小さな頃、平屋の家に住んでいた。
家の前をちょっと出ると、舗装のない道で、その横には水田用の溝があった。
ほんのちいさな水の流れの中に、フナもめだかもいた。
細長い棒を水の中に刺しじぐざぐに魚を追った。
かえるもかたつむりもいもむしもみんな手に届くところにいた。
家の裏手も水田で、そばにはセリが生えていて、よく食卓にのった。
かえるのたまごを取ってきて洗面器で孵し、いつのまにかおたまじゃくしが育ってしまっていなくなった。
水田は秋になるとひろい遊び場になって、いまなら躓いて大けがでもしそうな稲の切り株の間を、チャンバラをしながら駆けた。
春になると一面がれんげの色に変わった。
まだ蒼い澄んだ湖があちこちにあり、森では秘密基地を作ることが出来た。
夏の日差しのなかで蝉取りをして、すすきにまぎれて赤とんぼを眺めた。
夢の中で出会う母はそんなころの母。
「この砂漠の向こうに、エステーリアはもうないのだ」
ミュージックステーションのスペシャルに
平井堅が出たときに、ふと、思った。
騎手の声はみな高い。
体型が似ると声もかなり似ているとしたら
御手洗の声ってこんな感じだろうか?
明日から宇部です。
よいおとしを。