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2003年04月29日(火) 東海プリンスリーグ 岐阜工業高校戦

03年04月29日12:01開始 大垣赤坂スポーツガーデンA
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003
 対 岐阜工業高校 ※45分ハーフ

▼布陣
−−−−−真希−−阿部−−−−−

−大瀧−−−−−−−−−−柴田−

−−−−−枝村−−森安−−−−−

−岡村−−高柳−−石垣−−村越−

−−−−−−−海人−−−−−−−

控え:前田、風間、田淵、高野、小林、八木、谷野、獅子内
交代:前半09分:村越→雄也(そのまま右SBに)
   後半44分:石垣→高野(森安をCB、大瀧をボランチ、岡村を左MF、高野を左SBに)

岐阜工業高校:

−−−−−−−市原−−−−−−−

−−−岩田−−後藤−−伊藤−−−

−−−−−岡田−−牧村−−−−−

−田中−− 榊 −−松本−− 林 −

−−−−−−−坂本−−−−−−−

交代:後半28分:後藤→松原、後半36分:岩田→槙田、牧村→坂井


▼試合展開

ゴールデンウイーク中ということで、ちょっと無理して岐阜大垣へ。6時起きで、東京からは片道4時間弱。11時前には着く。歩きながらバス亭を探すが、どうやら5分ほど前に出ていってしまったようだ。次のバスまで約30分。まだ1時間近くあるので、無理して歩けば間に合うか、と歩き出すと、暫くしてから後方からバスが…。恨めしいぜ。
結局、徒歩1時間弱で到着。スポーツガーデンなのか、スポーツ公園なのか、はっきりさせてほしいものだ。試合会場は大きな芝生広場にグラウンドを2面取った、という表現が正しく、芝は荒れ気味でデコボコが目立つ。っていうか、芝生広場というより外野の広い野球場。もう一方のグラウンドでは内野の一部がゴール前になっており、芝と土が混合する奇妙な状態になっていた。
天気は曇りがちながら、初夏の暑さ。しかし、前節同様に風が強く、しかもグラウンドを横に吹いているため、ロングフィードのコントロールにどこも苦労していた。地元の岐阜工と各務原から控え選手による応援団が大挙しており、その熱い声援に誘われたのか、普段はサッカーに縁遠そうな市民の姿もあり、会場は盛り上がりを見せていた。

清水は前節後半の布陣。控えに前半の内に交代した篠田・真司の姿が見えないのをみると、2人の欠場は怪我の影響もあるか。この後、クラブ選手権の地区予選が始まる関係で、清水はこの試合を最後に6月25日までの長い中断に入る。
一方、前節の四中工に続いて、高体連の名門校である岐阜工。学校の所在地は岐阜市ではなく笠松町なので(合併検討中らしいが)、「笠工」と呼ばれることも。地元の笠松中と、岐阜の伝統クラブ、VAMOSやジュベントゥージ出身の選手が多くを占める。高校選手権18度の出場を誇り、一昨年には片桐・荻を軸に準優勝。昨年も全国大会に連続出場を果たしたが、優勝候補の一角を占めた東福岡を相手に緒戦敗退を喫している。
四中工と異なり、名門らしく多数の部員を擁する岐阜工は、それ故に先発メンバーは昨年から多く入れ替わり、残ったのは林と後藤のみ。今日の出場メンバーも全員が3年生で、2年生3名・1年生3名が先発した清水とは対照的であった。

[前半]
序盤、清水は中盤でのパス回しでポゼッションを高める一方、岐阜工は4−2−3−1の利点である高い位置での人数を掛けたサイド突破を敢行。好試合の予感が漂うが8分、清水右サイドの競り合いで頭から突っ込んだ村越が、相手の蹴り上げた足と交錯し、額が割れて真っ赤に流血。村越は雄也と交代、応急処置の後は観客席で寝かされていたが、救急車で運ばれることになった。しかし、このプレーはファウルにこそなったものの、退場はおろか警告すらなし。頭から突っ込んだ村越が軽率と審判したのかもしれないが、額が割れている以上は、足の甲ではなくスパイクの裏に当たって切れたことは明白なはず。これを第一の契機に、試合は徐々に荒れていくこととなる。

動揺が走ったのは、当然、清水側。緊急投入された影響も合ってか、雄也の対応は1対1でもラインコントロールでもミスが多く、左MF岩田の突破からクロスを幾度も許す。フラットラインも全くオフサイドを奪えず、自然と下がり目になるためにポゼッションでも劣勢に。
14分には、岐阜工の左SB、田中が攻め上がって大きく左クロスを入れると、左MFの岩田が逆サイドに流れて受け、PA内にグラウンダーで折り返す。ニアに飛び込んだ伊藤がシュートを放ったが、宇宙開発。岐阜工は1トップ下の3人が流動的に動いてマークを外しつつ、盛んに裏に飛び出していた。なまじラインが低くなったため海人の担当範囲が狭まり、PA外まで果敢に飛び出す必要がなくなっていたが、これは一歩誤ればPA内で1対1となる超決定機を与えかねない危険な状態である。個人的な感想だが、海人がPA外まで飛び出す時の方が、チームとして良い状態と言えると思う。
18分、海人が戻されたボールを一気に相手陣内まで蹴り返すと、阿部が左サイドに流れながら頭で落とす。や否や、落下地点に走り込んだ真希が、PA外からボレーでミドル。しかし、これはGK正面。これが漸く清水の初シュートとなった。この後、清水も落ち着きを取り戻し始めるが、パスが綺麗に回る場面は少なく、単独突破からセットプレーの好機を奪うのがやっとという状態が続く。

しかし、30分過ぎたあたりから岐阜工前線のフォアチェックが弱まったことにより、いよいよ清水の攻勢が始まる。31分には大瀧→岡村戻す→枝村→森安サイドチェンジ→柴田と軽快に繋いで、右サイドを抉ってクロス。これはDFに跳ね返されたが35分、今度は右から回したボールを枝村が大瀧に預けると、急加速。溜める大瀧の左外側に回り込み、大瀧からリターンを受け、サイドを十分に抉って左クロス。DFと競り合いながらニアで阿部が合わせるが、シュートはDFに引っ掛かって枠を外れる。
村越を運ぶ救急車のサイレンが響く中、39分、PA内中央突破を仕掛ける岐阜工だが、高柳がスライディングでブロック。クリアを中盤の底で枝村が受けると、左のオープンスペースにフィード。駆け上がる大瀧の前に阿部も前線から流れてきて、大瀧はダイレクトで縦に浮き球のパスを送る。このパスを阿部は、左30度の位置からダイレクトで20Mの強烈なボレー。GKが弾き返した。
岐阜工も再度左MFが雄也を振り切ってクロスを入れるが、最終ラインが譲らない。逆に42分、中盤で森安が相手を潰し、こぼれ球を枝村へ。岐阜工もすぐに枝村にチェックに行くが、枝村はボールと相手の間に体を入れて力で押し退け、前を向いてドリブル開始。相手3人ほどを引きずりながら右サイドを突破し、SBが応対に来たところでスルーパス。裏に柴田が抜け。タッチライン沿いに低いクロスを入れるが、DFがクリアしてCKに。
大瀧の左CK、中央で石垣がマークを外すが、バックヘッド気味のシュートは弱く、DFがクリア。清水は再び作り直し、残っていた岡村が左サイドに流れながら持ち込むが、相手がチェックに来る前に早めのクロス。これをまたも左に流れていた阿部が、後方からのパスを角度のない位置からアクロバティックにボレー。だが、ボールはバーに跳ね返された。
この後、岐阜工のロングフィードが、風に煽られてバーに直撃する場面もあったが、試合に動きなくハーフタイムを迎える。

岐阜工       清水エスパルス
2(0) シュート 6(4) ○真希、×枝村、○阿部、○阿部、○石垣、×阿部
2(1) 右クロス 4(1) ○柴田、×柴田、×柴田、×柴田
10(3) 左クロス 2(2) ○枝村、○岡村
2(0) 左右CK 6(2) ×枝村、○枝村、×大瀧、×大瀧、×枝村、○大瀧


[後半]
後半は試合が壊れた。直接の切っ掛けは、後半10分頃、誤った位置からスローインを「投げ入れ」ながら、反スローにならずにスローインのやり直しを指示したこと。あまりに分かりやすい「誤審」に清水ベンチは一斉に抗議を強めたが、その背景には前半の村越負傷から続く審判不振があった。
この「誤審」があるまでの僅か15分程度の間に、清水は壁が必要となる位置でファウルの審判を3つも下されており、その中には明らかにシミュレーションによるものもあった。そのうちの一つ、13分のほぼ正面の位置でのFKでは、後藤が直接狙ったシュートが右ポストに直撃している。また、アドバンテージで流していると思いきや単なる見落としで、奪い返したはずが相手FKにされることもあった。微妙なオフサイドや、CKのはずがゴールキックにされたことは多々。そもそも、これだけ荒れながら、警告が両者に1枚ずつというのがおかしい。
しかし、決して清水不利の判定だけだったわけではない。清水ベンチの怒気が強まるにつれて、主審は明らかに錯乱していた。次にズレた位置から岐阜工がスローインした際は、すぐさま清水のスローインとなった。村越の負傷時と同様に、高柳が足を上げてクリアして頭から突っ込んだ相手が倒れた場面ではノーファウルになったが(幸いなことに、これは負傷には繋がらなかった)、次の場面では高柳が足を高く上げただけで反則をとられた。曖昧な判定は、次第に岐阜工ベンチの怒りも買う。
このような状況で、ゲームが落ち着くはずもない。清水の華麗なパス回しは影を潜め、7分に岡村→阿部反転から真希→森安→真希→森安と連続ワンツーから右クロスを入れた場面ぐらい。他は岐阜工がアーリークロスやロングシュートを放つ程度で、少しは得点の気配がするのはセットプレーの場面ぐらい。半ば諦観の雰囲気の中、試合は進んでいった。

しかし、岐阜工は前半同様、30分過ぎあたりから足が止まり始める。32分には岡村のロングフィードに阿部が反転して裏を取るが、ユニフォームを引っ張れてファウル。もっとも、この場面では腕を振り払おうとした阿部の肘が相手に入っており、今度は岐阜工・大野監督が激昂することになるのだが。だが、そんな中でも大野監督は冷静に選手交代を指示、運動量を取り戻そうとするのだが、焼け石に水であった。
35分、森安が右サイドスペースに流したボールに対し、柴田は緩やかに受けると思わせて加速。マークを振り払い、マイナスの速いセンタリングを送る。これをファーで大瀧がトラップ、頃合いを見計らって激しく巻くクロスを送ると、ニアの阿部の裏で真希がダイビングヘッドで飛び込む。が、GKが反応しゴールを割らせない。
さらに38分、真希が中盤に引いてパスを引き出すと、反転しながら右の森安に渡す。森安は左足でもう一つ右サイドに流すと見せかけ、アウトサイドで引っ掛けるように真希にリターン。ゴールに向かって直進する真希だが、正確なインパクトでダイレクトで右前方に流す。柴田は大外から回り込んで中を見ると、真希がニアに突っ込み、阿部はファーで待ち構える。柴田が決断したクロスの先には、真希の裏側、阿部との間にスルスルと走り込む枝村が。フリーの状態で高い打点からヘディングを放つと、ボールはファーサイドに突き刺さった。1−0。狂騒の中でも一人冷静だった男が、3試合連続ゴール。5試合5得点でチーム内得点王に。

