えすぱっ子
清水エスパルスユース紹介サイト

2006年03月31日(金) データ集 2005年度


(画像サイズ、デカくてすいません)

 まずは基本説明を。上記一覧表は、私が観戦した試合における「私が集計した記録」を統計にしたものです。そのため公式記録と違い、誤りがあります。傾向を掴む程度に捉えて頂ければ、有り難く思います。また、昨年は私が海外駐在中だったため、春・夏の試合のスタッツは『未来への扉を開け〜ヤングエスパとかを愛するページ〜』のスタッツを参照させていただいております。マナカジさん、ありがとうございます。
 なお、大差のついた試合は統計対象から外しております。具体的に統計対象は、次のとおり。プリンス東海:磐田北・四中工・静学・藤枝東・中京・岐阜工・浜名・名古屋・磐田、クラセン:磐田・名古屋・神戸・大宮、Jユース杯:京都・横浜M・横浜M ・東京・G大坂・神戸、練習試合・U-15代表・清水サテ・清水サテ


▼出場時間
−−−−−−町田− 山崎竜 −−−−−
−−−−−−−−長沢−−−−−−−−
− 桑原卓 −高野−−柴田−−小泉−−
−−− 佐野克 −石垣−−岩本−−−−
−−−−−−−−前田−−−−−−−−

1. 石垣 (1850)、1. 克彦 (1850)、3. 柴田 (1783)、4. 小泉 (1775)、5. 桑卓 (1769)
6. 長沢 (1679)、7. 高野 (1374)、8. 岩本 (1267)、9. 前田 ( 970)、10.竜男 ( 947)、11.町田 ( 942)

12.晃太 ( 925)、13.佐諒 ( 758)、14.八木 ( 597)、15.渥美 ( 516)、16.神田 ( 478)、17.桑彬 ( 373)、18.池田 ( 338)

 以上、上位18人。18人は、ユース年代の標準的なベンチ入りメンバー数である。
 桑原卓までトップ5は、正に不動。6番目の長沢も、シーズン終盤にはエースとして外せない存在となった。秋の3-5-2から4-4-2のシステム変更に伴い、岩本・佐野諒がポジションを失い、代わってサイドの八木・渥美が台頭。それとは別に前田に代わって山崎晃が正GKを務めるようになり、終盤になると更に渥美から桑原彬が、高野から神田がポジションを奪った。
 昨年までと違うのは、シーズン中に細かい入れ替えがなかったこと。一度試されれば数試合は続けて起用され、3-5-2から4-4-2の移行のように入れ替えるときは思い切って入れ替えて、その後は固定されている。桑原彬なども横浜FC戦はさほど良くなかったが、その後継続してスタメンで起用され、決勝戦での活躍でそれに報いた。
 トップ18人中、2年生は実に13人全員。一方、1年生は僅かに佐野諒1名。18位以下を見ても、280分出場の滝戸以外は、出場機会をあまり得ていない。来年以降を見据え、彼らの成長が期待される。


 以下の統計は、統計対象試合で出場時間上位18名を対象にしている

▼得点・シュート
[90分間あたり得点率] 清水累計:1.76、相手累計:1.25
1.長沢 ( 0.86)、2.町田 ( 0.57)、3.石垣 ( 0.39)、4.真希 ( 0.27)、5.竜男 ( 0.19)、6.佐諒 ( 0.12)

[90分間あたりシュート数] 清水累計:10.7、相手累計:11.2
1.長沢 ( 3.70)、2.真希 ( 3.01)、3.町田 ( 2.10)、4.八木 ( 1.66)、5.竜男 ( 1.62)、5.池田 ( 0.80)

[シュート決定率] 清水平均:16.5%、相手平均:11.2%
1.桑彬 ( 100%)、2.石垣 (57.1%)、3.町田 (27.3%)、4.佐諒 (25.0%)、5.長沢 (23.2%)、6.竜男 (11.8%)

[枠内シュート率] 清水平均:54.3%、相手平均:41.9%
1.桑彬 ( 100%)、2.石垣 (78.6%)、3.町田 (68.2%)、4.克彦 (64.3%)、5.八木 (63.6%)、6.柴田 (60.0%)

 エースの長沢が上位に来るのは当然だが、なんと2項目でCBの石垣が事実上のトップ!(桑原彬はシュート1本で1得点) 正直に言って、FWにコンバートされていた昨年よりも数字が上だ。確かに石垣はPKキッカーとしてのゴール (3点) も含むのだが、彼のセットプレーでの得点力に異論を挟む人はいないだろう。守っても石垣はただ競り勝つだけでなく、正確かつ大きくクリアボールを跳ね返していた。佐野克や長沢には石垣の強さだけでなく、こうしたヘディングの「巧さ」も受け継いでほしい。
 長沢は全般に高い数字を残しているが、枠内率 (49.3%) が課題。とはいえ、昨年は36.4%だったので、だいぶ向上した。町田は平均して数字が高い。特に枠内率が68.2% (昨年は23.5%) と素晴らしく、外して外して最後に決めるといった従来のイメージから、大きく変化している。山崎竜は平均に近い枠内率 (52.9%) ながら、シュート決定率が低い (11.8%)。シュート前の駆け引きを磨けば、より怖い存在になるだろう。
 彼ら3人の2年生FWと篠田悠で27点 (全体の71%)、更に石垣を加えれば35点で全体の92%の得点を占めており、いかにFWが点を決めていたか物語る。厚みのある攻撃より、一気呵成にゴール前にボールを運ぶファストブレークを多用したためだろう。篠田悠は対象から外れたが、123分出場シュート4本で3得点と、相変わらず恐ろしい決定力を誇っている。また桑原彬は、対象試合でシュート1本1得点。あのJユースカップ決勝戦のゴールだ。

 全体で見ると、実は90分あたりの得点率は1.76で全く同じ。ほか3項目は、昨年から少なかったシュート数が更に減ったが、残り2項目は過去最高水準を記録した。特に枠内率は、5割を超えている。一方の守備では、失点率が1.81→1.25と、0,5点以上向上した。特筆すべきは、相手よりシュート数が少ないにも関わらず、得点では上回っている点。中盤を支配されて堅守速攻で戦う姿がうかがえるが、プレーの質へのこだわりが表れた数字だと言える。


▼アシスト
[90分間あたりアシスト数] 清水累計:1.53、相手累計:0.97
1.八木 (0.754)、2.渥美 (0.523)、3.神田 (0.377)、4.小泉 (0.254)、5.長沢 (0.214)、6.高野 (0.131)

[アシスト率 (=アススト/ゴール)] 清水累計:86.8%、相手累計:77.8%

 アシスト率トップは、右足と左足を使い分けてプレースキッカーも務めた八木。流れの中でも利き足ではない左足で、正確なクロスを配給した。絶対数では右の小泉も同数 (5アシスト) 首位で、伝統のサイドアタックは健在だった。アシスト率2位の渥美も、低い位置から右足アウトに掛けるアーリークロスが武器。サイドの選手以外では、長沢が秋以降に4アシストを記録し、中央で起点としても機能した。対象外選手では、谷野 (1.13)、山本 (0.55) と正確なキックが持ち味の選手が、高い数字を残している。
 昨年、一昨年と60%台で終わったアシスト率は、大きく向上。個人技に頼らず、チーム全体がゴールへの道筋を頭に描けていた証だろう。相手側のアシスト率も伸長しており、強引に突破されたものより、崩されての失点の割合が増加。確かに、石垣・佐野克を単独で撃ち破るのは、至難の業だろう。


▼クロス ※クロス総数が3本以下の選手は除外
[90分間あたりクロス成功数] 清水累計:4.04、相手累計:3.02
1.渥美 ( 1.57)、2.八木 ( 1.21)、3.小泉 ( 1.12)、4.桑卓 ( 0.86)、5.岩本 ( 0.43)、6.神田 ( 0.38)

[90分間あたりクロス数] 清水累計:15.7、相手累計:15.5
1.八木 ( 6.33)、2.渥美 ( 5.58)、3.小泉 ( 3.35)、4.桑卓 ( 2.90)、5.克彦 ( 1.65)、6.町田 ( 1.62)

[クロス成功率] 清水平均:25.7%、相手平均:19.5%
1.岩本 (40.0%)、2.小泉 (33.3%)、3.桑卓 (29.8%)、4.佐諒 (28.6%)、4.神田 (28.6%)、6.渥美 (28.1%)

 クロス成功数トップ2の八木・渥美は、クロス数でもトップ2。この2人に共通するのが、4-4-2にシステム変更された後に出場機会をつかんだこと。各サイドにSHとSBが2人ずつ配置されるため、数的不利に陥ることが少ない。3-5-2の時からレギュラーだった小泉・桑原卓が、その後に続く。3-5-2では原則として独力で相手を崩す必要があり、クロスの量は減るが、その分質を高めて貢献した。岩本・佐野克は、3-5-2の時には左右DFとして、WBが相手を押し込んだ背後に攻撃参加した。フリーになることが多いので岩本の成功率の高さは納得だが、佐野克は逆に絶対数が多く、DFと思えぬ積極性を見せた。
 他ではFW町田が、サイドに流れるスタイルを自分のものにしつつある。神田・佐野諒のキック精度も注目。佐野諒はトップ下を任されていただけに、このキック精度を活かして、もっと広範に動いて起点をつくる仕事をしたい。対象から外した選手では、谷野・山本の成功率の高さが目立つ。アシスト率が高かったことの、裏付けだろう。
 全体として昨年よりはクロスの絶対数は増えたものの、サイド攻撃重視の頃に比べると少なめ。前半戦は3-5-2を採用したこと、終盤戦はサイド以外の攻撃パターンを増やしていったことが、その背景にありそうだ。相手に入れられたクロスの数も多めだが、成功率は高くなく、村越が抜けた穴を石垣らが埋めていたことが分かる。ボールを支配された試合も少なくなかったが、ゴール中央を強固に守り、むしろ相手のクロスを誘っていた。


▼反則・警告
[90分間あたりファウル数] 清水累計:12.6、相手累計:13.5
1.町田 ( 2.58)、2.八木 ( 2.41)、3.長沢 ( 1.82)、4.岩本 ( 1.70)、5.竜男 ( 1.33)、6.柴田 ( 1.26)
…15.桑彬 ( 0.72)、16.池田 ( 0.53)、17.前田・晃太 ( 0.00)

[90分間あたり警告数] 清水累計:1.11、相手累計:0.97
1.八木 (0.302)、2.岩本 (0.213)、3.石垣 (0.195)、4.高野 (0.131)、5.長沢 (0.107)、6.桑卓 (0.102)
…12.竜男・渥美・佐諒・神田・桑彬・池田・前田 (0.00)

[反則に対する警告確率 (=警告÷反則)] 清水累計:8.8%、相手累計:7.2%
1.石垣 (23.5%)、2.高野 (13.3%)、3.八木・岩本 (12.5%)、5.克彦 (11.8%)、6.小泉 ( 9.5%)

 昨年と大きく違うのが、後ろの選手の反則が減ったこと。高野などはSBからCHへとより激しいポジションに移りながら、90分あたり反則数は1.88→0.98と激減した。フィジカルを前面に出したプレーが魅力の石垣と佐野克も、共に0.83。警告数・率に表れたとおり、3人とも激しいプレーが時に危険を誘引することもあったが、全体としてはフェアプレーを心がけていたように思う。そんな中で、岩本は1.70と守備陣で相対的に高くなっており、今後、正当な激しさを習得する必要があるだろう。
 逆に反則数が増えた攻撃陣だが、FW陣は警告数が少なく、アグレッシブにいった結果のオフェンスファウルだと評価したい。小泉・八木の両翼は警告でも目立つが、結構強気な小泉はともかく、八木は意外。この2人はスピードがあるだけに、無理してスライディングタックルに行ったのが狙いがずれ、警告を受けてるのではと想像する。出場時間が短いので偏りがあるかもしれないが、篠田は反則3.66、警告0.73、警告率20%と、二部門の首位。結局、3年間であまり警告や反則の数は減らなかったのだが、これがスペイン基準なのだろうか?
 以上からわかるとおり、チームトータルで反則・警告共にここ3年で最低水準に。相手の数も、同じく最低水準となった。フェアプレーを心がければ、相手もフェアプレーで返してくれるということか。そういえば一昨年はあれほど怪我に苦しんだのに、昨年は主力に大きな怪我が出なかった。


[90分間あたりに犯したオフサイド数] 清水累計:4.55、相手累計:1.16
1.竜男 ( 2.00)、2.長沢 ( 1.50)、3.町田 ( 1.34)、4.桑卓 ( 0.76)、5.八木 ( 0.75)、6.渥美 ( 0.52)

