冒険記録日誌
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2024年01月27日(土) 流行る路線とか関係ない世界ですが

 先日(1月25日)発売した風来のシレン6が気になっています。財布事情とプレイ時間の都合で、しばらく購入は見合わせていますが、いずれは遊べたらいいなとは思っています。
 風来のシレン6のAmazonレビューでは、高評価の方が多いですが、知らずに買った人なのか星1の評価も散発しています。低評価の理由の多くは、「死んだら最初からやりなおし」「レベル1に戻るのがおかしい」というゲームの根本の否定で、ファンからすれば何いってんの?という内容なんですよね。シューティングゲームのレビューに「弾除けをするのが面倒で嫌だ」と書くようなもんじゃないか。

 しかし、風来のシレン(というかローグライクゲーム)が、人を選ぶゲームというのはわかります。
 ゲームブックもそうなのよね。
 ライバルがファミコンだった時代ならいざ知らず、今の快適なゲームに馴れた人たち大半の人にゲームブックは合わないだろう。ファイティングファンタジーの破綻した難易度にいたっては、到底ついて行けまいて。
 扶桑社版の「バルサスの要塞」だったかの帯に水野良さんが「ゲームブックとは死ぬこととみつけたり!」と書いていたのを思い出したのですが、良くも悪くも多くのゲームブックに当てはまる名言です。また、ゲームバランスが良い作品であっても、途中経過をメモ書きするアナログな手間は受け入れられないだろうね。

 昔、インターネット黎明期に「鈴木直人伝説」というゲームブック作家の巨匠、鈴木直人氏のファンサイトがありました。
 2001年にチョコレートナイトという鈴木直人氏最後の作品が発売されたときに、このサイトに鈴木直人氏との対談が掲載されていて、ゲームブックについて語っています。
 サイトは閉鎖されてしまって、当時の文章も私は保存していないのですが、そのときの御大の発言の一部を要約すると、こんな感じでした。

「ゲームブックは売れません。今はゲームもブックも売れないんだから。今でもゲームブックに需要がないのかないのかわかりませんが、ゲームブックは歌舞伎みたいな伝統芸能として生きていくしかないでしょう。」

 この発言もすでに20年も前となりますが、今でもそうかもなぁという印象はもっています。
 かつて一般の人への手の取りやすさを意識して、値段も安めに設定していた創土社さんの復刊は、理念としては共感できましたが、現実的に販売を継続していくには、現在、安田均さんとグループSNEが、コアなファン向けにターゲットを絞って販売しているファイティングファンタジーコレクションの手法が正解なのでしょう。
 ただ、これだけでは新規開拓は期待できないから、将来的にはジリ貧というか、今の世代でコンテンツ終了という感は否めません。

 近年は、なんだかんだ年に数冊は、新作のゲームブックが安定して出版されているので、さほど悲観視しているわけではないのですが、一ファンとしてゲームブックが楽しいことを、少しくらいネットでアピールしてもいいかなという気はしています。1000人いれば1人くらいゲームブックが合う人がいるだろう。
 先に話した風来のシレン6だって、人気ゲーム配信者が取り上げて、いきなり新規ファンが増えたりしてもおかしくないですからね。
 例えばYouTubeでゲームブックに関する動画をあげられないかと検討していて、何のゲームブックをどんな風に紹介するかまでは決めているのですが、今のところ機械音痴が災いして、編集技量の問題で作れる目途がまるでたっていません。誰か相談にのってくれる人がいたら連絡くださいな。

 最後に余談ですが、昔、創土社のアンケートに「応援しています。チョコレートナイト3冊買いました。」と書いて送ったところ、先程の鈴木直人伝説の対談の中で「例えば3冊買いましたって応援されるんだけど、そうじゃないだろー。」的な発言を御大がされていて、「そうだよねぇ、じゃあ、ゲームブックが好きなことを発信してみよう。」と思ったのが、この冒険記録日誌を続けている動機の一つだったりします。


山口プリン |HomePage

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