その後も不安定な審判に胃を痛める時間が続くが、相手速攻をラインブレイクから見事なタックルで潰した石垣の活躍もあって、相手を抑える。石垣はこの交錯プレーで担架で外に出されるが、集中力を切らさずに4分余りの長いロスタイムを耐え切り、今後に期待を繋げられる「勝ち点3」を手に入れることが出来た。次の試合は6月25日。2ヶ月間の間に1年生も多く出場する若いチームがどれだけ伸びるか、楽しみである。

岐阜工       清水エスパルス
5(1) シュート 4(2) ×真希、○真希、×真希、◎枝村
3(0) 右クロス 3(2) ×森安、○柴田、◎柴田
1(0) 左クロス 2(2) ○大瀧、○枝村
3(0) 左右CK 2(0) ×大瀧、△大瀧


枝村「今日は引き分けは許されなかった。いい流れできていたので、決めなきゃと思いました」(ニッカンスポーツ静岡版より)


▼試合結果
清水エスパルスユース 1−0 岐阜工業高校
 得点:後半38分:清水・枝村匠馬(柴田和也・右クロス)
 警告:後半07分:清水・森安洋文(ラフプレー)
    後半23分:岐阜・伊藤裕治(ラフプレー)



▼選手寸評
山本海人  6.5 フィード精度は最悪だが、空中戦と飛び出しで不安定な最終ラインを支援。

村越大三  --- 大事ないことを祈りたい。
石垣勝矢  7.0 安定した制空力を武器に、頻繁に最終ラインを離れて中盤の守備にも遊撃。
高柳亮太  6.5 軽率なプレーもあったが、石垣を前に出し、最終防衛線の駆け引きに従事。
岡村総一郎 6.0 体を張った守備で、相手得意のサイド攻撃を封印。一方、攻撃参加は不発。

柴田和秀  5.5 試合全般では未熟さが目立ったが、ここぞの判断と技術の正確さはさすが。
森安洋文  6.0 潰れ役の職務は全うしたが、パス・個人技がもう一つ足りず、核になれず。
枝村匠馬  6.5 熱くなる周囲の中で埋没した感もあるが、最後は冷静な冒険を成功させた。
大瀧義史  5.5 粘りはあるが、厳しいマークされ仕事ができず。セットプレーの精度も△。

山本真希  6.5 ポスト・パス・シュートとマルチなプレー幅で、徹底マークの阿部を代行。
阿部文一朗 6.0 常に複数に囲まれてポストは無難も、強引な突破やシュートに復活の兆し。

杉山雄也  5.0 緊急投入の難しさかラインを乱して、裏を再三奪われる。後半は持ち直し。
高野美臣  --- 石垣の負傷交代で投入。


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03年04月29日14:14開始 大垣赤坂スポーツガーデンB
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003
 静岡学園高校−四日市中央工業高校 ※45分ハーフ

▼布陣
静岡学園高校:

−−−−−板倉−−木戸−−−−−

−−−宮本−−狩野−−能登−−−

−−−−−−−清水−−−−−−−

−山梨−−小林−−松下−−中村−

−−−−−−−飯塚−−−−−−−(交代省略)

四日市中央工業高校:

−−−−−築館−−南川−−−−−

−−−−−−−中林−−−−−−−

−−−麻生−−樋口−−島嵜−−−

−伊藤−−金守−−藤澤−−田中−

−−−−−−−田中−−−−−−−(交代省略)


▼試合展開

10分:四中工、左の麻生からの展開から半円を描くようにPAの周囲でパス回し、最後は樋口?が中央から斜めに縦に入れたパスに中林が抜け出し、冷静にファーサイドに流し込んで、0−1。

13分:静学、PAやや手前でボールを持つ狩野が、最終ラインを越える弓なりの浮き球スルーパス。DFがやや触れたかもしれないが、裏に落ちてきたボールを板倉が体を思いっ切り倒してボレー。低い弾道が、低い姿勢を保つため大きく開いていたGKの股を抜け、1−1。

34分:静学、狩野の右CK。中央の松下をフリーにしてしまい、打点の高いヘッドを叩き付けて、2−1。

44分:静学、右サイドからの速攻にハーフライン付近で前を向いて受けた木戸が、伊藤と麻生を交わして40M独走。そのまま真っ直ぐにPA内に迫ると、直前で当たりに行った藤沢をも抜き去り、飛び出すGKを尻目にファーサイドにインサイドで決め、3−1。


▼試合結果
静岡学園高校 3−1 四日市中央工業高校



2003年04月26日(土) 東海プリンスリーグ 四日市中央工業高校戦

03年04月26日14:11開始 草薙総合運動場球技場
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003
 対 四日市中央工業高校 ※45分ハーフ

▼布陣
−−−−−真司−−阿部−−−−−

−大瀧−−−−−−−−−−真希−

−−−−−枝村−−森安−−−−−

−篠田−−高柳−−石垣−−村越−

−−−−−−−海人−−−−−−−

交代:前半09分:篠田→岡村(そのまま左SBに)
   前半41分:真司→柴田(真希をFW、柴田を右MFへ)
   後半44分:村越→雄也(そのまま右SBに)

四日市中央工業高校:

−−−−−南川−−築館−−−−−

−−−−−−−中林−−−−−−−

−−−麻生−−樋口−−河尻−−−

−中川−−金守−−藤澤−−田中−

−−−−−−−田中−−−−−−−

交代:後半00分:河尻→守屋、後半32分:麻生→山畑、南川→坂井、後半39分:中林→加藤


▼試合展開

さて、築館親子対決である。話題にすべきか迷ってたが、なんかスポーツ新聞に堂々と書かれてしまったようで。息子の秀飛(シュウト)は180cmを誇る四中工の大型FW。しかし、思い切った名前を付けましたね、監督。
天気は曇りがちながら日差しが強く、最高気温は28度にまで上った。芝は枯れている部分も見受けられたが、プレーに影響はなさそう。だが、風が強く、前の試合でもGKはゴールキックの精度が定まらず、苦労していた。観客は100名ほどか。ご両親以外に、サッカー道楽なご年輩の方や幼い子供を連れた子供連れ、更にジャンパルも見られ、プリンスという看板がそれなりの知名度を得ていることを感じる。U-20/18代表監督を務める大熊氏も見参。先日発表されたU-18代表候補には4チーム中、磐田から松井・森下・藤井が、清水からは枝村・阿部が招集されている。

清水の方は、メンバーを大きく組み替え。前回の東邦戦で5分間で3点を奪って逆転した布陣を軸として、追撃弾のミドルを決めた森安はそのままボランチに上げ、代わりに同点弾を決めた石垣をCBに配置した。また、中日本などで様々なポジションを試されている村越を右SBに起用、篠田が前半早々に負傷するアクシデントもあり、左から岡村−高柳−石垣−村越という非常にフレッシュな最終ラインとなった。
一方の三重の名門、四中工。昨年、高円宮で国見に勇戦したチームからGK西村・FW飛騨がプロに進んだが、築館・樋口・麻生・藤澤・金守は引き続きレギュラーを務める。この試合、ガンバ大阪出身のレジスタ・島嵜を欠いたのは痛いだろうが、昨年からそのまま残ったCBとボランチの中央守備ブロックは熟練の味。飛騨の分だけ得点力には劣るが、昨年より総合的にレベルアップしたと言えるのではないか。日生第二に高校選手権出場を阻まれただけに、今年は思うところがあるはずである。

[前半]
前半は清水が順風。早くも前半1分に初シュート。真希が右サイドで奪うや、瞬時に逆サイドに展開。森安が落とした先に大瀧が左サイドから斜めに走り込んで、ワントラップからシュートを放った。7分には、大瀧が篠田に戻したところに激しいタックルが入り、左30度30MからFK。大瀧のボールはDFに引っ掛かり、さらにDFがサイドにクリアするが、村越が拾って角度のない位置から思い切ってシュート。ファーサイドに外れる。
試合全体では、互いに中盤中央の潰し合いからサイドに逃げて個人突破で勝負する展開で、効果的なプレーが生まれない。それでも風上の清水が徐々にポゼッションを高めるが、逆に20分、中盤中央の縦パスをカットした四中工がカウンター。素早く前方左へフィードすると、そこに流れていたFW南川が受けて突破、中に切れ込んでシュートを放つが、これは逃さず付いていった村越がスライディングでブロック。リバウンドは逆サイドに流れるが、これを中林が拾うと岡村と競り合いながら、半身ズラしてシュート。だが、枠を捉えず。
清水もその直後、左サイドに流れた枝村が、簡単に前の大瀧に預けると、大瀧も素早く左に流れてきた阿部へ。阿部がダイレクトで中盤にボールを戻すと、そこに枝村。駆け込んで、ワントラップから低い弾道で強烈な20Mミドルを炸裂。GKが横っ飛びで弾き返した。

このあたりから、清水のポゼッションも安定。四中工は、ロングフィードを前線の築館Jrに当ててから、落としたボールを中盤に戻して樋口を軸に組み立てるか、スピードのある南川や中林が一気に裏を狙う戦術だが、逆風なだけにボールを落とせる地点が低く、森安・枝村の網に引っ掛かってしまった。一方、攻勢の清水も相手フラット4に手を焼き、守備重視のSBの裏を狙えず、サイド攻撃は単発。頼みの阿部も金守に厳しくマークされ、単純な放り込みでは空中戦に競り勝てない。しかし、阿部やサイド攻撃を警戒して最終ラインは引き気味なだけに、狙い所はその前のスペースである。
25分、密集する自陣左サイドから中盤の底の枝村にボールが渡ると、逆サイドに一気にスペースが広がる。枝村の斜めの30Mサイドチェンジに真希が加速するが、相手最終ラインの配列が揃う前に2タッチで折り返し。丁度PA横のラインの前を直進する低いクロスに、枝村がダイレクトでミドルを放つが、やや当たり損ねて左に外れる。
35分にも、自陣左サイドで奪うと岡村のクリアは相手に引っ掛かるが、自ら交錯しながら奪い返しつつ抜き去ると、中盤の底の枝村へ。やはり逆サイドにスペースが開くが、走る真希の後ろのスペースにサイドチェンジ、村越の上がりを引き出す。村越は中央斜めに戻す大きなワンツー、30Mほど前進した枝村が受けて、今度は左サイドへ。大瀧が抜け出るやクロスを送った先には、未だ突進止まぬ枝村が遂にゴール前まで飛び出し、ヘディングシュート。しかし、ゴールの上に外れた。

43分、大瀧が左外に開きながら溜めると、ライン沿いの狭いスペースに繊細な縦パス。これをS字を描くように回り込んだ岡村がオーバーラップ、サイドを抉ってクロスを入れる。柴田投入でFWにポジションチェンジした真希が、ニアで受けて中央に送るが、パスは阿部の後ろに流れる。後ろ向きの体勢から阿部は粘ってボールを戻すと、そこに枝村。DFに引っ掛かりつつも20Mミドルを放ったが、シュートはニアポストに弾かれた。
この後、枝村のCKはDFに跳ね返され、柴田が拾ったもののパスミスからカウンター。しかし、PAギリギリに飛び出す海人の好判断で事なきを得る。試合はこのままスコアレスでハーフタイムへ。試合内容は悪くないが、後半は逆風になるだけに不安なところ。

