長いお別れ
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通院日だった。 この4日間眠れなかった事を伝えた。 「これ以上薬を増やすのはちょっと心配だ」 と言うことで薬はいつも通り。 血液検査の結果も良かった。 血圧がまた低くなっているけれど高いよりはいいだろう。 何も悪い事も起こっていない。 なのに辛い。もう何が原因で何で苦しいのか考えるのも嫌だ。 嫌なのに考えてしまう。そしてどんどん苦しくなる。 今は誰にも会えない。会いたくない。傷つけてしまうから。 自分が凶器になったような気がする。
会えなくなると知っていたらもっと大事にできたのかな。 恋しくて。恋しくて。苦しいよ。 消えない痛みがあなたの存在の大きさを気付かせる。 出せない手紙を捨てられない。会いたい気持ちを捨てられない。 思い出を責めてみても何も取り戻せない。 わかっているのに。
辛かった事。長い夜の事。これからの事。我慢の事。許せない事。許されたい事。 なにもかも吐き出してわんわん泣ける場所はどこにあるの?
がむしゃらになってみた事が一度でもあっただろうか。 いつも、こんなもんだ。ってどこかでズルしようとしてなかったか? 好きな人もいつも「いつか別れる」って思ってなかったか? 人は思い描いた方に流されていっちゃうものなんだ。 だからって今までの考え方をコロッと変えてしまうわけにもいかない。 だってそれは私の人生の全てだったんだから。 新しい種を心の中に埋めて、発芽して芽吹くまで見守っているわけにはいけないだろうか。 いつ芽吹くかもわからない。でもいつか芽吹く。 自分の力を疑いながらでもいいから支えていけたらいい。
出会いと同じ数の別れをくり返して、いつか見つけだす。自分と繋がっている人を。 自分の力を信じられなかったり、人の言う事を受け入れられないのは周りが見えていないから。 長いスパンで見るんだ。3年後、5年後、どうなってるといいと思う? 今よりも自分も人も信じられるようになってる、きっとなってる。 変わり続ける時代の隅っこで膝を抱え涙浮かべても、旅は続いていく。
消せない思い。乾かない涙の跡。一人で歩く歩道。 からっぽの手が淋しくてポケットの中で握りしめた。 あるように見せる夢にさえもう疲れ果てて何も考えたくない。 他の人を愛せても他の人でしかありません。 失ってしまったあなたは今も心に染みて生きる。 影が重なりあうように一つになる事を恐れてしまう。 気がつけばいつでも誰もが遠い。
無駄な時間なんてない。誰かにそういってもらえたら楽になるのかな。 理屈ばっかり頭の中で巡らせて独り言とため息が増える部屋。 働く気がないわけじゃない。人と一緒にいたくないわけじゃない。 誰かと一緒にいたい。一人で泣くのはもう嫌だ。 気持ちばっかり焦って、実際は部屋を出るのも苦痛なのに。 私の不幸は幸福になろうとしないこと。 不幸の中に喜びを見い出してしまった事。 それでも生きていかなければ。 世の中には志なかばで死んでしまった人だっているんだ。 ちょっと道に迷っているだけだ。いつかきっと抜けだせる。
人ごみの中、ふと気付く。一人じゃはぐれるわけが無い。 手を繋いで歩く人がいる人たちがうらやましくなった雨の夕方。 傘を持って出なかったから小走りに急いだ家路。 本当に欲しい物はこんな時に見つかるんだね。 切実な思いが自分の弱さを教えてくれる。 この気持ちを抱えたままでどこまで行けるんだろう?
想い出を振り返り懐かしむ事よりも明日に向かって走り出さなきゃ。 悩みなんていらない。楽しけりゃいい。そんな気持ちでいかなくちゃ。 10日に一度かかってくる電話が本当はとてもつらい。 反射的に見栄をはって明るい声で喋り続ける自分に疲れる。 でもその電話がならなくなる事が怖い。依存してる。お互いに。
耐えるという事を覚えた。 それだけの人生になるかもしれない。 大切な事がわからなくなって必要以上に人を傷つけてしまいそうで。 だけど自分をわかって欲しくて。どうすればいいのかわからなくて。 大切なものに順番はつけられない。失いたくないと思う気持ちは止められない。 感動しない日々の中で、それでも心は光を求めて、信じて、不確かなものに希望を見い出す。 それしかできない私の迷路の地図はいつ終わるの?
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