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2006年08月20日(日) JY: クラブ選手権 全国大会 横浜F・マリノス追浜戦

06年08月20日 (土) 13:30開始 Jヴィレッジ スタジアム
 adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会 決勝
 対 横浜F・マリノスジュニアユース追浜 ※35分ハーフ
 天候:雨のち曇り

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−

−−−−−−榎本− 小野裕 −−−−−
−−渋谷−−−−−−−−− 小野悠 −
−−−−−−中田−−保田−−−−−−
−− 岡 −−樋川−−伊藤−− 原 −−
−−−−−−−−四宮−−−−−−−−
横浜F・マリノスジュニアユース追浜

 02分、追浜、清水が中央に絞ったLH柴原からFW鍋田に入れた小さいクサビを、CB樋川が背後から足を出してカットしてカウンター。LB岡が右スペースへダイアゴナルで50Mフィードを送ると、サイドに開くFW榎本がウェーブに動いてゴールへと向き直す。CB山田が詰める前に放った右45度シュートがゴール左へ突き刺さり、0−1。
 14分、清水、LB深澤のクサビを受け、柴原が小さく送ったロビングのパスを鍋田が倒れ込みながら裏に流し、柴原が縦に抜ける。左足の高速クロスをファーでRH石原が頭で折り返すと、中央のFW畑がダイナミックにボレーで叩き込んで、1−1。

追浜        清水エスパルスジュニアユース
8(4) シュート 3(1) ◎畑、 ×荒井、×鍋田
3(0) 右クロス 5(0) ×畑、 ×青木、×畑、 ×石原、×石原
2(0) 左クロス 4(1) ○柴原、×青木、×荒井、×荒井
4(0) 右側CK 1(0) ×石原
1(0) 左側CK 1(0) ×青木
0(−)  犯OS  3(−) ・柴原、・鍋田、・鍋田
2(0) ファウル 4(0) ・柴原、・柴原、・深澤、・小澤


[後半]
清水エスパルスジュニアユース (11分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−大島−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−

−−−−−−榎本−−丸山−−−−−−
−−天野−−−−−−−−− 小野悠 −
−−−−−−中田−−保田−−−−−−
−− 岡 −−樋川−−伊藤−− 原 −−
−−−−−−−−四宮−−−−−−−−
横浜F・マリノスジュニアユース追浜 (24分〜)

 11分、清水、交代: 石原→大島 (上記参照)
 15分、追浜、交代: 渋谷→天野
 18分、清水、中盤でCB伊藤から鍋田が受けたファウルを青木が素早く再開。一気に40M対角線先の柴原に渡ると、柴原はトラップから反転、戻りながら右足でクロスを入れる。CH中田が頭で跳ね返すが、小さくPA内に落ちたところを畑が突っ込んでボレー。これが決まり、2−1。
 24分、追浜、交代: 小野裕→丸山 (上記参照)
 33分、追浜、RB原のサイドチェンジは、やや乱れるも何とか岡へ渡る。岡は縦に勝負しクロスを入れようとするが、清水もマークを修正できており、LH大島がついていってブロック。PA前へこぼれたボールを拾ったのは中田、ミドルが途中でDFに当たると、方向の変わったシュートがGK長島の逆を突いてゴール右に収まり、2−2。

追浜        清水エスパルスジュニアユース
9(4) シュート 3(1) ◎畑、 ×青木、×青木
1(0) 右クロス 2(2) ○青木、○加藤
2(0) 左クロス 4(1) ×深澤、×柴原、○柴原、×柴原
2(0) 右側CK 1(0) ×柴原
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  1(−) ・柴原
6(0) ファウル 8(1) ・青木、・鍋田、・深澤、×深澤、・荒井、・山田、・青木、・柴原


[延長]
清水エスパルスジュニアユース (前半01分〜後半03分)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−−
−−−−−−青木−−山田−−−−−−
−−大島−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−関口−−−−−−

−−−−−−榎本−−丸山−−−−−−
−−天野−−−−−−−−− 小野悠 −
−−−−−−中田−−保田−−−−−−
−− 岡 −−樋川−−伊藤−− 原 −−
−−−−−−−−四宮−−−−−−−−
横浜F・マリノスジュニアユース追浜

 開始前、畑→関口

 前半00分、追浜、RB原が縦に蹴り込んだロングボールに対し、山田の裏をとったFW丸山が右からPA内へ切れ込むと、ゴールエリアに小さくパスをお膳立て。そこにフリーで突っ込んだ榎本がゴールに叩き込み、2−3。
 前半01分、清水、交代: 荒井→山崎 (上記参照)
 前半05分、追浜、中盤で横にパスを回してCH山田と青木のプレスをかわすと、大きく空いた山田・青木とDFラインの間…バイタルエリア…に丸山が下がってCH保田から縦パスを受ける。と、反転スルーパス。丸山を追い越していったOH小野悠が裏へ抜け、GKとの1対1を沈める。2−4。
 前半07分、清水、深澤のロングスローをPA内で鍋田がDFと競り合い、中央のFW関口の足下にこぼれる。関口は反転シュートを狙うがブロックされ、こぼれ球はPA外へと転がった。そこに待ち受けた青木が右足一閃、一直線にゴール左へ突き刺さり、3−4。
 後半03分、清水、交代: 大島→田代

追浜        清水エスパルスジュニアユース
3(2) シュート 2(2) ○柴原、◎青木
0(0) 右クロス 0(0)
1(0) 左クロス 1(0) ×柴原
0(0) 右側CK 1(0) ×青木
1(0) 左側CK 3(0) ×青木、×青木、×柴原
0(−)  犯OS  1(−) ・関口
2(1) ファウル 4(0) ・柴原、・小澤、・関口、・山田

 濡れたボールコンディションを考慮してか、開始からOH小野悠、DH中田が積極的にミドルを狙っていた追浜が、その勢いのままに先制。その後も奪ってからサイドに開くFWへ素早く繋ぎ、強引でもシュートで終わることで、清水に攻撃の機会すら許さない。9分、右サイドの小野悠を起点に右に流れてきたOH渋谷が戻し、中田の縦パスから小野悠からシュートを放ち、13分にはLB岡が際どいミドルを放つ。が、清水は最初のチャンスに得意のサイド展開から同点。以後、サイドからの崩しを意識する清水と、シュートで終わるのが第一の追浜が、それぞれ個性を出しつつ展開は拮抗。24分、横浜が左に開いた榎本を起点に小野悠がミドルを放てば、清水は27分、CH荒井のミドルで得た右CK、石原のキックをGKパンチングで逃げるが、青木のロビングから鍋田がボレーで狙った (共に枠外)。
 後半になると更に膠着、3分に小野悠の直接FKがゴールマウスを襲うが、横浜もセットプレー以外でシュートチャンスがない。サイドで起点をつくるが、シュートのなかった清水は18分、試合通算2本目の枠内シュートで勝ち越してしまう。清水は攻めてもクロスやミドルで終わるようになり、逃げ切りを図る。ボールポゼッションの主導権は追浜に大きく傾くが、重心を低くした清水はゴール前のDFライン+ボランチ2枚が厚く、結局セットプレーとミドルしかない。そのまま終わるに見えた33分、中田が強引に放ったミドルがDFに当たってGK長島の逆を突き、同点に。シュートを撃てば何かが起こる、序盤から繰り返した愚直さが報われた瞬間だった。