四中工       清水エスパルス
3(1) シュート 9(2) ×大瀧、○枝村、×村越、○枝村、×大瀧、×枝村、×枝村
               ×枝村、×枝村
2(0) 右クロス 3(1) ×村越、○真希、×真希
2(0) 左クロス 5(2) ×森安、×阿部、○大瀧、×大瀧、○岡村
0(0) 左右CK 1(0) ×枝村


[後半]
後半はやはり、順風になった四中工が攻める。前述のロングフィードが伸びるようになり、最終ラインとボランチの間で落としたボールを拾えるようになってきた。清水は潰し合いの中、攻撃の糸口も掴めなかったが9分、中央の大瀧から、ポジションチェンジしてタッチライン沿いで待つ枝村にスルーパス。枝村は左サイドを抉るが、そこから左足インサイドフック(切り返し)を2回入れてDFを振り切りながら戻ると、右足でクロス。ファーの柴田が頭で中央に折り返し、真希がボレーシュート。だが、これはDFブロック、しかし真希は、跳ね返りをダイレクトシュートに行くが、宇宙開発。
さらに15分にも、自陣深くからの岡村のクリアに、センターライン付近の阿部が反応。DFを背負った状態からの強引な反転で逆に相手を後ろに押し出し、スペースに抜け出る。20M余りをドリブルし、寄ってきたCBを見てラストパスを送ったが、真希と呼吸が合わず。

四中工は潰し合いでは優位に進めながら、シュートやクロスなど効果的なプレーにまで至らない攻撃が続いたが、18分、ついに右SBの田中がフラットラインから離れて攻撃参加。中盤中央からパスが出ると、田中はまず中を切ろうとする岡村を確認し、ギアを一段上げて縦突破を仕掛ける。岡村も海人のコーチングもあって動きを修正するが、田中はそれをも先読みして中に切り返し。岡村を振り切ってセンタリングを送ると、ファーのFW築館が高い打点から至近距離ヘッド。が、完全に振られたはずの海人がこれに反応、眼前のシュートを弾くと勢いを殺しきれないボールを高柳がクリアし、CKに逃れる。
その四中工の左CK、19分。蹴るのは左効きのテクニシャン、麻生。低くて速いボールを送ると、中央密集地よりも手前で、ニアの金守がバックヘッド気味に微かに触れて逸らす。このボールが綺麗にファーサイドネットに吸い込まれて、四中工先制。0−1。流れの中では殆ど決定機を与えてなかっただけに、痛い失点であった。

先行された清水はギアを一気にトップに上げ、猛然と逆襲を図るが慌ただしさは否めず。サイドに人数を掛けて崩し、次々にクロスを入れるが、いずれも精度に欠いた。一方の四中工は、カウンターでキッチリと攻め切る意識が高く、むしろ効果的。
26分、大瀧からのパスを受けて、長い距離を走った岡村が左サイドを突破。枝村とのワンツーでPA内に侵入し、シュートを狙うがCBがカット。だが、クリアを中盤の森安が拾い、すぐに左の大瀧に預ける。この大瀧を岡村の突破で取り残されたSBが対応したため、洗練されたフラットラインにもヒビが生じた。スッとSBの裏、CB横のスペースに枝村が移動、すかさず大瀧がスルーパス、枝村が受けるやシュート、と思わせて右足インサイドフックの切り返し。CB藤澤を振り切ると角度20度もないところから、痛烈な右足砲。ガン!という荒々しい音が響き渡ったのは、どこのバーに当たったからか、ボールはファーネットに突き刺さっていた。1−1。見事に追い付いてみせた。

この後も清水の攻勢が続いたが、それも後半30分前後まで。四中工が一度に二人を交代させると、中盤の運動量で完全に後れを取る。高柳を中心に最終ラインは踏ん張るが、疲労から集中力と粘りを欠き、出足が遅れてみすみすCKにしてしまう場面が何度か。だが、いずれも海人が相手と競り合いながらガッチリとキャッチ、制空権は譲らなかった。
一方の清水は44分、枝村の対角線フィードから大瀧のダイレクトクロスは、DFに引っ掛かり左CK。蹴るのは枝村。ニアに速いボールを送るが、逸らしたのは相手DF。これが丁度良くファーの石垣に流れ、高い打点から叩き付けたが、ボールはニアポストに阻まれた。
この後、微妙な判定でペナルティライン直前から相手にFKを与えるが、シュートは大きく上に外れる。続いて、清水が最後の攻撃を仕掛けるが、枝村から大瀧の左クロスは曲がりきらずにGKキャッチ。試合はこのまま終了し、両者痛み分けとなった。

四中工       清水エスパルス
7(3) シュート 3(1) ×真希、◎枝村、×石垣
1(1) 右クロス 4(0) ×柴田、×柴田、×村越、×村越
2(1) 左クロス 7(1) ○枝村、×大瀧、×森安、×枝村、×岡村、×大瀧、×大瀧
4(1) 左右CK 3(0) ×大瀧、×枝村、×大瀧



▼試合結果
清水エスパルスユース 1−1 四日市中央工業高校
 得点:後半19分:四中・金守貴紀(麻生 瞬・右CK)
    後半26分:清水・枝村匠馬(大瀧義史・スルーパス)



▼選手寸評
山本海人  6.5 CKにクロスにハイボール処理に力強さ。フィードは強風を計算しきれず。

村越大三  6.0 放胆なタックルはCBよりSBが適正か。積極性が光るも、最後はバテる。
石垣勝矢  5.5 相手180cm築館に抵抗。綺麗なフィードがあるのに、クリアは精度に欠く。
高柳亮太  6.5 石垣・岡村らのミスを機敏にカバー。奪取できない場面の守備が実に巧妙。
篠田大輔  --- 負傷交代。自ら歩いて外に出たので、軽傷を祈る。

山本真希  5.5 全般に精度に欠く。ミスを犯した後の修正の速さに才能の片鱗は感じたが。
森安洋文  6.0 消耗戦での清水側旗頭。「潰し合い」から「潰して奪う」への進化を期待。
枝村匠馬  7.0 今日の発見は、切り返し連発で直進するドリブル。パス出しに迷う場面も。
大瀧義史  5.5 攻守に粘りが出てきたのは好材料だが、決定的な仕事をする余裕を作れず。

鈴木真司  5.0 フォアプレスは効いてたが、攻撃面は空回り。阿部との相性は改善されず。
阿部文一朗 4.5 消えた。引いた相手や奥行きのない展開と間接要因もあるが。空中戦完敗。

岡村総一郎 6.5 守備判断に誤りもあるが体の入れ方は巧い。積極性・運動量で縦をカバー。
柴田和秀  5.0 冷静な状況判断が魅力の選手だが、引いたSBを相手に消極性が目立った。
杉山雄也  --- 足を攣った村越と交代。


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03年04月26日14:11開始 草薙総合運動場球技場
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003
 ジュビロ磐田ユース−日生学園第二高校 ※45分ハーフ

▼布陣
ジュビロ磐田ユース:

−−−岡本−−中村−−沼野−−−

−藤井−−−−−−−−−−山本−

−−−−−船谷−−上田−−−−−

−−−荻原−−森下−−徳増−−−

−−−−−−−松井−−−−−−−

交代:後半18分:沼野→曽我、萩原→和田、後半30分:岡本→大杉、後半42分:藤井→峰村

日生学園第二高校:

−−−小林−−中西−−萩原−−−

−−−−−−−大室−−−−−−−

−−−−−千葉−− 朴 −−−−−

−望月−−浦田−−村松−−堀越−

−−−−−−−石上−−−−−−−

交代:前半35分:小林→山崎、朴→18、後半21分:望月→早川、後半36分:山崎→稲葉


▼試合展開

[前半]
24分:磐田、右クロスを岡村が落としたボールを、PA内で藤井が拾って突破、後ろから手で押されて倒れると、審判は迷わずPKを指示。藤井自らGKの逆を突いて決め、1−0。

28分:磐田、山本のアーリークロスをDFがかぶり、岡本と沼野が2対1という絶対的決定機。岡本が細かいフェイントでシュートチャンスを狙うが、GKも粘って打ち切れない。岡本は諦めて、左に開いた沼野にパスを送ると、沼野は2列目から飛び出した中村に右足で左クロス。ファー右ポストの目前で中村はGKと交錯しながら確実にボールを捉え、2−0。

40分:磐田、やや右寄りの位置から真っ直ぐに飛び出す中村に上田?からスルーパス、上田は受けると45度に折り返して、PA中央に戻す。これを岡本がダイレクトで、キレと重さを兼ねた素晴らしいシュートを叩き込み、3−0。

磐田ユース     日生学園第二高校
3(−)  得点  0(−)
9(5) シュート 1(0)
10(7) 右クロス 6(2)
4(1) 左クロス 3(0)
2(0) 左右CK 3(0)
 53%  支配率  47%


[後半]
28分:日生、右サイドの大室から右サイドスペースにスルーパス。萩原が流れながら受けるが、徳増(和田投入後は左CBに)も対応し体を寄せる。だが、萩原もこれに粘ると、大室が更に右外を回って突破。フリーでパスを受けて右クロスを送り、センタリングを中西がニアで合わせると、この至近距離では松井も防ぎようなく、3−1。

磐田ユース     日生学園第二高校
0(−)  得点  1(−)
10(4) シュート 4(1)
3(2) 右クロス 3(1)
8(3) 左クロス 2(0)
4(0) 左右CK 3(1)
 60%  支配率  40%



▼試合結果
ジュビロ磐田ユース 3−1 日生学園第二高校
 得点:前半24分:磐田・藤井 貴(PK)
    前半28分:磐田・中村 豪(沼野成吉・左クロス)
    前半40分:磐田・岡本達也(中村 豪・右クロス)
    後半28分:四中・中西 裕(大室 健・右クロス)
 警告:前半36分:日生・中西 裕(ラフプレー)
    後半29分:磐田・上田康太(異議)
    後半43分:日生・稲葉圭亮(ラフプレー)



2003年04月13日(日) 中日本スーパーリーグ U-18 藤枝東高校戦

03年04月13日13:03開始 清水市営総合運動場
 第6回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-18)
 対 藤枝東高校 ※40分ハーフ

▼布陣
−−−−−八木−−阿部−−−−−

−岡村−−−−−−−−−獅子内−

−−−−−大瀧−−高柳−−−−−

−田淵−−村越−−石垣−−小林−

−−−−−−−前田−−−−−−−

控え:海人、雄也、森安、枝村、風間、望月、柴田、谷野
交代:後半00分:小林→望月(村越を右SB、田淵をCB、岡村を左SB、獅子内を左MF、
              望月を右MFに)
   後半14分:大瀧→森安(そのままボランチに)
   後半14分:高柳→枝村(そのままボランチに)
   後半27分:田淵→雄也(村越をCB、雄也を右SBに)
   後半38分:八木→柴田(そのままFWに)