 裏を積極的に狙っていると評価もできるが、動きに工夫がないという課題も意味するオフサイド数。上位3人は、2年生FW陣が占めた。トップは昨年出場時間が短く、対象外だった山崎竜。遮二無二ゴールに向かうのが、良くも悪くも彼のスタイルである。長沢は、昨年とほぼ同水準。彼は背の高さからポストプレーヤーと言われがちだが、裏を狙う動きも多い。3位に3.19→1.34と、昨年から半減以下となった町田。サイドに流れて起点になるなど、動きに変化が出てきた。その後はサイドプレーヤーが続くが、90分間あたり1を切っており、飛び抜けた数字ではない。
 奪ったオフサイドの数は、昨年 (1.62) をも下回る1.16。これはもう、志向する戦術の問題だろう。逆に言えば、引いて守っても跳ね返せる屈強なDFがいたからこそ、堅守速攻の戦術を採用できたのだろう。


▼得点の形・失点の形

   得点          失点
(11%) 4 セットプレー直接 2 ( 7%)
(21%) 8 セットプレー間接 10 (37%)
(26%) 10 清水右サイドから 4 (15%)
(21%) 8 清水左サイドから 1 ( 4%)
(16%) 6  中央から裏へ  5 (19%)
( 5%) 2  中央から強引に  4 (15%)
( 0%) 0  ミドルシュート  1 ( 4%)

 監督交代の影響か、攻守に大きな変化が見える。
 攻撃面では、「サイドアタック」(右16→25%・左18→21%、計34→46%) が増加する一方で、「中央から強引に」(24→5%) と「ミドルシュート」(13→0%) が激減。要因の一つは、枝村・山本といった個人で局面を打開できる選手が卒業したことだろう。それ故に、確実にサイドを攻略して中央でFWが合わせる攻撃パターンを、チームとして習熟させてきた。それはFW得点率の高さや、アシスト率の高さにも表れている。もう一つ、「セットプレー・間接」(5→21%) の高さも目を引く。長沢・佐野克・岩本と180cm台を多く揃えるチームであるが、なんといっても石垣である。
 守備面では、逆にサイドから崩された数が減った (右13→15・左18→4、計31→19)。特に左からは、僅かに1回。桑原卓・佐野克のコンビは、実に強力だった。また、サイドを攻略されても、石垣を中心にクロスを跳ね返してきたということでもある。増加したのは、「セットプレー・間接」(8→37%) と「中央から裏へ」(15→19%)。攻撃面で見せたセットプレの強さを考えれば意外な感じもするが、清水の守備の要である石垣を外すにはこうなった、というところであろう。セットプレーなら石垣にマークされた選手以外を狙えば良いし、裏に抜ければ当然DFのマークは外れている。


▼私撰MVP・MIP ※MVP2点・MIP1点で換算
1.長沢 (16)、2.佐野克 (10)、3.石垣 (7)、4. 高野・桑原卓 (6)、6.篠田・八木・山崎晃・桑原彬 (4)

 昨年私が試合を見たのは、シーズン開幕前とJユースカップからなので、この結果は妥当かな、と。


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2006年03月20日(月) JY (新中2): 練習試合 ヴェルディ + ジュビロ沼津戦

Jrユース (新中2)
 06年03月19日 (日) 13:30開始 アスルクラロスポーツフィールド セレステ
 練習試合
 対 ヴェルディJrユース (新中2) ※25分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開
[前半]
清水エスパルスJrユース
−−−−−−−−鈴木−−−−−−−−
−−深澤−−中原−− 荻 −−浅見−−
−−−−−−前澤−−藤田−−−−−−
−−坂口−−−−−−−−−−成田−−
−−−−−−石原−−松田−−−−−− 交代:なし

−−−−−−−−09−−−−−−−−
−−−−07−−10−−21−−−−
−−−−−−15−−08−−−−−−
−−17−−04−−06−−02−−
−−−−−−−−01−−−−−−−− 交代:なし
ヴェルディJrユース

04分、VERDY 左CKからの二次攻撃、右に流れたボールを10番?が折り返すと、ファーで7番がフリーでヘッド、0−1
14分、VERDY 左に流れた9番が深澤の背後にスルーパス、右から荻の体を軸に回り込んで7番が裏に入れ替わり、0−2

ヴェルディ     清水エスパルス
4(2) シュート 3(2) ×前澤、○藤田、○松田
5(0) 右クロス 0(0)
1(0) 左クロス 1(0) ×成田
4(0) 右側CK 0(0)
2(0) 左側CK 0(0)
1(−) 犯OS数 1(−) ・石原
1(1) ファウル 4(1) ・坂口、・荻、 ×荻、 ・荻

[後半]
清水エスパルスJrユース (09分〜)
−−−−−−−−鈴木−−−−−−−−
−−深澤−−浅見−− 荻 −−成田−−
−−−−−−前澤−−藤田−−−−−−
−−坂口−−−−−−−−−−遠藤−−
−−−−−−石原−−松田−−−−−− 09分:中原→遠藤 (左図参照)

−−−−−−−−09−−−−−−−−
−−−−07−−10−−21−−−−
−−−−−−15−−08−−−−−−
−−17−−04−−06−−02−−
−−−−−−−−01−−−−−−−− 交代:なし
ヴェルディJrユース

11分、VERDY 石原のパスを10番がカット、左に流して9番のクロスと素早く展開、荻の裏に出た7番がボレーで、0−3
12分、清水、前澤のスルーパスに中央から松田が抜け出しつつシュート、ファーポストの跳ね返りを自ら詰めて、1−3
19分、VERDY カウンター、9番が深澤の裏に流すと10番がクロス、9番ボレーをGK弾くが、自ら頭で押し込み、1−4
21分、清水、成田?の対角線フィードをPA右角手前で松田が裏に流す。PA左から藤田が飛び出し、ファーへ、2−4

ヴェルディ     清水エスパルス
8(4) シュート 3(2) ◎松田、◎藤田
3(1) 右クロス 2(2) ○深澤、○坂口
8(3) 左クロス 2(1) ×成田、○松田
1(0) 右側CK 3(0) ×坂口、×坂口、×坂口
4(0) 左側CK 2(0) ×成田、×成田
2(−) 犯OS数 2(−) ・松田、・松田
1(0) ファウル 1(0) ・浅見

清水エスパルスJrユース 2−4 ヴェルディJrユース



Jrユース (新中2)
 06年03月19日 (日) 13:30開始 アスルクラロスポーツフィールド セレステ
 練習試合
 対 ACNジュビロ沼津 (新中2) ※25分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開
[前半]
清水エスパルスJrユース:
−−−−−−−−鈴木−−−−−−−−
− 小野田 −浅見−− 荻 −−成田−−
−−−−−−前澤−−藤田−−−−−−
− 仙北屋 −−−−−−−−−遠藤−−
−−−−−−河西−−石原−−−−−− 交代:なし

−−−−−−14−−22−−−−−−
−−19−−−−17−−−−06−−
−−−−−−02−−10−−−−−−
−−−−03−−04−−20−−−−
−−−−−−−−01−−−−−−−− 交代:なし
ACNジュビロ沼津:

12分、清水、遠藤が戻したボールを浅見が繋いで藤田ロングキック、PA内で交錯するが最後に河西が足を出し、1−0

ACN沼津     清水エスパルス
1(0) シュート 2(1) ×荻、 ◎河西
0(0) 右クロス 4(0) ×小野、×小野、×藤田、×藤田
2(2) 左クロス 0(0)
2(1) 右側CK 1(1) ○小野
0(0) 左側CK 0(0)
1(−) 犯OS数 0(−)
1(0) ファウル 1(0) ・??

[後半]
清水エスパルスJrユース (〜14分)
−−−−−−−−鈴木−−−−−−−−
−−坂口−−浅見−− 荻 −−成田−−
−−−−−−深澤−−藤田−−−−−−
− 仙北屋 −−−−−−−−−遠藤−− HT:前澤→深澤、石原→仙北屋 (左図参照)
−−−−−−河西− 小野田 −−−−− 14分:藤田→松田 (仙北屋CH、松田RH)

−−−−−−18−−09−−−−−−
−−05−−−−08−−−−06−− HT:03、10、02、17、22、18
−−−−−−19−−07−−−−−−    →12、07、05、08、09、14 (左図参照)
−−−−04−−12−−20−−−− 08分:19→10
−−−−−−−−01−−−−−−−− 14分:08をCB、09をLH、12をFWにポジションチェンジ
ACNジュビロ沼津

09分、沼津、6番のスローインから8番が大きな弧を描く右クロス、飛距離が出てGKを越え、ゴールに収まる、1−1

ACN沼津     清水エスパルス
2(1) シュート 5(2) ×藤田、○河西、○藤田、×成田、×小野
7(2) 右クロス 1(0) ×坂口
1(0) 左クロス 2(0) ×成田、×仙北
1(0) 右側CK 1(1) ○坂口
0(0) 左側CK 1(0) ×成田
1(−) 犯OS数 1(−) ・坂口
0(0) ファウル 2(0) ・浅見、・仙北

清水エスパルスJrユース 1−1 ACNジュビロ沼津




 沼津市にあるアスルクラロの練習場で行われたトレーニングマッチ。U-14NTCに参加している井出・田代・柴原、沼津では増田がお休みである。ナイキカップ関東第一代表であるヴェルディからも、実に6人がU-14NTC参加メンバーに選ばれているが、東日本と西日本の2回に分かれて開催されるため、彼らの参加は翌週 (関東は人数が多いため、半数は西日本組に参加する)。清水は更に片井と、先週正式にJrユースメンバーに登録された三渡州が見学で、15人での2連戦に臨む。

 1試合目は、ほぼベストメンバーと思われるヴェルディ相手に点差以上の完敗。ヴェルディは15番が第1ボランチでバイタルエリアを見て、8番が第2ボランチで全体のバランスをとる。そして、その前を4人の選手が自在に動いた。清水はこの4人、特に頻繁に入れ替わる7番と10番をつかまえきれず、4バックだけでなく、中盤の4人も自陣に下がりっぱなしに。逆にヴェルディは両SBも清水陣内に押し上げていたため、たまにボールを奪っても、前に繋ぐボールをことごとくカットされ、波状攻撃を許した。
 とはいえ、実際の失点はパスを繋がれたものではなく、シンプルに裏を突かれたもの。押し込まれてボールを支配された影響は、守備よりも攻撃面。2点を奪ったものの前に出た相手の裏を突いたもので、攻撃機会はかなり少なかった。こういう相手にはカウンターに徹するのも一つの策だが、それでは育成になるまい。柴原・田代が戻ってくれば、もっと高い位置でプレスを掛け、ショートカウンターを仕掛けることができるのか、或いは攻め込まれてもずるずる下がらずにゾーンで守り、攻撃への道筋を残すことができるのか、東海・全国大会に向けたチームづくりに注目したい。

 2試合目の沼津戦は、疲労が色濃く残る中での一戦。その中で両CH、特に藤田の活発的な動きが目を引いた。沼津の方も状況は同じで、それでも休憩を挟んでいることと、ハーフタイムに多く選手を入れ替えたことで、徐々に運動量で清水を上回る。だが、互いに2列目からの飛び出しなど流動的な動きが少ないため、パスを回して繋いでいっても相手の数が増えるゴール前で跳ね返されることが多く、得点・失点は共にラッキー (アンラッキー) なものであった。



2006年03月19日(日) 中日本スーパーリーグ U-17 富山第一高校戦

06年03月19日 (日) 11:00開始 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド
 第4回 中日本ユースサッカースーパーリーグ (U-17)
 対 富山第一高校 ※40分ハーフ
 天候:曇り

▼試合展開

 中日本リーグは3試合目。新学期にならないと新1年生が合流しない高校勢が多く参加しているため、U-17とはいえ3月までは新3年生が参加できる。だが、前日に静産大と対戦した清水はその先発メンバーをベンチに休ませ (佐野克・岩本・小泉はサテライトに参加)、下級生中心にメンバーを組んだ。3年生3人・2年生3人・1年生5人。長沢も顔を見せ、ベンチメンバーとボールを使った簡単な練習をしていた。一方の富山一も、この試合の前に草津東とU-18の対戦があり、背番号を見る限りそちらが一軍、この試合は控え選手中心のようだ。

