白痴日記
白痴



 泣きたい気持ち

泣けなくなったのは
正確には泣きたい時に泣けなくなったのは
いつだろう.

多分その時,絶望したのだろう.


2006年03月31日(金)



 紙一重

全ては紙一重.


2006年03月30日(木)



 なぜ働くのか.

よく考えている.この疑問を.

自分の中の何かを殺してまで,働くのか.
限られた時間の中で,働いて時間が過ぎること.

当社で働いて得られるものは何ですか?
エントリーシートの決まり文句.

皆働いていて偉いなあと,ただ単純に思う.
毎日同じ時間に同じ場所にいること.
それはとても偉いことだ.

私は迷ってしまう.
きっと融通が利かなさすぎるのだ.


2006年03月29日(水)



 死生観

宗教を持たず,天国さえ信じていない私にとって
死んでしまった人間をどの位置におけばよいのか
可成り悩んでしまう.

記憶の中にしかいない存在を,どうしたらいいのか.
その人の尊厳をどう護っていくのか.

2006年03月28日(火)



 戯ける愚か者

笑いたい時にだけ笑いたい.
言いたいことは言いたい.

それだけなんだ.
つまるところは.

コミュニケーションなんて僕にはいらないよ.
孤独には慣れているし,たとえ無理して合わせていても
それは必ずやってくるからね.

2006年03月27日(月)



 此から

此から,のことを考えたり言えるようになったと
少し褒められた,喜ばれた.

本当は1秒先さえわかっていない.
ただ最近の用事にはヴィジョンが必要だから
適切なプランが必要だから
私は身を削っているだけだ.

喜ばれると,もっとしたくなるよ.

苦しくなろうとも.

2006年03月26日(日)



 雑誌

雑誌をお風呂で眺めていたら
皆が同じに見えてきた.
髪型もメイクも,お洋服も.

それはとても気持ちの悪いことだった.


2006年03月25日(土)



 

時間が経っても
どんなに経っても
心乱される人を,私は
愛している.

何かをくれるから,だとか
愛してくれるから,だとか
ではなく

ただ
愛している.

時は私に味方しない.

2006年03月24日(金)



 何でこんな事をしているのだっけ

笑いたくないところで笑ったり
下げたくもない頭を下げたり.

エレベーターの壁にもたれて,目を閉じる.

ええと
就職するためで

だけれど
何のために

そう
暮らしていくために

でも
労働とは生活のためだけなの.


ぐるぐるする私の目の前で開くドア.

2006年03月23日(木)



 数時間

数時間の東京.
雑多な街.
ぶつかっても謝ることのない街.

けれども
家路を急ぐ人々は,きっと笑顔のある家へ
帰っていくのだ.
そうでなければならない.

モノレールへの乗り換えの時
そういうことを思った.

2006年03月22日(水)



 用事

用事がたくさんあり過ぎて
頭の中でメモにして
一個一個を着実に確実に片づけていく.

スターバックスでは豆乳へのチェンジを頼む.
最近の習慣.

マスカラをつけた睫毛が重たく湿気を含む.

医師と二人の部屋で私は特に何も言えなくなる.
全体的につらいのだもの.


2006年03月21日(火)



 また一月

君が死んで
どんどん時間が過ぎてしまうよ.

死んだことが「事実」として,固まってしまう.
いつも心の中では取り乱しているよ.

受け止めなければ進めない.
そう.たぶんそう.
けれど.
だけれども,私は.

君の周りにいた人を大事にするよ.
約束するよ.

2006年03月20日(月)



 自己啓発

自己啓発に嵌るのはいいが
会社説明会にそのテンションは勘弁してくれよ.
そのような事を含めた色々な溜息を博多の空に吐く.

気持ち悪かった.
何だろう,あのラードみたいなくどさは.
生きているだけで泥臭いのに,それを高尚なものにしようとなんてするからだよ.
しかも自分たちだけ.

so fuckk'n!

2006年03月19日(日)



 雨と蓬莱

試験の帰りにおつかいを頼まれる.
蓬莱の豚まん.1000円分.

夜中二人で目を覚まして食べる.
きちんと温めるのは好ましい.
私なら冷たいまま,食べてしまっただろう.

そういうことを思ったら
やっていけるかもしれないと思ったりする.
一瞬.

2006年03月18日(土)



 カラメルソース

香ばしくて甘い.
少し苦い.

きちんと作ったカラメルソースは
丁寧に生きていることを感じさせる.


2006年03月17日(金)



 私はとても従順

つらい話に頷いて
君の足をマッサァジなどして
蹴飛ばした布団をかけたりする.

だから
この部屋から出ないでね.

何も困ることはないの.

2006年03月16日(木)



 マスカラ

マスカラが欲しいと急に思いたつ.
この間買ったばかりなのだけれど.
しなやかにならない睫毛が嫌なのだ.

