冒険記録日誌
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2021年06月08日(火) |
ギリシャ神話アドベンチャーゲーム3 冒険者の帰還(P.パーカー他/社会思想社) その7 |
拙者はアテネに向かう船上で目がさめた。となりに使者の神であるヘルメスがしきりに拙者へ話しかけている。 「しかしなんだなぁ。本来ここで"そう言うと、ヘルメスは永遠に姿を消す”なんて文章があるじゃないか。このリプレイでは、また会いそうだよな」 そう言うと、ヘルメスはクスクスを笑って姿を消した。 くそっ。神でなかったら叩き斬ってやるのに。
気を取り直して“冒険者の帰還”を再スタートしよう。まずは現在の拙者の情報をおさらいする。原攻撃力5、原防御力11、名誉点22、恥辱点10、情報点8、装備と所持品は…書かなくてもいいだろう。遅かれ早かれ海で遭難して、すべて失ってしまうようだからな。 さて、恋人のアリアドネを、結婚式のために立ち寄った島へ置き去りにするという、気の滅入るイベントもすませると、船は嵐に巻き込まれて、船員たちが反乱を起こすイベントになった。 「おれたちがこんな目にあうのも、神々がこいつを罰しようとしているからだ!」 「生贄だ!奴を生贄にしろ!」 最初の冒険は、戦うことを選び、ミノタウロスの生贄にされかけたアテネ人たちも味方をしてくれて、反乱は収まった。前回はわざと降伏してみて、船から放り出された。 今回は断固戦うことにする。そして…(何人のアテネ人が味方をしてくれるか、サイコロを振る。名誉点を使ってサイコロの目に修正もできるが、今回はしない)……9人のアテネ人が味方になった。その中途半端な数に中立の水夫も、反乱側についてしまう。 狭い船内で入り乱れての乱闘が始まる。拙者は反乱側の水夫の一人を殴り倒すと、反乱の首謀者が逃げ込んだ船倉へ、たいまつを持って飛び込む。奴は鎌を使って飛び掛ってきたが、ミノタウロスを倒した拙者の敵ではない。かるく捻りつぶして、逆にポセイドンへの生贄にするために引っ立ててやった。 そういえばこの巻の冒険で、戦闘らしい戦闘はこれが初めてかもしれぬなぁ。
その後、船は無事アテネにたどり着き、心労により寿命を縮めた父王アイゲウスと最後の挨拶を終える。父の死を見届けた後、王の側近のイテコン将軍へ、クレタ島で体験した数々の出来事を報告(情報点を消して、名誉点16点を加える)した。 この後は、生まれ故郷へ向かって、また遭難な確実なことを知りつつも、次なる船へと乗り込むのだ。 そして予定通り船は難破して、拙者はどこかの島の浜にうちあげられた。 手近の山を這い登って、傷ついたケンタウルスを発見し、薬草で癒す事に成功する。(残りの薬草を入手。 プティア行きの船に乗り、たどり着いたところで出会った商人マルコス相手に、分の悪いゲームをする。いつもここでなけなしの小銭を巻き上げられるのだが、今回はめずらしく、小さなサファイアを勝ち取ることに成功した。多少気分が良くなったところで、従兄弟のアグノステスが住むトロイの宮廷に世話になる。翌日、円盤投げをしてアグノステスに命中して彼を死なすと、従兄弟殺しの罪の穢れを祓うために、また船に乗って旅立ったところを、またまた嵐に襲われて拙者は海に放り投げられるのだった。ここまで今までとだいたい同じ展開じゃな。
見知らぬ島にたどり着き、よろよろと浜辺をさ迷っていると、林の中に楽しそうに戯れている数人の男女を発見する。近くの小屋から一人の女があらわれて、拙者に微笑みかけた。 「わたしはカリプソで、ここはわたしの島オギュギアです。好きなだけここにいて結構よ」 よく見ると彼女は人間ではなくニンフらしい。島の居心地の良さに、拙者も林で遊んでいる人々と同じく幸福な気持ちになってきた。 むっ、ここは前の展開と違うな。海に投げ出されたとき、恥辱点が偶数なら奴隷商人が待つ島に、奇数ならこの楽園のような場所にくるらしい。拙者はしばらくこの島で休息をとることにした。
そして―――その休息が始まってから4年半の歳月が流れた。森で食べて眠って遊び暮らす。まったく極楽気分でござる。 ほうけたようにのんびり暮らす拙者の間に、アポロ神が立っていた。彼は軽い軽蔑を含んだ声で宣言した。 「ただちにここを離れることだな。カリプソはまったく性悪女だと私は睨んでる。小船を作って逃げ出さないとひどいことになるぞ」 こう言うやアポロ神は姿を消す。 拙者は、顔面をはたかれたような衝撃を受けた。 拙者、今まで何をしていたのでござる?危うし危うし、冒険者アルテウスとあろうものが、一生ここですごして終わるというのか!? さっそく、島にいるうちの数人の人間も説得して一緒に小船を作り始める。
小船に乗ってのあてもない航海は2週間も続き、食料はすっかり底をついた。船に残っているのはロープと蜜蝋(みつろう)くらいだ。そんなときに危機はおとずれた。 ある朝、島影がみえ、そこから美しい歌声が聞こえてきたのだ。 これはこの巻、最初の冒険で出会って拙者を無念の死にへ追いやった、妖怪サイレンの魅了の術だ! ここではサイコロを2つずつ6回ふって、10以上の目を4回も出さなければ、彼女らの食料になってしまう。 しかし今回は、ロープと蜜蝋を持っていたおかげで、他の船員達に耳を蜜蝋で塞いで、拙者の身体をロープで固定するように指示を出すことができた。(サイコロの目に4つ足すことができる) ここで終わったらどうにもならぬ。念の為、さらに拙者は名誉点を4点つかって目を修正し、サイコロのチェックに成功することができた ふいに甘美な歌声がしわがれた罵詈雑言に変わった。獲物を逃したことを知ったサイレンどもが正体をあらわして罵っているのだ。 こうして拙者らはなんとか船旅を進めることができたのであった。
ロープや蜜蝋の残りをかたずけていると、血なまぐさい香りとともに船上に戦の神アレスが突然現れた。 「アルテウス。穢(けが)れを祓え!今すぐにだ!オルビアの俺の神殿か、キルケの島へ!俺の神殿がいい。本物の神官がいる」 とどろくような声とともに、現れたときと同様、その姿は突然消えた。 ふむ。オルビアかキルケの島か。それともまずは腹ごしらえか。3つの選択肢だ。船の食料はもう底をついている。そこで3番目の選択肢を選び、まず手近な島に船をつけて食料を探すことにした。
その島には原住民らしき人々がいた。島に降り立った拙者は、友好的に近づくことを選んで、敵意をないことを示すよう両手をあげながら彼らに近づく。 あっと、いうまに拙者は蔦でできた粗雑な縄でぐるぐる巻きにされ、えっほえっほと運ばれていく。
そして焚き火にこんがりとあぶられて、拙者は彼らの美味しい夕食となった。
完
by銀斎
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