 延長の頃には試合開始時の雨空が晴れわたり、強い日差しが2試合連続延長戦の清水の選手を苦しめる。肉体の体力以上に精神面の体力が厳しかったようで、延長開始1分前に集中力を欠いた対応で失点。ついに主将の山崎を投入してベスト布陣を整えるも、久々にコンビを組んだ青木・山田が、岩下監督が再三注意する同じ高さに並んでプレスしてしまい、大きく空いたバイタルエリアで起点を作られ、点差が2点に開く。青木のミドルで意地を見せたが、最後は体力が尽きたところ、自ゴールから一番遠いサイドにボールを運び、キープする追浜の試合巧者ぶりに反撃の機会を許されず、3−4で力尽きた。


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 3−4 (延長) 横浜F・マリノスジュニアユース追浜


▼選手寸評

[私撰MVP] 青木 達也
[私撰MIP] 柴原 誠、畑 直樹
[相手方好印象選手] 榎本 大希

 得意のミドルで大会初得点を決めた青木は、この日も中盤の底で体を張った守備を見せた。残念ながら大会優秀選手の撰からは漏れてしまったが、このポジションは激戦区なので仕方がない。慣れ親しんだ山田とのコンビを離れ、安定度では一段落ちたかもしれないが、浩太の視点と枝村のキックを併せ持つ急所を狙ったロングパスは、今後に大きな期待を抱かせる。柴原はこの日も守備では周りに負担を掛けたが、両足のインもアウトも使い分けるキックで、ここぞの場面で必ず期待に応えて見せた。ここぞの場面だけでなく、常に自ら仕掛ける切込隊長でもある (だから、守備ができないほど疲れてしまうのだが)。畑は不思議な空間把握能力と巧みなトラップで屈強な相手DFを惑わしつつ、FWらしいリアルな2得点。「鍋田だろ」という下馬評に反して、まんまとMIPをせしめた。
 追浜の榎本は、動き出しのタイミングと質が非常に優れた選手。全ての面で平均を上回る万能選手だが、飛び抜けた特徴はない。しかし、自分の優位な状況をつくって勝負してくる。2001年ぐらいまでの柳沢を思い出させる。



 


adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会 個人的ベストイレブン

−−−−−−榎本−−鍋田−−−−−−
−−−原口−− 宇佐美 −−矢島−−−
−−−−−−−−茨田−−−−−−−−
−− 岡 −−金子−−小澤−− 原 −−
−−−−−−−−長島−−−−−−−−

長島 潤  91.07.05 179/69 清水エスパルスジュニアユース (清水FC)
原 広樹  91.05.04 166/50 横浜F・マリノスジュニアユース追浜 (FC野庭)
小澤 蓮  91.11.01 173/60 清水エスパルスジュニアユース (清水FC)
金子 智大 91.09.05 174/65 柏レイソルU-15 (前川少年SC)
岡 直樹  91.04.15 173/55 横浜F・マリノスジュニアユース追浜 (横浜F・マリノスプライマリー追浜)
茨田 陽生 91.05.30 172/58 柏レイソルU-15 (柏レイソルU-12)
矢島倫太郎 93.01.09 165/60 浦和レッドダイヤモンズジュニアユース (新宿SSS)
原口 元気 91.05.09 173/60 浦和レッドダイヤモンズジュニアユース (江南南SSS)
宇佐美貴史 92.05.06 174/53 ガンバ大阪ジュニアユース (京都長岡町SS)
鍋田亜人夢 91.05.01 172/57 清水エスパルスジュニアユース (清水FC)
榎本 大希 91.05.25 172/62 横浜F・マリノスジュニアユース追浜 (横浜F・マリノスプライマリー追浜)



2006年08月19日(土) JY: クラブ選手権 全国大会 浦和レッドダイヤモンズ戦

06年08月19日 (土) 13:30開始 Jヴィレッジ スタジアム
 adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会 準決勝
 対 浦和レッドダイヤモンズジュニアユース ※35分ハーフ
 天候:曇り

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−

−−−−−−茸本−−磯部−−−−−−
−−−−池西− 利根川 −矢島−−−−
−−−−−−−−石沢−−−−−−−−
−−加瀬− 長谷川 −岡本−−大里−−
−−−−−−−− 原 −−−−−−−−
浦和レッドダイヤモンズジュニアユース

 19分、清水、浦和FW茸本のファウルで自陣からFK。RB加藤が対角線に蹴り込むと、LH柴原が浮き球をトラップする間にLB深澤が攻め上がる。そこへスルーパス、裏に抜けた深澤が小さく中央に返すと、連動して飛び出していたFW鍋田がPA左端で受け、左30度から左足シュート、をファー右ポスト前でRH石原が小さく押し込み、1−0。
 28分、清水、浦和FW磯部のファウルで自陣からFK。加藤?が小さく中央へ戻すと、CH青木が縦に長いクサビを入れる。受けた柴原はDH石沢を交わして前に出るや、カバーに来た2枚のDFの裏へスルーパス。PA内の左へ流れて受けた鍋田、トラップが乱れてシュートタイミングを失うが、何とか足下に収めると加速して縦に抜け、マイナスに折り返す。正確なクロスを相棒FW畑が丁寧にファー右へ合わせて、2−0。

浦和レッズ     清水エスパルスジュニアユース
1(0) シュート 2(2) ◎石原、◎畑
1(0) 右クロス 0(0)
1(0) 左クロス 2(2) ◎鍋田、◎鍋田
1(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
2(−)  犯OS  0(−)
8(0) ファウル 4(0) ・畑、 ・加藤、・鍋田、・柴原


[後半]
清水エスパルスジュニアユース (21分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−関口−−−−−−

−−−−−−茸本−−高瀬−−−−−−
−−−−原口−−池西−−矢島−−−−
−−−−−−−−石沢−−−−−−−−
−−加瀬− 長谷川 −岡本−−大里−−
−−−−−−−− 原 −−−−−−−−
浦和レッドダイヤモンズジュニアユース (19分〜)

 HT、浦和、交代: 磯部→高瀬

 10分、浦和、相手陣内左サイドからLH池西が投げ入れたスローインをOH利根川が左スペースへ返し、ワンツーの形で池西が縦に抜ける。十分に抉って上げた高速クロス、大外からRH矢島が快速を飛ばして深澤の内側に入り込み、ドンピシャヘッド、1−2。
 19分、浦和、中盤で開いてパスを受けた矢島が縦に突破。横から距離を詰めてきた深澤のタックルが成功するが、ボールはタッチラインを出ず、素早く立ち上がった矢島が再び拾って縦に突き進む。再び追い縋る深澤をスピードでかわして中に切れ込み、高速右クロス。遅れてファーに飛び込んできた利根川が頭で合わせ、2−2。
 19分、浦和: 利根川→原口 (上記参照)
 21分、清水: 畑→関口 (上記参照)
 36分 (ロスタイム)、清水: 石原→大島

