2007年11月18日(日) |
Jユース杯 セレッソ大阪戦 (H) |
07年11月18日 (日) 14:00開始 清水エスパルス三保グラウンド Jユースサハラカップ2007 第15回Jリーグユース選手権大会 Fグループ 対 セレッソ大阪U-18 (H) ※45分ハーフ 天候: 晴れ
[前半] 清水エスパルスユース 控え:瀧川、岩崎、山崎、望月卓、曽根、山田、藤牧 −−−−−−−−柴田−−−−−−−− − 望月恭 −滝戸−−小澤−−江守−− −−−−−−青木− 深澤慶 −−−−− −−西澤−−−−−−−−− 佐野傑 − −−−−− 佐野孝 −池上−−−−−−
−−−−−−赤堀−−中東−−−−−− −−道上−−−−−−−−−−藤本−− −−−−−−鈴木−− 畑 −−−−−− − 西岡田 −篠原−−桂田−−大庭−− −−−−−−−−一森−−−−−−−− セレッソ大阪U-18
11分、大阪、警告: 桂田 28分、大阪、警告: 畑
セレッソ 清水エスパルスユース 3(1) シュート 1(0) ×青木 3(0) 右クロス 0(0) 5(2) 左クロス 3(1) ×江守、○江守、×江守 1(0) 右側CK 0(0) 1(1) 左側CK 0(0) 2(−) 犯OS 1(−) ・孝洋 11(1) ファウル 8(1) ・池上、×小澤、・池上、・恭平、・孝洋、・青木、・孝洋、・孝洋
[後半] 清水エスパルスユース (55分〜89分) −−−−−−−−柴田−−−−−−−− − 望月恭 −青木−−小澤−−江守−− −−−−−−杉山− 深澤慶 −−−−− − 佐野孝 −−−−−−−− 佐野傑 − −−−−−−藤牧−−池上−−−−−−
−−−−−−杉浦−−山口−−−−−− −−高橋−−−−−−−−−−赤堀−− −−−−−−鈴木−− 畑 −−−−−− − 西岡田 −篠原−−桂田−−大庭−− −−−−−−−−一森−−−−−−−− セレッソ大阪U-18 (76分〜86分)
50分、大阪、タッチライン側を向いてキープするCH鈴木の背中を、RB望月卓が手で押してしまい、左コーナー付近でのFKとなる。キッカーは西岡田。密集するニアを越えると、ファーで篠原が孤立した状況。マークを強引に押しのけ、ゴール右隅、GK柴田の届かない位置にきっちり頭を合わせた。0−1 55分、清水、交代: 西澤→藤牧 (佐野孝RH、藤牧FW) 58分、大阪、警告: 赤堀
68分、大阪、交代: 藤本→杉浦 71分、清水、細かいパスを繋ぎ、PA右角近くまで上がってきたCH青木をポストにしてRB望月恭がPA内に飛び出すが、DFのカットが入って右CKとなる。キッカーは青木。低く速くニアで沈むボールを蹴り込むと、ニアへ殺到する集団の中で江守が転ぶ。一緒に寄せていた鈴木?がファウルをとられ、PKが清水に与えられた。キッカーは滝戸。左隅を狙うと、GK読んではいたが届かず、サイドネットに収まった。1−1 81分、大阪、交代: 道上→高橋、中東→山口 (赤堀RH、山口・杉浦FW) 89分、清水、交代: 佐野傑→曽根
セレッソ 清水エスパルスユース 3(3) シュート 4(2) ×池上、×慶也、◎滝戸、○恭平 6(0) 右クロス 2(0) ×孝洋、×孝洋 5(1) 左クロス 4(0) ×池上、×佐傑、×江守、×江守、 1(0) 右側CK 3(2) ×青木、○青木、×青木 3(0) 左側CK 3(1) △佐傑、○佐傑、×江守 2(−) 犯OS 2(−) ・孝洋、・孝洋 9(2) ファウル 10(4) ・池上、・西澤、×恭平、・恭平、・藤牧、×小澤、・??、×滝戸、・孝洋、×恭平
●個人的MVP 滝戸 諒 ●個人的MIP 江守 純基、望月 恭平
清水は池上が前節から復帰したが、代わってこのところ中盤の軸となっている杉山が出場停止となってしまった。アウェイでの対戦と比較すると、なんと言っても前田の怪我離脱が痛い。また、藤牧も出場停止から復帰したが、RBには前節と同じく望月恭が入り、藤牧はFW登録でベンチに控えた。3年生2人、2年生7人、1年生2人の先発。Jrユースは先週に引き続き高円宮杯東海予選があったため、中学生勢は不在。とはいえ、吉田引退・長島怪我のGKは仕方なく、中2の瀧川を呼んできた。対するセレッソは、アウェイでの3-5-2の布陣から、本来の4-4-2に変更。既に1位通過が決まっていることもあり、前回の対戦から更に司令塔の10番、山口蛍が外れている。3年生4人、2年生4人、1年生3人。監督は「長居の悲劇」の副島博志氏で、密かにS級ライセンスホルダー・J1監督経験者同士の豪華顔合わせであった。