藤枝東高校:

−−−−佐々木−−河原−−−−−

−新山−−−−−−−−−増田哲−

−−−−−井上−−増田洋−−−−

−金谷−−中山−−川村−−西原−

−−−−−−−戸本−−−−−−−

交代:後半00分:戸本→碓井、西原→西形、金谷→仁科、増田哲→佐久間、新山→西郷
        河原→植松、佐々木→稲名(後半の布陣は下記の通り)

−−−−−稲名−−植松−−−−−

−西郷−−−−−−−−−佐久間−

−−−−−井上−−増田洋−−−−

−仁科−−中山−−川村−−西形−

−−−−−−−碓井−−−−−−−


▼試合展開

都知事選の投票を済ませて静岡へ。朝7時から夜8時までとは、選管も大変だ。サッカー関係者諸氏は、きちんと済ませただろうか?
引換券を忘れたが、面倒くさいので定額でオフィシャルイヤーブックを購入。1000円もしたのね。5分遅れるバス(5分早いとも言えるが)に混乱させられながら、12時5分前に会場へ。すると、あれ、小学生の女の子? 清水の小学生の陸上競技会があったようだ。このままだとロリコンだと思われかねないので(いや、高校生選手を追い掛ける日々も似たようなものだが)、競技場運営部?にて確認。どうやら、清水公式HPの情報が正しく、試合開始は13時からに変更になったようだ。仕方なしにイヤーブックを読みながら、暫し待つ。

この日は、やや雲が多いが、穏やかな好天。前半は、ベンチを外れた真司・高野が、同じくベンチ外の赤星と半ば寝っ転がりながら、のんびりスタンドで観戦する姿も見られた。観客は80名ほど。その50名強は藤枝東応援団(両親ズ)。ううむ、静岡の伝統校、恐るべし。
共に前日の東海プリンスで敗北しており、清水は先週の中日本・名古屋戦と同様に準レギュラー陣に一部レギュラー選手の交じる陣容。ただ、今回はポジション的な実験は少ない。藤枝東も恐らく前日に戦ったレギュラー陣は、この後の大垣工戦に回され、新1年生も含めたフレッシュな選手で臨んだ。

[前半]
試合は序盤、藤枝東が物凄いプレスを仕掛けて体の重い大瀧・高柳のドイスボランチを制圧、開始3分には早くも清水の右サイドを破って、クロスからシュートに行くが、村越がブロック。清水に効果的な攻撃を全く許さないまま11分、中盤からのパスを井上が左(清水の右)に流れながら受けると、その前を斜めに佐々木が走り込む。1対2の状況から佐々木にパスが出るが、小林が遅れながらも応対、タッチライン際で追い付いて、スライディングでクロスのカットを図る。しかし、佐々木は冷静に切り返すと、起き上がれない小林を尻目にフリーで左クロス。これを新山がニアサイドで豪快に合わせ、藤枝東が先制する。0−1。

これで清水も少しは目が覚めたか12分、中盤の底で受けた大瀧が、右サイドスペースに30M級スルーパス。獅子内が抜け出し、サイドを十分に抉って右クロスを送ると、ファーに岡村が走り込んでボレーを放つが、マークするDFがブロックして、ゴールに飛ばせない。
13分にも、田淵が攻め上がって、岡村と縦のポジションチェンジ。前を塞がれて2人に囲まれるが、そこから粘り、一度引いた岡村がフォローに走ってスイッチ。前に抜け出した岡村の上げた左クロスに、獅子内がファーで突っ込むが、僅かに届かない。
逆に15分、左サイドに流れた佐々木を、小林が対処。前に仕掛ける佐々木に激しくショルダータックルをぶちかますが、佐々木はビクともせずに小林が置き去りにされる。そのままタッチライン際まで抉って速く低い左クロスを入れると、ニアで河原。だが、正確なポジショニングを取っていた前田が、合わせただけのシュートを正面でキャッチした。清水は、この直後に大瀧がラフチャージで警告を受けるなど、苛立ちが募る展開。

20分、前田の50M級ゴールキックに、相手最終ラインに競り勝って阿部が、バックヘッドで斜め横に流す。これで岡村が抜け出し、十分に抉って左クロスを入れるが、ゴール前に追い掛けた阿部が後一歩、間に合わず。中盤を連携して創れない清水は、時折大瀧の華麗なボール捌きは見られるものの、やはり単発である。
だが26分、阿部の空中での競り合いで、右60度20MでFKを得る。大瀧が直接狙うが、これはニア右に外れる(清水、初シュート)。藤枝東のゴールキックになるが、これを石垣が跳ね返すと、CBとSBのギャップを突いて、阿部が相手左SBの裏に抜け出す。GK飛び出すが、これは目測誤り。PAの外で阿部がワントラップから鮮やかな25Mループシュート。流麗な放物線を描いて、ファーサイドに吸い込まれた。時間は27分、1−1。阿部が「一人で何とかしてしまう」ストライカーたる所以を発揮した。

しかし、この後も藤枝東のペースは変わらない。高柳が前日の疲れからか、空中戦でも地上戦でも何かと脆く、力の抜けた感じのプレーが多かった。大瀧も元来、守備面を期待できる選手ではない。良い時の清水は2列目で相手の勢いを十分に殺すことで、高い最終ラインが相手が体勢を崩すのを見計らって苦し紛れのパスをかっさらうのだが、この日は中盤で相手がほぼ素通り。最終ラインは位置取りに苦しみ、不用心な飛び込んで裏を抜かれる場面が多かった。
藤枝東の攻勢は続き、31分、速攻の形で増田哲がボールを持つと、田淵がラインブレイクしてチェック、しかし村越はラインを下げようとしており、この隙を突いて裏を狙う河原にパスが出る。だが、前田が飛び出してPA内の絶妙な位置でシュートコースを完全に塞ぎ、慌てて大きくなったトラップを余裕でキャッチする。
一方の清水は32分、左サイドに流れた大瀧は粘るが、最後はDFがクリア。しかし、田淵がこれを拾って、左サイドからアーリークロス。ファーから飛び出した獅子内がスライディングボレーで突っ込むが、ボールは無情にもゴールニア角に弾かれる。

このあたりから藤枝東の運動量がガクンと落ち、清水がボールを持てる時間が長くなる。34分、小林のロングフィードを阿部がPA手前、高い打点で頭でトラップ、ここから腿のリフティングを3回入れて背負うマークを惑わすや、振り向き様に20Mボレー。ブンらしからぬシュートは、しかしGK正面。阿部は続く35分にも、30M反転ミドルを放つ。
だが、清水の中盤も疲労感は拭いきれず、双方不正確なプレーが続く。藤枝東、某選手のパンツのゴムが切れるアクシデントもあったが、試合の方も締まらない展開のままハーフタイムへ。

藤枝東       清水エスパルス
6(3) シュート 5(3) ×大瀧、◎阿部、×獅子、○阿部、×阿部
1(0) 右クロス 1(1) ○獅子
5(3) 左クロス 4(1) ×岡村、×岡村、×岡村、○田淵
2(0) 左右CK 0(0)
10(−) ファール 2(0)
2(−)  犯OS  0(−)


[後半]
後半開始に伴い、直後にも試合のある藤枝東は、新1年生4人を含む一気に7人を交代。背番号が変わらないまま選手だけが代わったポジションもあり、某氏の情報提供がなければ全く分からなかったところだ(有り難うございます)。清水は望月の交代だけだが、獅子内の左、岡村・村越のSBなど、やや実験的な要素も含むポジションの大転換が為された。

試合はやはり、疲労感から解放されフレッシュになった藤枝東が押し気味に進める。3分、藤枝東の中盤(増田洋?)からのパスで佐久間が抜け出す。だが、これも勇敢に前田が飛び出し、距離は詰め切れなかったがシュートは脚でディフレクト。サイドに受け流したボールを岡村がフォローする。この後も藤枝東は、獅子内と岡村の微妙な距離感の齟齬を突く形で、佐久間を軸に攻め立てる。
しかし清水は11分、田淵からのクサビを阿部が右に流し、回り込んだ高柳が粘って右CK。これはDFが競り勝って、逆の左からのCK。ニアへの速いボールに双方競り合ってこぼれると、PA外から獅子内のミドルは大きく外れる。
この後、14分に清水は大瀧・高柳に代えて、枝村・森安を投入。交代の時間的にも、前日の試合に出た(であろう)この2組は、交互に使い回す予定だったのかもしれない。こちらも普段よりも動きは重く、即効性のある変化はなかったが、要所で格の違いを見せつけて、徐々に清水ペースに変わっていく。

21分、村越のロングフィードを八木がバックヘッドで流して、獅子内が抜け出すがシュートはファーに外れる。獅子内は続く22分にも、川村のボランチへの縦パスを、後ろから相手を追い越してカット。速度を落とさずにPAに侵入し、ファーを狙った巧いシュートを放つが、これはGKがクリア。さらに獅子内がボールをゴールに背を向けて追い掛け、全力で駆け上がった岡村に捌くと、左クロス。しかし、味方に合わずにGKキャッチ。
攻め手のない藤枝東だが、23分。清水左側奥まった位置から、西形のロングスロー。これが、なんとPA内ファーサイドまで届き、完全に虚を突かれた清水DF、フリーで植松のボレーを許す。しかし、これはただ一人一体、動揺しなかったゴールバーが跳ね返した。ロングスローは、3年前のクラブ選手権を思い出されて、精神的に宜しくない。
しかし清水も攻撃の手は緩めず、24分、村越がアンティシペーションからカット、すぐに枝村に預けると、枝村は八木にクサビの縦パス。八木も簡単にサイドに叩くと、右に流れて阿部が受けて斜めにスルーパス。ここに枝村が飛び出すが、ワンタッチ目が大きくなってGKキャッチ。

だが、清水も田淵が足を攣って交代するなど、疲労から正確性を欠き始め、またフォローする第三の動きが少ないことから、連続性のある攻撃ができず、むしろセットプレーを狙っていく。29分、右サイドから前田を経由して岡村が受けると、獅子内とのワンツーから左CK。これはGKがディフレクトし、右CK。今度は中央のDFが跳ね返すと、望月が拾って右サイドを突破、クロスが引っ掛かって再び右CK。今度はファーに流れる。
32分、最終ラインからのパスを受けに戻った森安、背後に稲名のプレスを受け、横パスで逃げようとする。これを、植松がDFの背後から飛び出し、カットするや独走。一人低い位置で残っていた村越が応対、進路を塞いで速度を落とさせると、放ったシュートは威力無く、前田がキャッチして事なきを得る。
この後、さらに左右1回ずつCKを得るが、シュートに繋がらない。

