白痴日記
白痴



 高速

高速に行って100キロ出しました.
すぐに怒られて戻したけれど.

100キロなんて命が浮くほど軽くて.

誰か助けてよ.

2002年08月31日(土)



 矛盾

歪んだ私は真っ直ぐに
あなたに
向かって手を伸ばし続けている.
何も掴めなくても.

恋,慕情,執着,狂心,乱心.

アタシガシヌマデ


2002年08月30日(金)



 水っぽい血

文字を書こうとしているのに
なかなか
はっきり書けない.
水を含む血.

傷を増やす.
人差し指で傷口をえぐって
真っ赤な文字.

さらさらと流れる血
もう少し頑張ってよ.染みこんで.銀色の車に.

十字架から赤い涙.

2002年08月27日(火)



 人命尊重

今日聞いた言葉.
命の重さとか.

金に換えることはできない
けれど
金は払われるわけで.

責任
だとか.

歩行者の私が死ねば,親にはたぶん1億以上の金が
はいるだろう.
職などないのに,高学歴ということで将来の可能性とか何だとか
高く私の命は売れるだろう.

自殺の方法決定.

相手の車に対する,相手に対する,相手の家族に対する
罪の意識,良心の呵責
死んじゃったらわからないもん.
そんなの.
笑止.

2002年08月22日(木)



 涼しくなる

秋の虫たちが鳴きだしたのです.
蝉が道路に転がり,潰されていく.

空はどんどん高く.
無神経なほどに,高く.

秋がきても,冬がきても,春が来ても
私は.

2002年08月21日(水)



 若夫婦と幼児

病院の昼休みの時間を
ファーストフード屋で好きな写真家の本を
読みながら過ごして

目の前には若夫婦と幼児.
きっと私と変わらない年齢の.

幼児の上から,交差する夫婦の視線.
それはきっと一般的に幸せな親子の情景で.

自分の手の中にはないもの.
有り得ないもの.

でも手持ちのカードはあるからね.
ヒトリでも平気だというカード.
左手首には生々しく傷跡.

私には私の,手の中があるからね.
開いた手は

空っぽ.

2002年08月20日(火)



 剃刀を買いに

剃刀を買いに行きましょう.
私を救ってくれるのは其れだけ.
一人の私を救うのは剃刀だけ.

死んでしまいましょう.

2002年08月19日(月)



 お墓

洗濯物を干し終わって
つけたテレビでは,戦争死亡者のお墓を造るかどうか
議論中.

ドイツの例なんて挙げたりして.

極論
墓造ってなんになる?
ただ某神社の問題を曖昧にしたいだけじゃないの?
人殺しを奉ってある,某神社.
墓と葬式と法事は,私の中で生存者のためのもの.

死んだ者は帰ってこない.
どんな意志で死んでいこうと,無念のうちに悶え死のうと
ジ.エンドなのです.


2002年08月18日(日)



 権力と金

この二つで,人の心まで操れないと
よく聞くけれど.

人によるよな気がする.当たり前か.

お金はあったほうがいい.
貧乏学生はそう思う.

権力は人と関わって面倒そうだからいらない.

お金と権力があったら..
1つだけ怖い計画が思い浮かぶ.

極秘手術,脳手術,ワタシシカアイサナイヨウニ.
自分の幸福,他人の不幸.

本当に幸福かな.

でも
想いビトには幸福になってほしい,というのが
とりあえず「常識」で,其れぐらいは私の頭でも理解できるけれど
想いビトが幸福なら自分も幸福,というのは
当てはまらない.

だって欲しいのよ.
欲しいのよ.

2002年08月17日(土)



 破裂

自傷行為をしばらくしていない
生傷は一つもない
そう云うと,実兄は賞賛してくれる.
私はイイコ.

嗚呼,でもね,破裂しそうなのよ.
血管に刃が刺さる時の,あの感覚を.


2002年08月16日(金)



 ぼんやりとバスに乗って

ぼんやりとバスに乗って,何処かへ行きたいような
そんな気持ちです.
帰ってくるのが面倒なので,帰ってきません.
行くだけ.

