>> 逆重力 >>
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 指。  
 2002年08月31日(土)
 


わたしはどれくらいの思いの大きさを

この指からあなたに伝えられるだろうか。



わたしがあなたを大切に思っていることが

少しでも伝わっているだろうか。



あなたの頬に触れるこの指から

どうか伝わっていてほしい。









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 求。  
 2002年08月30日(金)
 

「淋しいよ。」

無理だよ。わたしには。
どうしろって言うの。

「淋しさ紛らわしてよ。」

何をしろって言うの。
…わたしに。




近づいて
唇に触れて
抱き締めて

崖から,
突き落とそうか?




わたしは
あなたのようには縋れないもの。









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 狂ヒ人ノ歌。  
 2002年08月29日(木)
 
金のベールが命を奪います。
迫り来る闇と共に世界は終わります。
高く 低く
雨雲が目障りにはっきりと
黄泉の世界へと手招きます。

「お先に失礼します。」
「なに,わたしももうすぐですよ。」

手招く黒い帯をつかみ
まばゆい舟に足をかけ
金の川原を渡ってゆきます。







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 心の束縛。  
 2002年08月28日(水)
 
わたしが考えること全てが
あなたに侵されていて
解放されているはずなのに
わたしはあなたを思う。

忘れたいわけでもないけど
いつまでも縛られていたら
結局わたしはそこまでということ。

「忘れる」ではなく
「縛られない」ように

一体どうしたら良いのだろう。










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 帰宅。  
 2002年08月27日(火)
 
祖父が一日だけ,家に帰ってきた。
大阪と福井から親戚が来た。
幼稚園以下の子供が四人。
いつもとはうって変わって賑やか。

普段は盛り上げ役(?)はわたしと妹で,
今日はそんな役柄必要無いから
やっと一人で静かに居れる…と思った。
けど,子供の遊び相手などしてて
今やっと一人になれた。
はぁ…。

祖父はもう毎日あげてたお経すら忘れて
今までより声も小さくなって
「お爺さんが死んだらわたしも死ぬ」
といった祖母のことを思って
何となく悲しくなった。










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 音。  
 2002年08月25日(日)
 
毎日家で
誰かが泣いたり
怒鳴ったりする声が
聞こえてくる。

耳に入るのは
聞きたくない音ばかり。

でも
わたしはまだ頑張れる。
罵られても,まだ。







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 道化は憎まれる?  
 2002年08月24日(土)
 
祖母が何度も何度も
「気付かなかった」
「悔しい」
を繰り返す。
言うたびに自分を追い詰めてるようだから
わたしは祖母に
「それを今言っても仕方ないじゃない」
「誰が悪いわけでもないんだから」
と言った。

祖母はわたしの方を見ずに
忌々しく吐き捨てるように
「アンタみたいに諦められんのよ」
と言った。


居間でテレビを見ていたら,父に
「そんなテレビばかり見るな!」
と怒鳴られた。
何てことはない,普通の特番。






大丈夫。
わたしが泣くのは
自分の部屋に一人で居るときだけ。








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 支え棒。  
 2002年08月23日(金)
 
父も
姉も
祖母も
ショックでボーっとしてるから
わたしがしっかりしないと。
母が努めて明るく振舞えば
祖母が良く思わないことは分かってるし。
わたしがしっかりして,明るくしてないと。
泣くのは一人の時だけ。
泣くな。
泣くな。
今はまだ。


姉は背を向けたまま
わたしに
「アンタって動揺してないよな」
と嫌悪感を込めて言った。


わたしは強く拳を握って
顔を上げてしっかりと立った。











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 悪夢。  
 2002年08月22日(木)
 悪性の
          進行が早い

     去年は無かった

 記憶を司る部位     5cmくらいの

手術も放射線治療も

         手遅れ

     昨日の検査のことすら






悔しい。








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 再発。  
 2002年08月21日(水)
 
ただのドラマ。
ニセモノの傷から噴き出した
ニセモノの血。

分かっていたけど。
いつの間にか,わたしも…。

馬鹿のように笑った。
何故だか嬉しかった。
後悔とか気付かないくらいに嬉しかった。

思った以上に短かった。
二ヵ月半。









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 傷に塩を。  
 2002年08月19日(月)
 

あはははは。

優しい言葉なんてさ,

かけてあげるつもりないよ。

そうやってすぐに縋るけどさぁ,

わたしだって色々あるんだよ?

