白痴日記
白痴



 コントレックス

私が最近愛飲している水.
水の割に高いが.

とろっとしておいしい.
だからおはようからおやすみまでコントレックスなのです.


2003年08月31日(日)



 いーおんな,かっこいーおんな

そういうものになりたいと思っていた.
十代や二十代前半や.
どんな女なのかよくわからずに.漠然と.
よくありがちなお馬鹿さん.

二十代後半の今,私は形容詞のない女になりたい.
ただのひとりのおんなになりたい.


2003年08月30日(土)



 まねー

お金はシビア.
貧乏は屈辱.貧乏はしんどい.

でも貧乏が憎いかと訊かれれば,憎くはないと答える.
嫌いだけど.

お金は必要なときに必要なだけあるとよい.
それが成り立たないのが貧乏.

這い上がる?

2003年08月29日(金)



 祖父が死んだとき

その子供達は,棺にくぎが打たれていく音で泣き崩れ
中学の制服を着た私は私の母親の涙を見て
泣きそうになったけれども
「巻き込まれて泣くのなら泣いてはいけない.」と言う兄の言葉に従って
泣かずに,外で立ち上る煙を見ていた.

ヒトは死ぬ.
当然のこと.

命の尊さや,ヒトの寿命や,そういう類のことを
こういうことを切っ掛けに変えていく人.
そういう人がいるのは知っていた.

そして私がそういうことでは変わらないことはもうわかっている.

友人だと思う彼は云う.
「祖母が死んで死にたいとは思わなくなったんだ.」
「だから君の死にたいという言葉が前より遠く聞こえる.順って,自分のそれを止める言葉も前と違って聞こえるんだ.」

そうですか.
私は少し混乱した頭で考える.元々死にたい,私と彼の身の置き場は違ったのだろう.病,なのだ.私は.
そうしてもう何もなくなる.



2003年08月28日(木)



 動けなかった一日を

今日お外に出たのは右腕だけ.
新聞を取るために.

小さな声で唄をうたって
空間の中を閉じこもっている.


2003年08月27日(水)



 靴下

貴重なセロクエルを投与する.
二粒.在庫零.
そのうち平衡感覚がなくなって,意識がなくなる.

言葉だけは嫌なんだよ.
言葉だけなら何だって言えるんだ.
死ぬなと言うなら私を抑えつけろ.

ふらふらしながら思考が叫ぶ.

でも現実は言葉だけだと知っている.
言葉になんて頼らなければいい.
一人で生きていくしかないのだから.

一人で生きていくしかないのだから.

みんな言葉しかくれない.
言葉だけの世界.一人で泳ぐ.

バランスのない世界.

ねえ誰か靴下を穿かせてよ.
靴下を履いてもらいたいと思っています,って言葉じゃなくてさ
此の脚に直接触れて,靴下を穿かせてよ.






2003年08月26日(火)



 早朝覚醒

早朝覚醒のために
夜が朝になる瞬間を見ることが多い.
眠ろうとしながら,私はそれを見ている.

段々薄くなる闇は太陽に隠される.
でも闇は消える事なんてないんだ.

2003年08月25日(月)



 思ったのは

責任というものを感じる能力がない人のぶんを
責任を感じすぎる人が背負ってしまうものだなあ.

色々な状況,色々な年代,
色々なのに.

その不条理は全てを超えて存在する.


2003年08月24日(日)



 罪と罰

汚した分は,汚れてしまう.
吐いた言葉は,いずれ刺さり来る.

孤独は.
孤独は.



2003年08月23日(土)



 唯,泣いていたいのに

涙が出ない.
嗚咽も透明.

こんな闇は唯,泣いていたいのに.

死ぬこともできず.
ひとりぼっちで.

薬で無理矢理此の意識を途切れさせようか.
このひびわれて,血の滲む意識を.

2003年08月22日(金)



 香水 汗 血

それらが入り交じって
私の頬は上気する.

吐き気がするような,一生続くような夕方.

2003年08月21日(木)



 戯けるという事

私はよく戯ける.
面倒なときに,どうでもいいときに.
大体戯けているときの私は機嫌が最低を走っている.



2003年08月20日(水)



 矯正

髪をまっすぐにする.
頭蓋骨に髪が張り付く.

鏡の中で私は嗤う.

2003年08月18日(月)



 唾液

好きな男に舐められた躰の一部から
唾液のそれが立ち上がると,生々しい吐息を吐く.

それ以外の人の唾液は即抹消.
気持ち悪い.

嗚呼,好きな男だけしていたい.

2003年08月17日(日)



 雨が降る

雨が降る
私は溶けすぎた水飴のように
眠く,雨音に意識が遠い.

2003年08月16日(土)



 語り継ぐ?

