冒険記録日誌
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2014年09月28日(日) |
西遊記 天竺への道(シュミレーションP研究会/白馬出版) |
白馬出版のゲームブックシリーズ、第ニ弾目の作品です。 タイトルからわかるとおり、元ネタは西遊記です。ただし、設定はちょっと違って、本書は三蔵法師が天竺から唐国にお経を持ち帰った後の話しとなっております。 三蔵法師の成功に釈迦如来は、今度は日本にも本当の仏教の教えを伝えようと、日本に観音菩薩を遣わします。そして菩薩の啓示を受けた道鑑という僧侶が、天竺を目指すという内容です。
このゲーム、基本的には前日書いた「80日間世界一周」のゲームブックと同じ作りです。パラグラフ数は103しかない代わりに1パラグラフあたりの文章は長く、選択肢の多くは旅の進路をどうするかというものです。今回は4年という制限があり、1ヶ月単位で時間が消費されていきます。 本書のキャッチコピーが「頭のよくなるゲーム本」というだけあって、道鑑の日本から天竺までの旅は、8世紀頃に日本から天竺、つまりインドまで旅をするとどうなるかを現実的にシュミレーションしています。遊んでいると当時のアジアの勢力図や、どんな航路を使われていたかを、理解することができるというわけです。 西遊記というだけあって、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、それから竜の化身の馬が、途中から道鑑の旅のお共になってくれますが、それ以外の妖怪は登場せず、敵がいてもせいぜい、わがままな王や山賊などといった人間たちです。 旅の様子が現実的なだけに、悟空たちの存在が浮いてしまい、どうも中途半端な感じがしてしまいました。リアル西遊記として悟空たちを排除し現実に徹するか、原作のように妖怪変化や不思議な国の登場するファンタジーにするか、はっきりした方がよかったと思います。
余談ですが、白馬出版のゲームブックシリーズ第三弾目は「オペレーション・コニー グリーンベレー特殊作戦」(2002年8月3日の冒険記録日誌を参照)です。しかし、こちらは本の装幀が全然違っていますし、ベトナム戦闘を題材にしているためかゲームオーバーになりやすく、雰囲気も別物になっています。 この作品は私のお気に入りですが、それにしてもこの路線変更は、いったい何があったんでしょう?
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