[前半]
清水エスパルスユース (〜25分)
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
− 桑原尚 −岩崎− 望月恭 −小出−−
−−−−−−深澤−−池田−−−−−−
−−滝戸−−−−−−−−− 佐野傑 −
−−−−− 佐野孝 −藤牧−−−−−− 25分:佐野孝をRH、滝戸をFWにポジションチェンジ

−−−−−−34−−16−−−−−−
−−66−−−−−−−−−−39−−
−−−−−−55−−19−−−−−−
−−64−−63−−50−−25−−
−−−−−−−−99−−−−−−−− 交代:なし
富山第一高校

 立ち上がり3分、LB小出のロングフィードをFW佐野孝が頭で左そばに落とし、近くのFW藤牧がもう一つ左に持ち出してボレー、GKがキャッチする。ボールポゼッションで上回る清水は、サイドにボールを集めて滝戸や小出がクロスを入れるが、中央を崩してからの展開ではないため、シュートに繋がらない。CH深澤が何度か前線に絡むプレーを見せるが、単発に終わった。耐える富山一は15分、FW16番のポストから戻したボールをCH19番が縦に入れ、前に上がったCH55番がDFを背負って受け、反転シュート。枠を外すが、ようやく初シュートを記録する。
 これで調子をつかんだ富山一は次いで16分、CB岩崎の中盤でのファウルで得たFKをすぐに右へ展開、RH39番のクロスはDFにカットされるが、55番が突っ込んでシュート、左に外れる。勢いを緩めずに17分、PA内で裏にこぼれたボールをカバーした小出のクリアが、CB望月恭の背後に当たるアクシデント。PA内左に流れたボールに16番が間に合い、追ってきた岩崎を振り返りざまにスピードで交わすと、PA中央へグラウンダーのお膳立て。FW34番がファーにきっちり決め、0−1。押されていた富山一が最初の波を掴み、先制した。

 リードされた清水は、佐野孝と入れ替えて滝戸をFWにポジションチェンジ。滝戸が中央で組み立てに参加することで、同一サイドオンリーから展開に横幅が出てくるようになってきた。24分、中央の藤牧との大きなワンツーでCH池田がPA右角前まで進出し、更に右前に捌く。滝戸のクロスはDFに弾かれるが、拾ったRB桑原尚のアーリークロスを、左から斜めに駆け込んだLH佐野傑がPA内中央でヘッド、左へ外れる。26分、RH佐野孝を追い越した桑原尚のクロスを、ニアで滝戸が合わせるが枠外。28分、小出のロングフィードを左へ流れた藤牧が中央に戻し、池田のサイドチェンジから佐野孝の右クロス、CB50番がCKに逃げる。佐野孝も1列下がったことで、自身のスピードを十分に加速できるようになった。池田の左CKに藤牧のヘッドは、枠の右へ。
 32分、滝戸のスルーパスに後方から佐野孝が疾走、飛び出たGKがPA外でキャッチしてしまい、PA右角直前でFKとなる。池田のFKを中央で合わせた岩崎のヘッドはバー直撃、さらに跳ね返りを拾った池田のクロスを滝戸が頭で合わせるが、GKにキャッチされる。そしてカウンター。GKのフィードを右に流れてRH39番が受け、低い軌道のアーリークロスをPA内に入れる。FWとDFが交錯してもつれるが、諦めずに34番が足を伸ばしてプッシュ。咄嗟のプレーにGK山崎晃も弾ききれず、ボールはゴールに吸い込まれた。0−2。2点差をつけられた清水はサイドから攻勢を強め、佐野孝をはじめ、滝戸、藤牧、深澤、果てにはパスカットから望月恭が攻め上がってクロスを入れるが、得点に結びつかず。ゴール前でのプレー精度に課題を見せた40分間となった。

5(3) シュート 10(4) ○藤牧、×深澤、×佐傑、×滝戸、×藤牧、○孝洋、×岩崎、○滝戸、×藤牧、○藤牧
3(1) 右クロス 15(4) ×滝戸、×滝戸、×尚希、×滝戸、×滝戸、×尚希、×池田、○尚希、○尚希、×孝洋
               ○池田、○滝戸、×深澤、○孝洋、×藤牧、×孝洋
4(2) 左クロス 12(2) ×小出、○小出、×小出、×佐傑、×佐傑、×佐傑、×滝戸、○佐傑、×池田、×小出
               ×恭平、×佐傑
0(0) 右側CK 1(0) ×池田
1(0) 左側CK 4(1) ×池田、△池田、○池田、△池田
1(−)  犯OS  0(−)
3(0) ファウル 4(1) ・??、×岩崎、・尚希、・池田

[後半]
清水エスパルスユース
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
− 桑原尚 −岩崎− 望月恭 −小出−−
−−−−−−深澤−−池田−−−−−−
− 佐野孝 −−−−−−−− 佐野傑 −
−−−−−−滝戸−−藤牧−−−−−− 交代:なし

−−−−−−69−−90−−−−−−
−−40−−−−−−−−−−31−− HT:99→70
−−−−−−55−−19−−−−−− 11分:39→31
−−58−−63−−50−−25−− 15分:66→40、34→90
−−−−−−−−70−−−−−−−− 22分:64→58、16→69
富山第一高校 (22分〜)

 後半も清水がサイドからクロスを入れて攻める構図は変わらないまま4分。流れの中で中央寄りに位置どりしていた桑原尚がパスをカットすると、そのまま内側に流れながらキープ、左前へはたく。それを佐野傑がダイレクトで右斜めにスルーパス。オフサイドぎりぎりで前へ出た滝戸がGKとの1対1からゴール右へしっかり沈め、1−2。これ以降もオフサイドに引っかかったものの、滝戸が藤牧とのコンビで裏を狙う動きを見せ、攻撃の横幅に加えて縦幅も広げていった。富山一は7分、岩崎のクリアを55番がフォロー、左に捌いてLH66番のスルーパスから16番がシュートを放ったが、GK山崎晃が落ち着いてキャッチ。
 17分、小出のフィードを受けた藤牧が、胸トラップ反転シュート。枠左に外れるが、これでリズムに乗った清水は18分、深澤が戻したボールを桑原尚、右サイド沿いにグラウンダーでフィードする。佐野孝は受けると、マークするLBよりスピードで半身前に、そして体で相手をブロックして突破。速いクロスをファーでトラップした藤牧が、ゴール右へ決めた。2−2。勢い止まらず19分、滝戸が右に捌いたボールを佐野孝がダイレクトで折り返し、起点となった滝戸がニアに突っ込むが、右に外す。21分、またも中央で滝戸のポストプレーから。左に大きく展開すると、佐野傑が抜け出て高速クロス。ファーで藤牧が折り返すと (多分狙いはシュート)、GKと重なるように倒れ込んだDFが、頭で自軍ゴールに押し込んでしまう。3−2。ついに逆転。

 逆転の勢いか、富山一が延べ6人を交代してメンバーを落としたからか、完全に清水のペースに。桑原尚と小出の両SBは上がりっぱなし、佐野孝などはスピードとパワーの双方で相手を圧倒する。滝戸と藤牧はポストと裏への飛び出しの良いコンビネーションでPA内に侵入するが、最後のところでトラップが大きく、ゴールを陥れることができなかった。それでも32分、池田が左に大きく捌いたボールに佐野傑が追いつき、そのまま縦に抜けて再び得意の高速クロス。ファーにまで伸びたボールを滝戸がインサイドで丁寧に合わせ、4−2。続けて34分には、桑原尚のアーリー右クロスに対し、深澤が2列目から斜めに飛び出してPA内右にトラップする良い持ち出し、シュートに至るがGKにキャッチされた。
 36分、滝戸が藤牧とのコンビでGKと1対1になるが、ハットトリックの好機を決められず。富山一も終盤、清水の集中力が散漫になったところ、39分に桑原尚のクリアをLH40番→55番と繋いで飛び出したFW69番のシュート、次いで19番のミドル、続けてスルーパスから裏に抜けたFW90番の折り返しを岩崎がクリアして右CKが2回、最後に藤牧のファウルでPA直前での間接FKと、決定機未満の好機を量産したが、精度を欠いて4−2で試合終了。内容は悪くなかっただけに、ゴール前で「ボールをしっかり止めて蹴る」ことができれば、もっと大差をつけられた試合だった。

富山一高      清水エスパルスユース
4(2) シュート 11(4) ◎滝戸、×尚希、×藤牧、×滝戸、×藤牧、◎藤牧、×滝戸、×孝洋、◎滝戸、○深澤
               ×滝戸
2(0) 右クロス 8(3) ×孝洋、◎孝洋、○孝洋、×藤牧、×孝洋、×尚希、○尚希、×孝洋
2(0) 左クロス 9(3) ×小出、×佐傑、○佐傑、○佐傑、×佐傑、○佐傑、×小出、◎佐傑、×小出
2(0) 右側CK 2(0) ×池田、△佐傑
0(0) 左側CK 1(0) ×池田
1(−)  犯OS  6(−) ・滝戸、・滝戸、・藤牧、・小出、・滝戸、・滝戸
2(0) ファウル 7(2) ・恭平、・藤牧、・岩崎、×尚希、・深澤、・岩崎、×藤牧


▼試合結果

清水エスパルスユース 4−2 富山第一高校
 得点:前半17分:富山・34番  (16番  ・左クロス)
    前半33分:富山・34番  (39番  ・右クロス)
    後半04分:清水・滝戸 諒 (佐野 傑 ・スルーパス)
    後半18分:清水・藤牧 祥吾 (佐野 孝洋・右クロス)
    後半21分:清水・OG   ※藤牧 祥吾・右クロス
    後半32分:清水・滝戸 諒 (佐野 傑 ・左クロス)
 警告:後半35分:富山・55番  ※ラフプレー


▼選手寸評

[私撰MVP]
●滝戸 諒 (2年・RH→FW)
 RHの位置では無難な内容だったが、FWにポジションを移すと下がってのポスト、裏を狙う動き共に良く、展開に奥行きを加えた。DFとの駆け引きはなかなか。サイドに流れるプレーもあり、流動性が高い。唯一の難点はシュート精度。

[私撰MIP]
●桑原 尚希 (2年・RB)
 流動性というより、これが彼のスタイルか。目に見えて一人だけ速く、広いエリアをカバー。前に出すぎてスルーパスを出されながら、先に追いついてしまうのには、笑うしかない。無論、そのスピードで攻撃参加、クロスの質も高かった。

●佐野 傑 (1年・LH)
 この学年は他の選手もそうだが、できる限り自ら前に行こうとする姿勢が見ていて気持ちがよい。傑は深く抉った後に、低く速く逆サイドへ伸びる左足キックをドリブルしながら使うことができ、武器となる自分の形を持っている。



2006年03月12日(日) 練習試合 ヴァンフォーレ甲府サテライト戦

06年03月12日 (日) 14:00開始 韮崎市営総合運動場
 練習試合
 対 ヴァンフォーレ甲府サテライト ※45分ハーフ
 天候:雨

▼試合展開

 前日清水で韮崎高と練習試合を組み、翌日韮崎市に遠征するというのはどうかと思うが、プロの胸を借りる絶好の機会となった。相手は衝撃的な入替戦でJ1初昇格を果たしたヴァンフォーレ甲府のサテライト。J1では戦力的に厳しいクラブと見られているが、一方、自前で若手を育成しようとするJ1クラブと違い、中堅選手をしっかり補強してきた層の厚さは侮れないものがある。
 事実、この日の先発メンバーは平均年齢26.1歳、通算出場J1/107試合、J2/843試合。清水にも在籍した鶴見・山崎 (途中出場で鶴田も)、札幌の堀井、横浜F・市原の井上、V川崎・大分の池端と、J1経験者も多い。他にもMr.甲府・藤田などがスタメンに並び、J出場経験がないのは大卒ルーキーの松田だけである。また、かなり背の高いチームで、165cmの山崎、167cmの藤田がいながら、平均身長は176.5cmもあった。
 清水は先週の磐田戦に続き、山崎晃とU-19代表合宿を辞退した長沢が不在。先週は県U-16選抜に出場した前田、西澤の新1年生が合流し、3年生8人、2年生1人、1年生2人が先発する。DFは、Jrユース時代そのままの3年生ライン。LB起用に拘りを見せていたU-19代表・佐野克をCBで岩本と組ませたが、格上相手にはまず守備からという意図の表れか。ちなみにスタメンの平均年齢17.2歳、平均身長174.3cm。
 会場の韮崎市営総合運動場は芝が枯れた状態で土が見えており、(春〜秋ならともかく) 一瞬小学校のグラウンドかと見間違えるようなものだったが、よく整備されているようで、イレギュラーバウンドすることはなかった。ただ、転倒するとさすがに痛いのか、体を投げ出すようなプレーはあまり多くなかった。