語り継がなくても此の世は争いに未だ満ちている.

本当の終わりはその戦争に関わった人全てが灰になるときだろう.
悲惨な記憶と共に.

私は小さい頃親族から,大叔母さんに爆弾が当たって,粉々になった話を何度か聞かされた.だから映画を見たように頭の中で再生できる.

反戦.

2003年08月15日(金)



 テストが終わったら

携帯アドレス教えてくれるって言ったのにな.

でも仕方ない.
彼には彼の時間と事情がある.

僻みでも何でもなく,
私のことが少しでも必要だったのはあの一瞬だったのだろう.
悲しいけど.

好きなのに.
悲しいけど.



2003年08月14日(木)



 寂しい

あまりの寂しさが押し寄せてきて
私は薬を飲みました.
自分を固定させるために.

魘されて目を開けると,もう外が暗くなっていました.

疲れました.

2003年08月10日(日)



 ラムとジンとウォッカ

私の好きな酒,三種.
歳をとって,落ち着いたら
酒浸りの日々を送りたい.

音を聞きながら.

2003年08月09日(土)



 夢のお話.

綺麗な唄を聴いて夢を見る.
シンデレラが床拭きをしながら,見ていたような夢.

一人で生きていくこと,なんて腐るほどしみついているし,理解している.
人間は一人だと.死ぬときまで.
理解を求めて,苦しんでも,それほど意味がないと.

でも夢を見る.
手の届くことがない夢を見る.

2003年08月08日(金)



 還る場所

私が帰る場所などはなく.
どこにも.

私の還る場所は,空気の中.炎に焼かれて灰になって.
骨は壺なんていれないでほしい.

そのまま土に戻して欲しい.

還りたい.

2003年08月07日(木)



 朝を迎えるたび

朝を迎えるたび,此が最期の朝であってほしいと願う.
希望や,絶望や,失望が入り交じって私の視界は悪い.

いつも見ていた.
つらい場面すら.今は剃刀さえ手に持てず.

本当は朝など大嫌い.
あの夜で私は終わることができればよかった.

残酷に地球はまわる.
自分で勝手に終わりやがれと.

泣くこともできなくなったこの目が冷たくなっていく.
毎日.毎日.

声さえ届かない.

死ぬなら今だ.

2003年08月06日(水)



 此まで,此から

好意が伝わらないことが,自傷をエスカレートさせていった.
死んで記憶に残りたかった.
消えない傷をつけて,消えたかった.

子が腹に宿らなかった事を恨んだ.
愛したのに,と.二人分でも,百人分でも愛したのに,と.
でもそれは屹度歪んでいた.
子ができなくてよかったのだ.そう今は思っている.悲しいけれど.

感謝をしている.
本当に.

まだこれからも私は苦しむだろう.
君への感情に苦しむだろう.
希望を捨てられないまま生きるだろう.

あの日出会ってから,ずっと愛している.
それは私を弱くも強くもする.
どん底から救ってくれたのは,でもその感情があるから.

有り難う.
迷惑ばかりで申し訳ない.
いてくれてありがとう.
あなたの存在は私に光をくれる.喩えそれが影に繋がっても.

お誕生日おめでとう.
痛いほど,想っている.

おめでとう.ありがとう.おめでとう.

2003年08月05日(火)



 今日は五時

今日は五時になったら帰ろう.
洗濯機をまわそう.
二回.

ウサギの世話をして,何かを口にして薬を飲もう.
そして眠ろう.

夢は見たくない.

2003年08月04日(月)



 老女

バスの中の老女達の会話.

梅鰹を作ってみようと思うのよ.
主人がね.
お宅は涼しいから.
いえそんなことはないの.
さようなら.


ねえ,私も歳を重ねてちょっとお洒落してバスに乗って
お友達と方言で会話して
そういう可能性
なくはない.
なくはない.

2003年08月03日(日)



 いなくなったら死んでしまうかもしれない

彼がどこか他の処へ行ってしまったら
私は死ぬかもしれない.

「一生追い続けるわけには行かないでしょう.」
彼が以前,口にした言葉.

自分の人生だとか,目標だとか
そういうものを
秤にかけるのは,この想いと秤にかけるのは
違う気がするよ.

だって彼は私を為しているから.
愛なんていらないさ.
ただその傍にいたいのだ.

そんな人生つまらないと,笑われてもね.

不可能だったら,死ぬ.

2003年08月02日(土)



 してはいけないこと

人に無力感を感じさせてはいけない.
少なくとも私に対して.
現実には無力であっても,それを感じさせるようなことを
相手に言ってはいけない.

私はまた失敗した.
何て意地が悪いのだろう.

2003年08月01日(金)
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