36分、汚名返上を期す森安が、中盤の底からの低く正確なロングフィード。これを阿部が頭で後ろに逸らすと、そこに枝村が走り込む。正確なトラップで速度を落とさずに最終ラインを抜け出し、GKと1対1になるや、細かい切り返しでGKの体勢を崩すと、最後は…! パス…? そこには誰もおらず。真司並みのファンタジーで、決定機をふいにする。
37分には八木も足を攣って自ら交代を申し出て、試合は倦怠感とドローの予感が漂い始める。だが39分、相手クリアを奪い返すと、中盤の森安へ。疲弊しきっていた藤枝東、ボランチが最終ラインに吸収されたまま上がれない。ポカリと空いたPA手前のスペースに森安はスルスルと上がり、フリーのまま狙い澄ました25Mミドルシュート。低く速い弾道の標的はGKの膝の下、碓井は反応するが体勢上、どうしてもキャッチできない。ここに柴田が詰めると、碓井と交錯しながらシュート、ぶつかりあって弱々しく転がるボールを、再度柴田が押し込んで、土壇場で逆転に成功した。2−1。
残りは僅かに残った時間も押し気味に進めて、試合はホイッスルを迎えた。

藤枝東       清水エスパルス
3(2) シュート 5(3) ×獅子、×獅子、○獅子、○森安、◎柴田
2(0) 右クロス 3(0) ×村越、×八木、×望月
0(0) 左クロス 5(1) ×岡村、×岡村、×枝村、×獅子、○獅子
2(0) 左右CK 9(1) ×大瀧、×大瀧、×大瀧、×枝村、×枝村、×枝村、×枝村
               ○枝村、×枝村
2(−) ファール 4(0)
3(−)  犯OS  1(−)



▼試合結果
清水エスパルスユース 2−1 藤枝東高校
 得点:前半11分:藤枝・新山達也 (佐々木太朗・左クロス)
    前半27分:清水・阿部文一朗(石垣勝矢 ・前方ロングパス)
    後半39分:清水・柴田和也 (なし)
 警告:前半18分:清水・大瀧義史 (ラフプレー)
    後半14分:清水・高柳亮太 (ラフプレー)



▼選手寸評
前田陽平  7.0 プチ海人化。積極的な飛び出しと正確なキックでリベロ役を十分に果たす。

小林拓矢  5.0 対人動作の選択が軽率で、持ち味の激しさも空回り。ラインを乱す要因に。
石垣勝矢  5.5 フィードは正確で、制空権も握りながら、何故かクリアだけは精度が悪い。
村越大三  6.0 前半は積極性が徒になったが、後半、特に右SBで鋭い出足となって貢献。
田淵将天  5.5 素早い寄りを見せるのだが、人に釣られ過ぎの傾向も。細かいミスもあり。

獅子内善雄 6.0 守備の位置取りが悪く、後方に負担を強いた一方、前線へ飛び出しは鋭い。
高柳亮太  4.5 とにかく動きが重い。期待されたフィルター役に失敗、中盤を譲り渡した。
大瀧義史  6.5 運動量が少なく守備は望めなかったが、ボールを持った視野・技術は圧巻。
岡村総一郎 6.0 ドリブルは封じられながら、危険なスペースを攻守で積極的にカバーした。

八木和秀  5.0 阿部との役割分担が不明瞭で、色々と動きながらボールが回らずに消えた。
阿部文一朗 6.5 空中戦に完勝、先制点も鮮烈。裏に抜ける怖さが見たいが、動きは重いか。

望月祐甫  5.5 正確なキックと判断は垣間見せたが、サイド選手としては強引さも欲しい。
枝村匠馬  6.5 覚醒には劣るが、攻守を地味に引き締め、多方面飛び出しでリズムを創る。
森安洋文  6.5 致命的なミスの後の汚名返上は見事。体は重かったが、競り合いには強い。
杉山雄也  --- 目立つ活躍はなかったが、試合の流れにも乗って右サイドを完封。
柴田和也  --- 短い時間だったが、抜け目無く結果を残した。



2003年04月06日(日) 中日本スーパーリーグ U-18 名古屋グランパスエイト戦

03年04月06日12:50開始 小笠山総合運動公園 補助競技場
 第6回中日本ユースサッカースーパーリーグ
 対 名古屋グランパスエイトユース ※40分ハーフ

▼布陣
−−−−獅子内−−望月−−−−−

−風間−−−−−−−−−−小林−

−−−−−村越−−谷野−−−−−

−岡村−−高野−−田淵−−雄也−

−−−−−−−前田−−−−−−−

交代:前半33分:風間→篠田(岡村を左MF、篠田を左SBに)
   後半11分:田淵→森安(村越をCB、森安をボランチに)

名古屋グランパスエイトユース:

−−−根津−−上村−−BB−−− BB:ブライアン・ブラーツ

−−−−−−−26−−−−−−−

−小出−−−−稲垣−−−−山田−

−−−市川−−JB−−澤田−−− JB:ジョシュア・ブラーツ

−−−−−−−水崎−−−−−−−

交代:後半11分:26→杉原、根津→清水
 
※基本的に3−4−3。


▼試合展開
愛野駅にコインロッカーがないのは、犯罪的じゃないのか? W杯の時に苦情は絶対あったと思うのだが。帰宅時の混乱を避けるためだろうか。だが、大きな荷物をスタジアムに持ち込まれる方が、余程危なそう。混み合うと徒歩15分強の距離が30分以上掛かるというし、重い荷物は相当ストレスを溜めると思われる。
さて、エコパである。自動運転のスロープカーまであるW杯開催地。この日は何故か延々とアンセムが流れていて、試合が行われるのは補助競技場の方である。だが…、補助競技場にまでトラックがあるのね(涙)。筆者の観戦した中でも、五指に入る見づらさである。こりゃ完全に陸上競技場だ。世界陸上でも招致してくれ。

芝は良好。天気は、昨日と打って変わって快晴、だが風は強い。清水は前半が逆風、後半が順風となった。互いに前日にプリンス開幕戦を迎えた上に、次週にはプリンスでぶつかる相手。当然手の内を見せるはずもなく、名古屋は1年生中心。清水も昨日出番を得なかった選手を中心に、ポジションも大きく変わった。2試合共に出場しなかったのは、石垣・阿部・杉崎・上埜の4人。但し、石垣と阿部は、プリンスでベンチ登録されている。

[前半]
っていうか、着いたら始まってるし。どうやら予定時刻より10分ほど早く始まった模様。やめてくれよ〜、そういうのは。そのため、最初の5分間ほどのスタッツが取れてません。ご了承を。

試合開始から主導権を握ったのは清水。ボランチに入った村越の動きが素晴らしく、豊富な運動量で各所に現れながら、各所で常に相手の先を取る。しかし、互いに組織・個人双方で精度に欠いたプレーが多く、なかなか得点に繋がるプレーが生まれない。特に清水は、左MFにコンバートされた風間で展開速度が落ちる向きがあり、それをフォローする左SBの岡村は莫大な運動量を要求された。
そして27分、その左サイドで風間・岡村・村越の人数を掛けた攻撃のクリアボールから、名古屋が速攻の形で3対3。中盤中央から清水側左サイドに展開、30M程度の浮き球のパスに対し、高野が上手く落下地点に入ったと思われたが、後から入ったブライアンに競り負ける。ブライアンは縦に抜けたボールを、余裕あるトラップからクロス。フリーで受けた根津がワントラップシュートを放つと、しかし前田が反応。勢いを殺せずにボールはゴールに吸い込まれていくが、前田より先に上村が詰めて、名古屋が先制する。0−1。

この失点の前後から村越の運動量が激減しており、失点の気落ちもあって名古屋に中盤の支配権を譲り渡す。築館監督も早くも風間を諦め、昨日フル出場を果たした篠田をピッチに。しかし篠田は体が重くてスピード勝負に難を抱えており、それまで岡村に牽制されていた名古屋・山田に自由を与えることになる。
31分、清水左サイドで篠田が山田と1対1。静から動への急激な変化で篠田は体を交わされ、縦に抜けられてクロス。ニアのブライアンがトラップ、高野が追いすがる前にフリーでシュート。痛烈にニアサイドを割り、0−2。
対する清水の反撃は39分、谷野の右クロスはDFに跳ね返されるが、小林が拾って突破。思い切って縦に駆けると、タッチラインギリギリから強引に折り返す。これをファーサイドで待つ村越が、難しい体勢ながらアクロバティックなボレーで合わせる。しかし、ボールはコントロールできず、大きく上空に舞った。これが最大の好機で、ゴール前で仕事ができないまま、2点の先行を許して前半を終えた。

名古屋       清水エスパルス
7(6) シュート 2(1) ○村越、×村越
6(3) 右クロス 8(1) ×雄也、×小林、×小林、×岡村、×小林、×谷野、○小林
               ×小林
3(1) 左クロス 2(1) ×岡村、○岡村
0(0) 左右CK 2(0) ×岡村、×風間


[後半]
後半開始後も、流れは変わらず。中盤の支配権を譲り渡したまま、名古屋は3トップのため前線にウィングプレーヤーが残るのだが、これをSBが止められない。簡単にクロスを入れられすぎるが、中央CBが粘り強く跳ね返す。
すると10分、素早くサイドに捌かれたボールを、谷野が簡単に前方へパス。そこにPA内から望月が流れてくるが、追い掛けるようにGKも思い切って飛び出す。それを見た望月、受けるやターン、そしてPA左角から、ループシュートは20Mの流麗な曲線を描いて、ネットへと引き込まれていった。1−2。相手のミスに付け込み、反撃開始である。

これを受けて、築館監督は森安を投入。消耗した村越を最終ラインに戻し、森安を中盤に。篠田と同様に前日90分間出場を果たした森安、運動量こそ少なかったが、局地戦の強さで中盤の支配回復に貢献。漸くボールを動かせるようになる。
19分、谷野が中盤のプレスに対して粘り、ターンから雄也に戻す。雄也は縦に開くと思わせて切り返し、中央に侵入すると距離30M程から思い切ったシュート。強烈なボールは、だがバーを叩く。
一方の名古屋の攻撃は20分、小出がスピード豊かに清水右サイドを突破。雄也も付いていくが、距離を詰め切る前に折り返される。ブライアンがニアで雄也と村越の間に入り、ターンから縦に加速して村越を置き去りにし、シュート。しかし角度無く、前田が正面でガッチリとキャッチ。
サイドの守備は劣勢が続き、21分にも名古屋の右クロス。しかし、PA中央手前での空中戦に森安が競り勝つ。クリアボールを小林が受けると、一気に40Mロングフィード。これを受けて獅子内、単独突破を図るとマークと激しく競り合いながらPA内へ。マークを振り切れず、最後は交錯して互いにPA内に倒れ込む。これに審判の笛はなし。諦めない獅子内が必死にボールを転がすと、それを受けた望月がPA内、切り返しから落ち着いてガラ空きのサイドに流し込む。2−2。監督の指示通り、実に泥臭く粘った獅子内のプレーだった。

2点差を追い付かれた名古屋だが、24分、速攻の形。選手交代を機に左にポジションチェンジしたブライアンの突破。雄也がフェイントに惑わされて中に切れ込まれると、ラストパスを送られた上村が、中央から思い切りよくシュート。前田はノーチャンス。2−3。
しかし、清水も譲らない。その失点後の再開キックオフ。センターサークルから中盤に戻し、森安が大きくチェンジサイドクロス。それだけで岡村がオープンスペースに抜け出し、速く強く小さく沈む完璧なクロスを、獅子内が脚から飛び込んで、目一杯伸ばした足先で押し込む。3−3。本当にあっという間に追い付いた。

