本日の感想文。

2005年08月30日(火) 最近読んでいるもの

【アイルの書/銀の陽】読み終わりました。
指輪病の私には、大いにかぶさる作品でした。
【あの戦争は何だったのか?】新潮新書。買っただけ……かもしれない。
【指輪物語/王の帰還】また読むの? って感じですが、アイルの書を読んで懐かしくなり、一部読み返しました。
忘れていたのですけれど、ペレンノール野の合戦で死んだ兵士の首を投げ込むシーン。映画でぎゃぎゃぎゃ、と思ったのですけれど、実際に原作でもあったんですね! うわー、頭から消え去っていたわ。
今更ながら、映画製作者の原作に対する読み込みの深さに感服いたします。
【これ一冊でわかるHTML】いや、わからないって……。(^0^;
このたぐいの本は、私の頭を素通りしちゃいます。

オンライン連載中作品
冬木洋子さんの【イルファーラン物語】の座談会。ごちそうさま。
ゆめのみなとさんの【天空の翼】いよいよ、山場に突入! ルーク開眼。
葉月 理菜さんの【ウツセミ ノ トナリ】トワ、痛い。
鈴子さんの【イアナ神戦記】最近、ますますエノアが遠い人になった気が……。

読み切り/完結
ブシィ=ナスカさんの【都物語り】二度味わえる作品。
冬木洋子さんの【だあれもしらない】【ふたごのたまご】【星の猫ルシーダ】これでカノープス通信は制覇した? あ、銀河鉄道がまだだった……。




2005年08月25日(木) 最近読んだもの

オンラインでは、
冬木洋子さん『イルファーラン物語』佳境です。
鈴子さん『イアナ神戦記』敵味方入り乱れて……主人公苦悩。
志麻ケイイチさん『汎神族』今までにない読みやすさ(?)でまずは驚きです。
沖美沙都さん『月花散るとき』うたうたいがすき♪ まじりって好き!
elwindasさん『オールドワンズの最後の光』連載再開ということで、はじめから読みなおそう。
立神勇樹さんの『破者の刻印』あうあう、窓の中の物語よ、カムバーック!
ゆりかごさの『天泣、のち晴れ』雰囲気がいい素敵なお話。
葉月 理菜さんの『ウツセミ ノ トナリ』透明感のあるお話。連載追っかけ中。

落ちているかもしれないけれど、ここに感想を載せていないのはこれくらいかな?

今のままでは長編を読むのがきつい。(ーー;T-Time に早くなれるしかないかな? でも、ページめくるつもりで、いつも最初のページに戻っちゃうんだよね、いらいら。
他にもDLしたのにPCクラッシュで消えた作品が……。また拾ってこなければ!

オンライン以外では。
アイルの書『銀の月』読書中。だいたい半ばをすぎたくらい。
私は馬が大好きなので、馬の記述がちょっとうれしい。
前作同様、友情もの。つい拙作のメルギルを思い出し、懐かしくなる。(笑)
前作以上に、トールキンの影響を感じるような気がするのは、私がミーハーだから??
梅崎春生『赤い駱駝』すごい考えさせる話だった。名作は違うなぁ、と唸った。





2005年08月24日(水) 【オンライン掌編】鮭缶、あるいはその日ヒロシマで

本日の感想は、ゆりかごさんの【鮭缶、あるいはその日ヒロシマで】という、タイトルそのものからも重そうな内容の作品です。
が、実はびっくりするほど淡々としていて、さらりと読めて、しかも考えさせられるお話です。

***引用***
僕はそうか、とだけ言った――母さんが家の下敷きなんて信じられなかったが、信じるしかないんだろう。哀しいとかいうような感情は、どこかに置き忘れてしまったようだった。
***引用終わり***

悲しみは度を超すと、逆に落ち着くのかもしれません。
母親の死に嘆き悲しむことすらない【僕】の態度が、逆にあまりにもリアルなんですよね。
派手な感情の爆発は、まったく抑制されている。それが、全く当然であるかのように。
10年後20年後、後から思い出しては悪夢でも見そうな感じです。
人間一人の屍でさえ怖いだろうに、ごろごろ転がっている焼けこげた骸の中を、当然のように歩いていることの異質さ。普通じゃない風景。
生きていてよかった。死んだと聞いて、ああ、そうか、やはり。
人間が、そう思えて不思議じゃない世界が目の前に広がっています。
その風景が、どんな嘆き悲しみよりも、より悲惨さを伝えているような気がします。

