長いお別れ
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「さよなら」を言えなかったから、私はまだあなたを思い出す。 笑顔ばっかり思い出す。もう会えないなんて信じられないけど、 沢山迷惑かけちゃったから、会わない方がいいし、会っちゃいけない。 あなたがいたから、あの頃、本当に楽しかった。 誰かに誉めてもらったり、優しくされたり、そんなの、滅多にないから 本当に嬉しかった。忘れられないと思う。 ふっと気付くと、あなたの事、考えてる。もっと私が器用にやれたら、 今でも私達は仲の良い友達でいられたんだろうか? あなたと過ごしてる時、終わることなんか考えてなかったよ。 今でも、あなたの幸せを願ってる。いつも願ってるよ。 ひとときでも、私を好きでいてくれてありがとう。本当にありがとう。
私達はみんな、私達にしかできないことをやっていく。
私にしか言えない言葉。私にしか響かない言葉。 あなたに言ってもらわないと、意味のない言葉。 あなたに届かないと、役にたたない言葉。 誰にも届かなくても放ち続ける言葉。
もう帰らない、と言って、寄り添える誰かがいれば。 誰かとどこかへ帰りたい。夕日が沈む頃に。
ひとりでも生きていける。生きていけるけれど。 たとえば眠りにつく前に、温かい手にふれたい。
去年より弱くなった自分に気づいた。 たとえ死ぬ事にだったとしても、必死になっていた自分の方が強かった。 正しくなくても間違っていても。あの頃の私は強かった。 私はどこに流されていくんだろう。
私がいなくなったら、あなたは困る? 必死になって探してくれる? 忘れないでいてくれる?
私じゃないと駄目だと言って。 私じゃなくちゃ嫌だと言って。
聞かせて。聞かせて。あなたの声を。 神様なんかあてにならない。 見上げた空はこんなに広くて押しつぶされそう。 濡れた頬を風が撫でる。 乾かない涙は誰の為?
たったひとつだけ光り駆け抜けていく星。 何かお願いを言ったらかなったただろうか。 わかってる事だ。どんな出会いも最後には終わりが来る。 終わらせる事を望んでいなかったとしても。 あなたのような人は沢山いるけれど、あなたはいない。 私に良く似た人がいてもそれは私じゃない。 ここにいる私は、誰に似ていて誰を助けて誰に助けられるんだろう。 会えば人恋しさで潰れてしまいそう。でも、会いたい。
それが間違いでもかまわないから、あなたに響けばいいのに。 あなたを捉え、離さず、行き着くとこまで行ってみれば良かった。 途中で手を離したのは、私。振りほどいたのは、私。 そして、私達は遠く遠く離れてしまった。もう出会うこともない。
この頑な心を割って、隙間から吹き込む風のような何かに出会いたい。 誰かに教わらないと行く道がわからない。 私の持っている地図は、あちこち破れていてあてにならない。
溢れる涙を誰かぬぐってくれないだろうか。 ここにいてもいいんだよと、頭を撫でてくれないだろうか。 誰かに出会うなら、必要とされていたいんだ。 こんな私の存在でも望まれていると思いたいんだ。
こんな風にいくら言葉を並べ立てたところで、何も満たされない。 満たされないとわかっているのに、やめることができない。
私を傷つけているのは私自身だ。 いつまで繰り返すの。どこまで続けるの。 言わなきゃ伝わらないんだよ。
いつまで逃げるの。どこまで逃げるの。 それで手に入るものは何なの?
安らぎはどこにあるの。 私を抱きしめてくれる腕は本当にあるの。 自分を受け止める事もできない癖に、人を愛せるの?
考え過ぎているだけなのかもしれない。 物事はもっとシンプルなのかもしれない。
例えば「そばにいたいから」。 それだけの理由でも、人を好きになってもいいのかもしれない。
時間がすぎていく音だけが聞こえる。 ここはなんて静かで暗い楽園なんだろう。 暗闇の中、目を瞑って差し出したこの手に触れた人と話がしたい。 ううん、あなたの話が聞きたい。
話す事に疲れたら、私の膝で眠ってもいいよ。 泣きたかったら泣いていいよ。その涙を拭ってあげるから。
忘れたい事と忘れられない事が交互に思い出されて困惑する瞬間。 その時は「大丈夫」と言って手を繋いでいて。
今日の繰り返しが明日になっていつかは永遠などという言葉に 辿り着くんだろうか。 思い出や面影が至る所に潜んでいて、病院に行って薬を飲んでいても ちっとも浮上できません。 自分はなんて卑怯でずるくて卑屈で驚くほど気が弱いんだろう。 結局、今は幸せなんだと思う。社会の温情で生かしてもらっているのに 幸せなんておかしいけれど。 毎晩、毎朝、ああ、まだ自分の居場所があるんだなと思う。 いつかこの場所も消えてしまうんじゃないかと思うと泣けてくる。 そしてそれは、本当にいつか消えなければばらないものだと言う事も 気づいてる。なんとかしなくちゃ。という気持ちや焦りと裏腹に もう少しこのままで、私の事は放っておいてという気持ちにもなる。
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