限界じゃないでしょ まだ。

もうしばらくのた打ち回ってなさいよ。

手とか貸さないからさ。








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 錯乱。  
 2002年08月17日(土)
 

僕はまだ子供で,
ときどき,
右手が人を殺す。
その代わり,
誰かの右手が,
僕を殺してくれるだろう。

「スカイ・クロラ」


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


誰かを殺したら,
「誰か」がわたしを殺してくれるだろうか。

青く 死を望む。
それは考えてはいけないこと。






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 変化として。  
 2002年08月15日(木)
 
体を傷付けなくなった。
その意味で「我慢」を覚えた。
代償として心を傷付けるようになった。
目に見えないからいくら傷付けても
誰も気付かないし,文句も言われない。
前より変わったことは,泣かなくなったこと。
全然泣かないとかそういうわけじゃなくて。
以前なら泣いていたようなことでも
今は脱力して自嘲するだけ。
力の無いふにゃふにゃな体で
立つことも座ることもできずに,
倒れたまま笑っている。
「何か」を考えることが馬鹿馬鹿しくなって
そんなとき,わたしの頭は真っ白になる。
息もまばたきも忘れてしまうほど
何も考えない,ということを
わたしは覚えた。










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 ペット。  
 2002年08月14日(水)
 



わたしは「飼い主」を探してさまよう。

上手くわたしを操縦,してくれる誰かを。










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 救い。  
 2002年08月13日(火)
 
消えていく面影と

耳に残る言葉と

癒えない傷。



居なくなって久しいあなたは

まだわたしを救い続けている。







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 生命と幸福について?  
 2002年08月12日(月)
 鳥に憧れた深海魚は

空を飛ぶ鳥に近づくために

海面に顔を出しました。

しかし

水圧の変化に耐え切れず

深海魚は死んでしまいました。

白いその死体は長らく海面を漂ったあと,

元の海底へと沈んでいきました。



++++++++++++++++++++++

問.深海魚はどうすれば良かったのでしょうか。

(1)鳥のことは忘れて,海底で生きる。

(2)永い時を進化を待ちながら海底で生きる。

(3)鳥を海底へと誘う。

(4)深海魚は死んだけれどこれで良かった。

(5)その他。

++++++++++++++++++++++





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 …  
 2002年08月11日(日)
 
同じようで違うこと。

違うようで似ていること。

場合によってそれは

苦しさを軽減してくれる。

勿論,その逆もありえるけど。



あなたは,どっちなのだろう。










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 不眠。  
 2002年08月10日(土)
 
眠れない夜には

色々と思い出してしまう。

朝が来てほしくなかった夜のこと。

“明日”になれば

わたしは死んでしまうかもしれないのに

空が白んできてしまった夜のこと。

焦りと恐怖に怯えて一睡もできず

フラフラの頭のまま

高い建物を見上げた気持ちを。



忘れてしまいたい記憶。

甘い誘惑に,なりうるから。

もう思い出させないで。











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 空虚なとき。  
 2002年08月09日(金)
 

誰とでも良いから
繋がりたくなる,こともある。

弱いと言えば
そのとおりだけど。

軽く撫でるだけでいい。

水が頬に触れるくらいの
かすかな接触。







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 正解,or...?  
 2002年08月08日(木)
 

体が血を流さなければそれでいい?

あなたはそれで満足?

あなたに見えるわたしの傷がなくなるから。



わたしはいつも笑っていればいい?

あなたはそれで安心?

あなたにはわたしが楽しそうに見えるから。



わたしは余計に苦しくなっている。

見えない傷ならいいのかな,とか

感付かれない場所ならいいのかな,とか…。



そうすることはわたしにとって本当に良かった?

まだ結果が出る時期じゃないから分からない。

以前と違うのは,

燻ったこの感じ。













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 壊れるには。  
 2002年08月07日(水)
 あなたがわたしを壊すには
ただ一瞬の音でいい。

わたしが壊れてしまうには
ただ一枚の画像でいい。

わたしはたったそれだけで
あなたのことを思い出して
動けなくなるから。

壊したいならそれだけでいい。

あなたが壊さないなら
わたしは自ら壊れてしまおう。





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 恐怖の対象。  
 2002年08月03日(土)
 

わたしのことを好きだと言う人が怖い。

わたしに興味を持つ人が怖い。

探ろうとする人が怖い。



わたしは

わたしに触れない人がいい。

観葉植物とかそのくらいのものに

ただ

そこにあるだけのものに思ってくれる人がいい。



わたしに触ろうとしないで。

あなたが,怖い。








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