また、この作品の悲惨さは、放射能という爆弾自体よりも恐ろしいものの正体を、まだ主人公も誰も彼も気がついていないということです。
(昔見たアニメ映画を思い出しましたが、ちょっとタイトルを忘れました。風が吹くとき……だったかな?)
仲間たちが倒れてゆく様子、雪さんが弱ってゆく様子。
現状を知らないがゆえに、伝染病だと思い込んで手当をするようすが、何とも言えないです。
ちょっと話が脱線しますが、今話題のアスベスト被害でも、きっと自分がなぜ死ぬのか知らずに発病して死んだ人って多いのでは、などと思います。
自分の置かれている状態を何も把握できていず、それで希望や夢を未来を語り合うという、知らないで死んでいった雪さん当人は、もしかしたらまだ幸せなのかも知れません。
しかし、雪さんがなぜ死んだのかを知っている私たち読者は、余計にその死が虚しくも悲しいものに見えてしまいます。

でも、ひとつ希望があると思いました。
人はどんなに悲惨な悲しみを受けても、嘆き悲しんでは死に至らないということです。
第三者からみて、無駄で虚しい哀れをさそうような夢や希望であっても、辛いときにこそ希望をもとうとするものなのだな、と。
人はどのような地獄からでも復興できる力を内包していると感じます。
それは、最近では地震などの災害にあわれた方とその人たちを支援する人たちにも共通して感じることです。
人間には、立ち直り、思考し、強くなり、教訓として活かす力があるのではないかと。
広島ような悲惨な現実は二度と起こしてはなりません。
戦争のことは多くの方は語りたくはないことかも知れませんが、語りついでいくべきことが大切だと思っています。
過度な誇張のない作風とリアルさから、どなたかの体験談などをベースにしていると思われます。
逆に、ゆりかごさん自身の思いや主張が抑えられ、淡々と一人称でありながらも客観的な目を持って語られているがゆえに、読者のほうが疑似体験するかのようなリアルさを持ち、それぞれ様々に心動かされるのだと思います。

多くの雪さんと同じ運命を辿った人々の屍の上に、私たちは生かされている。
それをあらためて思い知らされた、非常に考えさせられる素晴しい作品だと思います。
是非是非、一読をオススメします。
リンクフリーの記述が見当たらなかったので、URLはこちらには載せませんが、興味ある方は、クラブA&Cから探してみてください。



2005年08月21日(日) 【映画】妖怪大戦争

冗談で見に行ったつもりだったのですが……。
やられました! (^0^; 日本映画史に残る傑作映画と言っておきます!
妖怪大戦争というよりは、妖怪大祭り! 
非常にレベル高い!

笑いあり、涙あり、悪のりあり、遊びあり、ほのぼのあり、情感あり……。てんこもりの映画でした。
こうなると、いかにもメイク、いかにもぬいぐるみの妖怪たちも笑えてきます。
キャラクターもいい味出しています。
【北の零年】で、トヨエツいいなぁ……と思っていたのですが、今回の加藤もいい味出しています。出番は多いわけではないのですが、お面のような無表情具合がいいです!
また、ポイントはじっちゃんですね。やや痴呆気味なのですけれど、この作品にいい味添えています。
子役も演技うまーい! しかも、食べちゃいたいくらいかわいい美少年!
いじめられっ子の情けない子がヒーローになる話かと思いきや、実は彼、たいした力にはなっておりません。(笑)

悪を倒すのは、結局は庶民の小さな力がより集まって……といういかにも日本的なノリで、ハリウッドにはない不思議なエンターテーメントになっていたと思います。
最後の落ちがわかりにくいかも知れませんが、私は大笑いでした。(^0^;
なんせ、指輪の消滅シーンを思い浮かべてしまいまして、余計に受けました。

戦いが終わってからのラストは、あれはなくてもいいのでは? と思った。
次作を考えての演出でしょうか? やや説教臭いなと。
というか、日本の妖怪というのは、説教臭いところから派生してきているので、やむなしかも知れません。
つまり、してはいけないことをしたら、妖怪が出てきて罰を与える……て感じ。
もったいないおばけ〜みたいなもんですね。

かなりギャグもあったのですけれど、非常に高度にナンセンスで、笑いが止まりませんでした。
おそらく、老若男女とわず、日本人ならば皆笑うだろう! というノリです。
レベルの高い創作陣が遊べば、これほど楽しくて笑えるものになるんだなぁ……ということで、この夏、ペンギンとともにオススメの作品です。

ストレスが溜まっている人は、絶対に見に行きましょう!

