ただ、きみの幸を願えば。 |
あの日、何度も何度も、確かめる様に聞いた、
でも受けとめられなくて放り投げたそれを
もう1度、再生してみた。
途切れ途切れになった、かすれた声の合間に、僅かな嗚咽。
どうして抱き締められないんだろう、って心底思う。
あたしには『最期』の意味がよくわかんないんだ。
これまで、が、息絶えてしまうというの?
続きがないことは、つまり死ぬということ?
そんなんじゃないよね。
いつまでも、って、言ってくれたのは彼のほうだ。
今更、そんなに急いで幕引きしなくたっていいじゃない。
あたしひとりが大切にしてたんじゃ意味なんてない。
あぁ。もぉ、さよならはすぐそこまできていて♪
なんて歌、なかった?なんだっけ。
ぜんぶぜんぶ、排除できればいいんだ。ぜんぶ。
抱き締めてほしかったんじゃないよ。
優しくされたかったんじゃない。
ただ、きみだったから。
きみが、嘘偽りのない、きみだったから。
なのに。
どうして、好きでいるだけじゃダメなんだろう。
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2005年05月26日(木)
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