[前半]
清水エスパルスユース
 控え:柴田、望月恭、鍋田、桑原尚、滝戸、佐野孝、藤牧
−−−−−−−−吉田−−−−−−−−
− 桑原彬 −岩本− 佐野克−桑原卓 −
−−−−−−神田−−西澤−−−−−−
−−小泉−−−−−−−−−−前田−−
−−−−− 山崎竜 −町田−−−−−− 交代:なし

−−大西−−−−鶴見−−−−堀井−−
−−−−−藤田−−−−保坂−−−−−
−−−−−−−−奈須−−−−−−−−
−−井上−−秋本−−池端−−松田−− 32分:松下→鶴田
−−−−−−−−松下−−−−−−−− 33分:山崎→大西
ヴァンフォーレ甲府サテライト

 試合は静かな立ち上がり。甲府はGKすらロングキックを使わずに自陣から細かく繋いでいくが、アタッキングサードで体を入れられ、シュートやクロスで終わることができない。清水は奪ってからの速攻、特にRH小泉がCB秋本の裏を狙い、3分にCB佐野克からFW町田のスルーパス、6分にCH神田のカットからFW山崎竜のスルーパスで裏に抜けたが、適時に前に出たGK松下に一つ目のトラップを取られてしまう。その間に甲府は、LH藤田が頻繁にボランチの位置まで下がってボールを捌き、起点になることで次第に支配権を確立していくが、清水もFW町田がLH前田の上がったスペースを忠実に埋めるなどして、隙を作らなかった。
 15分、RB桑原彬のダイアゴナルフィードをカットしたRB松田が縦にクサビ、右に流れたCF鶴見が中盤の底に戻すと藤田が再び縦パス、中央でRH保坂がポストになり、そこへ藤田が駆け込んでミドル。威力あったが、GK吉田がキャッチ。ようやくオープニングシュートが生まれる。17分、RB井上がロングキック。繋げない時にはSBに回してロングフィード、というのが、いかにも大木監督のサッカーで懐かしい (笑)。CB岩本が跳ね返すが、クリアが弱くて混戦になり、こぼれ球をPA外で拾ったLW山崎がスピードでPA右まで持ち込んでシュート。しかしGK吉田が弾き返した。徐々に中盤の起点となる藤田が前線にも顔を出す運動量を発揮、右の保坂も前で絡む回数が増え、甲府が清水を押し込んでいく。

 しかし24分、一瞬の隙。高い位置でパスをカットした神田から、町田を経由してLB桑原卓へ。斜めに内側へ持ち上がる桑原卓が左足でスルーパスを送ると、サイドに開いた前田が小さく、鋭く内に切り返して左45度からシュート。Jrユースなら十分に得点に値するコース、威力だったが、GK松下は落ち着いてファーに体を倒し、キャッチした。清水はこれが初シュート。対する甲府は32分、中盤に下がって守備をした町田のファウルで右75度30MからFK。藤田のキックは壁4枚の上を越えてニアサイドを狙うが、落ちきらずにバーを直撃した。
 35分、清水はまたも神田が高い位置で秋本?のパスをカット、すぐさま前に叩いて山崎竜、更に左に町田もいたが、DFが下がった間隙をついてシュートは、枠の左上に外れる。圧倒的にボールを支配しながら、ゴール前で攻撃がもたつく甲府は38分、秋本のクサビを鶴見が右に流し、そこへオーバーラップした松田で速攻、しかし桑原卓に体を入れられ、右CKとなる。大西はショートコーナーを選択、堀井がダイレクトで入れた右クロスから混戦になり、最後は鶴見がボールを押し出すがGK吉田が触れて、今度は左CKに。藤田のキックは岩本がファーへクリア、これを池端が素早く追い掛けて右から折り返すと中央で保坂がフリー。ダイビングヘッドをドンピシャで合わせ、遂に甲府が先制する。0−1。
 それから甲府は41分に池端を起点に保坂が鶴見とのワンツーで、清水は45分 (ロスタイム) に桑原卓のインターセプトから町田が中央を持ち上がり、桑原卓の攻撃参加を囮に山崎竜へのスルーパスで裏を狙ったが、それぞれ岩本、池端に体を入れられてシュートを撃てず。甲府の1点リードで折り返した。

甲府サテ      清水エスパルスユース
5(4) シュート 2(1) ○前田、×竜男
8(2) 右クロス 0(0)
4(0) 左クロス 0(0)
1(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  1(−) ・竜男
3(0) ファウル 2(1) ・西澤、×町田

[後半]
清水エスパルスユース (後半15〜29分)
−−−−−−−−吉田−−−−−−−−
− 桑原彬 −岩本− 佐野克−桑原卓 −
−−−−−−−−西澤−−−−−−−−
−−小泉−−−−町田−−− 佐野孝 − 15分:神田→佐野孝 (左図参照)
−−−−− 山崎竜 −前田−−−−−− 29分:町田→鍋田  (鍋田CB、佐野克LB、桑原卓OH)

−−大西−−−−鶴見−−−−松田−− HT:藤田→田森
−−−−−田森−−−−保坂−−−−− 12分:堀井→津田 (津田RB、松田RW)
−−−−−−−−千野−−−−−−−− 15分:鶴田→佐藤
−−奈須−−秋本−−池端−−津田−− 26分:井上→千野 (左図参照)
−−−−−−−−佐藤−−−−−−−− 40分:大西→森田
ヴァンフォーレ甲府サテライト (後半26〜40分)

 後半、甲府の藤田はお役ご免。前半はカンプ・ノウで戦うスペインの下位クラブ並みにボールを支配されていた清水だが、なんとか1:2ぐらいにまでポゼッションを持ち直す。ただ、逆に甲府が攻め込むスペースも生まれ、3分に井上の外をLH田森が回って左クロス、岩本がクリアするがスローインをすぐに再開して保坂がミドル (左外)、8分に井上→鶴見→LW大西と縦に繋いで左サイドを崩し、クロスを入れるがファーで桑原卓がクリア。前半のように甲府のWG・SH・SBと、清水のSB・CB・SHとがPA角の手前で密集することがなくなり、スムーズにボールが回るようになってきた。
 清水の方も7分に、佐野克のクサビをDFがカットしたところを前田が拾ってスルーパス、13分に相手のクサビをカットした佐野克が持ち上がって左前に捌くと、前田が戻して山崎竜、一度奪われるが奪い返してスルーパス。後方6人 (GK含む) の平均身長が180cmを超える相手を崩すにはこれしかないだろうが、あと一歩繋がらない。そして13分、松田のドリブルを止めて甲府の右CK。大西のキックはニアで敵味方にぶつかり合ってタッチを割り、右からやり直し。再びニアに速いボールを入れると、飛び出したGK吉田が敵味方に重なって触れられず、ボールはファーへ。それをフリーの松田が余裕でボレーを決め、0−2。

 2点のビハインドを負った清水は、神田を下げてボランチを1枚削り、LH佐野孝を入れて4-1-3-2に。この攻撃的な姿勢が実ったか17分、池端?のパスを一列前に上がったFW前田がカット。そのままCBの間を抜けてPA内に進入すると、上体を揺らすフェイントからゴール左へ低く突き刺した。1−2。その直後にも佐野孝が前でパスカットする場面もあったが20分、中盤で囲まれた鶴見が大きく山なりのサイドチェンジ。反応したのは、鶴見と入れ替わって中に絞っていた松田。PA外で追いつくと、対応した桑原彬とタッチラインの間へ強引に体を入れて速いクロス。PA内ファーで保坂がダイレクトボレーでゴール右に突き刺し、1−3。あっという間に、点差は2に戻った。
 21分、佐野克のロングスルーパスが連動した山崎竜へ通るが、秋本が体を入れて右CKへ。山崎竜自らボールを拾ってリスタート、小泉がPA内に切れ込むが、ブロックされる。甲府は22分に左に開いた鶴見から保坂がスルーパスを出して田森が飛び出すが、シュートは枠を外す。26分、保坂の小泉へのファウルでハーフライン付近からFK。甲府に選手交代があり、奈須がLBに回ると佐野克がFKを再開、裏へ出る小泉の肩に奈須が軽く手を掛ける。小泉が楽に振り解き、右サイドに開いたところで笛。ファウルの判定、しかもPK。さすがに奈須も愚痴をこぼしていた。左を狙った町田のキックはGK佐藤に止められたが、中央に転がったのを自ら蹴り込み、2−3。

 31分、秋本?のパスミスをまたも前田がカット、得意のドリブルで突き進むがGK佐藤の指示を受けた秋本の圧力で右に流され、シュートは枠右に外れる。34分、小泉のドリブルのクリアを拾った桑原彬が持ち上がり、田森が背後からファウル。右45度、ちょうどJユース杯F東京戦の決勝ゴールの位置でFKを得る。蹴るのは勿論、佐野克。同様にファーへインスイングで曲がるボールを岩本が軽くボレーでファーに合わせるが、DFにカバーされた。しかし、清水の追い上げもここまで。4-1-3-2にした影響もあるが、プロの運動量を受け身で応対してきた清水は、両SHをつかまえきれなくなる。Honda戦の桑原彬の選手寸評で「PA横を空けるのが気になった」と書いたが、この日も後半20分過ぎ以降、スペースが空くことが多かった。
 43分、鶴見の高くバウンドしたサイドチェンジをLW森田が裏に流し、抜け出た奈須のクロスをゴール前で松田が合わせる決定機は、宇宙開発。45分、RB津田のアーリークロスをファーで鶴見が中央に頭で落とし、奈須が飛び込んだが、これも宇宙開発。そして、試合終了。スコアこそ2−3で接戦だが、内容は完敗。プロの力を思い知らされた。競り合いで藤田に吹っ飛ばされた西澤などは、今後3年間でどれだけプロへの距離を縮めなければいけないかを学ぶ、良い機会になったことだろう。

甲府サテ      清水エスパルスユース
10(3) シュート 5(4) ◎前田、○町田、◎町田、×前田、○岩本
6(2) 右クロス 0(0)
8(2) 左クロス 0(0)
3(2) 右側CK 1(0) △竜男
1(0) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  1(−) ・孝洋
9(3) ファウル 4(1) ・神田、×岩本、・桑卓、・桑卓


▼試合結果

清水エスパルスユース 2−3 ヴァンフォーレ甲府サテライト
 得点:前半38分:甲府・保坂 一成 (池端 陽介・右クロス)
    後半13分:甲府・松田 勉 (大西 容平・右CK)
    後半17分:清水・前田 陽平 ※相手パスミス
    後半20分:甲府・田森 大己 (松田 勉 ・左クロス)
    後半28分:清水・町田 朋弥 ※PKリバウンド
 警告:後半23分:清水・佐野 孝洋 (遅延行為)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●桑原 卓哉 (3年・LB→OH)
 長身松田の突進に対して体を入れ、逆サイドからのクロスを空中戦で跳ね返し、時に自ら持ち上がって起点となる。それだけ疲弊する仕事をこなしながら、OHにポジションを変えても、最後までJ1上位の運動量を誇る甲府に走り負けなかった。

[私撰MIP]
●岩本 大 (3年・CB)
 しっかり体を入れてドリブルやスルーパスに対応し、正面からの攻撃は許さず。課題の空中戦はクリア精度に難があったが、競り合い自体はまずまず。甲府のフォアプレスは激しかったが、落ち着いてボールを回して、攻撃の起点にもなった。

●前田 陽平 (1年・LH→FW)
 静岡U-16選抜でプレスの練習をしていたのが、ここで活きたようだ。体力的な問題か流動的な動きができず、消えている時間も長いが、機を見た時の最初の三歩は、攻守共に速い。得点場面以上に、前半のシュートからストライカーらしさを感じた。

 甲府では、藤田が別格。機動性と運動量が両立する動きの質と量の高さは、圧倒的。前半限定でスタミナ配分を考慮する必要がなかったのかもしれないが、26歳が15〜17歳相手に全力で走り回ることは、なかなかできるものではない。正確なキックで、あちこちで起点に。奈須はボランチというよりもフォアリベロとして機能し、屈強な肉体で攻撃を押し潰した。捌きの仕事は藤田らが担当したが、奈須の受け手の動きにやや問題があり、CBからの繋ぎのパスが狙われることに。後半から登場の田森は藤田ほどではないが、前線と最終ラインを繋ぐ藤田役をこなそうとする意欲を見せた。



