くじら浜
 夢使い







真冬の太陽   2003年12月29日(月)

12月はとても暖かいと思う
それは太陽の光線が直接肌に届くからだろうか






出会い   2003年12月22日(月)

宙の罅から産まれたいくつもの獣たち。

空を見
土を嗅ぎ
樹を聴き
気を食らい
光を触り

それぞれの細胞は分裂しながら増殖を繰り返し
やがてひとつの意識になったとき

そこからすべての始まり。

                              詩人大賞NO.54





宙(そら)に罅を入れる。   2003年12月16日(火)

瞳孔が360度に開いた。

光のとどかない闇の中に
ひとつの龍がくねくねと舞っている

極度に研ぎ澄まされた僕の五感は宙に跳び
その龍の目に直角に交わった

その瞬間、闇を切っ裂く龍の雄叫びが
宙に罅を入れる。

この光の窓は宇宙の始まりだろうか

そこから射す滴は涙ですか
濁った泥水ですか

そこにできた地は偽りですか
真実ですか。

                              詩人大賞NO.56





美しきもの   2003年12月10日(水)

戦争をやらない美しさではなくて
 平和の唄を歌う美しさ

人を助ける美しさではなくて
 共に生きる美しさ

デモ行進をする美しさではなくて
 堅く信じる美しさ

武器を捨てる美しさではなくて
 拳をあげる美しさ

血を流す美しさではなくて
 己の血を啜る美しさ

戦う美しさではなくて
 闘う美しさ






満月   2003年12月08日(月)

真っ白い満月が
頭上高く輝いている。






冬の風景   2003年12月07日(日)

昨日歩いた道を
今日は左足から踏み出す。

いつも見る風景は一歩遅れで溶けていく。

昨日は空が焼け
今日は葉が舞い
そして明日に溶けていく。






光を受ける   2003年12月03日(水)

太陽を直視して
そしたら飛び散った。

光線を浴び
朱に染まった液体は
血管に還り、
めぐった液体は
ついた地に落ち
根っこになった。

冬の光は壊れそうで
ここで這いつくばって
待ちましょう。






午後4時17分の夕焼け   2003年12月02日(火)

気がつけば西の空低く
オレンジ色が燃えている

多摩川の水はまだ青く
東の空もまだ青く
斜めに延びる電線を境目に
西の空だけが燃えている

少しずつ少しずつオレンジは闇に溶け

5時20分
頭上わずかに白い半月が光る。





初日 最新 目次 HOME