★悠悠自適な日記☆
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2004年10月21日(木) タチバナさん。

 私がバイトをしているファミレスには、タチバナさんというトレーナーがいます。その辺の俳優に劣らない男前で同志社ボーイ。卒業も大企業への就職も決まっていて、彼女も美人!仕事はできるし冗談も言える、おおよそ欠点というものが見つからないサワヤカスーパー好青年です。

 私の教育係の社員さんが転勤になった今、私はほとんどの仕事をタチバナさんから教わることになります。夜のファミレスは人員不足。10ヶ月前に私が入ってから一人も新人が入りません。そしてそんなタチバナさんがお店にいるのも来年まで。私に後を任せられるように、熱心に指導してくださいます。

 タチバナさんは、怒らない。
 タチバナさんは、責めない。
 タチバナさんは、考える余地を与えてくれる。

 私がタチバナさんを好きな理由は、私好みの男前顔というよりもむしろココにあります。

 私がミスをしても何も言わずにカバーをしてくれるし、私が気づかないところで(気づいているのだけれども)私が動きやすいように計算して動いてくれているのがわかります。きっと私の仕事内容には怒りたくなるところもたくさんあるでしょう。だけどタチバナさんは、決して私に不機嫌な顔を見せることなく、まず私に「何故そういう判断をしたのか?」と私なりの解釈を聞き入れてくれて、それが間違っていれば後で「なぜ、こうしなければならないのか?」という説明を丁寧にしてくださいます。私に考える余地と、私が間違っていた理由を明確にしてくれるのです。

 相手を怒らなくても、責めなくても、その「理由」を明確にしてやれば、よっぽど鈍い子でない限り自分の過ちや犯した事態の深刻さが伝わります。ただでさえラッシュ時は皆ピリピリ。そんな中で冷静に、相手を動揺させることなく成長に導くことができるタチバナさんを、私はいつも尊敬の眼差しで見ています。

 怒る、責める、叱って誰かに何かをさせることはきっと誰にもできるのでしょう。でも、私はタチバナさんのように「導ける人」になりたいと思います。指導者って、導く人と書くし、きっと、そういう人がふさわしいのだと思います。

 仕事は自分で覚えていくもので、手取り足取り教えるのではなくて、背中をポンっと押してやるとか、ちょっと手を引っ張ってやるとか、そういうきっかけ作りをしてやれることが本人の成長に一番繋がるのだと思います。

 困っている時に助けてあげられる優しさ、そして人の成長を導ける仕事、タチバナさんを見ていると、私もそんな風になりたいと、ちょっとやる気が出るのです。


2004年10月11日(月) ハタチ

 本日をもって、私はハタチになりました。

 この日記は16歳の時から書いているので、もう4年も書いていることになります。毎日ではないけれど、ずっと更新が滞ることもなく、何か思いや考えがある時には、自分の気持ちの整理をつけるために書いてきました。4年間の日記を読み返すと、4年前より確実に、今の自分の方が、自分の言葉で思いを綴れるようになっています。語彙力もあるけれど、それ以上に、自分の考えをしっかり書けるように、言えるようになってきたのです。ちょっと自信。ケイゾクハチカラナリ。

 そして、毎年自分の誕生日には、その時の自分について書いてきました。日記を書き始めて4回目の誕生日。ハタチの誕生日。私は毎年、ずっと今日の日を意識しながら書いていました。17歳の私と、ハタチの私。18歳の私と、ハタチの私。19歳の私と、ハタチの私。

 でもきっと、あまり変わっていないのだろうなと思います。お酒が飲めるようになっても、タバコが吸えるようになっても、親の同意なしに結婚できるようになっても、国民年金を納めましょうという通知が来ても、犯罪を犯すと名前が出るようになっても、私は私で、核になっているものは変わらないのだろうなと思います。

 母に、「二十歳になったのだから一人の大人としての責任を持ちなさい」と言われました。でも私は、19歳までの昨日が、責任のない安っぽい陳腐な生活を送っていたわけではないと思いました。今やっていることは先行き不安なことだらけだですが、私は確実に、意志して生きています。強く。

 ただ、ひとつだけ、昔と違って自信を持って言えること。今の私は、昔よりずっとずっと、人間が好きです。思春期時代、本当に人と接するのが恐くて恐くて仕方のない時期がありました。その頃の自分の日記や友達に宛てた手紙なんて、痛々しくて、とてもじゃないけど読むことが出来ません。でも、今は、そんな人間の醜い部分も良い部分も、自分から触っていくことができます。

 それは、私の周りに集まった人たちが、みんな優しい人ばかりだったから。私のトゲトゲした部分は、優しい、丸い人たちの中で転がされて取れてしまいました。まだ少し不安定で、ボコボコしているけれど、見返りを求めず人を愛せる私でありたい。優しくありたい。本当に、そう思います。

 昔坂本真綾のbirdという歌で

♪あなたの胸の一番奥にどんなずるく汚いものを見つけても私が触ってあげるから♪

 あの頃は、自分のずるくて汚い部分を触られて大泣きました。
 二十歳の私は、誰かのずるくて汚い部分を触って泣ける人間になりたい。

 これが、私の二十歳の原点です。


嶋子 |MAILHomePage

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