えっと、ちょっとネタばれで笑えたところ。
いきなりの字幕攻勢/小豆は体にいいじゃ(うろ覚え。ちょっと方言、日本語が温かかった)
いきなりの字幕攻勢/けして真似をしないでください。(誰も真似できん!)
絶対にあり得ないアナウンス/はねだ〜、はねだ〜♪
イッタンモンメにたいする「キタローの前では」発言。
小豆洗いのマイペースぶり。
ろくろ首の「ちょっと首かしただけ」雪女の「この季節はちょっと」発言。

いやはや、爆笑の渦です。(^ー^)
本当に皆さん、楽しんで作った映画って感じです。
いかにも日本らしい映画ですから、逆に海外でも公開してほしいですね。



2005年08月14日(日) 【映画】鋼の錬金術師

テレビで3回ほどしか見ていないという無謀さで、映画を見に行くとは!(^0^;
前回の【ガンダム】に続く暴挙かもしれません。

えっと、私が知っているのは、エドとアルが兄弟で……ってことくらいです。
あと、弟が鎧になってしまっていたとか……。
これだけの知識で見ても、まずは楽しめる映画であることから、合格点でしょう。
おそらく、よく内容を知っている人が見たら、けっこう笑えるところとかがありそうです。
あっちの世界での敵がこっちの世界では味方だったり……、などがありそう。
設定も非常に凝っていて、ドイツ好きな人にはツボなのではないでしょうか?
ちなみに私はさほど詳しくはないのですが、詳しい人が見たら二度おいしそう。

あ……。
つまり、私は三粒おいしいところを一粒しか味わっていないような……。
でも、それでも十分かも知れません。
ちなみに、一緒に見た【亡国のイージス】も、原作知らなきゃ味わい半分? ってなところがあり、この日(実は木曜日に見ました)は、頭を非常に使う映画ディになりました。(笑)

残念だったのは、やはり人と人とのつながりが描ききれていなかったかな? ってことです。
もちろん、私が予備知識無しってところも影響しているのですが、弟ではないもう一人のアルやノーアなど、あと悪役の心情も今ひとつだったかな?
背景が重たいだけに、ちょっと心が軽すぎるような……。
恋人との永久のわかれに、あっさりと納得するところとか……。逆にもう一人のアルの死に、ちょっとわざとらしい反応(?)
出会いの喜び、別れの悲しみを、どうして表現したらいいのか戸惑っている気すらしました。
きっと時間が許せばもっと描けたのだろうなぁ……とは思いますが。

いずれにしても、こうした原盤ありな作品は、それだけを見てごちそうさまになるのではなく、どこかファン・サービスな遊びがあって楽しむものかな? と思います。
指輪の時も、「旅するメンバーが9人は多すぎる、減らそう」などという意見もあったそうで。
そうなれば、メリーとピピンは合体してメリピピとなり、レゴラス・ギムリあたりは出番がなかったかも? う、原作ファンとしては怖い。
同じことを執筆でいえば、シリーズ物の二作目なんかがそうですよね。
【エーデムリング物語】を読まなくても【陽が沈む時】を読めるように書いたのですが、一作目の読者へのサービス・シーンを入れましたもの。(^ー^;
おそらく死んだ父親のことなんて、もっとはしょったっていいお話だったと思います。
(セルディの葛藤には不可欠要素ですが)

ということで、味わいは三分の一だったとしても、大いに興味を持たされて「原作読みたい」「わからないところを納得したい」と思わせることも大事かな? などと思います。
続編は、どうやら爆弾探索話になるのかな? 見に行くと思います。(^ー^)



2005年08月12日(金) 映画【亡国のイージス】

原作を読んでいないのですが、これって読まないとかなり苦しい内容かも?(^ー^;
テーマが重くて面白い作品ではありますが、少し頭を使うことを覚悟して見るべきでしょう。
見所満載ではありますが、なんていったって人間関係がわからなすぎ。(笑)
という私は原作を読んでおらず、映画が始まるまで現代物だったということさえ知らなかった! という大バカものです。(^0^;

防衛大学学生がホームページに載せた論文「亡国のイージス(盾)」が発端となって、東京湾沖で戦争とも言える事件が起きます。
某国(北朝鮮か?)の反体制組織が自衛隊のイージス艦を乗っ取り、一部自衛官もそれに協力します。
日本人の平和ぼけぶりを、これでもか! とばかりに見せつける演出と、まるで機械のように精密に、任務を遂行しようとする工作員。
よくもまぁ、自衛隊が協力したよな……と思われるほどの映像。