2006年03月06日(月) JY (新中3+中2): 練習試合 ジュビロ磐田戦

Jrユース (新中2)
 06年03月05日 (日) 15:00開始 鈴与三保グラウンド
 練習試合
 対 ヤマハジュビロ磐田 (新中2) ※30分×3
 天候:晴れ

▼試合展開
[1本目]
清水エスパルスJrユース:
−−−−−−−−井出−−−−−−−−
−−深澤−−中原−− 荻 −−片井−−
−−−−−−前澤−−藤田−−−−−−
−−坂口−−−−−−−−−−成田−−
−−−−−−石原−−松田−−−−−− 交代:なし

−−−−−−11−−18−−−−−−
−−−−−−−−09−−−−−−−−
−−10−−15−−07−−05−−
−−−−06−−02−−04−−−−
−−−−−−−−20−−−−−−−− 交代:なし
ヤマハジュビロ磐田:

09分、磐田、中原のファウルでHLからFK。タイミング早めで15番がグラウンダーのスルーパスに9番が抜け、0−1
21分、清水、片井の左スローインをゴールL前の成田がマークを背中で押し出して転回、クロスをファーで坂口、1−1

YJ磐田      清水エスパルス
3(1) シュート 4(1) ×深澤、×前澤、○藤田、◎坂口、×藤田
0(0) 右クロス 4(0) ×深澤、×坂口、×深澤、○石原、×石原
0(0) 左クロス 3(1) ×前澤、×藤田、×成田、×成田、◎成田、○片井、○片井
0(0) 右側CK 1(0) ○坂口、○坂口
0(0) 左側CK 0(0)
2(−) 犯OS数 1(−)
0(0) ファウル 1(0) ・中原、・深澤、・松田、・成田

[2本目]
清水エスパルスJrユース (先発〜15分):
−−−−−−−−井出−−−−−−−−
−−深澤−−中原−− 荻 −−片井−−
−−−−−−前澤−−藤田−−−−−− 15分:成田→仙北屋
−−坂口−−−−−−−−−−成田−− 25分:中原→浅見、片井→小野田
−−−−− 三渡洲 −遠藤−−−−−−    坂口→河西 (遠藤をRH、河西をFW)

−−−−−−17−−08−−−−−−
−−−−−−−−10−−−−−−−−
−−12−−15−−14−−16−−
−−−−06−−02−−13−−−−
−−−−−−−−01−−−−−−−− 交代:なし
ヤマハジュビロ磐田:

YJ磐田      清水エスパルス
0(0) シュート 10(5) ×深澤、×前澤、×藤田、○遠藤、○三渡、○三渡、○坂口、○三渡、×遠藤、×前澤
0(0) 右クロス 8(4) ○遠藤、×坂口、○深澤、×深澤、×三渡、×坂口、○坂口、○深澤
1(0) 左クロス 7(3) ×成田、○藤田、×成田、×片井、○片井、×藤田、○荻
0(0) 右側CK 2(0) △三渡、×坂口
0(0) 左側CK 2(1) ×坂口、○成田
2(−) 犯OS数 0(−)
1(1) ファウル 1(0) ・荻

[3本目]
清水エスパルスJrユース (先発〜14分):
−−−−−−−−鈴木−−−−−−−−
−−河西−−片井−−浅見−−遠藤−−
−−−−− 仙北屋 −成田−−−−−−
−−坂口−−−−−−−−−−石原−−
−−−−−−松田− 三渡洲 −−−−− 14分:坂口→小野田 (松田RH、小野田FW)

−−−−−−09−−11−−−−−−
−−−−−−−−18−−−−−−−−
−−05−−14−−07−−04−− 14分:04→16
−−−−12−−06−−13−−−− 17分:20→01
−−−−−−−−20−−−−−−−− 23分:09→10
ヤマハジュビロ磐田:

08分、右サイドの7番が斜めに入れたスルーパスに9番が呼応、片井を腕でブロックし左足シュートをゴール右、0−1

YJ磐田      清水エスパルス
2(1) シュート 9(5) ○成田、○坂口、○小野、×仙北、×松田、○三渡、×小野、○石原、×小野
0(0) 右クロス 7(1) ×坂口、×松田、×小野、×松田、○松田、×小野、×松田
1(0) 左クロス 3(3) ○石原、○三渡、○成田
1(0) 右側CK 2(1) ○成田、×成田
1(0) 左側CK 0(0)
1(−) 犯OS数 0(−)
1(0) ファウル 4(0) ・三渡、・小野、・片井、・三渡

清水エスパルスJrユース 1−2 ヤマハジュビロ磐田

 磐田との練習試合は、トータル1−2の敗戦。田代・柴原は上の学年に合流し、出場せず。
 スルーパスの対応に課題を残したものの、流れの中でシュートを許したのは2本のみ。DFラインが下がりすぎる悪癖も顔を見せず、CHも互いの距離を考えて攻撃参加しており、守備の面ではまずまずだった。問題は攻撃面。巧い選手が多く、マイボールを大切に繋ぐ意識は評価できるのだが、細かく繋いでPAまでボールを運んでも、相手もゴール前に集まってしまう。坂口や成田は彼ら本来のパフォーマンスに比べれば低調だったが、それでも常にシュートか、クロス・スルーパスなどシュートに繋がるパスで終わろうと心掛けていたように見えた。チーム全体がフィニッシュを意識し、連動していくようになってほしい。
 さて、この日は清水エスパルスファンにはおなじみである三渡洲アデミール氏の息子、三渡洲舞人君も試合参加。篠田や高野がスペイン留学していた際も、日本に一時帰国した時にJrユースで練習していたので、ありうることだろう。顔なじみの選手も多く、普通に「マイト!」とパスを要求されていた。立派な体格を誇るパワー系プレイヤーだが、足が長いので、トラップなどに独特のリズム感があった。


▼個人的好印象選手

片井 寛喜 (LB/CB): 対人反応が遅れる時もあったが、的確なキックとサポートの動きで貢献。ドリブルにキレも。
深澤 諄也 (RB): 攻守にミスが少なく、安定感抜群。清水第八の先輩・鍋田同様に実用性の高いテクニックを有する。



Jrユース
 06年03月05日 (日) 13:00開始 鈴与三保グラウンド
 練習試合
 対 ヤマハジュビロ磐田 ※30分×?
 天候:晴れ

▼試合展開
[?本目]
清水エスパルスJrユース:
−−−−−−−−水野−−−−−−−−
−−加藤−−植野−−西川−−荒井−−
−−−−−−滝戸−−田代−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−本川−−
−−−−−− 畑 −−櫻井−−−−−− 交代:なし

−−−−−−14−−07−−−−−−
−−16−−−−−−−−−−02−−
−−−−−−04−−11−−−−−−
−−13−−09−−15−−12−−
−−−−−−−−01−−−−−−−− 16分:01→20
ヤマハジュビロ磐田:

06分、清水、荒井の左クロスのクリアを本川が拾って縦に突破。グラウンダーの左クロスを櫻井がゴールに収め、1−0
18分、磐田、西川から田代へのパスをカットした11番が、田代の圧力を受けつつ飛び出た水野の肩越しにゴール、1−1

YJ磐田      清水エスパルス
7(3) シュート 4(3) ○畑、 ×滝戸、◎櫻井、○荒井
1(1) 右クロス 4(1) ○石原、×石原、×石原、×加藤
1(0) 左クロス 5(1) ×本川、×荒井、◎本川、×本川、×荒井
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
0(−) 犯OS数 1(−) ・畑
2(0) ファウル 3(0) ・??、・畑、 ・畑

 日本平から駆けつけ、2本目?の途中から観戦。2本目の田代・柴原の2トップは、「この2人は一つ上でも、これだけできるのだなあ」と感慨深かった。田代は鮮やかなループで1得点。他では、3本目に相変わらず正確なキックできっちりとゴールを奪った櫻井が、2本目でもCHを努めてサイドに良いボール配給をしており、2本共にLBで出場した荒井も、ミスの少ない安定したプレーを見せていた。



2006年03月05日(日) 静岡フェス ジュビロ磐田ユース戦

06年03月05日 (日) 12:00開始 日本平スタジアム
 第21回静岡県ヤングサッカーフェスティバル U-18の部1
 対 ジュビロ磐田ユース ※35分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開

 11時半からの表彰式で、行徳監督が県サッカー協会会長からJユースカップ優勝を顕彰された清水。



 静岡県ヤングサッカーフェスティバルに深澤の代以来、5年ぶりの出場となる。ちなみに、その当時の監督も行徳氏であった。前回は互いに主力を県U-18選抜に取られていたが、今年から国体がU-16化したため、基本的にベストメンバー。勿論、両チーム有望な新入生が、県U-16選抜に取られているが。
 と思ったが、清水はエース長沢と正GK山崎晃が欠場。軽く怪我を抱えてるのかもしれないが、翌週にトップのホーム開幕戦を控える日本平とはいえ、無理をさせる必要はないということか。注目の中盤は、佐野諒が怪我、西澤が県選抜ということで、神田と池田が中央、桑原卓が左に回った。3年生9人、2年生2人。一方、例年どおり昨年もJユースカップから下級生中心に切り替えてきた磐田は、ほぼ現状のベストと思われる面子が並んだ。3年生5人、2年生5人、1年生1人。ジュビロ浜北の井上が、早くも先発に抜擢されている。

[前半]
清水エスパルスユース:
−−−−−−−−吉田−−−−−−−−
− 桑原彬 −岩本−−鍋田− 佐野克 −
−−−−−−池田−−神田−−−−−−
−−小泉−−−−−−−−− 桑原卓 −
−−−−− 山崎竜 −町田−−−−−− 交代:なし

−−−−−−− 伊藤大 −−−−−−−
−−−−稲葉−−−−− 伊藤佑 −−−
−−中島−−白井− 原田涼 −押谷−−
−−−−井上−−須崎−−茂内−−−−
−−−−−−−−松本−−−−−−−− 交代:なし
ジュビロ磐田ユース:

 立ち上がりから、互いに球際に激しい熱い試合。そんな中で5分、RH押谷のクサビを、PA手前のFW伊藤大がダイレクトで右裏に落とし、RW伊藤佑が跳び込んでシュート。ニアサイドネットの外側を揺らす。磐田の攻撃は3トップがサイドに流れてロングボールの受け手となり、そこからクロスを入れるシンプルなものだったが、昨年から丸々入れ替わった吉田・岩本・鍋田のゴール前守備陣が対空防御に課題を見せ、相手に主導権を渡してしまう。そして13分、中盤に下がった伊藤佑のクサビをPA手前でFW伊藤大が受け、CB鍋田の圧力を受けつつ右に流れながらキープ。クサビのパスが出た時を同じくして動き出したCH白井が右から矢となって走り込み、伊藤大から短い落としをダイレクトでPA内シュート。ゴール左に突き刺さる。0−1。
 内山監督就任後の磐田の戦術は、一貫している。DFラインからの長いボールに対してFWが常に裏を狙い、MFが連動して押し上げる。これをされるとDFは裏に通せば一発でピンチになり、クリアしようにも下がりながらで、対応が難しい。クリアが乱れれば、押し上げてきたMFが前を向いて拾うので、これもチャンスになる。特にこの試合の磐田は3トップだったので、清水の攻撃の流動性に欠かせない存在である桑原彬・佐野克を、自陣に下がらせることにも成功していた。守勢に回った清水だが、ようやく18分、左SH桑原卓のサイドチェンジ気味のクロスをファーで右SH小泉が受け、中央へ持ち出して左足ミドルで初シュート (右ポスト直撃)、21分にCH原田涼のハンドで得た中央25MのFKを佐野克が蹴り、左上隅僅かに落ちきらずと、シュートチャンスを作った。

 磐田の方は22分、ロングフィードを岩本がクリアしたボールを伊藤佑がダイレクトミドル (枠左)、30分にロングフィードを伊藤大がポストで落とし、LW稲葉がミドル (枠上) と戦い方が変わらない。清水は、2トップの町田・山崎竜が磐田の3バックにガッチリ守られ、中央に起点を作れずにいるが、徐々にサイドへはボールが回るようになっていった。そして、終了間際に互いに好機。33分、LB佐野克のプレッシャーを受けたRH押谷が上手く体を入れ替えて縦に抜け、戻したボールを伊藤佑がダイレクトで狙うが、枠の上に外してしまう。清水は35分 (ロスタイム)、CH池田のサイドチェンジからLH桑原卓の突破で左CKを得ると、池田のキックはニアでDFに跳ね返されるが、それを拾った桑原卓がPA外からミドル。GK松本反応できずも、カバーに入った稲葉が頭で弾いた。そのまま前半は0−1、磐田リードで終えることとなった。

