くじら浜
 夢使い







夢の記憶   2004年01月28日(水)

夜明けが少しずつ早くなっていく

醒めない夢を起こすように朝がやってきた
乾いた頭に夢を反芻し
湿りを与えた

掌の感触だけが覚えている夢の欠片

想いは闇の中に記憶され
いつまでも消えることはない






千切れ雲   2004年01月25日(日)

薄く広がった雲に 
意識を一滴落とした

響きあった粒達は寄り添うようにかたまり
そして千切れて流れていった

思い出を指でなぞれば
雲はただ流れるだけで

凝縮された想いが
八方に飛んでゆく。








激しい感情   2004年01月18日(日)

トタン屋根を強く打つ雨のような
夏の海に燦々と降る太陽のような
青く目に反射する山並みのような
そんな激しい感情

そのひとつひとつに気持ちが高ぶり
発せられた言葉は宇宙になり
その軌跡だけが感情となってクルクルと弧を描く

強い意志とは己ではなく宇宙の軌跡なのだろう

激しい感情はやがて雨の滴となって
太陽に溶け山に同化し
そして少しずつ優しくなってゆくのか








一歩目   2004年01月05日(月)

最初の一歩は力強く
そのあと大きくひとつ息を吸う
そしてゆっくり歩き始める。





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