終点のないバスを
探している.


2002年08月15日(木)



 星に願いを.

子が欲しい.
誰の子でもいいわけじゃない.
唯,一人の子が欲しい.

その子のためだけに二人きりで生きていきたい.
何処か遠いところに行って.

あなたのパパはって時々お話をして.
眠る前に二人で星にお願いをして.
パパが来ますように.
パパが二人を愛しますように.

悲しく歳をとっていく現実.
独りで.
何もない,何もない.



2002年08月14日(水)



 食欲.睡眠欲.性欲.

性欲って繁殖するために必要なのだろう.
だから一番満たすのが大変.
大変じゃないこともあるけれど.

満たしたところで,そこは空っぽ.
空っぽじゃないことなんて,あるのだろうか.

食欲も睡眠欲も.

あたりまえのことを言うのは嫌いだ,と
大好きな作家が書いていた.

愚か.
愚か者は今日も生きる.
愚かに苦しみながら,無様に.



2002年08月13日(火)



 手のひら

夏になると
あたしの躰は放熱するの.
手のひらから.
足の裏から.
もう,躰の全ての凹から.

あなたを溶かしてしまいたい.
その中で私も解けて逝きたい.

2002年08月12日(月)



 雨が降る

時々雨が降っては止み
私はベランダの洗濯物を思いながら
動けず,雨を見て聴いている.

躰が雨に溶けてしまうなら
裸足で飛び出していくのに.躰がなくなれば
心も終わる.

全てが終わる.

2002年08月11日(日)



 

交差点に止まったバスの窓から
右下にチャイルドシートに乗った幼児.
チャイルドシートは後部座席だろうが,と
思いつつ
おしゃぶりを加えた子を見ていたら

とても可愛らしく
とても憎たらしく
思えてきて

その頬に
爪を思い切り立てて
つねって
泣かせる想像を
した.

何が憎たらしかったの?
保護されていること?
自問しても
もう信号は
青.

2002年08月10日(土)



 真夏の空の下ホームセンターの帰りのナンパ

ナンパというものをされたのです.
いきなり車から降りてきて,
「あなた,タイプです.付き合ってください.」
上着は何処かの会社の作業服で紺のズボンをはいて
髪の薄くなったオヤジに.

私はタイプではないので断りました.
乗っていたら何処かの汚いホテルにでも行ったのでしょうか.
私はあんなオヤジには乗るのも乗られるのも
まっぴら.

殺してあげる.って言われたら
どうだったかな.笑止.

2002年08月09日(金)



 パンツ

学校の古びた洋式トイレに
腰を下ろして
ふと見たパンツのゴムの部分のアルファベット.
日本語訳「妖精のしっぽ」
こんな下着をつけていたことに笑う.
ただの縞々パンツだと
思っていたのに.

妖精とは.

2002年08月08日(木)



 抱いてみたら

抱いてみると
やはり寂しいままで
確かに暖かいものが腕にあるのは気持ちがいいけれど.

わかってはいたけれど
私の内部に底のない穴があること.

底なし沼でさえ底が本当はあるというのに.


2002年08月07日(水)



 寂しいのかもしれない.何かを腕に抱いていたいのかもしれない.

私が抱いて喜ぶものと暮らしたくて.
ハムスターは手は怖がらないけれど,性格が我が儘に育てたので抱っこなんかしたら,目をむいて怒るし.
カメは抱っこできるけど,迷惑そうだし.

猫を飼ったらハムスターを食べちゃうし.
犬はどうだろう・・・
そもそも,アパートはペット禁止なのよね.
今はね,ウサギがほしい.小さなウサギ.
赤ちゃんウサギ.

抱かれて喜ぶもの募集中.


2002年08月05日(月)



 自殺願望

叶わないことを
ひとつひとつ挙げていって
その中でも
とりわけ
悲しい悲しい事を,血だらけの手で
とりあげて.





2002年08月03日(土)



 あなた

あなたがもし,空のように
遠かったのなら
触れることができなかったのなら,
絶望さえしないほど,届かなかったのなら,

こんなには,こんなには.

2002年08月01日(木)
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