白痴日記
白痴



 ふたりきり

ふたりきりでいた時間はそう多くなかった.
でも苦しいほど幸せだった.

届かなかった気持ちも.
言うのを我慢できた言葉も.

無理矢理笑った玄関も.

屹度,全て私の記憶の中にしか残されていないから
私の消滅と一緒に
ふたりきり,も消えてしまうね.

2007年08月26日(日)



 わからない

君が笑っているのか,泣いているのか
待っていてくれるのか
もう忘れてしまっているのか

私が明日もいるのか
昨日何をしたのか

わからない.
目を開けたくない.
わかりたくない.

2007年08月24日(金)



 ヒロシマ

あの子はこの日に何かしら書いていた.
優しい子だった,とても.
その優しさを,少し自分に向けてくれていたら
あの子は今年も何かしら書いただろう.

絶対的なものが,あの子を奪っていった.




2007年08月06日(月)



 自分さえも

もう誰を責める気持ちもありません.
痺れてきた指先で
君の感覚を
君に触れた感覚を
思い出して

口をぽかんと開けて
上を向いて
泣くのを堪える.



2007年08月05日(日)
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