浦和レッズ     清水エスパルスジュニアユース
10(7) シュート 3(3) ○鍋田、○荒井、○鍋田
5(1) 右クロス 1(1) ○石原
7(2) 左クロス 2(2) ○小澤、○荒井
1(0) 右側CK 2(0) ×石原、×石原
2(1) 左側CK 0(0)
2(−)  犯OS  1(−) ・柴原
3(0) ファウル 6(0) ・青木、・深澤、・石原、・石原、・青木、・青木


[延長]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−大島−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−関口−−−−−−

−−−−−−渋谷−−高瀬−−−−−−
−−−−原口−−池西−−森田−−−−
−−−−−−−−石沢−−−−−−−−
−−加瀬− 長谷川 −岡本−−大里−−
−−−−−−−− 原 −−−−−−−−
浦和レッドダイヤモンズジュニアユース (後半06分〜)

 前半07分、清水、深澤のスローインを柴原が縦に繋ぐと、クサビを受けた鍋田が反転してスルーパスを送る。PA左端に飛び出したのはFW関口、逆サイドからRH大島が中央に入ってくるが、関口は角度のない位置から思い切って右足を振り抜く。これがファーに決まり、3−2。
 後半05分、浦和、交代: 茸本→渋谷
 後半06分、浦和、交代: 矢島→森田 (上記参照)
 後半08分、清水、深澤のスローインを関口が縦に繋ぐと、クサビを受けた鍋田が反転、リフティングで浮いたボールを掬い上げるように右足でシュートを放つ。PA左角から放たれたボールは見事にドライヴし、GKの腕を越えてゴールに吸い込まれた。4−2。

浦和レッズ     清水エスパルスジュニアユース
4(2) シュート 4(2) ◎関口、×柴原、×柴原、◎鍋田
3(2) 右クロス 1(1) ○大島
2(1) 左クロス 0(0)
0(0) 右側CK 0(0)
2(0) 左側CK 0(0)
2(−)  犯OS  0(−)
0(0) ファウル 1(0) ・荒井


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 4−2 (延長) 浦和レッドダイヤモンズジュニアユース

 出だしは互いに慎重。浦和はトップ下の利根川が精力的に動いてスペースを作ろうとするが、両SHの位置が低く、攻撃に厚みがない。清水の方も人を掛けて守る浦和を崩せずにいたが、FKという飛び道具をうまく使い、縦に速くサイドにパスを供給し、そこから崩してシュート2本で2点。浦和は7分に攻め上がったRB大里がミドルを1本放ったのみ、攻撃に迫力を欠いたこともあり、2点差は既に安全圏にも思われた。
 しかし、後半の浦和はSHをトップ下と同じ高さまで上げ、一気に反攻。いきなり1分、LB加瀬のアーリークロスをGK長島がパンチングで逃げたところ、LH池西がミドル、長島が弾く。6分にFW高瀬を追い越して際どいシュートを放っていたRH矢島が、10分と早い時間に1点返して勢いに乗ると、19分に同点に追いつく。まだ15分以上残し、更にエース原口を投入。それまではFW鍋田のボレー、CH荒井のスルーパスからRH石原の右クロス、CB小澤のアーリークロスにCH荒井のヘッドと、五分に渡り合っていた清水だったが、同点に追いつかれた焦りからか、位置が高くなった相手SHに付くのがSHかSBなのか、完全に混乱に陥った。
 25分、FW茸本のドリブルをフォローしてOH池西がシュート、26分にはパスカットからのスルーパスにLH原口が飛び出し、28分はスローインをカットした高瀬がそのままシュート。ずるずると下がった清水を浦和が一方的に攻め立てるが、バイタルエリアから動かずにCB青木が体を張り、RB加藤も攻め上がらずサイドから中央のカバーに入るなど、なりふり構わず守備に人を掛けてやり過ごす。清水は31分に久々の攻撃、LH柴原のドリブルから鍋田がスルーパス、荒井の左クロスを再び鍋田が合わせるが、これはGK原に阻まれた。浦和も34分、スローインから原口がドリブルでPA内に侵入、中央に戻したパスを矢島がスルー、高瀬が合わせたが枠を外す。矢島・原口を筆頭に浦和のドリブルは迫力があったが、直線的過ぎて単調になりがちだったのが、同点後人数を掛けた清水の守備を破れなかった理由かもしれない。

 延長開始時点では浦和に勢いが残っており、3分にサイドスペースに抜けた原口の左クロスに3列目から飛び出してきたDH石沢 (枠外)、5分にも石沢がミドルを放つがGK長島が防ぐ。だが、休憩を挟んで相手の攻撃を確認した清水は落ち着きを取り戻しており、特にサイドから崩される回数は大きく減った。延長最初のチャンスを関口がきっちりものにすると、9分の茸本のスルーパスから原口が抜け出した場面もGK長島がセーヴ。延長後半になると遂に矢島・原口の足も止まり、石沢の攻守の奮闘が目立つばかりに。清水は延長後半2分、荒井のパスカットから柴原が繋いで鍋田がスルーパス、柴原が1対1の場面を迎えるが、決めきれず。「清水はわざと勝負を面白くしてるのか」との声も飛んだが、最後は鍋田がビューディフルゴールを決めて熱戦に決着。清水が決勝進出と高円宮杯出場権を獲得した。


▼選手寸評

[私撰MVP] 鍋田 亜人夢
[私撰MIP] 関口 弘樹、青木 達也
[相手方好印象選手] 矢島 倫太郎

 1ゴール3アシストの鍋田が、文句なしのMVP。背が伸びて体を張れるようになったことで、万能型FWは更にやれることが増え、状況に応じたプレーのレパートリーを広げている。中でもスペースを見つける視野の広さと、そこにパスを出す際のボディバランスは素晴らしい。そんなバランス型ながら、スーパーゴールまで決めてみせた。練習試合では弱気な選択も目立つ関口だが、全国の舞台でその高い身体能力が十分に通じることを知り、自信を深めたようだ。勝ち越しの場面、これまでの関口ならパスを出していたかもしれない。青木は劣勢の中、中盤の底に蓋をした。青木にはもっと幅の広いプレーを期待できると思うが、両サイドを盛んに崩される中、彼が中央を塞いで相手のシュート精度を落とさせたといえる。
 浦和の矢島は早生まれの2年生。165cmと小柄 (といっても同学年の柴原は163cm) だが、体重は60kg (柴原は53kg) とがっしりしている。その柴原があまり守備に戻れないため、同じく2年生の深澤 (168cm/50kg) と対面することになったが、ただ速いだけでなく、体重差を活かした当たりの強さで次々と突破した。清水はここまでの試合、深澤が1対1で完璧に近い守備を見せてきたこともあり、深澤が抜かれた後のフォローが整っておらず、マークが大混乱することになった。



