白痴日記
白痴



 じぶんのからだ

脚,X脚なのです.
小さな頃の写真も全部そう.
でもお気に入りの脚.

尾てい骨の下の小さなくぼみ
も好き.

太ももの上のそばかすも好き.
いつのまにかできていた.

手首は嫌い.汚いから.

2002年11月30日(土)



 26歳男性

「今僕は彼女と別れたばかりでぼろぼろで,そういうのがきちんとしたら,Aさん(便宜上)と付き合いたい.」

まあ,要約するとそういうことを言っていた人がいて.
何か私は無性にむかついたのだけれど,言葉がうまく見つからなかった.
聞いたときは.

価値観が違う.
それを外してもむかついたのだが何故だろう.
保険的生き方が嫌いだからか.将来の恋愛を語る人間が嫌いだからだろう.
何だかね,狡い気がしたのです.立ち直ったら次があるという保証が.
欲しかったらぼろぼろだろうが今立てよ.と.
恋は保証付きなもんじゃないでしょ.予定たつもんじゃないでしょ.

だけれど,誰でも綱渡りでは大変だから.

ま,世の中吐き捨てることなどたくさんあるし.


2002年11月29日(金)



 お別れ

お別れはやってきて
色々なかたちで,でも
つらいことばかりではないと.

ふと思い出した誰かの言葉.
カトリック幼稚園の園長さんかな.
周囲に打ち解けられない私に,彼はよく話してくれたから.

たぶん神父さんだったのだろうけれど
今頃天国に行けてる?

とてもチャーミングなおじいさんだったこと
覚えている.



2002年11月28日(木)



 届かない

届かないものは一生届かないかな
悲しい

2002年11月27日(水)



 幸福

それは2台の自転車を並べて
買い物袋を下げて
笑顔で色々話している恋人達.

コンビニエンスストアで今日の食事を迷っている恋人達.

仲良く手をつないで.

どうかその手が離れないことを私は祈る.
ただ祈る.

2002年11月26日(火)



 もう一人

外面の自分
パッケージされている.

この人は確かに私だけれど表層.
常ににつこりなどいたし
隣近所の方への挨拶も忘れず

品のない冗談も理不尽な物言いも
聞き流し

内側に注ぎ込まれるのは
いつも汚水.

2002年11月25日(月)



 品のない行為

人の心の皮
ささくれだっているところ
から
びりびり剥いていくこと.気づかないようなささくれまで.

集中する.薄笑いなど浮かべつつ.
品のないささくれを剥がす.的確な言葉で的確な間で.

品のない行為は品のない私の心に鞭を打つ.

自分の心が血だらけだからといって
人の心を打ってはいけない.
やられたら,やりかえす.なんて体力ないのだから
やめたほうがいいのに.

品のない行為を自覚している自分と
無意識な善人達と

くるくる世界は回る.

2002年11月24日(日)



 散るもの残るもの

散る木と散らない木は
どちらが幸せですか.

散っていく様はとても美しく

けれど
何があっても
そこに葉をもって立っている木も強く

何と世の中は美しい


2002年11月23日(土)



 堕天

サタンもデェモンも天使だった.
神様の世界は血生臭い.
想像であるのなら,もっと夢多きものを.
それとも警告?




2002年11月22日(金)



 誰か私買ってくださいよ

道ばたでしゃがんでる若人
千鳥足の中年

あたし寂しいんだ,とても.
私の事買ってよ.
一瞬でいいから必要にさせてよ.

終わったらお金置いて消えて.
そしたらさ,そのお金を
自殺貯金にするからさ.

誰か私買ってくださいよ.

2002年11月20日(水)



 記憶にございません

本当に好きな人との性交じゃないと
性交ではなくても
触りあったり唇がどこを這おうと

本当に覚えていない.
一週間も経てばすぐ忘れてる.

本当に好きな人とのは何度も飴のように
思い出すけれど.

だから
流産の可能性が高いなど言われ
子ができるような交わりをしたかと聞かれても
首をかしげるしか,
できない.



2002年11月19日(火)



 夢の話

私は何か理由をつけて
その場をしのごうとしていた.
何か適当な理由を.すぐばれる嘘のような理由でも.

でも何も浮かばず
結局口は閉じたまま.周りの雑音がラジオのように.
行ってしまう人を引き留めることも
できず
その人の怒りを解くことも叶わず.


目が覚めて「駄目よ」と言ってみる.
夢に届け.

