六本木ミニだより
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『趣味は読書。』斉藤美奈子 平凡社 「読むのが面倒くさい」と思っていたベストセラーを著者が代わりに読んで解説してくれるという便利な本。それにしても斎藤さんはどうして、ジェンダー・バイアスについては相変わらずするどいのに、親子の力関係の問題についてはこうも冷笑的なんだろう。ジェンダーの問題だけ論じても意味ないと思うのだが。神経でものをいう中村うさぎみたいな文体も気になる。『妊娠小説』の頃はもうちょっと違ったと思うんだけど。 『パーフェクトH』 河出書房新社 スカイパーフェクTVの同名番組の再録。番組進行役は山田邦子、AV男優の加藤鷹、日本家族計画協会クリニック医師の北村邦夫。北村先生が出演しているのに、デートレイプやセクシャルハラスメントの話が一度も出てこないのは気になる。
ISLの新コンテンツ、「new new woman」のために千葉敦子の著書を再読する。『乳ガンなんかに負けられない』『「死への準備」日記』『いのちの手紙』『ちょっとおかしいぞ、日本人』『よりかかっては生きられない 男と女のパートナーシップ』『ニューヨークの24時間』など。 たった数日でなぜこれだけ大量に読めるかというと、それだけ彼女の本は読みやすいのです。実に平易で、主張がはっきりしているから文に虚飾を加えずにすむ。詩もたくさん作る人だけあって、散文にもリズムがある。 そして、彼女の書くものはスリリングなのだ。私は、ミステリでさえ、これほど速くは読めない。よく、「犯人なんて、誰でもいいよ」と思うと途中でやめてしまう。彼女の生き方の方が、ずっと先を読みたくなる。
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