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■ 011:柔らかい殻
私はいっぱいの人と寝る. そういう商売ではない. そういう性癖? それも違う.
痛みが欲しい. 痛みが.
でもそんなことはおくびにも出さない. 面倒だからだ.
それに別に寝るだけだ.
今日,こいつはいきなり来た. こいつは私と付き合っていると思っている. 来る時は電話をしてね,なんて言わないから. もし来て,誰かがいたらクスクス笑いで共犯者. 居留守を使う.
それにしても 今日のこいつは態度が悪い. 寝るだけ寝て帰ってほしいのに. ヒモとして暮らしている家に.
やっと乗りかかってきた奴の性器を収めながら考える. ヒモと暮らして楽しいのかしら. セックスがたいして上手でもない.ううん,下手. 動き方は頓珍漢だし,芸術家ぶった言葉も笑いを堪えるのに苦労する.
ピントのずれたピストンを受け入れる膣の中は 痛みに満ちている. 私は満足して声を出す.痛みに満足して声を出す.
そして終わる.
気怠くなって冷蔵庫から,コーラを出して飲む. 帰り支度を始めない男に苛立ってくる.
精神衛生上悪い.
「コンビニ行って来るから,鍵はポストに入れておいて.」
空気の悪い部屋のドアを開ける.
2006年01月04日(水)
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