まずボランチにボールを当て、そこから展開していきたい清水だが、セレッソはSBが無理に上がらず、サイド攻撃を許す余地をつくらない。ボランチからFWに短いクサビを当てて地道に試合を作ろうとするが、キープするFWをフォローするMFの上がりが遅いのか、FWがキープできないのでMFが無理に上がれないのか、問題は「鶏と卵」で、相手陣内1/3に侵入するのが遠い。前半の清水の攻撃は、LH佐野傑の強引な突破をLB江守がフォローしてアーリークロスを入れるぐらいで、シュートは大きく外れた青木のFK1本だけだった。 一方のセレッソはロングボール中心ながら蹴ってくるタイミングが早く、清水のSBが上がっていればその裏にFWが走り、裏にスペースがなければSHが大きくサイドに開くなど、パスを受けるオートマティズムが洗練されていた。だが、CBの滝戸・小澤を軸に清水の守備組織も崩れず、1対1にも粘り強く、両チーム合わせて唯一の決定機は44分。LH道上の短いスルーパスにFW中東が抜けるが距離がなさすぎ、至近でGK柴田とLB江守がコースを塞いでシュートブロック、が、跳ね返って左サイドに流れたボールをFW赤堀が折り返し、一瞬の虚を突いて飛び出したCH鈴木が頭で合わせるも、競り合ったDFに当たってゴールのバーを掠めた場面だった。
均衡した我慢の展開。こうなると「勝ち」に対する慣れの差が出てしまう。50分、集中すべきFKの場面でファーの篠原を離してしまい、失点。だが、これで「鶏と卵」の膠着が打破された。青木と深澤慶が失点前より10M前でボールを奪うようになり、奪って展開してから10M前へ出ることで、セレッソを押し込む。先制したセレッソはロングボールやアーリークロスが増え、腰が引けてのパンチに。清水がボールを持つ時間が続くが、だがそれはアウェイでの対戦でも同じ、そして最後の10Mを強引に突破する力が足りないのも同じだった。ファウルも辞さず、泥臭く守るセレッソに対し、ミドル以外の攻撃手段がない。しかし、71分、青木のFKからラッキーなPKを得ると、キャプテン滝戸がきっちり決めて同点。その後も74分、青木の右CKを佐野孝が折り返し、望月恭がボレーを放つ場面もあったが、双方さほど見せ場はなく、1−1で終了。苦しい1年を最後はそれなりの形で締めくくることができた。
滝戸はJユースカップ後半戦、全試合でMVPをあげても惜しくない活躍だった。チームの課題だった空中戦に回答を出し、飛び出す相手にはきっちりコースを切ってシュートチャンスを与えず、奮闘はしてるがミスも多い小澤のカバーに入り、パスミスなく攻撃の起点となり、ファウルを犯さず。筆者の彼に対する最初の印象はクラブ選手権U-15準決勝、PKを外してしまい、池田康に慰められる姿だった。その後、選手として成長するのは勿論、これほど責任感の強いキャプテンとなるとは。ユース最後の公式戦、PKを決めた姿も忘れない。 江守も同じく3年生、決して「才能」というキラキラしたものに恵まれた選手ではないが、ロングボールを多用する相手に気持ちで負けずに競り勝ち、攻めあがるときは必ず味方に声を掛け、ルーズボールは最後まで諦めずに追う。このチームには少年団時代からエースとして認められてきた選手がいっぱいいるが、そういう選手にこそ江守の姿勢を見習ってもらいたい。望月恭は前節に続き、SBで登場。1対1の守備で一定以上の結果を出したのは当然として、スペースへと飛び出す/持ち込む積極性が光った。CB時代には分からなかったが、十分の走力の持ち主のようだ。この試合では、元CBらしからぬ不用意なファウルが目立ったので、それは改善してほしい。
2007年11月11日(日) |
Jユース杯 サガン鳥栖戦 (H) |
07年11月11日 (日) 13:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP 西ピッチ Jユースサハラカップ2007 第15回Jリーグユース選手権大会 Fグループ 対 サガン鳥栖U-18 (H) ※45分ハーフ 天候: 晴れ
