白痴日記
白痴



 有難う

彼方の優柔不断さは
時に私を苛立たせたが
結局は色々想像させてくれて,優しいものだった.

一緒に暮らして笑ったり
愛されなかった私でも少し長生きできるような
想像を.

感謝している.

幸せになってほしい.

2007年09月26日(水)



 聞けないでいる

大事なことを聞けないでいる.
答えがわかっていて,わかっていると思いこんでいて
聞きたくないから,聞けないでいる.

透けていたい.
透けていきたい.

そのうち零になるといい.
私の全てが.
姿形も
記憶も
感情も.

零の滴.


2007年09月24日(月)



 畏れ

大切なものは,畏れ,なのではないだろうか.
空の浴槽に身体を不自然にねじ込んで考える.
畏れ,があれば何事も,もう少し優しく謙虚に進むのかもしれない.

暫くこの考えを突き進めるだろう.
脳内で.静かに.


2007年09月21日(金)



 太陽をじっと見る

目が潰れると言われても
太陽をじっと見ていた,小さい頃.
そのうち目が眩んで,黒い点が視界を覆う.

最近太陽を見ていない.

もう目が潰れてしまったのかもしれない.

2007年09月20日(木)



 同じ木

同じ木から生まれた人に出会う夢をこの間見た.
木の幹を触ると響くような鼓動を感じて
私は
「この木から生まれたのだ」
と笑っていた.
辿り着いたと笑っていた.

その人に向かって走っていく時
私は全てを捨てて
全速力で
駆けた.

まるでその時のために今までがあったかのように.

木の鼓動は掌に今も残り,喜びは心に残っている.



どうして夢なのだろうな.
うれしいことはいつも.

2007年09月17日(月)



 ランチョンマット

ランチョンマットが欲しい.
丈夫で明るい柄のもの.
藍色のものもいいな.
2枚ずつ.
柄違いや色違いもいいだろう.

一生ピクニック.
時々誰かと会って.どうぞと清潔なそれを敷いて
ジャムをいれた紅茶や牛乳で似たお茶を飲む.

誰かが去ってランチョンマットを畳むとき
何となく人生の欠片がわかるような気がするのではないか.


2007年09月09日(日)
初日 最新 目次 MAIL