独り言
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2004年08月29日(日) 真冬の雨

兄から借りたギターを
僕の誤りから燃やしてしまった

幼かった僕は
見つかってはいけないと
ベッドの下にそれを隠したんだ
勿論
何も解決しないし
救われもしない

でもその時の僕には
罪と向き合うという事が
どんなに尊い事かなんて少しもわからず
「誰かこの家ごと僕も一緒に燃やしてくれればいいのに
いや
いっそ地球ごと食べられてしまった方が都合がいい」なんて事を本気で神に祈ったりもしたんだ


今日の空が
あまりにも
僕の生まれた街の
真冬の空に
良く似ているから
思い出に寄りかかって
みたかっただけ


2004年08月17日(火) 独り言

僕は人に合わせるのが大嫌い。僕は愛想笑いが大嫌い。僕は人と向き合って話すのが大嫌い。それは僕が人を嫌いだからじゃなく人がとても好きで期待してしまうから。明日の事なんて知らない。考えたくない。その時の気分で世界を渡り歩く渡り鳥。時間はいつも僕を窮屈にするんだ。僕は目覚ましのアラームが大嫌い。僕は待ち合わせが大嫌い。僕は期待されるのが大嫌い。そいつらはいつも僕を窮屈にするんだ。僕は百合の花の匂いが大嫌い。僕は靴底の柄が大嫌い。僕は二番目の歌が大嫌い。僕は太陽が大嫌い。僕は君が大嫌い。みんな大嫌い。みんな大嫌い。


2004年08月15日(日) オリビアを聴きながら

創造の始まりが
どんなだったかを思い出そうとするけど
どうもうまくいかないんだ

何度試してみても
いつも同じ所で邪魔が入る…


「少し大きめのスプーンに向け
垂直の手を握り締めた砂は
天から降り注ぐ

当然のように砂は溢れ
それを受け止める器は用意されちゃいない

老紳士が北緯45゜線をまたぎ
ジャグリングを始めると
決まって水面は動揺を隠せなくなる」


全ての言葉には魂が宿る
理解不能だと言うなら
それでいい


要は
角度の問題なんだ


その線を一歩でも越えたら
お前を殺してやる


2004年08月14日(土) 是空浪士

ある者は空虚こそが破滅の根源であると唱え
ある者は空虚こそが全知全能の礎であると唱える

空っぽであるが故に失う物の重みと
空っぽであるが故に生まれる物のそれとを
天秤にかけたところで
枯れ始めた花に与える水は得られない


ならば私は空虚を身にまとい行こう
この命と引き換えに得られる物があるならば


恐ろしく清らかな波が打ち付ける浜辺で
ボロをまとい
私は空っぽの闇の終わりを見ている
手には一輪の花を抱えて




1+1≠2

…はたしてその真意は?
「答えは闇の中だ」


2004年08月13日(金) 絶望の丘から見える景色には必ず3匹の鬼が棲む

あの日

俺が

失ったモノは

やはり

あまりにも

大きすぎる

インスピレーションの欠片は

あの日に

置き去りのままだ





笑顔を添えて


腫れる痛み


2004年08月12日(木) scene 0049:アルコール依存症と貴婦人

「何でそんな目で私を見ていらっしゃる?
私が何かしでかしましたかねぇ?
私にとっちゃ今が何時だろうと構わないんですよ。
夕方6時に目覚めて
それが夕焼けなのか朝焼けなのかも区別の付けようがねぇんですから。
そして次に眠る時まで酒をたしなむんです。
呑み疲れたらその場に横たわって
いつ覚めるとも知れない夜がある事をしるんです。
…又そんな顔しなすって。
何か気に障りましたかぃ?」

そして男は会釈も無しにその場を立ち去る。


《痛みを伴う最も尊い台詞 その3》

「そもそも時計なんて持っちゃいねぇんですがね」


2004年08月11日(水) rest room session

トイレの床に座り
便座にもたれかかって創る曲に
世界を変える力はあるだろうか?

そんな事を考えて
実際に試みる俺は
教科書が大好きな君の目には
どう映る?

