冒険記録日誌
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2021年07月10日(土) |
恐怖館の亡霊 他(ミルトンヒラリー/偕成社) |
表紙が怖い児童向けホラーゲームブック。 これは各巻の内容は独立しているもののシリーズものでして、ゲームブックブームの時に全4巻まで日本で発売されています。作者は全て、ミルトン・ヒラリーという方です。 本シリーズ作品は、ゲームブック収集家にとっては、かなりレアの部類じゃないかと思います。山口プリン的にレア度10点満点でいえば、9点くらいか。 話はそれますが、レア度10点の作品(例えば東宝事業部出版の「その歌声を消せ!」とか)は、国会図書館でも所蔵されていませんし、私も実物は見たことはありません。自分的にレア度8点の作品でも、たまに所蔵されてないことがあるので、国会図書館も万能ではないとは思っていますけどね。レア度9点の作品なら、以前数冊は持っていましたが、ゲームブックの交換やお礼などで手放してしまい、所蔵品としては今は8点が最高です。 例としてあげると、朝日ソノラマのゲームブックは、レーベル初期作品はレア度6点、後期作品はレア度7・8点、レーベル中「サンフランシスコ誘拐事件」のみ9点というところでしょうか。
などと、本当にどうでもい話をした後に、本書の紹介に入ります。 このように本作はマニア垂涎の作品でして、私は以前、国立国会図書館国際子ども図書館で読みました。 シリーズに共通しているのは、主人公(読者そのもの)の少年もしくは少女が、妙な悪夢的な世界に引き込まれてしまうというもので、ゲームブックとしては単純な分岐小説タイプです。 この悪夢の国のアリスみたいな世界から抜け出すのが目的なのですが、ストーリーの分岐は多い分、すぐにゲームオーバーになってしまう。悪霊にとりつかれてENDとかいうより、えっここで終わり?という感じの終わり方。ちゃんとした終わり方もあるのですが、ここがこのシリーズの不満点でしたね。 でも、挿絵も含めて作品にはホラーとして良い雰囲気がただよっていて、及第点のシリーズでした。 残念ながら当時読みながら内容をいろいろメモした紙を紛失してしまいましたので、あまり細かいことが書けません。後はシリーズ各巻の感想と紹介だけしておきます。うろ覚え状態なので、内容が間違っていたらごめんね。
一巻「恐怖館の亡霊」
泊まったホテルは呪われたホテルだった? 一見普通のホテルに泊まった主人公は、悪夢的世界とチャンネルがあったのか、あるタイミングから急に数々の心霊現象に襲われるという内容。 扉一つ開ければ、目をむき出した子どもが睨んでいるといった具合ですが、駐車場とか外に出ると、夢から覚めたように現実世界に戻って終了というENDが多かった。 イラストはシリーズ中で一番怖いかもしれない。
二巻「呪われた幽霊街」
西部劇というか、アメリカの西部開拓時代みたいな町に突然やってきた主人公が、当時の荒くれ者たちに出会う話し。町全体が淀んだ空気みたいな雰囲気で、登場人物たちも恐らく亡霊で不気味な世界観です。 凄腕のガンマンとか、いろいろ荒くれ者たちが登場する度に名前が出ていたけど、メモがないから紹介できない。きっと、知っている人は知っている有名人揃いのはずです。 日本なら、江戸幕末の町にやってきて、沖田総司とか高杉晋作とか、岡田以蔵とかの霊に会う感じなんだろうなぁ。
三巻「悪魔の遊園地」
悪魔が支配するような夜の遊園地に迷い込んでしまう主人公が経験する冒険。 ほぼ無人の遊園地は、乗り物に乗るたびに不条理なことが発生します。出来事にあまり現実味がなくて、まさに悪夢の中を彷徨う雰囲気です。 この遊園地に登場するピエロは、無言で何を考えているのかわからず怖いのですが、実はここでは唯一の味方。彼に導かれて、ベストエンディングまで進むシーンが好きで、シリーズの中では一番のお気に入りでした。
四巻「恐竜博物館の魔獣」
この巻だけ、閲覧時間がなくなって、あまり読めていません。 学校かなにかの行事で、博物館に来たものの、主人公だけ取り残されて夜を迎える、すると展示物の原始人の人形が実際に動いていたりと、博物館の中は異空間になっていて、というナイトミュージアムみたいな話。 一回しかプレイできず、その時はゲーム序盤でトイレに逃げ込んで、そのままじっとしていると無事に朝を迎えるという、あっけないエンディングでした。きっとゲームを進めると、ティラノサウルスの展示とかあるんだろうなー。
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