2006年08月17日(木) JY: クラブ選手権 全国大会 ガンバ大阪戦

06年08月17日 (木) 13:30開始 Jヴィレッジ Pitch 3
 adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会 準々決勝
 対 ガンバ大阪ジュニアユース ※35分ハーフ
 天候:曇り

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−

−−−−− 宇佐美 −原口−−−−−−
−−大森−−−−−−−−−−明智−−
−−−−−−水野−−望月−−−−−−
−−高木−−内田−−大西−−山田−−
−−−−−−−−加藤−−−−−−−−
ガンバ大阪ジュニアユース

 26分、清水、LB深澤のスローインを受けたLH柴原が緩から急に加速してRB山田より半身前に出ると、左足で左クロスを送る。マイナスに逃げる低いクロスをGK加藤が飛びついて弾くが、こぼれたボールがバウンドしたところ、FW畑がバイシクルシュート。見事に空のゴールに収まり、1−0。

ガンバ大阪     清水エスパルスジュニアユース
5(4) シュート 8(3) ×青木、×石原、×柴原、○加藤、×石原、○柴原、◎畑、 ×柴原
5(1) 右クロス 5(0) ×石原、×石原、×石原、×石原
3(1) 左クロス 3(1) ×柴原、◎柴原、×柴原
2(1) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 0(0)
3(−)  犯OS  0(−)
3(0) ファウル 2(0) ・鍋田、・青木


[後半]
清水エスパルスジュニアユース (22分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−櫻井−−−−−−−−−−関口−−
−−−−−−鍋田−−柴原−−−−−−

−−−−−− 膳 −−原口−−−−−−
−−大森−−− 宇佐美 −−−明智−−
−−−−−−−−望月−−−−−−−−
−−高木−−内田−−大西−−山田−−
−−−−−−−−加藤−−−−−−−−
ガンバ大阪ジュニアユース (27分〜)

 14分、清水、交代; 石原→関口
 20分、ガンバ、警告: 山田
 22分、清水、交代: 畑→櫻井 (上記参照)

 27分、ガンバ、交代: 水野→膳
 28分、清水、自陣で右寄りで奪ったCB小澤が、一気に逆サイドのSBの裏へダイアゴナルフィードを通す (公式には直接FKとなってるが、その時間帯にガンバのファウルはなかったはず)。柴原が浮き球をトラップする間にDFが寄せてくるが、柴原は右足アウトサイドで小さくボールを運びながら加速する、得意の形でバイタルエリアへ侵入、左45度からシュートを放つ。それはナイキプレミアカップ準決勝のラストショットと左右対称の形だったが、今回は巻いてゴールに迫る軌跡。GKの腕を越えたシュートは、ゴール右上角へ落ちていった。2−0。
 29分、ガンバ、警告: 大森 (シミュレーション)
 35分、清水、交代: 深澤→西川

ガンバ大阪     清水エスパルスジュニアユース
9(5) シュート 4(2) ◎柴原、×柴原、○柴原、×櫻井
2(0) 右クロス 2(1) ×青木、○関口
4(0) 左クロス 2(1) ×柴原、○柴原
2(1) 右側CK 0(0)
3(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  0(−)
3(1) ファウル 9(1) ・青木、・関口、・加藤、・関口、・畑、 ・櫻井、・櫻井、・深澤、×柴原


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 2−0 ガンバ大阪ジュニアユース

 互いに4-4-2、CH2枚は攻撃時に縦に並び、2トップはビルドアップの際に一人下がって組み立てに参加する。似たシステム同士の対戦は、四つに組んでの激戦となった。ガンバは開始早々、宇佐美のドリブルから原口のPA内シュートを皮切りに、中盤に下がる宇佐美のパスを受けてサイドからドリブルで切れ込む攻撃を展開。守勢の清水だが、同じシステム相手なら青木がその支配力を十分に発揮できる。体を張ってドリブルを止め、こぼれ球をダイレクトで相手SBの裏に配球。当初は相手に名前負けしたか、遠い位置からのミドルが多かったが、徐々にリズムをつかみ、23分には宇佐美のスルーパスをカットした小澤から石原がサイドチェンジ、柴原がシュートを放つ、清水らしいワイドな攻撃を見せた。その流れに乗って26分、畑のアクロバティックなシュートで先制、1−0で折り返した。

 後半、リードした清水は下がり目で守備重視。しかし、ガンバ相手では「下がり目」程度でも、一方的なボール支配を許すことになる。1分、望月のスルーパスから宇佐美がシュート、2分、原口のスルーパスから宇佐美が今度はGKと1対1になるが、素早く距離を詰めた長島が共にゴールを阻む。6分までに早くもシュート4本を数えたガンバだが、このチームはゴール前を固めた相手を、ドリブルでしか打開できない弱点がある。それでも軽く1人、2人は抜き去るのだが、清水もスペースのない状態でごぼう抜きなど許しはしない。次第に展開は膠着、ガンバは慣れないロングボール攻撃やミドルシュートが増え始めた。だが22分、畑が治療で外に出ている間、櫻井が既に準備しているのに攻めに出てカウンター、宇佐美に右サイドを破られてPA内フリーの原口にパスが渡る絶体絶命の場面があったが、相手のシュートミスに救われた。
 28分、チーム後半初シュートとなる柴原の芸術的ゴールが決まる。疲れから守備のタスクを担えない柴原が (恐らく流れの中で) 前線に残り、途中交代の関口・櫻井がよく戻って守備をフォロー。焦る相手をきっちり中盤で抑えてカウンターを繰り出し、関口の右クロスに柴原ヘッド、鍋田のポストから関口のスルーパスで柴原、青木のロングスルーパスに櫻井と、追加点からは攻め続けて相手にシュートを許さず、そのまま2−0で逃げ切った。


▼選手寸評

[私撰MVP] 小澤 蓮
[私撰MIP] 青木 達也、柴原 誠、
[相手方好印象選手] 宇佐美 貴史

 ガンバの選手は誰もが巧いのだが、中盤から前は明智と途中出場の膳を除いて2年生。平均身長は170cmにも満たず、小澤 (173cm) や青木 (175cm) の圧力に耐えることができなかった。特に小澤は肩を肩で押し込んで相手の片側を限定、安定した守備で相手の精度を落とした。それまでのガンバの試合を見ると、例え力で押し負けてもこぼれ球を巧みに拾って波状攻撃を仕掛けていたが、小澤の前に出て奪う守備、青木のこぼれ球をダイレクトで味方に繋げる技術と視野が、それを許さず。柴原は前半から盛んに仕掛け、後半半ばからは守備に戻ってこれなくなっていたが、そんな状態で試合を決定づける2点目。技術は嘘をつかない。
 宇佐美は正直、ここまでの化け物ぶりに比べれば低調で、宇佐美以外を選ぼうかとひねくれた気持ちも働いたのだが、メモを見るとどう見ても宇佐美が別格。まだ上半身の筋肉がついておらず、止まった状態でのプレーには難があるが、前を向けばドリブル自体が速く、更にドリブルしながら正確で強いキックを蹴ることができる。また、そうしたプレーができるように、よく動いてスペースでパスをもらっている。