[前半] 清水エスパルスユース −−−−−−−−柴田−−−−−−−− − 望月恭 −滝戸−−小澤−−江守−− −−−−− 深澤慶 −杉山−−−−−− −−西澤−−−−−−−−− 佐野傑 − −−−−− 佐野孝 − 畑 −−−−−−
−−−−−−末次−−佐藤−−−−−− −−古賀−−−−−−−−−−野田−− −−−−−−井上−−首藤−−−−−− −−中島−−岩永−−畑島−−安松−− −−−−−−−−松岡−−−−−−−− サガン鳥栖U-18
09分、清水、警告: 杉山 14分、鳥栖、警告: 中島 18分、清水、中盤中央のCH深沢慶がパスの出しどころを探しつつ、ゆっくりと持ち上がる。左のCH杉山に短くパスを繋ぐと杉山が更に左に叩き、LH佐野傑の下へ。ここでLB江守が声を掛けつつ、後方から猛然と駆け上がるが、佐野傑はカットインの気配を見せつつ、早いタイミングで左クロス。ファーで裏に抜けかけたFW佐野孝が足を伸ばすと、当たり損ねが上手い具合にGKのタイミングを外し、ワンバウンドしてゴールに転がっていった。1−0 29分、清水、警告: 望月恭 39分、清水、江守が縦のスペースに送ったパスへ、佐野傑とLB安松が対応する。内側を切ろうとする相手に佐野傑は着実にボールを足元へ収めると縦へ。小柄な相手を強引に押しのけ、十分に抉ってマイナスのクロスを入れた。しかし、ボールは中央に合わずにファーへ。それを追いかけた佐野孝、追いつき反転するや一息の加速で3歩縦へ、そして切り返して中に、DFを半身外すと左足でファーに蹴り込み、2−0
サガン鳥栖 清水エスパルスユース 4(1) シュート 11(4) ○孝洋、×畑、 ×西澤、◎孝洋、○西澤、×杉山、×恭平、×孝洋、×孝洋、×孝洋 ◎孝洋 1(0) 右クロス 2(0) ×西澤、×孝洋 2(1) 左クロス 7(3) ○江守、○佐傑、○佐傑、×佐傑、×佐傑、×江守、×佐傑 0(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 0(0) 2(−) 犯OS 0(−) 5(1) ファウル 8(3) ・杉山、・畑、 ・畑、 ×恭平、・恭平、・佐傑、×江守、×慶也
[後半] 清水エスパルスユース (75分〜) −−−−−−−−柴田−−−−−−−− − 望月恭 −滝戸−−小澤−−江守−− −−−−− 深澤慶 −青木−−−−−− −−西澤−−−−−−−−−−稲毛−− −−−−−−− 佐野孝 −−−−−−−
−−−−−−末次−−江上−−−−−− −−古賀−−−−−−−−−−小川−− −−−−−−井上−−奥田−−−−−− −−中島−−岩永−−武富−−安松−− −−−−−−−−松岡−−−−−−−− サガン鳥栖U-18 (76分〜86分)
45分、鳥栖、交代: 畑島→奥田 (首藤CB、奥田CH) 66分、清水、交代: 佐野傑→稲毛 68分、鳥栖、交代: 首藤→武富、佐藤→江上 74分、清水、警告: 杉山 74分、清水、退場: 杉山 75分、清水、交代: 畑→青木 (4-4-1、青木CH) 76分、鳥栖、交代: 野田→小川
86分、鳥栖、交代: 末次→佐和利 87分、清水、右サイドを抉った鳥栖のマイナスの左クロスを、前へ飛びついてキャッチしたGK柴田。と、逆サイドのRB望月恭がいち早く動き出し、サイドに開く。柴田も素早くスローイング、スペースで受けた望月恭は、またも早いタイミングで自陣からロングフィードを送った。裏を狙う佐野孝とDF、鳥栖DFが先に内側のポジションを確保し、勝負あったかに思われたが、なんと佐野孝が外側に回り込んで相手を追い越す。ボールに追いつくと、飛び出したGKを見てゴール右へと流し入れた。3−0 90+1分、鳥栖、数的優位に立ち、押し込んだ状態。PA右角外側でボールを受けたRH小川、スピードの変化で一気に江守の内側を突破、PAを縦に抉る。ゴールライン際から折り返し、GK柴田が思い切って飛びつくが弾いたのみ。こぼれたボールは、運悪くファーのFW江上の元へ。軽く右足を合わせ、ゴールに収めた。3−1
サガン鳥栖 清水エスパルスユース 3(2) シュート 3(2) ○杉山、×佐傑、◎孝洋 6(2) 右クロス 2(0) ×慶也、×孝洋 1(0) 左クロス 3(0) ×佐傑、×佐傑、×江守 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 1(0) ×佐傑 0(−) 犯OS 2(−) ・孝洋、・孝洋 6(0) ファウル 5(2) ・畑、 ・畑、 ・杉山、×稲毛、×江守