俺が本心を曝け出したことなんて
一度たりとも無いということを
今ここで告白しよう
そして深く胸に刻んでおくといい

誰かが仕立てあげた下らねぇレクリエーションに巻き込まれた気分だ
眠れない夜が続いている
テメェの猿真似にはもううんざりだ



親愛なる全ての『recipient』へ
母の胎内より
吐き気がする程深い愛を込めて


1979年11月16日

寺分 文治


2004年08月10日(火) 敬虔な生徒は夜を学べ

誰かの声がする

「想像は無益だと言うけど…それは確かにそうかもね
でも心の底からは賛成出来ないな
僕はその気になれば
ふわりと浮かんでここを抜け出し
あの大河に架かる友好の橋の端から端へと
何の疑念も抱かずにやり過ごしたり
あるラインを越えて
カラフルな世界を手に入れることだって出来るんだ
僕はいつだって解放を束縛出来る
…でも結局
天竺には届かなかったけどね
まぁでも大して気にしちゃいないよ
元より期待なんてしてないんだから」


そして付け加える様に

「それを逃避と呼ぶなら創造は遠退くばかりだ」


2004年08月09日(月)

久しぶりに
大昔に独りで録音したDemoテープを聴いてみた


線をなぞる事さえままならない声
支離滅裂な出題と解答
自己矛盾

…聴くに耐えない


でも
いつか

「間違いじゃなかった」

と言ってあげたいんだ



真空を無に還す方法は
己で探すべきだ


2004年08月08日(日) 十字街にたたずむ男

さぁ今日は何を言い訳にする?

なんて言って自分を誤魔化す?


眠れないから?
頭痛がひどい?
骨?
それから…それから…


あぁその台詞は昨日聞いたよ
君はもっと頭を使う必要がありそうだ


ベクトルを少し変えて
少し…少し…もう少し…

そして窓の外に目をやってごらん
ほら、世界はこんなにも光を讃えている

鳥はただ飛んでいる訳じゃない
そこには確固たる目的があるんだ


君も何か見つけるといいよ
確固たる目的を


金より
時間より
食事より
そして…愛より

今の君にはそれが必要なんじゃないか?


2004年08月07日(土) 散歩道

今日みたいな天気が
ガキの頃から
実は凄く大好きなんだ

この感情が
俺のねじまがった性分に由来するのかどうかは
定かでは無いけど

…凄く大好きなんだ


陽の当たらない世界
うつむいた遊歩道
真っ赤な花は
それでも咲き誇っている

歩き慣れたこの道も
少し歪んで見えて
その隙間に手を差し込んだら
二度と戻れないと
考えて
やめた


俺が見た風景を切り取って
君にプレゼントしよう

そしてあの信号機まで辿り着けたら
君は先に行けばいい

俺はもう
まともに歩けやしないんだから






笑顔を添えて


2004年08月06日(金) 六根

薄汚れた部屋で
冷酷な床は
横たわる肉体を
受け付けようとはしない

流れる音は何処までいっても
破滅を謳歌する

裸電球をたよりに
かつての哲学にふける俺を
枠に収めるとしたら

どんな形がいい?



鏡に映る俺は
ナニモノダ?

精神の解放とは如何なる事象か?

オレハナニガイイタイ?

またあの日の俺が窓越しにじっとこっちを見てる

心を許せるのはポータブル・カセット・プレーヤーだけ


誰の声も俺の心には届かないよ

だって
俺がそう仕向けたんだから

そして
天然痘は
夜を越える





2004年08月05日(木) 眩暈

この人生は矯正するに値しない

まるで綱渡り

二束三文が俺の性分

風邪に吹き飛んだ微塵の砂

曇り空と憂欝

灰色

クズ





飛ばない鳥

鳴らない目覚まし時計

無意識は意識

開かない窓

届かない手紙


…全て俺のせい

そして世界は螺旋を突き付ける


この人生は
矯正するに値しない


2004年08月04日(水) Se-i-re-n




…そこに


…海は




…あるのか?


2004年08月03日(火) 被告人席へ

毎日を毎日
繰り返し繰り返す
明日が不確かな事は
確かめずとも確かなんだ


俺が知るお前は
お前が信じるお前とは程遠く
お前が見ている俺が
俺の差し出した俺と出会うことはありえないんだ


価値観の価値は
お互いの価値観が握っていて
その価値を書き連ね
照らし合わせるという行為には
微塵の価値も無い


言葉遊びの途中で
つじつまあわせに四苦八苦


核心的な言葉が一つあれば
この1ページも酬われるって事を
言いたかっただけなんだ




死刑宣告

…今日を裏切ったのは誰だ?


2004年08月02日(月) さぁ何処へ行こう?

場違いを通り越して
滑稽にさえ見えるだろう

薄汚れた街の地下室で
二人の道化師はおどけてみせた


どんなに悲劇的な歌を歌っても
どんなに悲痛な顔で叫んでも
心の中ではいつも大きく笑っているということを
どうか憶えていて下さい


あてどない旅を誘うように
曲がりくねり荒れ果てた道は
いばらの名を掲げ

足は幾度も切り裂かれ
滲みだした真っ赤な血を掲げ
ただ前を向いて
歩き続ける



足跡は嘘をつけない

踏みしめて
刻み付ける

その証を



生と死の狭間にあって
息継ぎの練習は必要ないんだ


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