2006年08月16日(水) JY: クラブ選手権 全国大会 クマガヤSC戦

06年08月16日 (水) 13:30開始 Jヴィレッジ Pitch 1
 adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会
 対 クマガヤサッカースポーツクラブ ※35分ハーフ
 天候:曇り時々晴れ

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース (〜28分)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−−

−−−−−−西澤−−関根−−−−−−
−−−−−−三浦−−永吉−−−−−−
−−市川−−−−木村−−−−楠本−−
−−− 八木沼 −細萓−−岡田−−−−
−−−−−−−−志村−−−−−−−−
クマガヤサッカースポーツクラブ

 27分、清水、中盤に下がってプレスを掛けたFW鍋田の守備でボールがこぼれると、青木がダイレクトで逆サイドへ40Mダイアゴナルフィード。右サイドにオフサイドポジションの選手がいたようだが、遅れて左サイドから飛び出したLH柴原は、当然オンサイド。巧みなトラップで浮き球を処理した柴原はPAへ縦に侵入し、角度のない位置からシュート性のクロス。いや、クロス性のシュートが右ポスト内側を直撃し、逆サイドネットに吸い込まれた。1−0。
 28分、清水、交代: 櫻井→関口

クマガヤ      清水エスパルスジュニアユース
5(2) シュート 3(2) ×青木、○青木、◎柴原
2(2) 右クロス 3(0) ×石原、×石原、×石原
3(0) 左クロス 3(1) ×柴原、○鍋田、×深澤
1(1) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  3(−) ・鍋田、・鍋田、・鍋田
3(0) ファウル 6(0) ・櫻井、・石原、・小澤、・小澤、・関口、・関口


[後半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−関口−−−−−−

−−−−−−西澤−−町田−−−−−−
−−−−市川−−三浦−−関根−−−−
−−−−−−−−木村−−−−−−−−
− 八木沼 −細萓−−岡田−−楠本−−
−−−−−−−−志村−−−−−−−−
クマガヤサッカースポーツクラブ (〜15分)

 HT、クマガヤ、交代: 永吉→町田 (上記参照)

 08分、クマガヤ、CH青木のPA前でのプレーが微妙なファウルの判定。清水は判定にぐずつくが、クマガヤはOH三浦が素早く再開。縦に送ったパスを受けたFW関根が、誰にも邪魔されずPA内を縦にドリブル突破し、GK長島の横を抜けるシュートを放つに至った。1−1。
 09分、清水、FW関口が左サイドでRB楠本にプレスを掛けると、たまらずCBへバックパス。それを鍋田が奪うや、縦に加速する。PA内に侵入しようかというところで、CB岡田が引き倒した。まず主審がファウルの判定、次に副審にファウルの位置を確認し、PKが与えられる。キッカーは鍋田。GK志村の届かない右隅にきっちり決め、2−1。
 15分、清水、警告: 荒井
 15分、クマガヤ、交代: 市川→塩田 (西澤OH、三浦LH、塩田FW)

 23分、クマガヤ、右サイドから三浦のロングスロー。緩いボールを町田がバックヘッドで更に左へ流すと、飛び込んできた西澤が頭でゴールに突き刺し、2−2。
 24分、クマガヤ、退場: 細萓 '(布陣を3-1-3-2に)
 26分、清水、左から切れ込んできた柴原は、ドリブル姿勢のままPA内の鍋田にクサビを出す。鍋田はダイレクトで中央に戻し、それをCH荒井が右へ叩く。受けたRH石原が縦に抜け、GKと1対1。続けて左にステップを踏んでGK志田を交わすと、左足のラストショットを放つ。が、DFがそれをカバー、こぼれ球に関口が反応。スライディングでシュートブロックにいったCB細萓は、関口のシュートに思わず手を出してしまう。得点機阻止で一発退場、そしてPK。鍋田がGKと逆方向に突き刺し、3−2。
 30分、清水、警告: 加藤

クマガヤ      清水エスパルスジュニアユース
6(4) シュート 8(5) ×荒井、×荒井、◎鍋田、○鍋田、○柴原、◎鍋田、×柴原、○鍋田
3(0) 右クロス 2(1) ×石原、○石原
2(0) 左クロス 2(1) ×荒井、○柴原
2(0) 右側CK 2(0) ×石原、×柴原
2(1) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  3(−) ・石原、・関口、・関口
6(2) ファウル 5(0) ×青木、・鍋田、・荒井、・荒井、・鍋田


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 3−2 クマガヤサッカースポーツクラブ

 クマガヤの基本布陣は4バックだと思われるが、清水の2トップに3人が付き、右の石原に八木沼が、左の柴原に栗原が付く格好になったため、事実上5バックに近い格好になった。2トップが盛んに動いて空けたスペースに、2列目の永吉・三浦が飛び出す形で攻撃を作るが、チーム全体の重心が低いため、スルーパスが長すぎて引っ掛かってしまう。一方、清水は青木の守備の負担が軽くなり、支配力を発揮。17分、石原のクロスのこぼれを青木がミドル、GKが弾いたところ柴原が拾って左に叩き、鍋田のクロスから櫻井が決めるが、オフサイド。しかし、27分に青木得意のダイアゴナルフィードから先制点を奪い、1−0で折り返した。
 失点後から市川の位置を上げていたクマガヤだが、後半は明確に4-1-3-2に変更、更にエース町田を投入。後半頭は右サイド石原を起点に荒井がミドルを2発放った清水のペースだったが、クマガヤは一瞬の隙を突いて同点に。だが、清水もすぐさま鍋田がPKを奪い、自ら決めて突き放す。その後も中盤の青木の支配力に緩みなく、18分には鍋田のポストから青木がサイドチェンジ、柴原のシュートはGK志田の美技が防いだ。中盤を抑えられたクマガヤは、22分に三浦の左CKを細萓が頭で合わせるなど、セットプレーに好機を見出すが、23分、意外にもロングスローで同点弾を叩き出す。が、またもその直後、ハンドでの決定機阻止で1人退場、更にPKも決まって勝負あり。もう攻めるしかないクマガヤの反撃はあったが、巧みに展開をサイドに限定して、試合をクローズした。


▼選手寸評

[私撰MVP] 青木 達也
[私撰MIP] 鍋田 亜人夢、石原 聖太
[相手方好印象選手] 関根 健太

 青木は相手の中盤が薄いこともあり、今大会一番の出来。ここまで運動量の多い荒井が前に出ることが多く、青木は後ろで守備に追われていたが、この日はドリブルで攻めてくる相手なだけに、確実な守備対応とドリブルしてきた相手が空けたスペースを突く長短のパスが綺麗にはまった。好調の鍋田はPKながらこの日も2得点で、4試合連続通算6得点。場面に応じて最適のプレーを判断力しており、PK奪取の場面もあそこで転ぶのが最適の判断だった。逆に言えば、転ぶ意味のない場面では後ろから押されても転びはしない。石原は序盤、消極的なプレーも目立ったが、尻上がりに調子を上げ、加藤とのコンビで次々にボールを奪う運動量が目立った。決勝点の場面のキックフェイントも見事。
 関根は早生まれの長身選手。大型ながら柔らかい動きができ、滞空時間の長い空中戦とドリブルは、共にキープ力があった。