ダイハードなどのアクションものに分類できると思うのですが、そこまで単純なドラマではなく、人間ドラマがメインなのです。故にこの時間では短すぎたのかも知れません。
如月という男の過去は、映像で振り返りながらも謎が多く、まぁ、想像でしかないけれど、父親に追いつめられて母親が自殺したという辛い人生を歩んでいるらしい……。
訓練によって徹底的で精密なコマンダーとなっているけれど、その反面、とても繊細な内面をもっている。
うるり、としたシーンは、彼が死にかけて意識朦朧とした時に、宮津に父親の話をし、宮津がそれに答えて「お父さんが悪かった」と謝るシーン。
宮津が、まるで息子の意思を引き継ぐかのつもりで、この愚行に至ったことと考え合わせると、胸が熱くなりました。
あと、心に残った台詞は
「平和ってものは戦争と戦争の間にあるものだ」
という言葉です。
誰もが「世界平和は実現しない、永遠に平和なんてない」などと絶望します。
でも、平和というものは戦争という手段に訴えないように努力する戦いの日々の上に成り立っている、今の日本のような状態を言うのかも知れません。
平和は人間の一生のようなもので、どのようなすばらしい平和を謳歌しても、やがては死んでゆくものなのかも知れません。でも、人のすべてが死に絶えた日があったでしょうか?
やがては死んでしまう命であっても、それをいかにして生きるか、いかにして長生きするか、を努力しながら生きるのが人間です。平和もそんな地味な者だと思います。

う、話が脱線。(^0^;
映画自体は面白いのですが、ダイハードだと思ってみると、アクションがものたりず、人間ドラマだと思ってみると、あまりにも説明不足ってところが目につきます。
人間ドラマの説明不足は、日本映画の特色でもありますね。演技と映像ですべてわかれよ、という乱暴さというか……。
後半に入ってくると、だいぶわかるようにはなってきますが、その分展開が都合よくなってしまう気がします。
相当の覚悟をして反旗を翻した自衛隊員たちの安易さ、仙石さんにあっけなくやられるテロリスト。あっけなく爆発するイージス艦。
手旗信号に至っては、本当にダイハードみたいだなぁ……。
いろいろな人の思いが錯綜するのがいいところではあるけれど、仙石、如月、宮津程度にしぼったほうがわかりやすかったのではないかと思います。

なーんて辛めになりましたが、ほんと、見てよかったし、原作も読もうと思います。
逆に映画があまりにも単純化されていてわかりやすかったら、原作読んでみようとは思わないかも? わからんくらいのがちょうどいいのかもしれません。(笑)



2005年08月11日(木) 【オンライン掌編】そして俺も、死ぬ

本日の感想は、ネジ子さんの【そして俺も、死ぬ】です。
終戦記念の夏にぴったりの9ページ掌編です。

戦場で家族のことを思いつつ戦う主人公、そして戦友たち。
やがて戦争が終わり、主人公が行き着いた先は……。

まえにもたしか、ネジ子さんの作品で、戦争の虚しさを感じさせるような作品がありましたが、今度の作品は、少し現実の世界に近い設定だけに、余計に強く感じます。

多くの人が平和を願うときに、これ以上犠牲者を出さないように……と思うはず。
親兄弟、子供を殺された悲しみは、何年経っても消えないものかもしれません。
戦争をテーマにした作品には、被害者の悲劇を描かれるもの多いですが、この作品は加害者の悲劇を描いた物と言えます。
(いや、どこにも加害者とはかいていないんだけど……戦勝国ということで)

つまり、戦争に勝者はないんですよ。
この作品には、友人の肉体的な死と自分の人間としての死が描かれています。
タイトルにセンスが光りますね。
ラストの落ちも見事で、ああ、なるほどね……と、納得でき、薄ら寒さまで感じました。

私は、ちょこっと【ランボー】を思い出しました。(一番最初のです)
戦士としては一流のランボーなのに、戦争が終わってしまうと自分の居場所をなくしてしまい、いつの間にか追い立てられて街を相手に戦うはめに追いやられてしまう。
戦争、つまり人殺しは、いつの間にか人間をおとしめてゆくような気がします。
本当に怖いのは、戦争で負けて国がなくなることよりも、勝っても負けても人間としての安らぎを得られなくなることかも知れません。

無駄なくきれいにまとまった、しかも考えさせるいい短編だと思います。
特に、何かあるんだろうな? なにか【俺が死ぬようなことが】と思わせながら戦勝国の華やかさと安堵を味あわせておいて、わーそうきたか! 本当にやられました。(笑)

皆様にもお勧めいたします。(^ー^)