ジュビロ      清水エスパルスユース
6(1) シュート 4(1) ×小泉、×克彦、×神田、○桑卓
2(0) 右クロス 3(0) ×池田、×小泉、×小泉
3(0) 左クロス 2(1) ○桑卓、×池田
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 1(0) ×池田
0(−)  犯OS  0(−)
6(1) ファウル 5(0) ・池田、・桑彬、・鍋田、・町田、・竜男

[後半]
清水エスパルスユース (後半00分〜25分):
−−−−−−−−吉田−−−−−−−−
− 桑原彬 −岩本−−鍋田− 佐野克 −
−−−−−−−−神田−−−−−−−−
− 佐野孝 −−−町田−−− 桑原卓 − 後半00分:池田 →佐野孝 (左図参照)
−−−−−−小泉− 山崎竜 −−−−− 後半25分:山崎竜→桑原尚 (桑原尚RH、佐野孝FW)

−−−−−−−−鈴木−−−−−−−−
−−− 伊藤祐−−−−−伊藤大 −−−
−−中島−−白井−−佐藤−−押谷−− 後半00分:伊藤大をRW、稲葉をFW、伊藤佑をLWにポジションチェンジ
−−−−井上−−須崎−−茂内−−−− 後半13分:原田涼→佐藤
−−−−−−−−松本−−−−−−−− 後半21分:稲葉 →鈴木 (左図参照)
ジュビロ磐田ユース (後半21分〜):

 行徳監督は後半、池田を外して1年生の佐野孝を起用、システムを4-1-3-2に変える大胆な決断をした。だが、選手起用はともかく、戦術は理にかなっている。攻撃では2トップに町田を絡ませることで、3バックの混乱を誘うこと。守備ではバイタルエリアに神田を固定し、ロングボールのクリアを誰に繋ぐ (誰が拾う) か、はっきりさせるのが狙いだろう。

 しかし、いきなり戦術に関係ない大ピンチを迎える。後半00分、ロングフィードの飛距離をCB鍋田が見誤り、ヘッドを空振り。裏に流れたボールをRW伊藤大が拾って独走。GK吉田、適切に距離を詰めると、至近距離のシュートをしっかり足を踏ん張った状態で、両手で弾いた。真田を思わせるグッドセーヴだ。すると2分、DH神田の縦パスを受けたOH町田が、DFラインの裏にロビングで放り込む。GK松本、悠々と両手でキャッチにいくが、そこに突っ込んだFW小泉。GKの鼻先のボールを頭でかっさらい、無人のゴールに悠然と流し込む。1−1。
 前の人数を増やすことで奇襲に成功した清水だが、依然ペースは磐田。7分、中島の左CKをGK吉田が弾き、今度は右から稲葉のクロスをDFが大きくクリア。磐田選手が改めて右に捌こうとしたボールを、佐野克が前に出てカットするが、勢いがつきすぎたトラップを押谷がカット、佐野克が空けた右スペースに送り、稲葉がフリーになる。狙い定めたクロスを、PA内に残っていた茂内のボレー。が、これもGK吉田が両手で弾き返した。この後は互いにサイドにボールを運び、クロスを入れる落ち着いた展開が続く。18分、桑原卓を追い越した佐野克がコーナー付近で2人に囲まれるが、上手く桑原卓へ戻す。桑原卓の上げたクロスは、167cm小泉の頭をかすめてファーへ。と、RH佐野孝が猛然とエンジンを吹かして突進、ライン際で追いついて折り返すと、ニアのFW山崎竜が右足ダイレクトでゴールに押し込んだ。2−1。

 前述した磐田の戦術は、非常に選手への負担が大きい。ロングボールに対してFWは常に裏を狙い、MFも連動して押し上げるのだから当たり前だ。藤井・岡本の頃は疲労が浮き彫りになる前に試合を決め、終盤は選手交代で乗り切っていたが、この試合のような展開になると厳しい。清水の流れが加速していき、25分、桑原卓が繋いで町田が右にサイドチェンジ、ばく進する佐野孝がこれに追いつき、上げた右クロスにPA内で山崎竜のヘッドはDFがゴール前でカバーした。25分、桑原卓のドリブルを押谷が倒し、左45度30Mから佐野克のFKを町田が頭で合わせたが、枠の上。31分、小泉のスルーパスはカットされるが、町田が拾って左へ流すと桑原卓がドリブルでPA内に侵入、シュート性のクロスにFW佐野孝が突っ込むが、枠を捉えない。
 34分、左でキープする桑原卓がターンで囲みを突破、町田が繋ぎ、小泉がPA内にボールを入れる。DFに引っ掛かるが、ファーに流れたボールにRH桑原尚が躍り出てシュート、GK松本がCKに逃れる。35分 (ロスタイム) にも、突破した桑原卓の左クロスを佐野孝がヘディングシュート。これで得た小泉のCKが弾かれたところ、拾った桑原尚がPA内の佐野孝に当て、リターンを受けてミドルを放つ (GKキャッチ) など、最後まで攻めきって勝利を収めた。ハーフタイムに行徳監督によって戦術的に修正されるまで、相手の3-4-3に上手く対応できなかったのは残念だが、4-1-3-2の布陣・神田DH・町田OH・小泉FWなどのテスト、佐野孝ら下級生の活躍など、収穫の多い試合でもあった。

ジュビロ      清水エスパルスユース
5(2) シュート 9(7) ◎小泉、◎竜男、○竜男、×町田、×孝洋、○小泉、○尚希、○孝洋、○尚希
7(1) 右クロス 2(2) ◎孝洋、○孝洋
5(2) 左クロス 6(3) ×克彦、×克彦、×桑卓、○桑卓、○桑卓、○桑卓
0(0) 右側CK 2(0) △小泉、×小泉
2(0) 左側CK 0(0)
2(−)  犯OS  2(−) ・小泉、・小泉
5(1) ファウル 6(1) ・小泉、・岩本、×桑彬、・神田、・竜男、・尚希


▼試合結果

清水エスパルスユース 2−1 ジュビロ磐田ユース
 得点:前半13分:磐田・白井 洋樹 (稲葉 真人・ポストプレー)
    後半02分:清水・小泉 慶治 (町田 朋弥・スルーパス)
    後半18分:清水・山崎 竜男 (佐野 孝洋・右クロス)
 警告:前半21分:磐田・白井 洋樹 (意義?)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●小泉 慶治 (3年・RH→FW)
 相手を抜いてクロス、といった形が殆どだった小泉も、日々進化している。前半は中島を守備で抑え、後半はFWで新境地を開いた。スピードを活かして自ら切り崩すだけでなく、パスの視野も良好で、DFと体を張った駆け引きも。

[私撰MIP]
●佐野 孝洋 (1年・RH→FW)
 率直に言って、Jrユースの時より活躍している (笑)。直線的な速さと確実にクロスを上げる点を、躊躇なくアピール。やれることは少ないが、やれることの多い3年生に上手く使われることで、自分の形を前面に出して勝負できている。

●神田 和哉 (3年・CH→DF)
 時折つまらないパスミスをするのは課題だが、ボール扱いに長け、広範に動いて中盤が消えがちな試合を落ち着かせた。いい加減なパスが少なく、受け手のタイミングを図って時にダイレクトで、時にキープした後で、正確に捌いた。

[相手方好印象選手]
●白井 洋樹 (3年・CH): 前後左右に献身的に動いて、3-4-3で薄くなる中盤を必死に埋めた。キックの精度も高い。
●伊藤 大地 (3年・FW): 172cmと大きくはないが、前線で体を張って起点となった。裏に抜ける動きも欠かさない。



06年03月05日 (日) 10:00開始 日本平スタジアム
 第21回静岡県ヤングサッカーフェスティバル U-16の部
 静岡県U-16選抜 対 県中東部U-16選抜 ※30分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開
[前半]
静岡県U-16選抜:
−−−−−−−−−−−−−−柴田@エスパ−−−−−−−−−−−−−−
−−石神@藤枝東−−阿部@常葉橘− 望月恭@エスパ −松井@J沼津−−
−−−−−−−−−−吉田@静学高−−西澤@エスパ−−−−−−−−−−
−−高瀬@J浜北−−−−−−−−−−−−−−−−−−山本@J沼津−−
−−−−−−−−−−杉山@庵原中−−前田@エスパ−−−−−−−−−− 交代:なし

−−−−−−−−−−秋山@蒲原中−−宮部@清水F−−−−−−−−−−
−−大石@翔洋中−−−−−−−−−−−−−−−−− 望月孝@清水五 −
−−−−−−−−−−岸山@翔洋中−−尾澤@翔洋中−−−−−−−−−−
− 望月則@翔洋中 −酒井@清水F−−三澤@翔洋中−−吉川@清水F−−
−−−−−−−−−−−−− 鈴木海@清水八 −−−−−−−−−−−−− 交代:なし
県中東部U-16選抜:

04分、中東部、尾澤に警告 (ラフプレイ)
25分、県選抜、吉田の右CKのクリアをPA内左で拾った前田が、適度に踊って転んで、PK獲得。自ら決めて、1−0

県中東部      静岡県U-16選抜
1(0) シュート 9(3) ×前田、○山本、×杉山、×吉田、×杉山、×高瀬、○杉山、×高瀬、◎前田
1(0) 右クロス 2(1) ×高瀬、○吉田
0(0) 左クロス 2(0) ×西澤、×山本
1(0) 右側CK 4(0) △吉田、△杉山、×吉田、×吉田
0(0) 左側CK 1(0) △松井
1(−)  犯OS  0(−)
5(2) ファウル 11(0) ・石神、・石神、・松井、・阿部、・石神、・阿部、・前田、・高瀬、・杉山、・吉田
               ・石神

[後半]
静岡県U-16選抜:
 交代:後半00分:柴田→芹澤@常葉橘、西澤→井戸@常葉橘
         山本→佐野@エスパ、前田→小倉@静学高
−−−−−−−−−−−−−−芹澤@常葉橘−−−−−−−−−−−−−−
−−井戸@常葉橘−−阿部@常葉橘− 望月恭@エスパ −松井@J沼津−−
−−−−−−−−−−吉田@静学高−−石神@藤枝東−−−−−−−−−−
−−高瀬@J浜北−−−−−−−−−−−−−−−−−−佐野@エスパ−−
−−−−−−−−−−杉山@庵原中−−小倉@静学高−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−秋山@蒲原中−−宮部@清水F−−−−−−−−−−
−−鎌田@VALOR −−−−−−−−−−−−−−−−− 望月孝@清水五 −
−−−−−−−−−−岸山@翔洋中−−尾澤@翔洋中−−−−−−−−−−
− 鈴木涼@清水F −酒井@清水F−−三澤@翔洋中−−吉川@清水F−−
−−−−−−−−−−−−− 鈴木海@清水八 −−−−−−−−−−−−−
県中東部U-16選抜 (後半00〜12分):
 交代:後半00分:望月則→鈴木涼@清水F、大石→鎌田@VALOR
    後半12分:吉川→深澤@清水F、岸山→植田@サルファス
    後半17分:望月孝→有留@清水五
    後半23分:鎌田→石坂@蒲原中、秋山→鈴木佑@VALOR
         酒井→山本@サルファス (植田LB、宮部CH、山本FW)
    後半29分:鈴木海→大沼@蒲原中

県中東部      静岡県U-16選抜
0(0) シュート 4(1) ×杉山、×小倉、○高瀬、×小倉
1(1) 右クロス 3(0) ×杉山、×高瀬、×高瀬
1(0) 左クロス 3(1) ×松井、×松井、×小倉
0(0) 右側CK 2(0) △吉田、×高瀬
0(0) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  0(−)
9(1) ファウル 7(0) ・井戸、・吉田、・高瀬、・阿部、・小倉、・高瀬、・杉山

静岡県U-16選抜 1−0 県中東部U-16選抜


 個人的に今日のメインと期待していた県U-16選抜の試合は、お世辞にも良い内容と言えなかった。まだ寄せ集めの感が拭えず、パスのタイミングがいちいち違っていた。良い動き出しをしても気づけずにボールをこね、動き直したタイミングでパスを出したり、逆にダイレクトではたきたいタイミングで動き出しておらず、相手に寄せられて後ろを向かされたり…。まだ中東部選抜の方がテンポ良くショートパスを繋ぐ場面があったが、個人能力の差はいかんともしがたく、決定機になる一歩手前で潰されていた。
 エスパルス勢では、望月恭が出色の内容。守備でほぼノーミス、判定が厳しい主審ながらノーファウルで確実にボールを奪い、攻撃でも得意の高精度ロングフィードを一気に前線へ供給した。柴田はプレー機会が少なく、無難。西澤はミスも多かったが、縦に強いパスを通そうとする意欲が見えた。西澤不在となった後半は、殆ど相手を崩せなくなった。前田はかなりいまいちだったが、審判の傾向をよく見てPKゲット、唯一の得点をあげる。他の審判だったら、シミュレーションで警告を受けてたと思う。



