧困に苦しんでいるが、そうした例は含まず、主に、豊かな先進国における 「 一部の低所得者層 」 を意味する言葉だ。

たとえば、日本の雇用慣行では、新卒として正社員の職を得られなかった場合、その後に安定した職業につくチャンスが少ない。

また、多くの企業が、人件費の安い海外へ生産基地を移したことで、賃金の高い正社員を雇用する機会が減ったことも、大きな要因となっている。


あまり注目されないが、戦後の日本人に豊かな生活を与えた功労者は、「 通産省 」 という役所の働きによるところが大きい。

彼らは、安価な海外製品の流入を阻止するために、高い関税をかけたり、高水準の品質基準を設けたりして、日本国内の生産者を保護してきた。

しかし、それが許されたのは、日本が貧しかった過去の話で、世界中から 「 経済大国 」 として認められるようになった現在、もはや通用しない。

国際社会の一員として、現在の日本には 「 自由貿易 」 の門戸を開放し、海外から製品を買ってあげる義務が課せられている。

そのような外圧だけではなく、日本の消費者にも、安くて良質な海外製品を購入する 「 選択肢 」 を求める声が増え、時代は大きく変貌した。


輸入や、海外生産が増えたことから、国内の労働力に対する需要が減り、必然的に、正規雇用への就労が困難化し、平均所得は減少した。

すなわち、過去と同じように努力しても、年々、条件の良い仕事に就くことは難しくなっているわけで、特に、若い人たちにとっては、受難の時代である。

運良く定職に就けたとしても、昔のように 「 作れば売れた時代 」 と違って、不景気なご時世で活躍するには、多くの努力と忍耐が必要とされる。

当然、組織で通用しない 「 脱落者 」 の割合が増え、そうなることを恐れて定職に就かず、自ら 「 非正規雇用の道 」 を選ぶ者の数も増えてくる。

これが 「 ワーキングプア 」 の急増した背景で、市場開放や規制緩和など、政府の決定も含まれるが、政治責任というよりは 「 時代の流れ 」 である。


労働者の視点からみても、誰もが 「 自由 」 に憧れ、「 個性 」 を重視した結果、各人の就業形態が多様化したという側面がある。

昔のように 「 滅私奉公 」 で企業に忠誠を誓い、社員総出で一致団結して死に物狂いで働くという光景は、いまや滅多にみられない。

身を粉にして働く人もいれば、仕事は二の次で趣味に没頭する人もいるし、まったく働かずに好きなことをして暮らす人もいる。

それぞれに自由で個性的だが、個性という言葉には 「 他人と違う 」 という意味が含まれていることを、けして忘れてはならない。

働き方が違っている以上、組織内での処遇や、報酬の面において 「 差 」 が出るのは当然で、それは 「 本人による選択の問題 」 なのである。


つまり、一流企業の正社員が羨ましいなら、学力、体力を鍛え、人格形成に励む 「 選択 」 を、学生時代から心がける必要がある。

万が一、正規雇用に就けなかったとしても、フルタイム ( 8時間 ) でなく、毎日、職場を掛け持ちして16時間ぐらい働けばよい。

これなら、時給千円として月に25日働けば 「 月収40万円 」 になるので、半分を貯金した場合、一年後には 「 240万円の貯蓄 」 が可能だ。

勉強もせず、体も鍛えず、長時間労働も嫌で 「 貧困は国の責任 」 と叫んでも、共感し、同調するのは 「 同じ穴の ムジナ 」 だけである。

貧乏な人は裕福な人を 「 傲慢 」 と思いがちだが、裕福な人は貧乏な人を 「 怠慢 」 だと感じることが多いのは、そうした理由に依る。


福田 首相 が辞めて、次期総裁が誰になるのか、あるいは、このまま与党に政権を任せておいてよいのか、様々な議論が飛び交っている。

けして 「 誰がやっても同じ 」 とは思わないが、所得格差の問題や、個人の豊かさについては、国の指導者が誰であれ、ほとんど影響はない。

いわゆる 「 自由 」 や 「 個性 」 と、「 平等 」 は相反する関係にあるので、格差、個人差を無くすためには、人々から自由を取り上げる必要がある。

実際、北朝鮮に行けば自由は無いが、国民は皆 “ 平等に ” 不幸であり、隣人との格差に悩むこともないだろう。

それが嫌なら、この国で努力して豊かになるか、怠けて貧困に耐えるのか、選択肢は他に無いわけで、指導者を責めても 「 時間の無駄 」 である。






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2008年09月01日(月) 福田首相辞任 : 風向きは変わるか



「 物事を成し遂げるための見事な方法以外に、物事をし残すための

  見事な方法というものもある。

  人生の知恵は、本質的でないものを排除することにある 」

                 林語堂 ( 中国の作家、言語学者、翻訳家 )

Besides the noble art of getting things done, there is the noble art of leaving things undone.
The wisdom of life consists in the elimination of nonessentials.

                                    Lin Yutang



立春から数えて 210日目、9月1日前後のことを 「 二百十日 」 という。

台風襲来の特異日とされ、農家などは “ 三大厄日 ” として警戒する。


二百十日には、富山市の 『 おわら風の盆 』 などをはじめとする風鎮祭が全国的に催され、漁に出る人も少ない。

日本だけでなく、アメリカ も9月1日を [ the great annual September gale ] と呼ぶ風習があり、台風がよく来る日という印象が強いようだ。

風を表す英語は多いが、さわやかな微風は breeze、強く激しい風は gale、突風は gust、さらに強く激しいと blast になる。

気象用語でいうと、時速32〜63マイルの強風が gale で、64マイル以上は storm ( ストーム )、73以上は hurricane ( ハリケーン ) と呼ばれる。

実際のところ、本日、大型の ハリケーン 『 グスタフ 』 が ニューオリンズ に上陸し、ルイジアナ州沿岸部を中心に、強い暴風域へと入った模様だ。


現在、日本付近に台風は発生していないが、「 二百十日 」 の夜になって、永田町では “ ちょっとした突風 ” が吹き荒れたようである。

記者会見で 福田 総理 が突然の 「 辞意 」 を表明し、前任者の 安倍 氏 と同じように、電撃的な退陣となることが明らかにされた。

与党にとって有利か、不利か、これで政局は安定するのか、さらに迷走するのか、いまのところ、すべては 「 流動的 」 というのが、大方の見解だろう。

次期総裁は 麻生 太郎 氏 で決まりそうだが、新鮮味のある 石原 伸晃 氏 あたりを対抗馬に擁立し、総裁選を行えば、けっこう盛り上がるはずだ。

無投票で代表が決まる ( 小沢 一郎 ) 民主党よりも、有権者の興味をひく総裁選を展開することで、与党が次期選挙を有利に戦える可能性もある。


前回の参院選では、「 民主の風 」 なんて言葉も流行ったが、風が国民に便益をもたらしたのか、被害が大きかったのか、まだ答は出ていない。

福田 総理 の電撃辞任も、与党にとって 「 風向きを変える 」 という点では効果的だが、それが国民にとって得なのか、損なのか、それも不明だ。

前述した通り、風にも様々な種類があり、単純に 「 旋風を起こす 」 とか、「 風向きを変える 」 というだけでは、その利害が評価できない。

初夏に吹く、若葉の香りが爽やかな 「 薫風 = a balmy breeze 」 は大歓迎だが、景気を後退させる 「 木枯らし = a cold wintry wind 」 では困る。

厳しい炎天下に 「 無風状態 = a calm 」 も辛いが、とはいえ、自暴自棄に暴風雨を恋焦がれるのも、被害の後始末を思えば、得策ではない。






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