2006年08月14日(月) JY: クラブ選手権 全国大会 ヴェルディ戦

06年08月14日 (月) 15:00開始 Jヴィレッジ Pitch 5
 adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会
 対 ヴェルディジュニアユース ※35分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−石原−−小澤−−山田−−西川−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−大島−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−−

−−−−−−小林−−北脇−−−−−−
− 小山内 −−−−−−−−−渋谷−−
−−−−−−木澤−−牛尾−−−−−−
−−稲葉−−馬場−−宮嶋−−八塚−−
−−−−−−−−武松−−−−−−−−
ヴェルディジュニアユース (〜16分)

 10分、ヴェルディ、PA左角より10Mほど前でボールを受けたFW北脇が、緩やかな加速から一気にトップスピードに達し、PAの左へ侵入。スピードの変化に取り残されたCB山田を抜き去ると、シュートを放つがGK長島が至近距離でブロック。しかし、ボールはPA内中央に転がり、走り込んだRH渋谷が無人のゴールに押し込んだ。0−1。
 19分、ヴェルディ、交代: 小山内→高木

 途中、ヴェルディ、ポジションチェンジ: 渋谷CH、小林RH、木澤FW
 31分、ヴァルディ、CH木澤が浮き球の低い弾道のスルーパスで、清水DFラインの裏を狙う。GK長島が飛び出して処理するかに見えたが、突っ込んだ北脇に惑わされたか、長島が一瞬の躊躇。これが仇となってボールは長島の裏へとすり抜け、それをFW高木が押し込み、0−2。
 34分、清水、バイタルエリアで相手のドリブルをCB青木がカットし、プレスを避けるため自陣右スペースに持ち出し、そこからロングボールを送る。ギャップのできていた相手DFラインを抜け目なく狙っていたFW鍋田、CB馬場の裏でパスを受けると前進、GKと1対1に。確実にゴールを沈め、1−2。
 35分 (ロスタイム)、ヴェルディ、警告: 八塚

ヴェルディ     清水エスパルスジュニアユース
4(3) シュート 5(4) ○柴原、○櫻井、×鍋田、○荒井、◎鍋田
3(0) 右クロス 1(1) ○大島
1(0) 左クロス 2(1) ×鍋田、○荒井
0(0) 右側CK 4(1) ×柴原、×鍋田、○櫻井、×柴原
0(0) 左側CK 0(0)
3(−)  犯OS  0(−)
5(0) ファウル 4(0) ・櫻井、・鍋田、・小澤、・柴原


[後半]
清水エスパルスジュニアユース (30分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−−−石原−−山田−−西川−−−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−田代−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−鍋田−−小澤−− 畑 −−−−

−−−−−−北脇−−木澤−−−−−−
−−高木−−−−−−−−−−渋谷−−
−−−−−−牛尾−−窪田−−−−−−
−−稲葉−−馬場−−宮嶋−−八塚−−
−−−−−−−−武松−−−−−−−−
ヴェルディジュニアユース (14〜34分)

 14分、ヴェルディ、交代: 小林→窪田 (上記参照)
 14分、清水、交代: 大島→田代
 17分、清水、警告: 山田
 17分、清水、交代: 櫻井→畑

 途中、清水、システムチェンジ (上記参照)
 34分、ヴェルディ、警告: 窪田
 34分、ヴェルディ、中盤から長い距離をドリブルしてきた北脇が、清水DFと体を入れ替えてPA内左へ侵入。PA内でステップを踏んでDFからコースを空けさせ、シュートを放つ。GK長島が反応するが、こぼれたボールを自ら押し込み、1−3。
 36分 (ロスタイム)、ヴェルディ、交代: 稲葉→高野
 37分 (ロスタイム)、ヴェルディ、清水ゴール前へ攻め込むが跳ね返され、クリアを窪田が拾って二次攻撃。グラウンダーのクサビをPA前中央に入れると、DF2名が「門」になってしまい、その間の高木が全くのフリー。すぐさまターンしてシュートを決め、1−4。

ヴェルディ     清水エスパルスジュニアユース
7(4) シュート 3(1) ×櫻井、×大島、○柴原
4(2) 右クロス 4(1) ×青木、×石原、×石原、○田代
4(0) 左クロス 3(0) ×荒井、×柴原、×西川
2(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  0(−)
8(0) ファウル 7(1) ×荒井、・鍋田、・山田、・鍋田、・畑、 ・荒井、・山田

 開始1分、大島のクロスから鍋田がシュートを放った清水がやや押し気味に進めていたが、10分、相手初シュートで失点。その後も展開の大きさで清水が上回っている印象で、17分には左外を回った西川を囮に切れ込んだ柴原のシュートのこぼれを櫻井がシュート、30分には石原の見事なサイドチェンジを柴原が前に当て、受けた櫻井の左クロスから荒井がボレーを放つ。だが、枠外に飛んだミドルを1本挟んで31分、ヴェルディ3本目のシュートで2失点目。どちらも守備の対応に粘りが足りず、集中力散漫に見えた。しかし、前半終了直前の34分に1本のロングパスから鍋田が決め、1点差で折り返すことができた。
 後半は拮抗した展開に。14分、西川のクサビを受けた柴原のスルーパスから荒井が左クロス、クリアを拾った柴原のシュート性 (実際シュートを狙ったと思う) の左クロスにファー右ポスト前へ大島が飛び込んだが、ボレーは枠上に外れる。前半は清水の裏のスペースを狙う単調な展開が多かったヴェルディだが、徐々に北脇・高木らのドリブルが真価を発揮。かと思えば25分、木澤がスルーパスで中央を独走し、長島が1点ものの被決定機を止めた。小澤を前線に上げ、総攻撃を目論んだ清水だが、スルーパスとドリブルでジャブを積み重ねられたDFの足が止まり、34分とロスタイムにそれぞれ失点。予選2位通過となり、決勝トーナメント緒戦はナイキプレミアカップに優勝した3年生を揃える、クマガヤSCとの対戦となった。


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 1−4 ヴェルディジュニアユース


▼選手寸評

[私撰MVP] なし
[私撰MIP] 鍋田 亜人夢、荒井 航
[相手方好印象選手] 北脇 健慈

 予選通過を決めた後だからか、ピリッとしない内容。鍋田の決定力と荒井の運動量はそれまで同様素晴らしかったが、他は終盤、1点を奪いに攻めに出るまで今一つのプレーだった。だが、残り10分の前に出る姿勢は素晴らしく、そこで失った2点は仕方がない。責められるべきは、集中力を欠いた前半の2失点の方だろう。ドリブラーを揃えるヴェルディだが、昔のようにただひらすらドリブルで突っ込んでくる訳ではなく、前後のポジションチェンジを盛んに行い、スペースのギャップをつくり、そこへ前を向いて攻め込めるように工夫されていた。その中でも北脇の突破は重戦車のようで、軽い当たりなど吹き飛ばして突き進む迫力があった。



