冒険記録日誌
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2014年09月29日(月) ゲームブックグルメ

 唐突ですが、私は小説や漫画で食い物の描写を重視しています。(グルメエッセーや料理漫画が好きという意味ではない)
 池波正太郎の時代小説「剣客商売」でネギしか入っていない味噌汁がやたら旨そうだったり、スティーヴンキングの「暗黒の塔シリーズ」で生まれて初めて飲むコーラに驚愕する主人公、デュマレストサーガで御影石のように固くて不味いザードル肉の鍋を確固として噛み砕いて食べるシーン、漫画「刑務所の中」の食事に出た甘い甘い小豆とマーガリン入りのパン、「涼宮ハルヒの陰謀」で長門がご馳走してくれたキャベツだけのサラダと缶入りレトルトカレーの大盛りなどなど、好きな作品には大抵、印象的な食事シーンがついているのです。
 そしてそれが実際に食えるものなら、それ以降その食い物が旨く感じられてさらに一石二鳥です。例えば私は昔、焼きそばが嫌いでしたが、ジャッキー・チェンのカンフー映画で、焼きそばを旨そうに食うシーンを見て、一気に焼きそばが好物になりました。漫画「極道めし」を読んでからは卵かけご飯が一層旨く感じられます。

 そしてゲームブックですが、生憎ゲームブックで食事シーンが印象的な作品は少ないです。
 鈴木直人作品のファンとしては、「ミツユビオニトカゲの唐揚げ」なんか印象的ですが、残念ながら現実にない食い物です。ウロコが咽喉に引っかかるがトリ肉の味と描写されていましたが、イモリの黒焼きなんかで代用にならないでしょうか?
 ネバーランドのリンゴなどでお馴染みの林友彦作品では、黒パンやハチミツなど現実的で旨そうな食い物が出てきます。しかし欲をいえば、もう少し具体的に食べている描写があってほしいところ。
 グレイルクエスト(ドラゴンファンタジー)シリーズ……は、くねくね肉がのたうっていて食欲がわきません。バルサスの要塞の食糧庫でも肉が動いていたし。食い物に食われることも普通にあるのがゲームブックの世界です。
 有名ではないですが、個人的に印象的な食い物は、双葉文庫の塩田信之作品「終末の惑星 遥かなる西の帝国」に出てくるフランス料理のフルコースやラーメンのお粥です。これは合成食糧で作られたお粥に人工的に味付けをしているもので、肉の味のおかゆとか野菜の味のお粥とか何皿もでるというもの。フランス料理のフルコースのお粥は無理ですが、ラーメンのお粥は現実にコンビニ商品で存在するので以前買ってきて試しましたが……口に合いませんでした。まあ、ゲームブックでもラーメンのお粥は水で味を流し込んだとあるので美味しくないみたいだから仕方ないか。
 考えると、そもそも旨そうに食う描写ってゲームブックにはあまりないんですよね。すぐに思いつくのがスティーブジャクソンの「モンスター誕生」で、ボビットがとても旨そうに食べられてます。でも、これは絶対真似できない。(汗)
 スティーブジャクソンといえば「ソーサリー」ですが、シャムタンティの宿屋の食事のスカンクベアーのシチューが旨そうな気がしますが味の想像ができません。(ちなみに創土社版の訳だと、スカンク熊汁となっていて不味そうです。シャムタンティの郷土料理みたいで雰囲気はあるけど。)

 やはりゲームブックでグルメなんて、無理があるかなぁと思いつつ、シチューからふと連想したのがリビングストン作品「迷宮探検競技」。
 死の競技に出場する前に提供される、パンと一杯のスープの食事。主人公はトリ肉と野菜のこってりしたこのスープをガツガツとたいらげて、最後はパンで拭って食っています。これは旨そう。
 というわけで、本日の晩飯に、トリ肉のシチューをちょっと濃い目に作ってみました。ルーはハウス食品です。
 パンは、ゲームブックでは囚人用だし、こだわらずに適当な食パンでいいや。
 今、これを書きながら食べていますが、うんまいですよ!大成功!
 というわけで、皆様も是非お試しください。まあ、要するに普通のクリームシチューですけどね。


山口プリン |HomePage

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