長いお別れ
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なんて無力でちっぽけなんだろうと思う。 私は誰にも必要とされていない。 私のかわりなんて、はいて捨てるほどいる。 だってそうでしょう? どんなにあなたに会いたくても、この声は届かない。 モニタの向こう側にいるあなたに、この声は響かない。 小さなハグひとつ、できやしない。 あなたを暖めたい。私を癒して欲しい。 私達は痛みを、それぞれ別の痛みを持って生きていること。 その真実をわかちあいたい。 私の声でいいのなら、何度だって言う。好きって言う。 あなたが眠れるまで。笑えるまで。泣けるまで。
私があなたにできることはなに?
聞かせてよ。同じ気持ちだって言ってよ。 ひとりじゃないんだって言うなら、抱きしめに来てよ。 触れてよ。触れていてよ。この震える指に。 この身体は何の為にあるの。誰の為にあるの。 私の心は、誰と分かち合う為にあるの。 私はこんなに自由なのに、何故こんなに切ないの。 どこにも行けないと何故思い込んでいるの。 土台がない事が言い訳になる年頃はもうとうに過ぎ去ったのに。 私はまだ、ずる賢い自分を捨てきれない。 愛されたい。愛されたい。愛されたい。 もういらないってわめき出したくなるほど、愛が欲しい。 手を繋いでいて。離さないと言って。優しく包んでいて。 そばにいて。お願いだからここにきてよ。 それが駄目なら、せめてあなたと、繋がっていると思わせて。 この、見えない線を越えて。
愛を知る為に生まれたんじゃないの? この虚しい心の底からゆらゆらと立ち上ってくる気持ち。 ひとりぼっちの部屋で、膝を抱えて泣くのが精一杯。 こんな状態なのに、電話なんかできないよ。 何言い出すかわからないからね。そしてそれは人を傷つけるから。 自分で望んだんじゃないか。自分で手放したんじゃないか。 さんざん人を傷つけておいて、幸せになりたいと思うなんて勝手すぎる。 わかって欲しい、そして、私があなたをわかろうとする事を許して。 触れたいの。身体じゃなくて、心に。触れたいの。触れたい。 何が私をこんなにまで孤独にするんだろう。 何故、人を求めることをやめられないんだろう。 泣いても泣いても戻れない日々と、明日を描けない今日。
通院日。 ここ数日のやる気のなさと、不眠についてお話。 あと、耳の奥から何か音が聞こえてくる気がして、 その音に引きずられるように心臓がどきどきしてきて、 気がついたらしゃがみ込んで震えていたことも話す。 「何かあった?」 と聞かれ、何にもありゃしないので 「ないです」 と答えた。 「倒れた事への不安がまだ残っているのかもね」 と言われ、そうなのかなあ。でももう気にしてないのにと思う。 お薬は増えもせず減りもせず。頓服を多めに貰う。 夜中起きちゃった時に飲んでいいからと言われる。 血液検査と尿検査をして診察終了。
とぼとぼ歩いて帰りながら、一年すぎたのか、と思う。 あの、毎日死ぬことだけ考えて、今足を踏み出せば、今。 と思いながら電車や車を見ていた自分は、今の所いない。 ふいに、空を振り仰いでその青さに痛切に何かを感じても、 その感じたことが何なのかが説明できない。 パソコンの青白い光を受けながら、文字を打っている時だけ、 なんだか楽に呼吸できるような気がする。 社会に復帰しなければ、と思う。したいと思う。 でも、一日の食事すらまともに食べれていない。 食パンかじったり。飴舐めてすごしたり。いきなりパック寿司を買ったり。 バランスどころか、栄養すらない。 薬を飲まないと眠れない。一時間も眠れない。ずーっとテンパってる。 泣く。突然涙が溢れてくる。止められない。止まらない。 誰とも話さない日が何日も続く。声のだし方を忘れた気がして、 部屋で独り言を言ってみる。大丈夫。まだ声は出せる。 私の病気の事も過去の事も知らない人とメール交換する。 返事を書いている自分は、なりたい私、なんだろうか。 それとも、元々の私、なんだろうか。 ただの、作り物なんだろうか。
誰も彼もを騙しているようなそんな気になってしまう。 本当の私ってどこにいるの。 この、脳がそうじゃないの?この、心がそうじゃないの? わかんない。全然わかんないよ。誰か知ってる? 知ってるなら、教えて。
人の手に触れると何故あんなにも心が安らぐんだろう。 きゅっと握られた指の先から落ち着きを取り戻す。 本当は誰かと深く知り合うのが怖い。 また私は何か失敗して相手を傷つけるんじゃないかと思うと怖い。 でも知り合いたい。微笑む顔がみたい。そして微笑みたい。 こうして日記を書き綴っているのも誰かと繋がっていたいから。 見えない線が私を誰かと結び付けるから。 一人は淋しい。一人は嫌。でももう私に家族はいない。 心を預ける相手がいない。自分で選んだんだから仕方ない。 癒すの。自分を癒すの。それで手がいっぱいだと正直になるの。 会いたい人はたくさんいるのに。本当にあえる人は限られている。 だからこそ人との出会いは輝きを増すんだと知った。
驚くほどの善意をあびると、自分がいかに駄目でどうしようもない 人間なのかが思い出されてしまってうずくまってしまう。 進まなければ、何一つ解決することなどありはしないのに。 薬をのんでも眠れなくなってきた。 頓服もあわせて飲んでるのにすぐに目がさめてしまう。 目がさめると嫌なことばかりが浮かんでもう眠れない。 どうしたら、普通の人になれるの。 どうしたら、好かれていることを素直に喜べるの。
いいように利用されただけだったのかなあ。 春は駄目だ。風に舞い落ちる花びらの下に一人でいると自分を見失う。 薬もちゃんと飲んでるのに。どうしてこんなにもネガティブなの。 私は何がしたいの。どこへ行きたいの。 それは一人でできることなの?誰かの助けがいるの? 何がそんなに悲しいの。どうして人の好意を疑うの。 言葉では伝えられない。伝えきれるはずがない。 声にしなければ、誰も、振り向きさえしてくれないんだよ。
ああ、また来た。またいつもの波が来た。 何もかも全て面倒になる波がきた。 薬を飲んでもどんどん酷くなっている。 私には価値がない。生きていく価値がない。 振り払っても振り払っても消えない霧のように、 その思いはどんどん私を包み込み、なりたくない私になる。 もう自分に嘘を言うのは疲れた。でも正直は美徳にはならない。 嘘をもうひとつだけついてみる。私は大丈夫。
どうしてこんなに胸が痛むんだろう。 春はどうしても淋しさが増す。 去年の今頃よりは増し。ずっとずっと楽になった。 でも淋しさは募るばかり。 誰かに会いたい。話がしたい。私の声を知って欲しい。 そして小さくハグをして、笑いあいたい。
春の夜は無駄に人恋しくなる。 街の明かりを見つめていると大好きな人達の顔が浮かぶ。 どうか私が感じている孤独を、あの人達が感じませんように。 この不安も、この焦りも、流れるにまかせた涙も。 あの人達には襲いかかりませんように。
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