バカ恋
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■ 参拾参 ■


また壱つ歳を取りました。

時計の針が拾弐時を通り過ぎた時、

ケータイに届いた「おめでとう」のメエル。

思いがけない人からの思いがけないメエル。

去年はこんなサプライズは無かったのに、

今更どうして?







世界で一番最初に「おめでとう」と言ってくれたのも、

きっと何時もの気まぐれ。

どこまでも身勝手な男。

なんだか可笑しくて、

なんだか切なくて、

なんだか嬉しかった。





■ うそつき天国 ■


はかどらねえ。

はかどらねえよ。



やってらんねえ。

やってらんねえよ。



逃げ出したい。

逃げ出したいんだよ。



キミならアナタならオマエならと、

そんな目で見ないでくれたまえ。

正直、頑張るのは嫌いなのだよ。

いろんな期待をしないでくれたまえ。

アタシはヘタレでいい加減で口ばっかしなのだよ。

「らしくない」なんて言わないでくれたまえ。

何時でも強い女なんて演じきれないのだよ。






アタシは嘘つきなのかもだよ。






■ やっつけ仕事 ■


毎日毎日毎日、

かなりのハードワークが続いてます。

此の壱週間で新規物件が弐拾超…

どーいう事なんすかっ!

殺される…絶対殺される…






壮絶な有様で図面と格闘する日々。

家に帰るのは夜の拾時過ぎ。

トン吉は何も言わないけど、

寂しいに決まってるよね。






取りあえずの食事をして、

試験勉強を始めて、気がつくとそのまま寝てて、

慌ててベッドに入って、

翌朝急いでシャワーを浴びて、

濡れた髪のまま出勤。

そんな毎日。






試験まであと伍日。





















じぇんじぇん勉強できてねえええええ!

■ 月に憑かれた男 ■


月に憑かれた男が言いました。




月を見ていたら、今までの事が

すべて判ったんだよ。





アタシは彼に、




どんな事が判ったの?




と聞きました。

すると彼は、




今までの事は全て夢だったんだよ。




と、虚ろな瞳で答えました。

アタシは彼が酷く憐れに見えて仕方在りませんでした。

其れから彼は




僕を海に連れてって




と泣きました。

アタシは彼を海に連れて行き、

泣き続ける彼の隣で、

離れて暮らす恋人の事を考えて居ました。




次の日また

月に憑かれた男が言いました。




今夜は月が見えないから、

もう僕は駄目かもしれない。





アタシはその言葉に心底ウンザリして、




そんな事で駄目になるなら、そうすればいい。




と、冷たく笑いました。




愚かな人。

早く自分の心を救ってあげて。



■ ワイルドハニィ ■















むうう










なんかムカつく












■ 萎れる歌姫 ■


るらら〜アタシは演歌な女〜

昔やってた昼のメロドラマで、

『忍ぶと云う字は心に刃を立てるのよ〜』

みたいな主題歌があったのを朝っぱらに思い出しました。

今日も御暑う御座います。






専ら試験勉強で寝不足上等な毎日。

夢の中で素敵なプランが閃いて、

明け方から図面書いてます。

そんなアタシはもうすぐ参拾参歳…南無

無理は出来ないんだってば。

早く製図の試験終わらないかな。






だいたいさ、

今時手書きの図面なんて誰も書かないって。

ドラフター?平行定規?何其れ?

みたいな。

ナンセェーンッス!





されど、ここで吠えてみても、

試験の日は着実に近付いている訳で、

今夜もアタシは時計とにらめっこしながら、

平行定規と格闘するのであります。







四時間半一本勝負だよ。

ぶっちゃけ時間が足りねえよ。




■ 割れ目でポン ■


ぶっちゃけテンパってます。

身の回りで色んな事が在り過ぎて、

驚き驚きの連打炸裂。

誰かアタシに剛毛のもっさり生えた心臓をくれ。






さらに、

やっかいな試験勉強中。

去年、二次試験で玉砕したので、

今年こそは受かるぞ!







たぶん。








■ 恋人と月夜 ■


触れて。

触れて。

触れて。

揺れて。






アナタが好き。






深い処で溶けたい。

もっともっと奥のほうで。

月夜の晩に舟を浮かべて、

波に揺られるみたいに。






キスするたびに

アナタが見えるよ。





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