しっとりして艶のある黒のマスカラ.
滲みは嫌.

マスカラを買おう.
今度の旅の前に.

2006年03月15日(水)



 苺のホワイトチョコレートがけ

甘酸っぱいそれをバレンタインに,たまたま
教授にあげたのを忘れていた.

そして今日がホワイトディというのも忘れていた.

風邪でいっぱいいっぱいだったし
心にも余裕がなかった.

ところが今日
お返しがある,と
メールが来ていた.あんな一欠片のチョコレイトに.

人生はこのように回っているのかもしれないと
発熱している頭で考えた.

2006年03月14日(火)



 9月閉店

使っていた小さな薬局が閉店していた.
生理痛の時,とびきりの薬を奥から出してくれた薬局.
自殺に使った薬を心配されながら買った薬局.

一つ一つ過去は,本当の過去になっていく.
記憶の中にしかないという意味で.

2006年03月13日(月)



 たぶんそれは普通の

要求だったと思うよ.
欲望だったと思うよ.

仮想空間だとか
現実だとか
私には関係なく

どちらにも嘘はあって
汚いものもたくさんあって
醜い音がする.

そのようなことは
もう充分学んでしまっているの.

けれど
ルールがあるから.



2006年03月12日(日)



 私の大事なお友達

私の大事なお友達は昨日ひどく怒って悲しんでいたから
私もひどく悲しんでしまった.
けれど話していると,馬鹿な考えが色々浮かんできて
楽しくなってしまった.

こういう月日をいつか送ることができるといいのに.

2006年03月11日(土)



 セックスはコミュニケーション?

特にする必要も状況もなく
それでもしてしまうのは
お互いの距離が近くて,遠いから.

気持ちのやり場がないから
身体を使う.

私たちが文豪だったとしたら
きっとしないでしょう.

私は笑ってリラックスしながら
快楽を感じる.

その答えは

それは考えない.
ナンセンスだし,考えても仕方がない.

2006年03月10日(金)



 

薬を大量に飲んだりしていないでしょう?

母親の怯えた声.
嗚呼,心配かけている.
でもしていないから.
飲む薬といっても鎮痛剤と抗不安剤しか余っていない.
そんなの飲んでも,もうふらりともしない.
飲み過ぎた過去がそんな身体を作った.

雨が降る.



2006年03月09日(木)



 慟哭

眼球が飛び出していた.
数分前まで甘えていた目が飛び出していた.
可愛い声を出した口は大きく裂けて,血を吐いている.

私は訳がわからず,冷たくなっていくのを,ただ
生命と繋ぎ止めようと,叫んで,マッサージして
泣いていた.

冷たくだらりとした身体をちゃんと抱こうとしたけれど
血でぬめった.

自分がしたことを
自分がしたことなのに

時間が戻ってくれと.
私は言葉にならない叫び声をあげた.



2006年03月08日(水)



 血肉

血肉になってほしい.
とてもエゴイスト的考えだとわかっている.

けれど背負うために
一瞬でも忘れず背負うために.

2006年03月07日(火)



 papa happybirthday

あなたの娘は恥知らずにまだ生きているから
あなたもまだ生きて.


2006年03月06日(月)



 あと十時間

あと十時間でたぶん数年ぶりに友達と会う.
私は列車を二つ乗り継ぐ.
その前に飛行機に乗る.

最初に発する言葉は何だろう.
たぶん,ありがとう,ではないだろうか.
私は彼にとても感謝している.

私の生を知っているのは,彼を含めて
ごく限られた人だけだ.

私は舞台に上がらなくても許される.

2006年03月05日(日)



 電話

電話がかかるだけで,呼び出し中を聞くだけで
満足して受話器を置く.

まだ繋がることができる.

2006年03月04日(土)



 

兎が人間の歳でいうと50歳になった.
1年で10歳も歳をとってしまう.
いつまで一緒に暮らせるのかしら.
私の愛しい足枷.

店で怯えていた瞳はもう怯えることもなく
ただ要求をする.
甘える.

私はこの子達のためなら人も殺すと思う.

2006年03月03日(金)



 HABU

自然な空間など此の世になく
人は不自然な空間を作り出し,それに酔う.

私はそれが苦手かもしれない.
だから一人でいる.

その時だけの空間.
紛い物と本物を見分ける術など私にはない.

私は何処にも馴染めない.

2006年03月02日(木)



 雨の空港

雨が降って,ワイパーを五月蠅く動かす.
タイヤの滑り具合の確かめながら,アクセルを踏む.
だって遅れそうなのだもの.

行きたくないのに,何で急いでいるのだろう.
少し可笑しくなった.

スピードメーターは120

2006年03月01日(水)
初日 最新 目次 MAIL