2006年03月04日(土) JY: 東海新人 若鮎長良FC戦 +名古屋グランパスエイト戦

Jrユース
 06年03月04日 (土) 11:30開始 静岡県営草薙球技場
 第11回東海中学生サッカー新人大会 準決勝
 対 若鮎長良FC ※30分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開
[前半]
清水エスパルス:
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−植野−−山崎−−小澤−−
−−−−−−青木−−山田−−−−−−
−−柴原−−−−−−−−−−西川−−
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−− 交代:なし

−−−−−−16−−09−−−−−−
−−17−−−−−−−−−−18−−
−−−−−−10−−07−−−−−−
−−14−−03−−04−−05−−
−−−−−−−−01−−−−−−−− 前半20分:09→13
若鮎長良FC (前半00〜20分):

04分:長良、03に警告 (反スポーツ的行為?)
19分:清水、青木のクサビはカットされるが、鍋田が奪い返してPA内突入するや横にノールックパス、櫻井が決めて、1−0
28分:清水、山田の縦パスをCBが前に出て奪うが、青木が取り返しロングスルーパス。鍋田がGKも抜いて流し込む、2−0

若鮎長良      清水エスパルス
3(3) シュート 8(6) ○西川、×植野、○柴原、×柴原、○櫻井、◎櫻井、○西川、◎鍋田
4(3) 右クロス 6(2) ○加藤、×西川、○櫻井、×青木、×青木、×加藤
0(0) 左クロス 6(2) ×西川、×西川、○櫻井、×小澤、○西川、×青木
0(0) 右側CK 1(0) ×青木
0(0) 左側CK 1(0) ×青木
1(−) 犯OS数 3(−) ・櫻井、・加藤、・鍋田
4(0) ファウル 2(0) ・鍋田、・加藤

[後半]
清水エスパルス (後半14分〜):
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−石原−−植野−−山崎−−小澤−− 後半07分:加藤→石原、櫻井→畑
−−−−−−滝戸−−荒井−−−−−− 後半10分:山田→滝戸、柴原→関口
−−関口−−−−−−−−−−大島−− 後半12分:青木→荒井、鍋田→田代
−−−−−−田代−− 畑 −−−−−− 後半14分:西川→大島 (左図参照)

−−−−−−16−−11−−−−−−
−−17−−−−10−−−−13−−
−−−−−−02−−07−−−−−−
−−−−03−−04−−05−−−− 後半12分;14→02、18→11 (3-5-2に移行、左図参照)
−−−−−−−−01−−−−−−−− 後半23分:17→06
若鮎長良FC (後半12分〜23分):

08分:清水、石原のスローインで前に出た柴原がマークを直角に交わしてPA内、クロスを鍋田が胸トラップから右足、3−0

若鮎長良      清水エスパルス
2(1) シュート 10(5) ○柴原、×櫻井、×青木、◎鍋田、○大島、×田代、×大島、○畑、 ×田代、○山崎
1(0) 右クロス 7(4) ×青木、×加藤、×柴原、◎柴原、○関口、○関口、○石原
2(0) 左クロス 6(2) ○小澤、×西川、×西川、×西川、○小澤、×田代
0(0) 右側CK 2(0) ×青木、×滝戸
0(0) 左側CK 0(0)
1(−) 犯OS数 1(−) ・櫻井
3(0) ファウル 2(0) ・荒井、・植野

清水エスパルスJrユース 3−0 若鮎長良FC

 キンパラカップを11年ぶりに制した清水は、11年前の翌年に始まったこの大会初出場。各県1位による4チームのトーナメントで、初優勝を狙う。1時間半前に始まった第1試合は、グランパスが2−1で四日市FCに勝利し、一足先に14時半から行われる決勝進出を決めた。
 初戦の相手は、岐阜県代表・若鮎長良FC。立ち上がりから左サイドの西川を中心に、清水が一方的に攻め込むが、得点をあげることができない。そうしている間に16分、CB山崎のクリアをCH5番が前に出てカットし、RB5番へ。クロスをFW16番が合わせたが、GK長島がグッドセーヴ。この場面でもCHとSBが前に出てきたが、長良は好機と見るや後ろの選手も積極的に攻撃参加する、見ていて気持ちの良いチームだった。23分には、右に流れたFW13番のサイドチェンジ気味のクロスに、CB3番が駆け上がり、シュートを放っている。
 嫌な流れに傾き掛けたのを断ち切ったのは、エースの鍋田。19分、鮮やかなノールックパスで櫻井の得点をお膳立てすると、28分には青木との清水第八ラインでカウンターを成功させた。後半になっても8分、柴原のクロスを落ち着いてゴールに沈めた鍋田は、後半14分にお役ご免。岩下監督はGKとDF3枚を残して9人を交代、3時間後に行われる決勝に備えた。それでも前半から中盤を支配され、ボールを回された長良に、反撃の余力は残っていなかった。そんな中、DFを一枚削ってでも1点を奪いにいった長良だが、右45度でフリーになった11番のシュートもGK長島に阻まれ、万事休す。清水が完封で、決勝に駒を進めた。


▼個人的好印象選手

鍋田亜人夢 (FW): 伸びてきた背丈を上手く使えるようになってきた。競り合いで強引さを見せつつ、プレーはいちいち正確。
青木 達也 (CH): 巧い上にボールに執着心がある。だから奪われないし、奪われても自ら奪い返す。攻守両面でチームの要。



Jrユース
 06年03月04日 (土) 14:30開始 静岡県営草薙球技場
 第11回東海中学生サッカー新人大会 決勝
 対 名古屋グランパスエイト ※30分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開
[前半]
清水エスパルス:
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−植野−−山崎−−小澤−−
−−−−−−青木−−山田−−−−−−
−−柴原−−−−−−−−−−西川−−
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−− 交代:なし

−−−−−−矢田−− 播 −−−−−−
−−中野−−−−−−−−−−神谷−−
−−−−−−02−−本間−−−−−−
−−11−−03−−04−−13−− 交代:なし
−−−−−−−−池田−−−−−−−−  ※ 前半05分:13をRB、11をLBにサイドチェンジ
名古屋グランパスエイト (前半05分〜):

00分:清水、加藤が柴原とのワンツーで縦に抜けてクロス、櫻井はスルー、鍋田のシュートをGK弾くが、最後は山田、1−0
24分:清水、鍋田に警告 (遅延行為)
25分:清水、青木に警告 (繰り返しの違反?)

グランパス     清水エスパルス
5(2) シュート 7(6) ○鍋田、◎山田、○鍋田、×山田、○青木、○柴原、○鍋田
3(2) 右クロス 3(1) ○加藤、×柴原、×加藤
0(0) 左クロス 7(2) ×青木、○西川、×西川、×西川、×小澤、○西川、×西川
1(1) 右側CK 1(1) ○青木
1(1) 左側CK 3(0) ×青木、×青木、△青木
2(−) 犯OS数 2(−) ・鍋田、・鍋田
5(0) ファウル 3(0) ・青木、・青木、・青木

[後半]
清水エスパルス (後半13分〜26分):
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−植野−−小澤−−西川−−
−−−−−−青木−−山田−−−−−− 後半00分:山崎→畑 (小澤CB、西川LB、畑RH、柴原LH)
−−石原−−−−−−−−−−鍋田−− 後半13分:柴原→石原、櫻井→田代 (左図参照)
−−−−−−田代−− 畑 −−−−−− 後半26分:西川→荒井

−−−−−−矢田−− 播 −−−−−−
−−中野−−−−−−−−−−木股−−
−−−−−−02−−本間−−−−−−
−−11−−03−−04−−13−− 後半23分:神谷→木股 (左図参照)
−−−−−−−−池田−−−−−−−− 後半29分:播 →西
名古屋グランパスエイト (後半23分〜29分):

01分:清水、山田のスルーパスに対し左から斜めに加速した柴原、綺麗に中央を割って最後はスライディングシュート、2−0
07分:清水、中盤に下がった鍋田のスルーパスに、入れ替わって櫻井が走り込む。シュートをGK弾くが、柴原が詰め、3−0
08分:清水、倒れながら体を入れてきた鍋田を押し、2番のファウル。中央35Mから加藤の強烈キックがバーを弾いて、4−0

グランパス     清水エスパルス
2(1) シュート 11(9) ◎柴原、×青木、○櫻井、○櫻井、◎柴原、◎加藤、○鍋田、×櫻井、○青木、○畑
               ○鍋田
1(0) 右クロス 1(1) ○畑
1(0) 左クロス 2(1) ×畑、 ○荒井
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
2(−) 犯OS数 0(−)
3(1) ファウル 5(0) ・鍋田、・山田、・畑、 ・田代、・山田

清水エスパルスJrユース 4−0 名古屋グランパスエイト

 決勝の相手は、常に東海で清水のライバルになってきたグランパス。しかし、開始僅か40秒、いきなりSB加藤とCH山田が敵陣深くに侵入し、先制に成功。しかし、この早すぎる先制点がリズムを崩したか、前半は受け身の流れに。先制点にも絡んだ柴原をポジションチェンジした主将の11番に上手く守られ、左の西川が突破を図るがクロスを跳ね返される。名古屋は追い風を最大限に利用するキック&ラッシュを選択、スピードのあるFW矢田、RH神谷を警戒して押し込まれた。終了間際には、積極的に前に出てボールを跳ね返していたCB山崎が足を痛め、ピッチ外で治療したまま前半を終えた。
 その山崎は結局、後半から交代。漂った暗雲を振り払ったのが、柴原だ。左にポジションを移し、11番のマークから逃れた柴原は、1分に素晴らしいランで追加点を奪い、7分にも鍋田のスルーパスに連動、櫻井のシュートリバウンドをしっかり詰めた。テクニシャンの柴原はどうしても足下でもらいたがるが、長良戦でも石原のスローインをスペースで受けて鍋田のゴールをアシストしたように、この日はスペースを意識し、もう一つの長所であるスピードを最大限に発揮した。8分に加藤のパワフルシュートが飛び出して差を4点に広げると、風の順逆に戸惑う名古屋の反撃を14分の播のシュート程度にとどめ、見事に優勝を飾った。

 各紙報道で岩下監督や山崎キャプテンが辛口の自己分析をしていたとおり、現時点では決して完成度は高くない。例えば、県大会に比べてSBが攻撃参加したり、CBが前に出てパスカットを狙うようになってきたが、SBが戻れなかったり、CBのスペースを埋めるためSBが中に絞った時に、サイドスペースをCHやSHが埋められていない場面が散見された。しかし、こうした課題は全国の頂点を目指す上での伸びしろだ。青木・山田の枝村・山本真を思わせる中盤に、前線の鍋田、後衛の山崎と一本縦に通ったセンターラインは強力。柴原が良い刺激を与えているが、県大会ではスタメンだった水野、畑、関口や、2年生の田代なども十分な実力の持ち主で、今のスタメンもうかうかしていられない。今後に大いに期待している。


▼個人的好印象選手

加藤 喬大 (RB): パワフルなキックはFKだけでなく、クリアでも目立っていた。スピードも十分。目指せ、右のロベカル!
柴原 誠 (RH→LH): パスを呼び込んだランで新境地を開く。相手を抜く意欲と、抜いた後の選択の豊富さが素晴らしい。



2006年03月01日(水) 今年度的清水エスパルスユース 2006年度版

▼予想布陣

−−−−−−−−−−町田朋弥3−−− 長沢駿3 −−−−−−−−−−
         (山崎竜男3)
−−前田陽平1−−−−−−−−−−−−−−−−−−−小泉慶治3−−
  (桑原卓哉3)
−−−−−−−−−−神田和哉3−−−桑原卓哉3−−−−−−−−−−
          (西澤郁1)
−−佐野克彦3−−−鍋田圭吾2−−− 岩本大3 −−− 桑原彬3 −−
          (望月恭平1)
−−−−−−−−−−−−−−山崎晃太3−−−−−−−−−−−−−−
 名前の横は学年。

