白痴日記
白痴



 全てからの解放

それは死,しかないのかい.

それじゃあ悲しすぎると思うのは
まだ
私が生にいる証拠.

2002年12月31日(火)



 部屋の明かり

部屋の明かりをつけるのが苦手です.
音をたてるのも苦手です.

ぼんやりした灯を探そう.
怖がらなくていいように.

もう終わったのだよ.もう心配ないのだよ.
けれど.

2002年12月30日(月)



 悲しくてメールは続けられない

前にネットで知り合って
病状など話し
「治るまでメールしようね.」なんて言っていただいた方が
いたのですが,

2−3日後「やっぱり悲しくてメールは続けられない.」
と言われたのです.自分の身体に傷を増やしていくということは悲しいことらしいです.その人にとってはね.
でも誠実だと,思ったのでした.私は.
フェイドアウトでもなく,自分の言った言葉の無責任さを素直に認めていたから.だからお礼の後,データ消去.

今日.
その人の働く雑貨店へ行ったのです.十字架を模した赤いブレスとヴィヴィアンのミニチュアフレグランスを買って.
レジを打ってもらって,その時「メールをしていたのは私.」と言ったら
驚き,でも何度も
「治るといいですね.」と言ってもらった.
優しい目をした人だった.とても泣きたくなるぐらい優しい目を.

2002年12月29日(日)



 元旦の飛行機

経済的理由で帰省を元旦に.

レギュラーが売り切れで,伊丹−千歳間がスーパーシート.
おおっと庶民な私は思うわけで.
正月から贅沢.

そしてふと思う.
経済的理由で帰省を元旦に.

2002年12月28日(土)



 鎖骨

鎖骨が好きで
最近やつれているので,段々鎖骨がはっきりしてきて
嬉しい.

頼りない骨.

私の鎖骨
あの人の鎖骨.

こすりあわせて
楽器のように.

そんな夢みたいな事を思いながら
笑う.



2002年12月27日(金)



 枯れ枝

最近は木を切る光景を見ることが多くて
よくみていたら枯れ枝や,もう死んでしまったような幹を切っていて
そうしないと
きっと美しい樹にはならないのだろうけれど.

だけれど.







2002年12月26日(木)



 26歳男性

別れた彼女からの荷物が
クリスマスに届く.
「捨てていいよ」と言ったは言ったが
その彼女が住む町はゴミが有料らしくて
でも
送り賃の方が高いのではないかと.
着払い?

その不甲斐なさにも通じる優しさが彼の魅力の一つだろう.
お手紙入ってるといいね.
優しいお手紙.

彼女の部屋の匂いの付いたシャツや靴に混じって.
メリークリスマス.私の数少ないお友達.

2002年12月25日(水)



 正論

正論じゃないことなんて
昔から知ってる.
それでも,まわりが正論というのは
それしか言いようがないから.
周りも考えるのが面倒なのね.


金の苦労がない人に多いような気がする.
そういうのふりかざすのは.

身体が反応していてもsexしないとか
上品ね.

上品なブルジョア.

私は乞食.愛を乞う.

2002年12月24日(火)



 溜まる新聞

読まずに積み上げる
高い程
調子が悪い.

でも読んでも治るというものでもなし

2002年12月21日(土)



 kiss

キスをしたかった
その乾いた唇に.

きっと熱いだろう唇に.

2002年12月20日(金)



 目の縁

ニチジョウを書いていたら
泣きそうになりました.自分の書いているものに泣くなんて
最低.

目の縁をぎゅっとして涙を消しました.
私は泣かない.

私は泣かない.

2002年12月18日(水)



 兎の寝姿

本当に警戒心無く
ごろんと横になって貞子目になって寝ています.
守らなくては,と思ってみたりね.して.

最近は私の不調が伝わるようで可哀想です.
でもごろんと寝るんだけどね.

我が家の王様安吾様

2002年12月17日(火)



 存在

存在の耐えられないぐらいの軽さ

という映画が私は好きで.

人の存在を無視する,侮蔑する権利があなたにあるのですか.
何度も,何度も.

もしあったらすごいね.
尊敬いたします.

なんてね.

2002年12月16日(月)



 落ちバイト

アルバイト
正式に落ちました.

はてさて.



2002年12月15日(日)



 

此の腹に子が入っていれば
と思いつつ.
今月も私の卵巣と子宮の無駄活動は
足の間から流れていき.

トイレットペイパアに色が付いてるのは
もう買わないでおこうと
思ったり.
青と赤が混じって私を不快にさせるから.

子ぐらい作ってやれよ.
作ってやってよ.
ねえ.

2002年12月14日(土)



 寂しさ

一生消えないのなら
一生消してあげる.

2002年12月13日(金)



 孤独の広がり

一緒に死のうか
というメールを出してみる.
yesの返事.

孤独は少し広がりすぎた.
孤独は少し寂しがりすぎた.


2002年12月12日(木)



 好きな女の人

それは時々ふいにかかってくる電話
優しく甘い声に訛り.

何十人と売春して,お金残ってないねん
そして最近始めた,ようやく始められたその人の第一歩.
誰にも文句は言わせんよと.

どんな話も私の心には透明な硝子のようにキラキラしていて
泣きたくなるのです.
泣きたくなるのです.

強く儚い,その人を私はいつも遠くから想っている.

2002年12月11日(水)



 透ける心

私の心が透けているように
あなたの心だって見えているのです.

例えどんな理論を構築しようとも.
限界があるのです.

帰りましょう.

2002年12月10日(火)



 廃業

人を廃業しそうです.私.

2002年12月04日(水)



 食欲と性欲

似ている.とても.
洋式便座の蓋に足を組んで項垂れて
疲れた頭で私は考える.

病気にならないようにしないといけないし
好きな人とする食事は多少まずくても楽しいけれど
おいしいものは単純においしい.

愛とセックスを結びつけたのは誰だろう.
そんな凡例があるから
話はこんがらがっていく.

セックスはただのセックスで
食事は食事で
十分.



2002年12月03日(火)



 木々

学校のゴミ捨て場の木々が
見るも無惨に半分から上を切られているのです.
耳障りなチェーンソーの音とともに.

私はふと自分を失って
涙が出そうになったけれど
口をきけない者達の哀れさを噛みしめて

トラックの荷台に積まれた木々は何処へ.
お空に早く帰ることができるといいね.
身体半分じゃ痛いよね.

2002年12月02日(月)



 驚く

手を出したものの大きさに
驚く.

七面倒くさい物事だと
舌打ち.

空を見て驚く.

飛び降りようとして空の星に驚く.

2002年12月01日(日)
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