●個人的MVP 杉山 一貴 ●個人的MIP 佐野 傑、佐野 孝洋
前節、U-15代表参加のため宇佐美抜きのガンバに、怪我の前田と同じくU-15代表の柴原抜きで4−2と勝利した清水 (得点者は池上・佐野傑・滝戸・藤牧らしい)。だが、この試合で池上が出場停止となり、最近はSBで起用されてきた藤牧も (恐らく累積警告で) 不在。更に前田・鍋田亜は怪我と、FWの絶対数が足りない状況になってしまった。下から引き上げようにも、今日はJrユースも高円宮杯東海予選の真っ最中 (ちなみに△1−1岐阜VAMOS、18日、最下位松坂FCに引き分け以上で全国大会出場決定)。行徳監督は1年生の畑を抜擢し、佐野孝をサイドから前線へ回す選択。3年生2人、2年生7人、1年生2人と、完全に2年生中心の構成である。
立ち上がりから左サイドの攻撃を軸に、清水が完全に押し込む。7分のLH佐野傑との縦のワンツーからLB江守の左クロスをFW佐野孝がボレー、14分に右35度から佐野傑のFKを畑のジャンピングボレー、16分はFW畑のポストプレーから佐野傑の左クロスをファーのRH西澤がボレーと、高さのない鳥栖DFであったが、巧みにDFの間に飛び込んで好機をつくった。そして、そのパターンから18分に先制すると、気落ちする鳥栖に前から激しいプレッシャーを掛け、22分に畑が競り合い、こぼれたボールを佐野孝がスルーパスを送って西澤がシュート、29分にはボールを奪ったRB望月恭が自ら20Mほど持ち込んでシュート、33分はまたも畑が奪い、併走する佐野孝がパスを受けてフリーでシュート、34分に佐野孝が奪うと、奪われたDFともう1枚交わしてシュートを放つが、いずれも外れてしまう。圧倒しているようでスコアは1点差、という嫌な展開になりつつあったが、39分に佐野孝が再び決め、2点差で折り返した。 後半は序盤、佐野孝が快速を飛ばす場面があったが、それを決めきれずにいると徐々に落ち着いた展開に。66分に突破口となっていた佐野傑が退くと、いよいよ膠着する。だが、守っては激しい中盤の守備で自由な展開を許さず、カウンターに活路を見出そうとする鳥栖にもCB小澤の積極的にボールを奪いにいく激しいプレー、そして冷静にカバーに入るCB滝戸の2人が鉄壁を築き、こぼれ球を無理矢理ミドルに持っていくか、激しい守備が仇になってFKを与えた場面以外では、シュートを許さなかった。74分に杉山が退場となると、ボールを奪う位置が10〜20Mほども下がり、押し込まれて清水の左サイドに起点をつくられるようになるが、逆に大きく空いた相手陣内のスペースを活用し、87分に佐野孝が駄目押しとなる3点目。ロスタイムに一瞬の隙を突かれて失点し、画竜点睛を欠いたが、きっちり勝利を収めた。
杉山は上下左右に非常に幅広く動き、ボール支配に多大な貢献。攻撃では外連味はなくとも確実に無駄のないパスを捌いて中央で起点になると、サイドに走って数的有利をつくった。守備ではマークを離さず、厳しいチェックで自由にさせない。主審が例えボールにいっていても、後ろからのタックルには厳しい判定を下していたため、74分に退場するハメになったが、その忠実な守備は行徳監督からも高く評価されることだろう。杉山退場後、清水は押し込まれる時間が長くなり、杉山の貢献度が証明される結果となった。 佐野傑は仕掛ける姿勢が気持ちの良い選手だが、今日はそれが高い確率で決まっていた。佐野傑のドリブルが通用すれば、それだけで攻撃の形が一つできる。その分、江守のオーバーラップは無視される結果となったが (笑)。ただ縦に行くだけでなく、中に絞って守備をしたり、繋ぎに入るポジショニングもスムーズで、1年生の頃の90分間、行徳監督に怒鳴られていた姿はもうない。ハットトリック達成の佐野孝は、フィジカルの違いをまざまざと見せつけていた。これだけ結果を出したにも関わらず、評価三番手なのはあまりに簡単なシュートを外しすぎたから。それでいて、1点目や2点目のような難しい体勢では決めてしまうところが、読めない選手だ (笑)。
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