2002年11月18日(月)



 散髪モルモット

排泄モルモットは今朝起きると
非常に汚い有りさまで.
それは私がトイレ以外の床材を取り除いたからでもあって
相変わらず無節操な排泄ぶりからでもあって

とりあえずシャンプー
日曜午前,洗面台でシャンプー.
それから今後暗く予想し,
散髪を決意.

布きり鋏で
ちょきちょきと
ぷぃぷぃ文句を言う奴に
文句を言い返しつつ
ちょきちょき.

ああ,私いつも自分の髪を切って
失敗していたわと
思い出す出来上がり.

虐待?

2002年11月17日(日)



 排泄モルモット

いや,単に
同居モルモットの中也(光太郎解明)は
どこでもトイレで.
私はあくまで私の都合で,
君のトイレはここだと頑固に教えているのだけれど
向こうも頑固で.

今までの同居動物はトイレが楽ちんだったので
排泄モルモット中也は
平和な悩みの種.

2002年11月16日(土)



 身体を売る

夕べ布団の中で
幾らで売れるか考える.

色々とNGを考え,年齢も考え
私の中での
売り値は50000/2h.
高すぎるなと苦笑.

一ヶ月4人に売れば暮らしが成り立つだろう.
授業料の月は倍.
タワイノナイ話.

過去に一瞬だけでも可愛がられた躯を
思い出して
目を閉じる.

眠れますように.
起きませんように.

2002年11月14日(木)



 遺書

献体してください
葬式法事しないでください
仲良く暮らしてください
早く忘れてください


疲れました

2002年11月13日(水)



 生きることを拒否しよう

拒否しよう.
生きること,全部.
そうしたら,生きる気力がなくなれば
自然に死ねるかもしれない.

現実
出血を繰り返した躯は眩暈がとれないし
薬を摂取しすぎた躯は生理も消えた.

死にたい.

2002年11月11日(月)



 りんりん

りんりん
空には星と月
あの子の埋まっている上に
玩具を
りんりん
りんりん

嗚咽が溢れ

りんりん
りんりん

2002年11月10日(日)



 求めすぎている

私はきっと求めすぎている.
手に入らないものを.

手の中にあるものの多さに
気づいているのなら
いつかはあきらめないといけないのかもしれない.

そう世の中思うようにはいかない.

でも,じゃあ
すべてを捨てたら,何もかもを犠牲にして
求めたら
手にはいるのかな.一緒にいれるのかな.

2002年11月09日(土)



 13000円

お金が財布からなくなり
ATMで金額を入力するとき,だいたい
13000円.
何かの幸福を願って
13000円
13は好きな数字.産まれた数字.

2002年11月08日(金)



 回転

くるくる頭は回転して
脳味噌は働いて
色々な景色を見せる.混乱するような.

妄想なの?

妄想に喰われる女.
卵巣が踊り,子宮が嗤う.

2002年11月07日(木)



 冬が来る

冬が来る
ここは冷たい雨が降る
冷たい雨の中,蠢くのは私
這っていく

服は擦り切れる
膝小僧は泣きっぱなし
誰かが捨てた瓶の欠片を握って
動かなくなった躯で

這っていくよ
待っていて
待っていて

2002年11月06日(水)



 裸体

シャワーを浴びる前
浴びた後
全身鏡に映る自分.

乳房,子宮の入った下腹
突き出た臀部.

X脚の脚に拭きのこしの
もう冷たくなったお湯が伝わり

叫んでもみても,聞こえず.

2002年11月05日(火)



 裏切り者

綺麗事
ならべてみたらビー玉みたいに

偽善者
それが発する言葉はラブレターに入った剃刀みたいに

偽悪者
自分に酔ってる阿呆

あたし
裏切り者

2002年11月04日(月)



 欲望の偏り

或る欲望が強ければバランスは崩れていく.

食べ物を口にしない.
呼吸もしない.

眩暈がして,椅子から滑り落ちそう.

或る欲望は叶わないから
益々私は欲しくなるのだ,そうちょうど穴の空いた樽に
欲望を流しているようなもの.

他に回す欲望なんて余っていないの.



2002年11月03日(日)



 愛情

目に見えないというけれど
それって本当?

たぶん
本当は5感でしっかり感じているのだろう.

そして目に見えないことを信じる
信じるしかない
愛情の場合は,何も感じるものがないから
無理矢理
第6感に働いてもらうのだろう.

2002年11月02日(土)



 クッション

お気に入りのクッションは
渋い色のボーダーで

だけれど
どす黒い血の水玉が
あちこち

私のクッション.


2002年11月01日(金)
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