これで当然、勢いは清水。最終ラインを高く押し上げて、攻勢を掛ける。前線に3人残す名古屋に幾度か逆襲を受けるが、前田・篠田のファインプレーも飛び出し、これに耐える。27分の雄也の右クロスは逆サイドに流れるが、岡村がフォロー。反転して一度戻すと、そこに篠田が勢いよく攻め上がり。加速したままPA内まで突入するが、そこでDFのタックルが入る。こぼれ球は右サイドに跳ね上がり、待ち受ける小林がトラップから、コースをよく見てループで狙う。が、ボールは十分に落ちなかった。
35分、小林の右クロスはニアでDFに跳ね返されるが、森安がPA手前でクリアをカット。その勢いのままPA内に突入したところで、足を引っ掛けられて倒れるが、判定はノーファウル。
しかし38分、またもブライアン、清水右サイド。対峙する雄也のタックルをビクともせず、逆に引っ掛けた足ごと雄也の巨体を倒して突破すると、PA内で抉ってマイナスのセンタリング。2人がかぶっていたが、杉原がトラップで前に落として助走からの近距離シュート。前田の牙城、崩れる。3−4。

終了2分前に再度突き放され、DF陣がさすがに落胆を隠せず、膝に手を当てて暫く立ち上がれない選手も多かった。しかし、清水は最後の力を振り絞る。ロスタイム、小林がスローインで戻すと雄也に対するチェックが甘く、スルスルと中に切れ込む。ゴールまでの距離30M程からアーリークロス。綺麗に巻いたボールに、思い切りよく飛び込んだ岡村が中央至近距離、相手の前に競り勝ってヘッド。完璧に決まった形だったが、GK横っ飛びで片手一本、ディフレクト。DFのクリアボールを、さらに雄也がミドルを放ったが、これはニアを僅かに外れる。
まるでトップの澤登のヘッドのような展開。同じように互いに組織が未熟で、個人技主体の勝負であったが、やはり時間は足りずにホイッスル。敗北を喫した。

名古屋       清水エスパルス
6(6) シュート 11(6) ◎望月、×森安、◎望月、×雄也、◎獅子、×小林、○森安
               ×森安、○望月、○岡村、×雄也
10(0) 右クロス 4(1) ×雄也、×雄也、×小林、○雄也
3(2) 左クロス 4(2) ◎岡村、×岡村、○岡村、×篠田
0(0) 左右CK 2(0) ×岡村、×岡村



▼試合結果
清水エスパルスユース 3−4 名古屋グランパスエイトユース
 得点:前半32分:名古屋・上村晋平 (なし)
    前半36分:名古屋・ブライアン(山田元気 ・右クロス)
    後半10分:清水 ・望月祐甫 (谷野紘由 ・スルーパス)
    後半21分:清水 ・望月祐甫 (獅子内善雄・ポストプレー)
    後半24分:名古屋・上村晋平 (ブライアン・左クロス)
    後半24分:清水・ 獅子内善雄(岡村総一郎・左クロス)
    後半38分:名古屋・杉原 翔 (ブライアン・左クロス)



▼選手寸評
前田陽平  6.5 横っ飛びに飛び出し、実に軽やか。強風に煽られないキックが観衆に人気。

杉山雄也  5.5 疲労のせいか競り合いが不安定。一方で華麗な足技を突破とパスで魅せた。
田淵将天  5.0 周囲の状況変化に対し後手を取ることが多く、流れから置き去りにされた。
高野美臣  5.5 読み切ったリスクチャレンジはさすが。局地戦では、さすがに脆さが出た。
岡村総一郎 7.0 前日45分出てたと信じられない運動量。守備でも強引に体を入れて力強い。

小林拓矢  6.5 攻守に役割は十分に務めていたが、この面子なら決定的な仕事を求めたい。
谷野紘由  6.0 ボールのある場面では粘り強く、視野も広い。しかし有機的な動きに不足。
村越大三  5.5 30分迄は激しさを伴った運動量で中盤を制圧。その後の失速も激しかった。
風間翔太  4.5 ゴールに向かう思い切りが不足。ダイレクトでクロスなどの挑戦が欲しい。

望月祐甫  6.5 試合から消え、得点以外のFWの仕事を果たせず。だが得点は素晴らしい。
獅子内善雄 6.5 望月を前線に残し、得点以外のFWの仕事を泥臭く担当。質より量で勝負。

篠田大輔  5.0 時折光るプレーもあるが、どうにも不安定。対面の相手にゆとりを与える。
森安洋文  6.5 体は重く、フィルター役になれず。が正確なキックと局地戦の強さで貢献。


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清水エスパルス−セレッソ大阪(Jリーグ・第1ステージ 第2節)

[前半]
C大阪       清水
3(−)  得点  1(−)
8(5) シュート 6(4) ×エメ、○アン、○アン、○鶴見、◎ツト、×アン
2(1) 右クロス 1(0) ×森岡
4(1) 左クロス 2(1) ○アレ、×アレ
1(0) 左右CK 7(1) ×アレ、○アレ、×アレ、×アレ、△アレ、×アレ、×アレ
11(−) ファウル 8(−)
2(−)  犯OS  0(−)
 46%  支配率  54%


[後半]
C大阪       清水
2(−)  得点  3(−)
5(3) シュート 9(5) ◎北嶋、○和道、◎森岡、◎アレ、×アン、○ツト、○澤登
               ×伊東、×鶴見
2(1) 右クロス 4(3) ◎伊東、○伊東、×ツト、○森岡
3(0) 左クロス 5(3) ×ツト、○アレ、○村松、×村松、○アレ
1(1) 左右CK 2(1) ○アレ、×アレ
9(−) ファウル 10(−)
2(−)  犯OS  1(−)
 48%  支配率  52%


4月5日分に書こうとしたら、文字数オーバーでエラーになってしまったので、こちらで。
あくまでスタッツ的には清水の優勢である。8本の枠内シュートで5点奪われるGKもどうかと思うが、守備の問題はもっと組織的なもの。最終ラインは待ち構えるだけで、ラインブレイクをしない。ラインブレイク(主に攻撃参加から遅れたことが原因)した際は、空いたスペースを埋める動きがない。定石的にはSBが中に絞れば、サイドMFが下がることになる。だが、原因を一つに絞るとしたら、前線と最終ラインの距離が開きすぎの上に、それぞれの端に人数が偏って中盤に人がいないことだろう。コレクティブなサッカーでないと、J1の戦いは厳しい。



2003年04月05日(土) 東海プリンスリーグ 日生学園第二高校戦

03年04月05日14:15開始 磐田スポーツ交流の里ゆめりあ
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003
 対 日生学園第二高校 ※45分ハーフ

▼布陣
−−−−−八木−−柴田−−−−−

−真司−−−−−−−−−−真希−

−−−−−大瀧−−枝村−−−−−

−篠田−−高柳−−森安−−雄也−

−−−−−−−海人−−−−−−−

 ※:前半17分:柴田−真希(ポジションチェンジ)
交代:後半00分:真司→岡村(そのまま左MFへ)
   後半10分:雄也→高野(そのまま右SBへ)
   後半21分:真希→谷野(そのままFWへ)

日生学園第二高校:

−−−−−−−石倉−−−−−−−

−−−萩原−−大室−−野牧−−−

−松田−−− 池ヶ谷 −−− 朴 −

−−−千葉−−村松−−浦田−−−

−−−−−−−石上−−−−−−−

交代:後半00分:松田→早川、野牧→中山、後半19分:池ヶ谷→稲葉
 
※登録上は、MF登録は池ヶ谷・大室のみで5−2−3。


▼試合展開
実家の方の都合もあり、今回は一泊二日でユース観戦の度に。今回も私のシーズンチケットはパー。ユースに力を入れるのなら、トップの公式戦に重ならないようにして、サポが行きやすくするべきだと思うがねえ。
事情で背広姿であり、メモをとることもあって、磐田駅でビニール合羽を購入。バスの都合が悪く、タクシーで会場へ。ううむ、互いにW杯日本代表合宿会場に立候補しただけあって、J-STEPに似た会場だ。交通の便(駅からの)が悪いところまで似ているぞ(苦笑)。

地元のジュビロユースと高校選手権の常連校・四中工との対戦には、四中工サッカー部の応援団も陣取り、200人近くの観衆がいただろうか。しかし、エスパの試合では、50人ほどに。もっとも裏でトップのホーム開幕戦があるのだ、仕方あるまいて。TVカメラを含めた報道陣も5名ほどおり、注目度の高さを伺わせる。
雨はジュビロの試合中に殆ど止んだが、代わりに冷たい風が強く吹き、観戦するには辛い状況。エスパの試合の後半には、再び雨も降り出してしまう。芝はセンターサークル付近に枯死が目立つが、試合上は問題無さそうであった。むしろ雨で滑りやすくなっており、選手はそちらに苦労していた。
三重といえば四中工が有名だが、日生第二は昨年度の高校選手権出場校で、右サイドMFの尾崎はアルビレックス新潟に入団した。ダウンタウン浜田雅功の卒業校としても知られる。サッカー部強化3年目と短期間で選手権初出場を掴んだだけに、昨年のメンバーも多く残っており、3バックと大室はレギュラークラスであった。ユニはオレンジで、隠れたオレンジダービー(笑)。
一方の清水は、怪我を負っていた枝村・真希も復帰。しかし、FWは阿部ではなく、最近の試合で結果を残している八木・柴田の1年生2トップでスタートした。阿部はベンチで元気に声を出してたので、怪我ではないだろう。他は、ほぼベストメンバーと言って良い。ユースでは昨年を通して、初めて丸首ユニでの登場となった。

[前半]
序盤は、やはり探り合い。清水は足技自慢の4バック+GKに頻繁に戻して、慎重にゲームを組み立てる。4分、枝村のスルーパスで八木がPA内に抜け出す。シュートコースがないのを見て右横に流すが、さらに飛び込む柴田が間に合わず。続けて5分にも、枝村のスルーパスで八木が抜け出しかけるが、これは一歩早くGKがキャッチ。ポジションチェンジは抑え気味だが、少しずつ攻め気を見せ始める。
そして7分、中盤中央の大瀧から、左のサイドスペースに対角線フィード。ここに真司が走り込み、十分に抉って低い左クロス。ニアの八木が受けると、トラップ反転、ボールをゴール中央に戻す。そこにダッシュで走り込んだ枝村が、豪快な15Mシュート、先制! 1−0。枝村がツボを得て攻め上がり、見事にフィニッシュした。