2006年08月13日(日) JY: クラブ選手権 全国大会 ヴィッセル神戸戦

06年08月13日 (日) 10:30開始 Jヴィレッジ Pitch 1
 adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会
 対 ヴィッセル神戸ジュニアユース ※35分ハーフ
 天候:雨のち曇り

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
 控え:井出、植野、荻、西川、滝戸、石原、本川、田代、関口
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−大島−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−−

−−−−−−森岡−−三輪−−−−−−
−−−−−−−−上諸−−−−−−−−
−− 幾 −−鈴木−−奥田−−中田−−
−−−−曽根−−中村−−志田−−−−
−−−−−−−−澤井−−−−−−−−
ヴィッセル神戸ジュニアユース

 34分、清水、相手プレスを受けたRB加藤が何とかキープしてバックパス、そこにも神戸のプレスが掛かり、GK長島はダイレクトで大きく蹴り出す。それを受けたFW鍋田はロングキックを巧みにトラップ、相手を背中で抑えてキープし、するとCH荒井が長い距離を走ってフォロー、追い越してパスを受けるやスルーパスを送る。それを受けた櫻井は左足から右足に切り返して追い縋るDFをかわし、低い弾道のループシュート。GK触れるがゴールに収まり、1−0。

ヴィッセル     清水エスパルスジュニアユース
8(6) シュート 5(4) ○柴原、○櫻井、○櫻井、○鍋田、◎櫻井
3(0) 右クロス 2(2) ○加藤、○加藤
5(1) 左クロス 2(1) ×鍋田、○荒井
0(0) 右側CK 2(0) ×柴原、×柴原
0(0) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  0(−)
6(0) ファウル 5(0) ・荒井、・山田、・深澤、・山田、・柴原


[後半]
清水エスパルスジュニアユース (16分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−関口−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−−

−−−−−−見神−−小川−−−−−−
−−−−−−−−上諸−−−−−−−−
−− 幾 −−坂口−−奥田−−中田−−
−−−−曽根−−中村−−志田−−−−
−−−−−−−−澤井−−−−−−−−
ヴィッセル神戸ジュニアユース (23分〜)

 03分、神戸、警告: 中村
 07分、清水、警告: 深澤
 13分、清水、深澤のクサビに対し、PA左角前でポストに入った鍋田が反転して入れ替わろうとしたところ、CB中村は腕を放さずに引き倒してしまい、PK。倒された鍋田自ら正確にゴール右隅に決め、2−0。
 16分、清水、交代: 大島→関口 (上図参照)
 16分、神戸、交代: 三輪→小川
 20分、神戸、交代: 鈴木→坂口
 23分、神戸、交代: 森岡→見神 (上図参照)

 28分、清水、交代: 加藤→西川
 30分、清水、交代: 櫻井→田代 (田代RH、関口FW)
 33分、清水、交代: 荒井→滝戸
 34分、神戸、右サイドからRW中田の入れた小さな浮き球パスに対し、ニアでFW見神とCB山田が競るが触れられず、ファーに跳び込んだFW小川がフリーでボレーシュート。GK長島、超反応で弾き、PA内でルーズになったボールをCB小澤が掻き出す。が、クリアが小さく、CH青木が何とかバックパスで繋ごうとするが、OH上諸が前に出てカット。その勢いでPA内右に飛び出すと、交錯して倒れたままの山田を尻目にドリブルでPA内中央に持ち込んで、シュートを放つ。さすがの長島も止められず、2−1。
 35分、清水、交代: 山田→荻

ヴィッセル     清水エスパルスジュニアユース
5(3) シュート 4(2) ×櫻井、○柴原、○鍋田、×田代
2(0) 右クロス 2(1) ×大島、○柴原
1(0) 左クロス 3(1) ×柴原、○柴原、×西川
1(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  0(−)
6(2) ファウル 6(1) ・鍋田、×深澤、・鍋田、・山田、・関口、・荒井


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 2−1 ヴィッセル神戸ジュニアユース

 序盤は中央の鍋田、右の加藤、左の柴原を中心に清水の優勢。が、9分にスローインを受けた幾の外をCB曽根が回って左クロス、フリーになったRW中田のシュートがポストを叩くと、山崎の抜けた最終ラインはにわかに動揺を見せる。同時に中盤もトップ下の上諸を捉まえられず、最終ラインのギャップに次々とスルーパスを通され、31分には際どいミドルも食らう。特に幾が快足で左スペースを突く攻撃はシンプルながら強力で、FW三輪も前線で盛んに動き直す。GK長島の素晴らしい飛び出しはなければ、前半で試合は決まっていただろう。しかし、実際は同点で御の字だった清水が、前半終了間際で先制して折り返すことになる。
 リードした後半は青木が守備重視で上諸を見ることになり、パスの供給源を遮断。清水の方も青木が前に出られず、攻撃の機会が減る。3分に柴原のFKが鋭く枠内を突くと、7分には逆に神戸、角度のない位置から上諸のFKがファー左ポストを直撃。しかし13分、鍋田がややラッキーなPKを決め、2点差にリードを広げた。最後の10分、前半のスルーパス対応に追われた守備の選手が次々に痛んで交代。にわかに反撃を許すが、31分にはシュートをブロックした西川が田代とのワンツーで一気に80M踏破して右クロス、32分には見神とのワンツーでPA内で小川がフリーになるが、シュートミスに救われた。凌ぎきったと思われた34分、上諸の個人技で1点差に詰め寄られたが、きっちりと残り時間をクローズ、予選突破を決めた。


▼選手寸評

[私撰MVP] 長島 潤
[私撰MIP] 鍋田 亜人夢、荒井 航
[相手方好印象選手] 上諸 武士

 ビッグセーブを連発した長島が、当然のMVP。鮮やかなダッシュで危険なDFラインの裏を広範囲でカバーし、1対1の場面でも優れた瞬発力を誇示し、相手のシュートを弾き返した。中1当時の不安定さが消え、ダッシュの後、適切なポジションで「止まる」ことができている。鍋田は劣勢でクリアに近いパスしか前線に来ない状況でも、確実なポストプレーを見せた。少ないタッチでの捌きだけでなく、押されてもユニを引っ張られてもキープすべき場面ではキープ。だからこそ、相手はPA内でも同様にファウルを犯してしまったのだろう。荒井は中盤中央が1人少ない中、正に2人分の運動量を見せた。抜かれてもすぐに次の選手に食らいつき、攻撃に切り替われば誰よりも早く前に飛び出した。
 神戸の上諸は、正に攻撃のキーマン。彼を経由するかしないかで、神戸の攻撃の質ががらっと変わる。特にそのパスは正確なだけでなく、スペースを立体で捉える視野を持ち合わせていた。競り合いでの体の強さもあり、最後は思い切ったドリブルで清水のゴールを陥れた。



