白痴日記
白痴



 居場所

居場所は何処にでもあり
居場所は何処にもない.

そういうものだと思う.

自分の足で踏んでいるところが居場所.


2007年07月30日(月)



 

言葉は膿
脳味噌から湧いてくる膿

書き散らかして
ばらまいて

額の裏側に何も浮かばないように.

2007年07月26日(木)



 期限

やっぱり自分は本当に死にたいのだと
見せつけられる夜明け.
口に鉄の薄い匂い.
目玉のように開いた傷から脂肪が見つめる.

記憶は薄かった.
やったのは自分,くらいしかわからない.

その躊躇のない切り口を見ていた.
ひとつのことを思いながら.

2007年07月22日(日)



 ストイック

ストイックな人に会いたいと思っている.
私はストイックではないから.

ストイックな人と会って
感じ入ったら
私もそうなりたいと思うかもしれない.

2007年07月19日(木)



 根本

根本は変わっていない.
目を閉じて,しばらく考えると
すぐにわかる.

私は君が誰かに今までにない感情を持ったり
一生を誓ったり,したら

そこで終えるだろう,自分を.

君の目を見ながら.

私の一生に架したもの.


2007年07月18日(水)



 君のルールは僕のじゃない.

身体中から闇が零れだしても
守るものは守るさ.

ルールとは信念.


2007年07月16日(月)



 パーソナルプログラム

私にはバグが出ている.
あちこちのコードに.

誰か修正して頂戴な.

その指で.
その脳味噌で.

触れて.

2007年07月14日(土)



 左腕

白色
茶色
赤色
青色

色とりどりの傷跡.

それらが全て痛みだし
幻覚か現実かわからないまま.

深く切ってある部分もあるから
内部がどうにかなっていることもあるでしょう.


いっそうのこと.

2007年07月13日(金)



 破壊

手も足も血だらけで
破壊したものの中に立っていた.

歩き出したけれど
目の前で硝子が割れ,私もうっかり踏みつけてしまい
破片が足止めする始末.

手を切りながら足の甲から破片を抜いて
歩きましょう.

歩くしか
ないのなら

とどまることが
できないのなら.

2007年07月12日(木)



 近眼

私は私でいたい.
痛くても.

自分の輪郭に拘りすぎると
見失うものがあったり
見えないものもあるかもしれない.

でも
自分を見失うよりはいい.

私は最期まで私でいるよ.

兼ね合いのつかない私で.

2007年07月10日(火)



 どこにもいない

自分が口を開くことで
あの子に伝えることで

何かが壊れるのなら
其れは壊れてしまったほうがいいのではないかしら.
否,
寧ろ私が壊したいのだ.

その後どうなろうと知ったこっちゃない.
私は自分の痕跡をしっかり残したいだけ.

だってそうじゃないと
私がいないみたいじゃないか.

私がどこにもいないみたいじゃないか.

2007年07月09日(月)



 人は言う

切っては駄目だと
死んではいけないと

私も言うことがあるね.

でも言葉は通りすぎる.
私に侵入するのは刃だけだ.

救いを求めたこともあった.
愚かなことだと知った.


人は自分のことでいっぱいだ.
私が触れられて許される場所はない.

ない.

2007年07月08日(日)



 さーらさら

七夕さーらさら

その部分を繰り返し歌う.

傷ついても
悲しくても

血液しか流れなくなったのは数年前.

涙は顔の裏側で蒸発する.

2007年07月07日(土)



 甘く苦い

自分の輪郭が崩れていくとき
それは幸せかもしれない.

けれど
それは怖いことだ.

私は形を保って,関わる.

寂しいことかもしれないが
そうする.

2007年07月05日(木)



 雨と壊れた傘と

壊れた傘をさして歩く.
見窄らしいと言ったほうがしっくりくる.

来た日に雨が降っていて
帰る日に晴れたいた男の傘だ.

2ヵ月近く放置したので余計ボロになった.

傘の持ち主ともう一度会えるのかどうかはわからない.

傘を畳んで自分の速度で,地下へ降りていく.

2007年07月04日(水)



 今年のサンダル

長年履いていたビルケンがくたびれ果ててしまい
タイのサンダルを買った.
ハンモックみたいな網が足の甲を覆う.
とても軽い.
たぶん麻の感触.
遠くには行けない.
ずっとは歩けないだろう.

今年の私に似合うだろう.

2007年07月03日(火)
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