鶴は千年、生活下手

2013年11月30日(土) 発表会の子ら

先週末、相模原市南区の支援級の児童たちの合同学芸会があった。
今年は、息子は縄跳びでダブルダッチを披露していた。
「よく縄の中に入れるね。」とダブルダッチをやるんだと初めて
聞いた日にわたしが言ったら、息子は「そんなに難しくないよ。
片方の縄を見て入ればいいんだよ。」とこともなげに答えた。
なるほどと感心しながらも、理屈から入るとできるのかとも思う。

3年に一度のグリーンホールでの発表会である。
1年生のときにもぐちゃんは経験しているが、1年から3年生の
子たちは初めてのグリーンホールである。
いつもより広いステージでの発表は少し緊張するのかなと思って
見ていたが、みんなしっかり発表できていた。
最初にみんなはローラーブレードでステージ上に登場し、それぞ
れのグループでの発表となる。
4年生のスケート教室では、スケートの刃が怖いと言って見学に
なってしまったもぐちゃんだが、ローラーブレードなら滑ること
ができるのである。
少し前屈みの感じが、なんともかわいらしかった。

他の学校の発表のときに、使用するCDがうまく読み込めないと
いうアクシデントがあったが、おそらく最年長であろう女の子の
「もう少しお待ちください。」という機転の利いたアドリブでス
テージの上も客席も心配顔から笑顔になった。
その日一番のステージだったかもしれないと思い返す。

支援級の子ども達の発表は、いつも一生懸命で、何か技やポーズ
が決まったときには、必ず会場全体から拍手が起きる。
普段の子ども達を見守っている人たちが、会場にはたくさん見に
来ていて、それぞれに感激しながら拍手を送っている。
子ども達のがんばりを思うとともに、練習のときの先生方の苦労
もしのばれる発表会なのだった。



2013年11月22日(金) 薬を飲んでも

薬を飲んでいても、イライラが爆発して大騒ぎになることはある。
国語と算数以外は、交流授業をうけているもぐちゃんだが、理科
や社会や音楽といった教科は、みんなと同等かそれ以上にできる
ものもある。
しかしながら、手先の器用さを要求される図工や、体全体の筋力
やバランス感覚を要求される体育は、みんなのレベルまではいけ
ないのが実情である。
4年生くらいになると、そのできない自分に苛立を覚えるらしく、
体育はやりたくないなという日が多かった。
自分への苛立を抱えながらなんとかかんとか過ごしてきていた。

担任が休みの日、体育は隣のクラスと合同となり、隣のクラスの
担任が2クラスをみていた。
授業の終わりに、教師は「みんな、うまくなったね。」と話した
が、自分ができないことに苛立ったままのもぐちゃんは、「ぼく
はうまくなってない!」と大きな声で言ったようだった。
自分は見てもらっていないという気持ちもあったのだろう。
しかし、その言葉はスルーされ片付けタイムになった。
片付けのときには、もう大人はいなくなってしまうらしい。
イライラを解消しようとしたもぐちゃんは地面を蹴っていた。
蹴った砂はクラスメイトにかかったりと、その後にいろんな事件
をまき起こした。
最終的には、泣き叫びながら土足で職員室に乱入するところまで
いき、そこで初めて支援級の担当の耳に届くことになった。

それほど大事にならないうちに、息子を止めることはできなかっ
たのか。
大人の関心はそこに向かなかったのか。
やったことがあまりよろしくないことなのはよくわかっているが、
母親としては、パニックになって泣き叫びながら走り回っている
我が子を思い浮かべると、大変つらいものがある。
自分がその場にいたらと、母であるわたしも支援級の担当も同じ
思いを持ったようだった。

同じ学年の教師であっても、支援級の子どもを受け持ったことの
ない教師は、どういう風に声をかけたらいいのかわからないのだ
ろうと思う。
わからないから、スルーされてしまうことが多い。
担任が休みのときは、要注意なのだ。

うちはまだいい方かもしれない。
1学年上のもぐちゃんと同じタイプの男の子は、かつて、交流級
の担任にちゃんと見られませんからと、宣言されたということも
あったと聞いた。
うちは、1年から3年まで、クラスメイトにも担任にも恵まれて
来たのだ。
4年では、担任はとてもいい先生なのだが、なかなかうまくいか
ないことも多い。
発達障害の子を持つ親としてだけではなく、これから思春期に向
かう子の親として、どう向き合うかを問われるのだろう。


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市屋千鶴 [MAIL]