本日の感想文。

2005年09月11日(日) 最近読んだもの

ないです。

っていうか、しばらく肩こりからめまい、頭痛がひどく、しかも、そのせいで鬱な気分に陥っていて、テーンで読書どころではありませんでした。
それでも【イルファーラン物語】がアップされていたので、読みました。
あと、本日【永遠の瞳】が完結したので、読み切ってきました。

【イルファーラン物語】は、山場を過ぎてほのぼの後日談に突入です。
この作品の真骨頂は、逆に山場よりもほのぼの後日談にありそうな気もしていまして、今後どうやって丸く収まってエンディングに至るのか、楽しみなところです。
ほのぼのよりも山場系が好きな私は、他の人の意見と違って、1章の中程から2章に入るまで、一番だれて読んでおりました。
きっと、最初のアルファードの語りがなければ、読み続けるのはきつかったかも知れません。
でも、不思議なことに、山場を過ぎてみたら、またあのほのぼのとした牧歌的な空気が味わいたくなっているんですよね。
ときたま、他人様の感想を読んでいると、あのオープニングのアルファードの語りが駄目だった……と言う人もいて、人それぞれだなぁ……とつくづく思ったものです。

【永遠の瞳】は、NNRでトップに常駐しているだけあって、非常にパワーのある作品です。
ストーリー的には非常に痛いところもあるのですが、基本的にアマアマで、ドリーミィー。赤面しちゃいます。
正直、展開・設定が、ご都合主義だなぁ……とか思うところも多々あるのです。
でも、絢爛豪華な華麗な文章が、その穴を埋めてあまりあるというか……。
正直、引き込まれました。
実は、かなり影響されちゃって【銀ムテ】を書いているうちに、自然と文面の癖が移ってしまい、あとから読み直して、うわ! だめじゃん! と、全面書き直しした……ということが。
(^0^;
お蝶夫人の背後にバラの花が散ったら絵になるけれど、ちびまるこの背後にバラの花が散っても笑い話にしかならん。
つまり、私がいくら華麗にレースを羽織っても、シルクをもたないんじゃ、かえってお粗末なんですよね。
あの文章は、カイコを飼っている海徒さんだから書けるんであって、綿花しか持たない他の人が真似したら絶対に失敗しそう。(笑)
読後感もよく、きれいな完結を見たな……と思います。
長期連載完結おめでとうございます。(^ー^)



2005年09月10日(土) 銀の陽

【アイルの書】の感想を書こうと思うのですが、なんせ本を返しちゃったもので、細かいところ、嘘があったり、名前を覚えていなかったりです。
ごめんなさーーーーーい!(^ー^;

えっと。
まずはですね。この作品を読んでいる間、私は指輪の呪縛から逃れることが出来なかったことを、白状しておきます。
確かに【白い鹿】でも、多分にトールキンの世界を彷彿させるところはありましたが、全くの別物と感じました。が【銀の陽】に関しましては、作者が意図的にトールキン世界を踏襲したのだ、と感じるほど、あらゆる設定、モチーフに指輪の影がちらつきました。
一つ一つ上げればキリがないほど……です。
エルフのくだりは、まさにそのもの。アランに送られた石のエピソードは、そこまでやるの? って感じでした。あれま、この人はエルロンドみたい……ここは裂け谷? って感じのシーンもありました。

が、全く違うのは、やはり女性的な歩み寄りというか……。
たとえば、このエルフとの恋物語で言えば、【指輪物語】のアラゴルンは、アルウェンとの恋の成就のために突き進みます。が、結果、その別れは悲しいものになる。
アランは、そこまで考えて恋愛を躊躇します。それって、やはり女性の立場を考えた視点だと思うのです。
映画【ロード・オブ・ザ・リング】のアラゴルンは、むしろ、アルウェンとの恋愛に関しては、アランと同じ感慨を持つことになる。
これって、シナリオが女性ってこともあると思うし、もしもシナリオライターが【アイルの書】を読んでいたとしたら、共感したのだと思うんです。
まさに、キャッチボールみたいに、作品が影響し合った可能性も、なくはないな、と思います。

また、一番印象に残ったのは、ハルが【悪】について語る台詞です。
本がないので、そのまま引用することは出来ませんが、誰しもが悪になり得るということを語っているシーンがあります。
【指輪物語】の中でも、本来は善人であるべきボロミアやデネソールが、指輪に翻弄されて堕ちてゆく様、平凡なホビット亜種であったスメアゴルが、ゴクリとなってしまう様が描かれています。
でも、基本的な悪は、絶対悪なのです。
冥王サウロンとオークども、彼らはけして正義にはなりえない、絶対悪として描かれています。
でも【アイルの書】には、そのような化け物はいないんですよ。きっと、視点を変えれば、それなりに気持ちわからんでもないなぁ……と思えるような。
その善悪の解釈が、微妙に指輪世界よりもリアルな世界に投射しやすいところがあると。

この話のメインは友情。
親友同士ではあるけれど、常にアマアマなわけではないですね。
ハルが非常に自分の地位に固執せず、また、敵に対しても温情を掛けてしまうような、わりとおっとり系なところがある。でも、アランはスカッとした人間らしい感情の持ち主で、欲しいものは欲しいと思ったりもして、ぶつかったりもする。
葛藤しながらも、ハルとの友情を大事に思うアランが魅力的です。(^ー^)
ハルは、やはり生まれが生まれだけに、人間離れしているよな……。(笑)
と、言いつつ、私はハルが大好きですけれど。

とある方から「エーデムリング物語」も友情ものですよね? と、アイルの書の話をしていて振っていただいたのですが。
そう言えばエーデムも指輪に影響を受けて書いた話ですし、友情ものですし、共通点はあるかも知れません。
でも、なぜか自分のキャラに投影するとしたら、エーデムのギルティとメルロイよりも、セルディとアルヴィですね。
兄弟ってこととかもありますけれど、私自身が、アルヴィを朝日の中の存在・セルディを夕日の中の存在として、イメージを作り上げたからかも知れません。

………。
今から思うと、【陽が沈む時】って、実はとても残酷なタイトルだったのではなかろうか?
とある一つを滅して、新たな時代の夜明けを迎えるという……。
今更色々かんがえるなよ、自分。(笑)


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