しかし、清水は慎重姿勢を崩さず、後ろの6人で回しながら、前線+サイドの4人が単独突破を仕掛ける。12分には、押し上げた相手ボランチから枝村が奪って速攻。中央を持ち上がるが、並走するサイドを囮に最短距離でFWにクサビ。PA手前で受けた柴田は、しかし最初のシュートチャンスに躊躇してDFに詰められ、ターンで打開しようとするが振り向けず、仕方なしに右に展開。真希のクロスに枝村が飛び込んだが、これはオフサイド。これを見た築館監督、柴田と真希のポジションチェンジを指示、より突破力のある真希をFWに置く。
そして、この采配がいきなり結果を残す。18分、中盤に戻ってポストに入った真希が、3バックとWBとのギャップを突いて、右サイドスペースへパス。柴田が走り込むと、十分に抉って低くて速い右クロス。中央でCBの間に入った八木が、このクロスを右足インサイドでダイレクトでファーサイドに流し込む、テクニカルなシュートを披露。観客の喝采を浴びる。2−0。
それでも清水は基本戦術は変えず、ボランチを軸に縦の速い展開が主体。23分、PA内へ縦に入れたボールを日生DFがカットするが、クリアが小さくなり、真希が反応。同じく反応した相手スライディングタックルを吹き飛ばす、迫力ある突破。先に行かれたDF、後ろ足を引っ掛ける。審判の笛、PK。主将の大瀧が確実に決め、3−0。

安全圏の3点差に入った清水は、ここで一気に戦術を解放。築館監督よりCBの森安・高柳にも、攻撃参加許可が飛ぶ。それまでも高校サッカーでは考えられない高いDFラインと、高柳・森安のアンティシペーション(マークしている相手がパスを受ける直前にボールを奪う守り・WSD)で完全なポゼッションを握っていたが、さらに大胆なポジションチェンジで相手(と筆者)を大混乱に陥れる。にも関わらず、森安が中盤に上がれば枝村が下がり、篠田が攻めれば岡村と、最終ラインは常に安定。トップの組織が未成熟で、特に守備時は殆どポジションが固定してるだけに、実に新鮮だ。
27分、中盤で枝村が厳しいマークに粘って、最後は股を抜いたパスで右に展開。雄也が受けると真希へ当て、ダイレクトでリターン。ワンツー想定コースには、柴田が第三の動きで三角形を作って待ち構えていた。柴田は軽く中に切れ込む素振りを見せ、小さなマイナスの折り返し。大瀧が、右45度からグラウンダーでニアを割る強烈なミドルを叩き込み、4−0。このあたりから余り喜ばなくなる清水イレブン。アシスト者を呼び掛ける前に、得点者の名前を連呼してくれ(苦笑)。

日生は29分、雄也が相手の背中を押したとされて、やや幸運なFK。清水PAの右角付近から味方に合わせようとしたのか、しかしボールは大きく巻くも落ちきらず、海人が余裕で見送る。一応、これが日生の初シュート。前半はこれ以外、清水陣内で滅多にプレーができなかった。
32分、中盤で倒されFK。戻る相手を尻目に、大瀧はすぐさま横の枝村へリスタート。左のオープンスペースには真司がフリー。枝村はそこに出すと見せて切り返し、まず一人を突破。続けざまに二度切り返しを入れて中央突破を図ると、PA直前でスルーパス。真希が反応し、1対1からニアに弾丸シュートを放った。5−0。
だが、真希の更なる圧巻は34分。枝村が中央左ライン際で囲まれるが、相手の股を抜いてボールを展開。受けた真司が中央の真希に。真希はボールをワンタッチコントロール、タックルには身を翻し、抜け出すや一息に加速、トップスピードへ。そのまま25M余りを一気に踏破、PA内に突入すると、GKの手前で逆サイドにパスを送るも、味方が追い付かず。そのダイナミックな姿には、観衆から「ロナウドのようだ」との賞賛も。
更に36分、真司の突破はファウル、敵陣左で相手FK(ベンチの阿部からは「真司、悪くないよ」との声(笑))。だが、このFKはミスキックとなり、余裕で真司がカットすると、PA手前を横切る速い横パスを送る。八木はスルー、ファーで枝村がミドルを放つ、が、GKパンチング。それをもPA内で反応するは真希、さっと左に開くと瞬間、左クロス。枝村はゴール直前に飛び出し、インサイドで簡単に合わせて、6−0。
その後は雄也の良い攻撃参加もあったが、ロスタイムはろくになく、前半終了。

日生第二      清水エスパルス
1(0) シュート 14(10) ×大瀧、×大瀧、◎枝村、×篠田、◎八木、○八木、◎大瀧
               ×真希、◎大瀧、◎真希、○枝村、◎枝村、○八木、○雄也
0(0) 右クロス 8(3) ×真希、×真希、◎柴田、×柴田、×大瀧、◎柴田、×雄也
               ○雄也
0(0) 左クロス 9(3) ○真司、×篠田、×枝村、×枝村、×篠田、×真司、○大瀧
               ◎真希、×枝村
0(0) 左右CK 5(2) ○大瀧、△枝村、×枝村、×大瀧、○枝村


[後半]
後半は立ち上がりから雄也が積極的にドリブルを仕掛け、右サイドに絡む。そして5分、右CKを獲得。大瀧が低く速い直球を送ると、それを誰も触れることなく、ファーの森安が単純にインサイドで合わせて、余裕のゲット。7−0。早くも追加点を挙げる。
続いて6分、真希が中盤で受けるや、左のオープンスペースに展開。岡村が走り込んで突破、しかしDFの寄りも速く、ここは無理せずに戻す。受けた大瀧が斜めに、30M近くの大きなサイドチェンジ。柴田も受けて突破を仕掛けるが、やはり無理せず戻す。これを受けた枝村が、今度は中央にスルーパス。真希が反応したが、GKが懸命に飛びついて一歩及ばず。
11分、大瀧が縦パスが相手にぶつかるが、すかさず枝村がフォロー。拾うや否や、右のオープンスペースに30M余りの対角線フィード。走る柴田にピタリと合い、中に切れ込むとGKと1対1。フェイントで駆け引きを見せるが、ここでDFが間に合ってタックル。しかし、こぼれたボールを岡村がダイレクトでシュートを放つが、大きくファーに外れた。
この時間帯、清水は3バックの弱点である左右WBの裏のスペースを執拗に突く。しかし日生は、早いタイミングで正確に30M級チェンジサイドできるボランチと、何度もフリーランを繰り返すサイドMFに慣れないのか、この分かりやすい攻撃を幾度と無く許していた。清水も詰めの甘さと押し上げの怠りから、追加点を加えられずにいたが、決定機は続いていた。

21分に真希が自らピッチの外に出る。自ら歩いて管理棟に向かったが、恐らくは負傷退場。その間も清水の攻勢は緩めず、逆に3対2のピンチを迎えたりするが、大事なし。24分、またも左サイドの岡村の突破。コーナー角で粘ってマイナスのクロスを入れると、PA内で枝村が「俺はもういいから」って感じで小さく戻す。すぐ横の八木が左45度、鋭いミドルを放つと、これが決まって8−0。
大量点に加え冷たい雨と風で、選手も観客もモチベーションを保つのが難しい様相。だが、主将の大瀧が声を張り上げ、気を引き締める。すると29分、相手ゴールキックを、柴田が競り勝って落とし、谷野が左に展開。これもオープンスペースに岡村が駆け出し、対応が遅れたDFラインを見て中に切れ込むと、左45度20M、ファーを狙ったミドルシュート。しかしGK、見事な反応でCKに逃れる。
逆に31分には、日生の右CK。これはファーに流れるが、フォローした相手が左クロス。DFがクリアするも、跳ね返した場所が悪くて中央、20M程の距離でフリーに。だが、DFの反応は鋭く、相手がトラップに手間取う間にシュートコースを塞いでしまう。都合2度、共にブロックすると、3度目も勢いを殺して海人が悠々とキャッチ。
35分、篠田が自陣左で奪うと、まずは大瀧に預ける。リターンを受けると、今度は岡村とワンツー。流れるようにライン際50Mを快走して、最後は浮き球でマイナスのセンタリング。谷野が頭で折り返すと、同じく疾走した大瀧が軽くパス、8点目のような状況で八木がミドルを放ったが、これはGKがキャッチした。

このまま終わるかと思え始めた39分、枝村の左CK。明らかに「狙った」ボールが鋭く曲がり、ゴールに襲い掛かる。これを大瀧がDFと競り合いながらヘッド、しかしファーポスト直撃。と思いきやボールはゴールに吸い込まれていき、GK反応できず。懸命にDFが食いつくが、クリアボールはゴールネット上に突き刺さった。9−0。
さらに44分、大瀧が右に捌いて柴田。だが柴田は簡単に前へとフィード。そこには既にダイナミックに走り込んだ枝村が待ち受け、狙い澄ました右クロスに、ファーで岡村が頭でゲット。10−0。伸びた身長を見せつける(笑)。
しっかりと二桁得点に乗せ、残りは完封。ロスタイム、自陣左サイドに展開されると篠田が対応。戻したボールに高柳が釣り出され、切り返しから簡単に入れたクロスが、枚数の足りないPA内に。ヘディングシュートを許すが、海人の牙城を破るには威力不十分。しっかりとキャッチし、これで勝負あり。

日生第二      清水エスパルス
4(4) シュート 15(10) ◎森安、×柴田、×大瀧、○大瀧、○大瀧、×枝村、×大瀧
               ◎八木、○八木、○岡村、○八木、○八木、◎大瀧、◎岡村
               ×岡村
4(1) 右クロス 10(4) ×雄也、×柴田、○高野、○真希、×柴田、○高野、×柴田
               ×柴田、◎枝村、×高野
2(0) 左クロス 6(4) ○岡村、×岡村、○岡村、×岡村、○篠田、○岡村
1(0) 左右CK 3(2) ◎大瀧、×大瀧、◎枝村


快勝で気を良くして帰ろうとしたら、ビニール傘がパクられていたり。


▼試合結果
清水エスパルスユース 10−0 日生学園第二高校
 得点:前半07分:清水・枝村匠馬 (八木和秀・ポストプレー)
    前半18分:清水・八木和秀 (柴田和也・右クロス)
    前半23分:清水・大瀧義史 (PK)
    前半27分:清水・大瀧義史 (柴田和也・右クロス)
    前半32分:清水・山本真希 (枝村匠馬・スルーパス)
    前半36分:清水・枝村匠馬 (山本真希・左クロス)
    後半05分:清水・森安洋文 (大瀧義史・右コーナーキック)
    後半24分:清水・八木和秀 (枝村匠馬・ショートパス)
    後半39分:清水・大瀧義史 (枝村匠馬・左コーナーキック)
    後半44分:清水・岡村総一郎(枝村匠馬・右クロス)
 警告:後半00分:日生・荻原裕馬 (ラフプレー)



▼選手寸評
山本海人  6.5 迷わずGKにバックパスできるのは戦術的に非常に大きいのだよ、羽田君。

杉山雄也  6.5 まだ駆け引きが下手だが、守備はほぼ封殺。攻撃時は華麗な足技も見せた。
森安洋文  7.0 ラインブレイクから奪取、そのまま持ち上がって攻撃に加わったのが森安。
高柳亮太  7.5 奪取から40M級フィードでビルドアップは高柳。ブレイクの見極めが完璧。
篠田大輔  6.0 安易に突破を許すのが気になるが、ミドル・タックル・攻め上がりは派手。

山本真希  7.0 あの圧倒的反応速度が戻ってきた。突破だけでなく、視野の広さは創造的。
枝村匠馬  8.0 覚醒中。6点に絡む。クリア不可の高さで浮き球スルーパスが新しい発見。
大瀧義史  7.5 闘将。やや精度を欠いたが、積極的なプレーと声で、チームを引き締めた。
鈴木真司  5.5 不完全燃焼。単純に点が奪えるので「変化」が信条の良さが出なかったか。