 昨年主力となった3年生は、GK前田、DF石垣、MF柴田・高野の4人。このうち、GKでは山崎晃、MFでは神田が終盤にレギュラーを掴んでおり、大きな変化なく移行することが可能だ。更に言えば、今年の3年生がJrユースの時のスタメンは、山崎晃−桑原彬 (渥美)・岩本・佐野克・桑原卓−小泉・池田・神田・小出 (杉山和)−町田 (山崎竜)・長沢。はっきり言って、これをそのまま適用すれば、最強のチームがつくれる。
 しかし、ユースの意義から言えば、それはあまりに意味のないことだ。例えば佐野克・岩本のCBコンビは、相性から言っても、共に戦ってきた阿吽の呼吸から見ても、ベストの選択だ。だが、トップの昇格した時、この2人がトップの高木和・青山のCBコンビから、いきなりセットで入れ替わるだろうか? ありえない話である。ユースの選手に求められるのは、誰と組もうと関係なく発揮できる「個人」の力だろう。また、Jrユースから前田・西澤といった才能ある選手が昇格してきたが、いくら3年生11人の集合体が強力だからといって、個人の育成がなおざりにされたら、それはエスパルスにとっての損失だ。
 こうした観点から、今年もポジションごとに戦力をチェックしてみよう。


▼FW
1st  ◎長沢、○竜男、△町田、×藤牧、×池上
2nd  ○町田、△前田、×小泉、×孝洋、×鍋田亜

 篠田が卒業したものの、前田・池上が昇格したFW陣。その充実度は過去に例がない。って、毎年言っているが、要は3年間、長沢・町田・山崎竜が順調に成長してきたということだ。

 一頭地を抜くエースに成長した、長沢 (3年・U-19代表) が中心。ボールがないときの質の高い動きと、ふところの深さ、そして足下の技術が組み合わさって、絶対的な前線の起点となる。相手に厳重に警戒される分、得点王になったJユース杯のようには点を獲らせてもらえないだろうが、彼には周囲を活かす視野がある。そのJユース杯で2トップを組んだ町田 (3年) が、相棒筆頭。長沢と同じくプレー幅を広げており、引いて受けて起点になるも良し、ゴール前で受けて得点するも良し。役割を補完・交換しあう両者の関係は、抜群だ。
 山崎竜 (3年) の存在も見逃せない。外せない選手である長沢に対し、プレーが重なりがちなのが玉に瑕だが、泥臭くゴールに向かおうとする意欲は買いだ。昨年Jrユースのエース前田 (1年・U-15代表) のドリブルは、途中交代などで貴重なオプションになることだろう。要求されれば、ダイレクトパスやスルーパスも出せる、プレー幅の広さも強み。その他、1stFWとして空中戦に強い藤牧、フィジカルとテクニックのトータルバランスに長けた池上 (1年・U-14NTC)。2ndFWでは、ゴール前で相手を外す動きに長けた小泉 (3年) や、佐野孝 (1年) のスピードとパワーも見逃せまい。Jrユースから起用されるとしたら鍋田亜 (中3・U-14選抜) だろうが、思い切った田代 (中2・U-13選抜) の抜擢もあるかもしれない。


▼MF(ハーフ)

中央 ○桑卓、○神田、○西澤、△佐諒、△池田、△滝戸、×桑彬、×杉山、×深澤
右  ◎小泉、○滝戸、○前田、△孝洋、×青木
左  ○桑卓、○前田、○小出、△佐傑、×杉山

 柴田・高野・八木と昨年、4つのポジションで3人の3年生が起用されただけに、最も変化の大きなゾーンとなる。特にチームの舵取りを担うCHでは、池田・神田・佐野諒と一時期レギュラーを務めた選手こそいるが、コンスタントに出場しておらず、昨年ユースでも起用された西澤が昇格したことで、激しいポジション争いが予想される。

 1年から左SB・左SH・左WBでレギュラーを任され、実績豊富な桑原卓 (3年) をサイドではなく、より影響力が大きい中央で使う構想は、納得できるものだ。1本のパスで局面を変化させるようなセンスはないが、ミスが少なく、よく動いて休むことなくプレーに関与し続け、自らドリブルで持ち込むこともできる。もう一人は、相性を考えると神田 (3年・元U-14NTC) か、西澤 (1年・U-16NTC) か。神田はセンスに溺れて安定感に欠けるところがあるが、運動量があり、相手を崩すパスを出せる。西澤は経験値こそ足りないが、競り合いに強く、縦パスを出しながら前に飛び出てもう一度ゴール前で絡むプレーが売り。桑原卓が左SHに回り、この2人で中央を組む可能性も十分にある。
 池田 (3年・元U-16NTC) と佐野諒 (2年) も勿論、有力な候補。中盤プレスの寄せが忠実かつ素早い池田、パスでゴールチャンスを生み出すことのできる佐野諒は、それぞれ他の選手にない才能を持っている。だが、総合力で見た場合、池田の場合は攻撃で、佐野諒の場合は守備でサポートの動きに難があり、その点で後れをとっている。滝戸 (2年・元U-14NTC) にしても、チームの流動的な変化に対応できれば、攻守両面で基礎能力が高いだけに定位置に手が届くだろう。昇格したばかりの杉山 (1年)・深澤 (1年) は戦術性に富んだ賢い選手だが、ユースではもう一段上のレベルが求められる。
 ところで、中盤の底に池田などディフェンシブな選手を置き、中盤をダイヤモンドで組む攻撃的なシステムも試されている。その場合、トップ下に佐野諒は勿論、前田や町田といったFWの選手も選択の対象になるだろう。FWは飽和状態なだけに、考えられる話だ。

 サイドに話を移すと、右は昨年のレギュラー、小泉が当確。スペースに抜けるだけでなく、相手を抜くことのできる切込役だが、中に絞ったり引いて受けたりして、起点として周囲を使う動きもできるようになった。その代役に、滝戸と前田。滝戸は突破力に乏しいが、正確な中長距離のキックを持ち、サイドから試合を組み立てることができる。調子にムラのある前田だが、比較的自由のあるサイドでセンスを発揮させる考えは悪くない。そして、途中交代の切り札に佐野孝。プレー幅は狭いものの、ストレートな突破力、そして切り返しからシュート・クロスといった意外な変化球は、流れを変えるのにもってこい。Jrユースの中盤の主力、青木 (中3) や山田 (中3)、更に柴原 (中2・U-13選抜) を起用するなら、このポジションか。
 左にも、桑原卓が健在。けれども、前述のとおり桑原卓は中央に回る可能性があるため、その場合は新戦力による競争となる。長く戦列を離れていた小出 (3年) だが、やはり完成度は高い。同期との連携で一日の長があり、ドリブル・パス・シュートとマルチな才能を活かして、流動性の高いサッカーを体現する。今年の左SHはある程度の無茶しても、背後の佐野克が何とかしてくれる。前田のずば抜けたセンスを遺憾なく発揮させるには、もってこいだ。彼に続くのが、佐野傑 (1年)・杉山 (1年) の新入生レフティ。特に佐野傑には、守りに目をつむってもドリブルという明確な武器があるだけに、佐野孝同様に交代の駒として重宝されるかもしれない。


▼DF

中央 ◎岩本、○鍋田、△恭平、△渥美、△滝戸、△藤牧、×岩崎、×狩野、×克彦
右  ◎桑彬、○渥美、△尚希、×卓馬、×狩野
左  ◎克彦、○桑卓、△江守、△曽根、×鍋田

 DFラインから抜けたのは石垣だけだが、存在が大きかった選手だけに、相応の変化が求められる。石垣と共に鉄壁を築いた佐野克も、U-19代表と同じ左SBを任されそうで、中央部がまるまる入れ替わりそうだ。

 とはいえ、1年から試合に出場してきた岩本 (3年・元U-16NTC) は、十分計算できる。ただ、村越・石垣・佐野克らに競り合わせ、自分は好んでカバーに回っていた岩本だが、今年はそれで済まされない。相方が岩本より競り合いに強いタイプになるとは考えづらく、昨年から行徳監督に指摘されてきたように、自分一人で競り合いからカバーまでこなす能力が求められる。その相方だが、175cmを越えるような大型DFがいないのが辛いところ。173cmの鍋田 (2年) はJrユース時代、人に強く、正確な左足フィードで貢献したDFだが、180cm前後の選手が普通にいるユースでは、まだ修行中の身。172cmの望月恭 (1年) は読みが鋭く、カットした後のクリアが乱れずに堅実なプレーを見せるが、元からフィジカルが持ち味ではないだけに、ユースの当たりにどれだけ耐えられるか未知数だ。
 彼ら本職CBが苦しいようならば、コンバート組の出番になる。179cmの藤牧、178cmの滝戸はDFの動きができているとは言い難いが、身長相応に空中戦に強い。滝戸はロングフィードにも冴えを見せる。渥美は166cmしかないが、瞬発系に強く、実戦でハーフナーらに競り勝ってきた。その渥美にしても本職と比べると体の寄せ方とか、飛び込むタイミングに経験が不足しているので、コンバートするなら早い方が良いだろう。昇格した岩崎 (1年)・狩野 (1年)・深澤は、まずユースのパワーとスピードに慣れるのが先決。最後に佐野克 (3年・U-19代表)。CBでの起用の可能性こそ×だが、実力から言えば◎だ。

 さて、右SBでは、昨年終盤にレギュラーを掴んだ桑原彬 (3年) が、好調をキープ。サポートやカバーが可能な後方に位置し、中長のパス・クロスで貢献してきた桑原彬だが、MFを追い越すランやゴール前にペネトレイトする動きに積極的になり、ムービングサッカーに適応するようになった。Jrユース来の桑原彬のライバル、渥美も健在。桑原彬に比べてプレー幅が狭いのが課題だが、逆に上下運動の豊富さや競り合いの強さでは上回る。桑原尚 (2年) は特に守備面において、渥美より更にプレー幅が狭いが、その上下運動のスピードは見物。望月卓 (1年) と狩野 (1年) は計算できるDF能力を持っているが、上級生のポジション争いに割り込むのは難しいか。
 左には、一つ上のU-19代表でもレギュラーポジションを狙う佐野克がいる。昨年石垣とゴール前に鉄壁を築き、爆発的なオーバーラップと左足のロングフィードで攻撃にも寄与するこのアスリートに、対抗できる選手はいない。あるとすれば、DF中央部が佐野克抜きではどうしようもならなくなった時か、山西の負傷などでトップに呼ばれることぐらいだろう。しかし、佐野克が抜けても、1年からのレギュラー桑原卓がいる。佐野克ほどの派手さはないが、攻守に要所を押さえた好選手だ。この2名は、左SBとして全国で見てもトップレベルであり、江守 (2年)・曽根 (1年)・鍋田 (2年) は堅実な守備ができるレフティという貴重な人材だが、そう簡単に出番が回ってきそうにない。


▼GK

GK ◎晃太、△吉田、×柴田

 昨年夏の大会以降、ほぼ一貫してゴールマウスを守ってきた山崎晃 (3年) が、そのまま正GKになりそうだ。Jrユースの頃は、ちょうど昇格してきた柴田 (1年) のように、ハイボールの目測ミス・キャッチミスが多かったが、試合を通じて安定感を増してきた。元々身体能力は高いだけに、技術が身についた後の成長の速さはすさまじい。吉田 (2年) は逆に、身体能力を技術でカバーする、安定感のあるGK。前述の柴田は、真田コーチから経験を伝授される1年になるだろう。


▼筆者私案


−−−−−−−−−−前田陽平1−−−藤牧祥吾2−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−− 佐野諒2 −−−−−−−−−−−−−−

−− 佐野傑1−−−−西澤郁1−−−−滝戸諒2−−− 桑原尚希2−−

−−−−−−江守純基2−−−鍋田圭吾2−−−望月恭平1−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−− 吉田渉2 −−−−−−−−−−−−−−

 U-18チームは3年生を軸に大枠が固まった状態で、抜本的な変化は考えづらい。そこで、U-17のメンバーを考えてみた。とはいえ、U-17でもU-18の主力になる選手は、中日本U-17などに出場することはなさそうだが。
 守備が不安な時には迷わず3バック、というのが行徳監督の傾向なので、3-5-2が想定される。別に2年生中心で考えたわけではないのだが、結果として、2年生を配置した後、残りのポジションを1年生が埋める格好に。実際は藤牧vs池上、桑原尚vs望月卓or佐野孝、江守vs曽根といった感じで、1年生が2年生を越えられるかといったポジション争いになりそう。この競争は来年のチームへと繋がっていくだけに、U-18チームとは別に、興味深く見守っていきたい。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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