1999年12月23日(木) |
Jユース杯 決勝トーナメント ヴィッセル神戸戦 |
02年12月23日11:03開始 日本平スタジアム 第7回Jユースカップ1999・Jリーグユース選手権大会 決勝トーナメント2回戦 対 ヴィッセル神戸ユース
▼布陣 −−−−− 鈴木浩 −高木−−−−−−
−−深澤−−−−−−−−−−太田−−
−−−−− 鈴木隼 −吉崎−−−−−−
−−村松−−池田−−佐野−−白石−−
−−−−−−−−梅村−−−−−−−−
交代:前半40分:鈴木隼→塩澤(塩澤をFW、高木を左MF、深澤をボランチに) 後半00分:白石 →菊地(そのまま右SBに)
ヴィッセル神戸ユース :
−−−−−−川井−−新保−−−−−−
−−−−−−−−大島−−−−−−−−
−−阿江− 野間口 − 森 −−藤原−−
−−−−長手−−藤谷−−池内−−−−
−−−−−−−− 谷 −−−−−−−−
交代:後半29分:阿江→小菊 後半43分:川井→加古
▼試合展開 [前半] 立ち上がりこそリスタートから蹴りこまれたものの、これを最終ラインが凌ぎきると、右サイドの太田の突貫を起点にペースを掴む。15分には、深澤の斜めのフィードを逆サイドの太田が、相手をぶち抜いてセンタリング。高木のダイレクトシュートは、威力はあったがGK正面だった。押し込みながら、得点できない嫌な展開。そして前半17分、神戸最終ラインからの大きな縦パスに対し、下がって受けに行った大島を、池田も上がってマークに行くが捕まえられず、ダイレクトで裏に流される。この狙いに反応したのが新保。コンビネーション良く走り込み、そのまま持ち込まれて、失点する。0−1。 その後もペースはやはり清水が丁寧に繋いで握り続けるが、ゴール近くでのミスで得点に迫れず、一方の守備でも右サイドを何度か切り崩される。そして36分、この日どうにも調子のおかしい隼人が中盤の底でもたつき、野間口がカットすると、持ち直して強烈なミドル、追加点までも許す。0−2。やや大胆、時に短気な選択をする行徳監督は隼人を諦め塩澤を投入するが、残り時間も少なく、このまま前半終了。
[後半] 後半には、いよいよ前掛かりで、前半以上にシフトを上げて攻撃開始。13分、吉崎がはたいて太田が前方へフィード。これを受けた浩介が、上手く相手DFをすり抜けるや、豪快にドリブルシュートを放つアメージングゴール。1−2。しかし19分、神戸はボール奪取から中盤で、素早く鮮やかにパス交換して、一気に縦パス。目線を惑わされた清水、池田が今度は新保に競り負け、落とされたところを河合が真ん中を縦に抜けると、梅村を交わして無人のゴールへ。1−3。 後のない清水は、吉崎をボランチに残して、深澤をトップ下に。不安定だった右サイドも、菊地が堅実な守備を見せて綻びがなくなり、疲れの見え始めた太田に代わり、今度は左サイドから高木が、キレのある突破で相手を押し込む。清水は怒濤のように神戸ゴールに押し掛けるものの、終ぞゴールを割れず…、と思われた36分、自ら倒されて得たFKを太田が逆サイドに展開。受けた高木は左サイドを抉り、センタリングはGKの手を越えて、待ち受けるのは、それまで献身的な動きで、前線を活性化させていた塩澤!ゴール!2−3。 だが、まだ1点差。ロスタイムに入ろうかという42分、最終ラインの佐野からの大きなサイドチェンジを、大きく開いて受けた10番高木純平。左センタリングエリから放ったボールは、鋭い放物線を描いてゴールに吸い込まれた。3−3。伝説的な高木のゴールでさらに勢いは増すが、スコアは動かず。PK戦に。
[PK戦] 神戸(先攻):○大島、○藤谷、○池内、○森、 ○野間口、○小菊 清水(後攻):○浩介、○高木、○吉崎、○深澤、○池田、 ×村松
