白痴日記
白痴
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水
最近水をよく飲みます.
食欲のない時も.
夜中悪夢で叫んだ喉にも.
70%が水なのだと考えたら少し楽になりませんか.
脳味噌なんてわずかなのです.
心なんて想像の産物です.
私は水をよく飲むのです.
2002年09月30日(月)
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何を訴えているの?
同居動物たちによく言う言葉.
その表情は.その動きは.
何を訴えているのか,最終的にはわからないのだけれど
でも
私はよくそう訊く.
自分にもよく訊く.
そして手に入らないものに手を伸ばして
爪を剥ぐ.
2002年09月29日(日)
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見えないもの聞けないもの感じないもの
実際に自分で確かめても
世の中の事象は
あっというまに嘘になっていくから
嘘になっていくことを責めても
仕方がないから
せめて
毎日抱いてよ
毎日愛していると
私に感じさせてよ
尽きる日まで
嘘になる日まで.
2002年09月28日(土)
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夢と現実
時々夢で知っていたことが
現実になって
区別がつかなくなる.
というのは嘘だけれど
嗚呼,この空気は
2002年09月27日(金)
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呼び捨て
あの先生は人を呼び捨てにする.
あの先生だけではないけれど.
怒鳴り声で呼び捨て.
これがいちばん嫌.
ろくな死に方をしないように
根暗な私は願っていたりする.
でも言おう.
「あなたに呼び捨てで怒鳴られる覚えはないわ.」
人間関係なんてどうでもいい.
2002年09月26日(木)
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コーラを飲んで溶けた指の骨
朝昼晩コーラを飲んでいたら
指の骨が溶けたのだそうだ.
もっと飲み続けたら全身の骨が溶けるね.
骨が溶けたら身体はきっと醜いね.
中身なんてわからないけどね.
2002年09月25日(水)
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恐れ入ります
この言葉はコンビニエンスストアなんかでよく聞くのだけれど.
嫌いで.白々しい言葉のようで.
今日お嬢様言葉本を買ったらね,お嬢様は
恐れ入ります
をよく使用するらしい.
恐れ入ります,って実はへりくだっているようで身分を強調するような差別言葉ではないかとさえ,思ったり.
広辞苑でも見てみよう.
とにもかくにも
お嬢様挫折.
2002年09月24日(火)
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十字架のネックレス
暑い夏に,ずっと
それを
していて,ふと見つめたら
輝きさえ
なくなって,汚くて
どこかで見たね.
何かに似てるね.
2002年09月23日(月)
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感傷
北海道の形を
空から見て,溜息をついて
綺麗だと思った.
北海道から飛び立って
あたしは寂しく感傷に浸ろうとしたけれど
どこにも逃げ場がないことを知っているから
笑うだけ.
2002年09月22日(日)
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自虐なのか,自己防衛なのか.
「精神病でも免許が取れた.」
と言うと母は言う.
「そんな事言うもんじゃないわ,自分で.」
嗚呼,ママごめんなさい.精神病がつらく響いたのね.
あなたは何も悪くないわ.決して.
だけれど私は確かに病気.
精神病患者.
いつから疾患したのかは自分でもわからない.
私はいつだって,この私だった.
ねえ,ママ?
2002年09月12日(木)
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生きていくしか
生きていくしかないのだろう
と思って
日々の雑音を,自分の中の悲鳴を怒声を罵声を
目に映る色々な物を,者を
引きずっているけれど
生きていくしかないことなんて
きっとない.
本当はそう思いたいから
思っているのでしょう.
「生きていくしかないのだろう.」
2002年09月11日(水)
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悪趣味
ちょっと悪趣味なことをしてきた.
懐古プロジェクト,笑止.
プロジェクトと言っても,もう何もしないけれど.
時々出てくる針をばらまく.
針,何千本も飲んでいるからね.
嘘吐きの酬いに.
2002年09月10日(火)
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石
石屋さんで石を買って
手首と首に.
石の冷たさが私に心地よい.
生物はつらい.
頼れない.
頼らない.
石ならね.石ならね.
愚かとでも哀れだとでも
好きなように
言いやがれ.
2002年09月09日(月)
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温もり
それは
其処にあるべき温もりで
性的な匂いなど微かにあるだけで
あたしは安心して目をつむる.
夢に疲れたら目を開ける.
そしたら温もりの主が笑った.
こんな生活
長く続けば,あたしは普通でいられるかもしれない.
なんて,
自分勝手なことを考えたりして.
あたしはあたしに帰っていくことを
いつから知ってしまったのだろう.
2002年09月08日(日)
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一円玉
ホカ弁で背の高い男の子が
財布からぽろりと落とした.気がつかない様子で.
私はそれを拾って,渡そうと.
しばらく迷っている間に
お客さんが次から次へとやってきて,一円玉が見え隠れし始めた.
傷跡のことを気にしたり,右手に荷物を持っていて
どうしても左手でしか渡せなかったから.
自意識過剰に心で嘲笑.
だけどやっぱり私は一円玉を拾って左手で手渡し
男の子のぼんやりしたお礼を聞き流して
店の外へ.
深呼吸.
2002年09月07日(土)
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透明になりたくない
透明になりたくない.
自分がどんどん透けて見えなくなってしまうのは嫌.
時々私は恐怖する.透明になることに.
薄暗い帰り道で,シャワーを浴びている風呂で.
あたしは,ここにいるの.
歪でも私は私がいいの.
だからどうか透明にしないで.
私を見つけて.
2002年09月06日(金)
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ベンチ
私はベンチがすきで.
ベンチのような形をした椅子が好きで.
そんな椅子に座るときは
浅く腰掛けて,前屈みになって
足をぶらぶらさせてみる.
その時私は小さな女の子で
「恵ちゃん.」って呼ばれたら,弾けるように
立ち上がる.
嗚呼,此処は精神病院のベンチだというのに.
「岡本さん.」と呼ばれて,私は弾けるように
立ち上がる.
2002年09月05日(木)
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背
右の肩胛骨の下の辺り
喰い千切られたように痛むのです.
ずくずくと.
時々息が詰まる激痛.
ねえ,どうしたいの?
2002年09月04日(水)
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作り出すこと
作り出すことは
とても簡単で,甘い.
作り出した中で
舐める現実は自分の好きな味でしょう.
作り出されたものは
いともたやすく
踏みつぶされる.
当然でしょう.
2002年09月03日(火)
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腕輪 冷たい指
大事な人に大事な腕輪を
強引に
あげたのです.
絡めた指は冷たく華奢で
その目は優しく強く,けれど脆く.
体温の高い私の指から
いつも一緒だった腕輪から
私の名残が刻まれますように.
ひそかに確かに.
2002年09月02日(月)
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