白痴日記
白痴
■
■
■
■
■
■
無駄になる想い
わたくしのようなものが
にんげんのように思い遣りなど
扱おうとするから
痛い目を見るのです.
立場をわきまえ
硝子玉のような目をして
形ばかりの笑顔で
生きていくのです.
いつか瞼を閉じることができるまで.
2006年12月25日(月)
■
■
■
■
■
■
入水
冷たい水の中へ.
幼い頃いつも感じていた匂いの中に.
途中で足が届かなくなる.
私は屹度少し藻掻いてしまう.
それから少しの間,浮かんで空を見る.
最後に.
少し泣いて,沈んでいく.
浮腫んで腐って,喰われて
私ではないものが
そのうち見つかるだろう.
2006年12月22日(金)
■
■
■
■
■
■
溜息ロボット
溜息をよくするようになっていた.
人前でさえも.
人を愛したり,憎んだりが
単純に面倒で.
私はロボット.
2006年12月12日(火)
■
■
■
■
■
■
彼方の家での休日
彼方がいなくても,この部屋は彼方に満ちている.
彼方の匂いと一緒になって私は眠る.
彼方は優しい.
それが問題点になるほどに.
でも私は彼方の優しさを捨てたりしないだろう.
2006年12月04日(月)
≪
≫
初日
最新
目次
MAIL