PK戦は、常に残酷な明暗を残す。
▼結果 清水エスパルスユース 3−3 ヴィッセル神戸ユース (PK戦 5−6) 得点:前半17分:神戸・新保和也 (大島康明:スルーパス) 前半36分:神戸・野間口慶太(なし) 後半13分:清水・鈴木浩介 (太田圭輔:ロングフィード) 後半19分:神戸・河合洋輔 (新保和也:スルーパス) 後半36分:清水・塩澤達也 (高木純平:左クロス) 後半42分:清水・高木純平 (佐野裕也:ロングフィード)
神戸は勢いをそのままに、1999年Jリーグユースカップを制した。
▼選手寸評 梅村芳生 6 スーパープレーもないがミスも特になし。PK戦では読んでいたが…。
白石直也 5 太田の銃後を守る役割のはずだが、そこで崩されてしまった。 佐野裕也 5 精度が高く左右に振り分けるフィードは◎。が守備は池田と共に×。 池田昇平 4 代表の名が恥ずべき出来。監督も名指しで残念だったとコメント。 村松 潤 6 守備は無難にこなしたが、攻撃面は頻度・質ともにいまいち。
太田圭輔 7 前半の驚異と後半の失速と。波があるのは突貫系のお約束だが。 鈴木隼人 4 何か変なものでも食べたのだろうか。 吉崎雄亮 5 スペースを埋める動きが杜撰だった。プレー自体も「軽い」感じ。 深澤良輔 6 左サイド→ボランチ→トップ下と移るにつれ、プレーが向上。
高木純平 7 FWでは消滅。後半スペースを得て躍動。触るもの皆、斬りつけた。 鈴木浩介 6 決定機逸は多いが、それがプレースタイルなんで。1点目はスーパー。
塩澤達也 7 ボールのあるとことに寄り集まり、中盤を前線と結びつける。 菊地直哉 7 中学生と言われて誰が信じるだろうか?堅実かつ大人のプレー。
1999年12月19日(日) |
Jユース杯 決勝トーナメント ジェフユナイテッド市原戦 |
02年12月19日(日)13:01開始、ジェフユナイテッド舞浜グラウンド 観衆290人 第7回Jユースカップ1999・Jリーグユース選手権大会 決勝トーナメント1回戦 対 ジェフユナイテッド市原ユース
▼布陣 −−−−− 鈴木浩 −高木−−−−−−
−−深澤−−−−−−−−−−太田−−
−−−−− 鈴木隼 −吉崎−−−−−−
−−村松−−池田−−佐野−−白石−−
−−−−−−−−梅村−−−−−−−−
交代:45分:白石 →菊地 (そのまま右SBに) 73分:高木 →杉山浩(そのままFWに) 83分:梅村 →鶴田 (そのままGKに) 85分:鈴木隼→仁科 (仁科を左MF、深澤を左ボランチに) 87分:吉崎 →天野 (天野を右SB、菊地を右ボランチに)
ジェフユナイテッド市原ユース:
−−−−− 佐藤寿 −−山岸−−−−−
−−−−関根−−徳住−−中後−−−−
−−−−−−− 佐藤勇 −−−−−−−
−−赤木−−沢村−−杉山−−今井−−
−−−−−−−−高木−−−−−−−−
交代:後半19分:赤木→杉田、後半21分:中後→工藤、後半25分:関根→石井
▼試合展開 舞浜駅を降りながら、TDLの喧噪から離れるのは、なかなか愉快なものだ。 高円宮杯ベスト4の3チーム (磐田・平塚・清水) が同居する死のグループを、どうにか2位で潜り抜けた清水は、アウェイでのトーナメント緒戦となった。迎え撃つ立場の市原は、トップに合流した阿部勇樹こそ欠場したものの、U-18代表の佐藤寿人・勇人兄弟を中心に、優勝候補の誉れも高い。その阿部は、VTR撮影するチームメイトと高台に登っての観戦 (笑) 。