2006年08月12日(土) JY: クラブ選手権 全国大会 柏レイソル盛岡戦

06年08月12日 (土) 13:00開始 Jヴィレッジ Pitch 3
 adidas CUP 2006 第21回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会
 対 柏レイソル盛岡 ※35分ハーフ
 天候:雨のち曇り

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース (〜27分)
 控え:井出、植野、荻、西川、滝戸、本川、田代、関口、畑
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−大島−−−−−−−−−−柴原−−
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−−

−−−−−−可香−−伊澤−−−−−−
−−木村−−−−−−−−−−高坂−−
−−−−−−鷲塚−−太田−−−−−−
− 佐藤勇 −中崎−− 鎧 −− 関 −−
−−−−−−−−伊藤−−−−−−−−
柏レイソル盛岡

 13分、清水、相手ゴールキックをCB小澤が頭で跳ね返すと、クリアと同時に走り出していたFW櫻井が綺麗に中央を割り、GKとの1対1を適切に高さを抑えたループシュートで決める。1−0
 17分、盛岡、交代: 鎧→葛巻 (葛巻RB、佐藤勇CB、関LB)
 25分、清水、PA前のパス回しをカットされるがCH青木が体で相手クリアを抑え、そのまま右サイド深くに持ち込む。タッチライン沿いに戻したボールをRB加藤がアーリークロス、ニアに跳び込んだFW鍋田が豪快に合わせ、2−0
 27分、清水、交代: 大島→関口

盛岡        清水エスパルスジュニアユース
2(1) シュート 4(3) ◎櫻井、◎鍋田、×柴原、○柴原
1(0) 右クロス 3(1) ×加藤、×大島、◎加藤
1(0) 左クロス 6(0) ×鍋田、×柴原、×深澤、×柴原、×青木、×鍋田
0(0) 右側CK 2(0) ×柴原、×柴原
0(0) 左側CK 3(0) ×青木、×青木、×青木
1(−)  犯OS  1(−) ・櫻井
5(0) ファウル 11(0) ・大島、・山田、・櫻井、・鍋田、・鍋田、・荒井、・荒井、・深澤、・関口、・柴原
               ・関口


[後半]
清水エスパルスジュニアユース (〜25分)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山田−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−滝戸−−−−−−−−−−関口−−
−−−−−−鍋田−−柴原−−−−−−

−−−−−−太田−−新田−−−−−−
−−伊澤−−−−−−−−−−吉嶋−−
−−−−−−鷲塚−−千田−−−−−−
−− 関 −−中崎− 佐藤勇 −葛巻−−
−−−−−−−−伊藤−−−−−−−−
柏レイソル盛岡 (11分〜)

 HT、清水、柴原RH、関口LHにポジションチェンジ
 HT、盛岡、交代: 木村→新田 (伊澤LH、新田FW)

 00分、清水、LH関口の突破から左CKを得る。青木のキックをニアの櫻井が頭でファーに逸らすと、関口が無人のゴールへと軽く右足を合わせて、3−0
 07分、盛岡、交代: 可香→千田 (千田CH、太田RH、高坂FW)
 10分、清水、交代: 櫻井→滝戸 (上図参照)
 11分、盛岡、交代: 高坂→吉嶋 (上図参照)
 11分、盛岡、ロングキックに対するCB小澤のヘディングクリアがPA内で上に浮いてしまい、FW太田が落下点を見失ったCB山田と体を入れ替え、シュート。だが、距離を詰めていたGK長島が体で弾き、左CKとなる。伊澤のキックに対し、十分に助走した太田が中央、高い打点で頭を合わせ、GK長島の手を弾いてゴール右に決まる。3−1。

 途中、清水、柴原LH、関口FWにポジションチェンジ
 35分 (ロスタイム)、清水、加藤からの長いスルーパスに上手く呼吸を合わせて加速した鍋田、半歩遅れたCB佐藤勇は鍋田のトラップしたボールを手で触れてしまい、右75度20Mの位置でFKとなる。キッカーは鍋田。壁の上を綺麗に抜けたシュートがゴール右に決まり、4−1。

盛岡        清水エスパルスジュニアユース
4(4) シュート 11(5) ◎関口、○青木、○櫻井、×加藤、×鍋田、×小澤、×鍋田、×青木、×柴原、○加藤
               ◎鍋田
1(0) 右クロス 5(2) ×青木、×加藤、×滝戸、○滝戸、○滝戸
0(0) 左クロス 4(1) ×深澤、×関口、×深澤、○柴原
0(0) 右側CK 2(0) ×柴原、×滝戸
1(1) 左側CK 4(3) ◎青木、×青木、○青木、○青木
2(−)  犯OS  1(−) ・鍋田
4(2) ファウル 3(0) ・柴原、・柴原、・柴原

 緒戦、初めての全国大会、雨に濡れた長い芝…、様々な要素が絡んで出だしは両者、酷いイージーミスを頻発する。この状況を沈静したのが13分、櫻井のチーム初シュート、そして先制点。その後もミスが目立ったが、24分、鍋田がチーム2本目のシュート、そして追加点。これでようやく重圧から解放されたか、それからは得意のサイド攻撃で攻め続けて相手を自陣に縛り付けた。特に左の柴原・深澤2年生同士の連携が秀逸で、柴原は30分過ぎには外を回った深澤を囮に、サイドからカットインしてのシュートを2本浴びせ、2−0で折り返した。
 後半開始直後にも加点し、3点差に。しかし、この余裕が山崎の抜けた最終ラインのミスを招き、失点を許す。が、この失点が本当の鎮静剤となった。精神的に解放された清水は長短のパス、ダイレクトプレー、斜めの人の動きが連鎖する素晴らしいサッカーを披露。23分青木の左CKを鍋田ボレー、25分加藤のパスを受けた滝戸が1人かわして右クロスに鍋田のボレー、26分青木の左CKに小澤のヘッド、29分柴原の左クロスに鍋田のヘッド…。その全てが枠外で、こうした時間帯に得点できないのもこのチームらしいが (笑)、最後は鍋田が見事なFKを決め、4−1。まずは好発進である。


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 4−1 柏レイソル盛岡


▼選手寸評

[私撰MVP] 鍋田 亜人夢
[私撰MIP] 深澤 諄也、滝戸 卓
[相手方好印象選手] 太田 安博

 普段から非常に「サッカーを知っている」と感じさせる鍋田だが、全国のプレーでも冷静に正しい判断を繰り返していた。だが、終了直前のFKでの絶対決めるという集中力と、決めた後のガッツポーズは全国仕様。プロで成功する選手に必要な熱い部分を見せてくれた。今年5月のナイキカップでは今一つだった深澤だが、1つ上の舞台で安定した内容。人との当たりに強く、柴原を追い越してドリブルで攻め込む姿は、同学年チームでもあまり見たことがない。一皮剥けたか? 滝戸は慣れないサイドでの起用だったが、深澤同様、ドリブルで縦に抜ける普段はあまり見せないプレーを披露した。盛岡の太田はあまり大きくないが、速いというか、すばしっこい選手。ここぞでグイっと前に抜けてくる。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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