2005年08月05日(金) 【映画】皇帝ペンギン

原題を跳躍すると「皇帝の行進」となるのかな?
CM映像の愛らしさに惹かれて見に行きたい! と思っていました。
で、本日、お一人様で行ってびっくりしました!
比較的小さなスクリーンのところだったのですが、レディスディの翌日だというのに、ほぼ満席の大盛況です。しかも、女性のお一人様の多いこと! 子供連れの人もいましたが、客層の年齢は高めでした。
どうやら、この映画はじわり、じわり、と人気を高めているようです。(^^)
で、私もオススメします! 
今日は、札幌も暑かったのですが、涼を求めるのに最高!
しかも、ペンギンが! ペンギンが! もう存在するだけでかわいいんですよ!
不思議な生き物です。
ある時はユーモラスである時はグロテスクである時は美しくある時はいとおしい。
あまりの愛くるしさに、何度笑ったかわかりません。
氷の上で、あのころころの体が滑って転ぶなんて! (^0^;
それでいて、水の中ではまるで別の生き物です。だいたい、なんであんな体で、水の中から飛び跳ねて出て来れるんでしょうね?
まるで油の固まりのようなころころした体の癖に、首を持ち上げている姿は鶴のように華麗なんです。くちばしの形や羽の美しい色、美しいフォルムが溜まりません。
求愛し寄り添っているところなんか、ほのぼのしちゃいます。
男を取り合って喧嘩している様は、あまりにもコミカルです。(^0^;
それでいて、まるで鱗のように輝く羽は、爬虫類を思い出させ、鳥はかつて恐竜だった……という説を彷彿させます。
思いのほか大きな足の上に卵をのせて必死に歩く様は、ユーモラス通り越して、もう卵を落としそう! だから、歩かないで! って思っちゃいます。
撮影スタッフの愛を感じる美しい映像と音楽(フランス語かと思いきや英語でした)。
もう、お父さんもお母さんも見分けがつかないのですが、なんだか愛情深くて。
いや、人間の愛とは違うもっと生きることに根ざした愛というか、信頼関係というか……。
そして生まれてきた子供たちの愛らしさっていったら!
もう、泣き声からしてかわいいんです!
ドキュメンタリータッチの1時間半ですが、もっともっと見せてくれ! っていうほどでした。
本当に暑がっている人は、ぜひぜひ見に行って涼しい気分とほんわり気分を味わってほしいです。
見たら最後、ペンギン欲しくなりますよ。(^0^;




2005年08月03日(水) 今更ですが【山月記】中島 敦

けっこう高校時代の教科書に載っている作品というのは面白い物が多かったような気がします。
で、一番記憶に残っているのが、遠藤周作の【沈黙】とこの【山月記】です。
たまたま読み返すことがあったので、今日は【山月記】をば。

うーん、高校時代に読んだときの感動がよみがえってきますねぇ〜。
不思議なことに、もう先生の名前すら忘れてしまったというのに、この部分の授業の内容は妙に覚えていたりする。
なぜ、主人公が虎になっちゃうのか? なんて話を、大まじめに説明されたような。
「こんなのだから虎になるのだ!」という嘆きが何ともいえず、心に響きます。
実際問題、そんなことでは人間虎にはなりませんが、実に納得できる気がしました。
美文と言われても、漢文が苦手の私には、この文章を味わうほどの頭はありません。
でも、この作品に流れるテーマのような物は、ぽんと腑に落ちるというか、じわりと感じるんですよね。
そうそう【切磋琢磨】という言葉を覚えたのも、この作品を読んだ時です。(^ー^)
たぶん、私は虎になっちゃうタイプかもしれないので、この作品は特に響きました。

同じ本の中に【狐憑】という同作者の作品がありまして、それを読んでもぞわっとしました。
たまたまでしょうが、どちらも聞かせる、書くという違いはあれど【物書き/語り部】という作品を生みだすという共通点があります。
その行く末が悲惨なことったら。これって受け入れられない天才の悲哀を感じるんですけれど。
(^0^; うーん。



2005年08月02日(火) 最近読んだオンライン小説

連載ものを追いかけて読んでいるだけで、新しいところはあまり読んでいません。
掲示板に感想をくださった葉月理菜さんの【ウツセミ ノ トナリ】を公開されているところまで。くらいかなぁ。
DL版で読むためのビューアーがないため、常にオンライン読みになっていて、あう、だめです。
オンライン読書の頻度ががた落ちです。
ああ、やはり私には【窓の中の物語】が慣れていてよかった。。。


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