柴田和秀  6.0 利他的な判断に良さがある一方で、突破を求められる状況では応えられず。
八木和秀  7.0 シュート7本 枠内率100%。利他的な判断も光る。体ができたら化けるか。

岡村総一郎 6.5 単独突破より、スペースに動き出す速さとファーに詰める運動量が目立つ。
高野美臣  6.5 非常に積極的で、柴田に溜めから何度も攻め上がる。守備時の読みも安定。
谷野紘由  6.0 真希の未完成版との感じか。身体的強さと同時に、視野と状況判断も良い。


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03年04月05日12:00開始 磐田スポーツ交流の里ゆめりあ
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2003
 ジュビロ磐田ユース−四日市中央工業高校 ※45分ハーフ

▼布陣
ジュビロ磐田ユース:

−−−−−岡村−−藤井−−−−−

−−−−−−−中村−−−−−−−

−沼野−−上田−−徳増−−山本−

−−−荻原−−森下−−岩本−−−

−−−−−−−松井−−−−−−−

交代:後半37分:沼野→曽我

四日市中央工業高校:

−−−−−南川−−築館−−−−−

−−−樋口−−中林−−河尻−−−

−−−−−−−島寄−−−−−−−

−中川−−金守−−藤澤−−田中−

−−−−−−−田中−−−−−−−

交代:後半16分:川尻→麻生、後半25分:南川→山畑
 
※監督の指示を聞く限り、トレスボランチ+1トップ下らしいが。

▼試合展開
[前半]
21分:磐田、センターライン近く左寄りの位置からのFK。蹴るのは上田。狙ったのは敵味方が集結するPAの手前。藤井がバウンドしたボールをトラップ。当然マークも付いていき、背負った状態だったが、急速反転から即座のシュート。これがニアサイドギリギリに決まり、磐田が先制する。1−0。

43分:磐田が中盤底からロングフィード。DFラインの裏に出るが、先に反応したのは四中工DFライン。GKにバックパスするが、バウンドが大きくなって、目測を誤ったGKは触れることができずに逡巡。そこに山本が走り込み、ゴールに吸い込まれようとのボールを、さらにスライディングで押し込んだ。2−0。

磐田ユース     四日市中央工業高校
2(−)  得点  0(−)
5(2) シュート 0(0)
6(2) 右クロス 3(1)
5(0) 左クロス 3(1)
4(3) 左右CK 1(1)
 44%  支配率  56%


[後半]
01分:四中工、30M強の距離から放ったオープニングシュートがDFを掠り、右CK。そのボールを競り勝ったのは磐田だが、PA手前で拾ったのは四中工。ゴール前に送り込むと、混戦から築館がスライディングで押し込む。松井は反応したが、勢いは止まらずにゴールへと吸い込まれた。2−1。

28分:四中工、速攻からPA内に突破を仕掛けるが、磐田は森下と岩本の二人で対応。巧みに森下の前に体を入れたところで倒れると、森下が押し倒したとしてPK。やや厳しい判定だったが、金森が冷静にPKを沈め、2−2。

磐田ユース     四日市中央工業高校
0(−)  得点  2(−)
7(3) シュート 4(4)
7(0) 右クロス 1(0)
6(3) 左クロス 3(0)
0(2) 左右CK 6(0)
 53%  支配率  47%



▼試合結果
ジュビロ磐田ユース 2−2 四日市中央工業高校
得点:前半21分:磐田・藤井 貴(上田康太・FK)
   前半43分:磐田・山本将吾(なし)
   後半01分:四中・築館秀飛(?)
   後半28分:四中・金守貴紀(PK)
警告:前半30分:磐田・藤井 貴(ラフプレー)
   前半35分:四中・河尻大輔(ラフプレー)
   後半13分;磐田・岩本将秀(ラフプレー)
   後半27分:磐田・中村 豪(遅延行為)
   後半28分:磐田・森下 俊(異議)



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清水エスパルス−セレッソ大阪(Jリーグ・第1ステージ 第2節)
 
※4月6日の日記に移動。



2003年04月01日(火) 選手名簿 2003年度版

▼基本布陣(名前の横は学年)

−−−−−−−−−−鈴木真司2−− 阿部文一朗3 −−−−−−−−−

−−大瀧義史3−−−−−−−−−−−−−−−−−−−谷野由紘1−−
 (岡村総一郎2)
−−−−−−−−−−山本真希1−−−枝村匠馬2−−−−−−−−−−

−−篠田大輔3−−−高柳亮太3−−−村越大三2−−−森安洋文3−−
  (高野美臣1)  (石垣勝矢1)
−−−−−−−−−−−−−−山本海人3−−−−−−−−−−−−−−

 谷野の右SHに柴田や上埜が試されることもあったが、春先から先発はほぼ上記で、システムも4−4−2で固定。ただ、秋に篠田悠がスペインから戻ると、鈴木真を左SHに、そしてレフティの大瀧を右SHに回す大転換が行われた。途中、秋口に大学受験の関係か高柳・篠田大が戦列を離れ、その間にそれぞれ石垣・高野美が台頭。高柳はJユースカップ決勝トーナメントから戻ってきたが、高野美はそのまま定位置を確保した。


▼選手名簿(背番号順)

 以下は、日本クラブユース選手権のパンフレットを基にした。

01:山本 海人 GK 3年 85.07.10 188/78 静岡:清水JY  →(静岡学園)→清水
02:石垣 勝矢 DF 1年 87.08.22 180/65 静岡:清水JY  →(常葉橘高)
03:村越 大三 DF 2年 86.05.15 177/67 静岡:清水JY  →(清水工業)
04:高柳 亮太 DF 3年 85.06.27 178/68 静岡:清水JY  →(清水東高→学芸大)
05:篠田 大輔 DF 3年 85.07.26 168/58 静岡:清水JY  →(静岡学園)
06:杉山 雄也 DF 2年 86.12.30 185/75 静岡:清水JY  →(静岡学園)
07:森安 洋文 MF 3年 85.04.23 177/68 米国:Dallas Texans SC→(サレジオ→JAPAN SOCCER COLLEGE)
08:大瀧 義史 MF 3年 85.05.05 165/57 静岡:清水JY  →(常葉橘高→中央大)
09:獅子内善雄 FW 3年 85.05.07 170/63 青森:八戸東中  →(静岡学園→日本大)
10:阿部文一朗 FW 3年 85.04.02 182/75 静岡:清水JY  →(サレジオ)→清水

11:枝村 匠馬 MF 2年 86.11.16 175/67 静岡:清水JY  →(静岡市立)
12:杉崎 太雄 FW 2年 86.06.15 174/60 静岡:ジュビロ沼津→(清水東高)
13:上埜 健太 MF 2年 86.04.06 171/64 静岡:暁秀中   →(静岡学園)
14:小林 拓矢 DF 3年 85.04.16 173/63 静岡:清水JY  →(静岡学園)
15:山本 真希 MF 1年 87.08,24 175/68 静岡:清水JY  →(静岡学園)
16:風間 翔太 MF 2年 86.05.02 173/70 静岡:清水JY  →(静岡北高)
17:岡村総一郎 MF 2年 86.11.01 170/54 静岡:清水JY  →(静岡学園)
18:望月 祐甫 DF 2年 86.09.11 175/70 静岡:清水JY  →(静岡学園)
19:高野 美臣 DF 1年 87.05.25 170/56 静岡:清水JY  →(静岡学園)
20:柴田 和也 MF 1年 87.06.15 165/62 静岡:清水JY  →(?)

21:前田 陽平 GK 1年 87.06.22 181/70 静岡:清水JY  →(静岡学園)
22:田淵 将天 DF 3年 85.05.21 174/64 新潟:白新中   →(静岡学園→帝京大)
23:八木 和秀 FW 1年 87.08.13 175/68 静岡:清水JY  →(常葉橘高)
24:鈴木 真司 FW 2年 86.08.29 169/58 静岡:清水JY  →(静岡中央)
25:谷野 由紘 MF 1年 87.04.08 170/66 広島:IFC福山 →(静岡学園)
27:篠田 悠輔 FW 1年 87.04.20 168/62 静岡:エスパニョール→(サレジオ)


▼選手寸評(誕生日順)
○3年生
10:阿部 文一朗 高さと強さで競り勝った一瞬の隙に、爆発的ダッシュで得点を決める。
14:小林 拓矢  粗が少なく、対人守備に落ち着いた対応を見せるDF。
07:森安 洋文  荒々しい守備と繊細なフィード。経験から動きが洗練すれば化けるか。
08:大瀧 義史  魔法の左足という陳腐な表現を使わざるを得ないテクニシャン。闘将。
09:獅子内 善雄 ドリブル・ミドル砲・クロスへ飛び込み、ゴールへの姿勢は崩さない。
22:田淵 将天  安定したフィジカルと基礎技術で、多くのポジションで配役を果たす。
04:高柳 亮太  知性と緻密な判断で最終ラインを支える燻し銀。ビルドアップも正確。
01:山本 海人  優れた体格と高い総合力も霞む、果敢な飛び出しと足技で魅せるGK。
05:篠田 大輔  ポジション修正と攻め上がりに経験を発揮。アーリークロスも持ち味。

○2年生
13:上埜 健太  外部加入ながら、柔らかなタッチとキレのある突破は、清水伝統の味。
16:風間 翔太  低身ながら正確なセービングが光る本格派GKだが、左MFも挑戦中。
03:村越 大三  守備とセットプレーで、相手の先を制して飛び込む、闘志溢れるDF。
12:杉崎 太雄 
24:鈴木 真司  壊れた玩具にて異次元の住人。黙って意外性に満ちた世界を堪能せよ。
18:望月 祐甫  運動能力は並だが、的確なボールタッチの技術を誇る。
17:岡村 総一郎 生来のドリブラーは俊足と切り返しで、強引に相手を振り回し続ける。
11:枝村 匠馬  中盤で巧みに捌いたと思いきや、豪快に前線に飛び出す試合の支配者。
06:杉山 雄也  身体に筋力が漸く追いいた大型DF。経験不足は否めないが素材新鮮。

○1年生
25:谷野 由紘  運動能力が高く、重心の低い突破が魅力だが、視野も確か。
??:高野 一也
27:篠田 悠輔  緩急差とゴールにボールを流し込むことに長けた、正にストライカー。
19:高野 美臣  冷静な読みで優位に立ち、丁寧なクリアで速攻に繋げる。
20:柴田 和也  的確な判断でここぞの突破を最大限に生かすサイドMF。
21:前田 陽平  クロスの対応とステップワークに優れ、最後の番人となる正統派GK。
23:八木 和秀  突破力が持ち味だが、FWでのライン駆け引きにも長ける。
02:石垣 勝矢  獰猛なタックルと空中戦は、対人守備に油断を見せない。
15:山本 真希  僅かなタッチで正確に弾道パスを送る。機敏な動きの修正は熟練の域。


▼記録
・プリンス東海 優勝
・クラブ選手権 ベスト4
・高円宮杯   ベスト8
・Jユース杯  ベスト4


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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