[前半] 開始早々、いきなり市原。一度外に開き、急に中に動いたFW佐藤寿にDF陣が釣られ、空いたアウトサイドに、左MF関根が侵入、佐藤寿はそのままスピードで池田・佐野を振り切って中央に走り込む。そして、センタリングが入ると、追いつかれる前に胸トラップからのボレーシュート。素晴らしいオフザボールの動きだったが、梅村が横っ飛びで、何とか弾いた。 その後は中盤のプレス合戦となり、気の抜けない展開に。清水は、2トップ浩介・高木が、中央から最終ラインに対してドリブルで挑む。というより、サイドに良いボールが供給されず、得意の形が作れない。我慢の時間に、先に焦れたのは市原。中盤の細かいパスから、浩介が上手くDFの間を抜け出すと、これに慌てたDF沢村が後ろから足を引っ掛けて倒してしまい、PK。そして沢村は一発退場…。少々厳しい判定に思えるが、清水としては、またとないチャンス。が、太田のPKは、GK高木に弾かれた。 しかし、実力伯仲は数的有利で大きく崩れた。清水の圧倒的な攻勢が始まる。市原の攻撃は、ロングフィード一辺倒になるが、小柄な佐藤寿の特性を活かせず、また2トップと組む1年生FW山岸は電信柱以上の役目は果たせなかった。清水に似つかわしくない頑強なCBコンビ、池田・佐野が重厚な壁となって、聳然と跳ね返す。まあ、清水の1年生・深澤も、まるで機能的でないのだから、他人のことは言えまい。 MFでは、特に吉崎が屈強なフィジカルを生かし、小柄なジェフっ子を蹂躙。引いて守る相手に対し、一度ボールを最終ラインに戻して誘い出すと、佐野を中心に精度の高いフィードを両サイドに配給する。 だが、その後も浩介が何度か上手く抜け出すのだが、シュートは悉く枠外。クロスに対しは、長身ながら競り合いに負け、良いポジションに入れない。まるで安永のようだ(笑)。こんなところまで、トップを見習わなくて良いのだが。
27分には、高木とワンツーで太田が抜け出しクロス。飛び込んだ浩介のシュートは、やっぱりGK正面。これが前にこぼれてしまい、混戦からガドリング砲のようにシュートを浴びせるが、全て弾かれ、最後はPA外からミドルを狙うも、DFに当たり空の彼方へ。何故、あれが入らない…(苦笑)。 このまま前半終了かと思われた43分。右アウトサイドで太田が、足下でボールを転がしながら様子見、と思うや、瞬時、自身のクイックネスを爆発。アレックス級の最初3歩の速さで、DFを置き去りにする。折り返したボールを、ついに浩介が枠内に蹴りこみ、遅すぎる先制点を得た。
[後半] 後半開始早々は、またも市原が清水の集中力欠如を襲う。同じように左MFからのクロスを、ポジションが被った池田・佐野の前をダッシュしてファーの裏に抜けたFW佐藤寿が合わせ、狙い澄ましたシュート。梅村の伸ばした手も届かず、しかし、これはポスト。 切り替えた清水は、その後は好機すら与えることなく、右サイドを太田が跋扈。58分には、こぼれ球を拾った太田が、勢いをそのままにカウンター。右アウトサイドを深く抉り、2トップもスピード豊かに最終ラインを押し込むと、センタリングは、ファーに2列目から上がってきた隼人。勢いを抑えたコントロールされたシュートがゴールに吸い込まれ、2点目。さらに79分。それまでフィジカルで負けて何もできなかった浩太が、相手GKのキックミスをDFから掠い、ドリブルで持ち込み柔らかいパス、フリーの浩介のゴールをお膳立て。 その後は、さらにJrユースの選手を送り込み、3−0で勝利を飾った。が、数的有利を利した感が強く、前線のシュートの精度、動くFWへの守備の対応を反省しなければ、今後は厳しい試合が待っていることだろう。
▼結果 ジェフユナイテッド市原ユース 0−3 清水エスパルスユース 得点:前半43分:清水・鈴木浩介(太田圭輔:右クロス) 後半13分:清水・鈴木隼人(太田圭輔:右クロス) 後半34分:清水・鈴木浩介(杉山浩太:ショートパス)
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