冒険記録日誌
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2013年12月01日(日) ミラクルタイムアドベンチャー3 かぐや姫と宇宙船のなぞ(藤浪智之/ポプラ社)

 今年も早いもので12月になりました。11月は新刊のゲームブック祭りでしたが、まだ「魔界の滅亡」と「都会のトム&ソーヤ ゲームの館からの脱出」は入手していません。
 「都会のトム&ソーヤ」の方は書店に普通に売っていそうなのでいいのですが、「魔界の滅亡」は注文していた本屋に入荷予定日が未定と未だにいわれています。
 問屋にあたるところでも取引がない出版社だから、時間がかかるとかなんとか。最初に確認したときは注文したこと自体を忘れられていて、次に「取引がない出版社だから注文できるのかな」「いやいやこの前も同じ創土社のクトゥルーアンソロジーをここで注文して買いましたよー」なんて会話もして、のどかな田舎の小さな本屋のエピソードでした。
 やはり田舎ではAmazonあたりに注文する方が無難という教訓かもしれませんが、どのみち正月休みにゆっくり遊ぶ予定だったのでのんびり待ちます。


 さて、本日紹介するのはミラクルタイムアドベンチャーシリーズ第3弾「かぐや姫と宇宙船のなぞ」です。
 1・2作目は今年8月の冒険記録日誌でも紹介しましたが、このシリーズは、ひょんなことからタイムパトロール隊にスカウトされた3人組の子供たちが時代を超えた冒険をするという児童書スタイルのゲームブックです。
 今回の舞台はなんと宇宙船(厳密には宇宙ステーション)の中!
 しかも船内は無人でどこの所属なのかもわかりません。
 理由もわからないまま不気味に放置された謎の宇宙船を3人が探索していきます。
 宇宙船の構造は実在する宇宙ステーションに似ており、ゲーム中にはアポロ計画のような宇宙開発の豆知識もチラホラでてきたり、無重力状態の不思議なども書かれていて、お子さんが読めば知的好奇心も刺激されそうですが、史実とフィクションの区別がわかりにくいかも。
 いっそ学習要素のあるゲームブックとして、このシリーズを整備したらよかったのにと思わなくもないです。
 あと無重力状態で主人公がアスミ(仲間の女の子)にぶつかったとき、アスミが顔を赤らめるシーンが気になりました。今まで主人公のユウキは性別不詳(設定していない)と思っていたのですが、男の子なのかな。いや、本当どうでもいいところかもしれないけど。

 宇宙船の内部と外部の2つのマップを見て、各箇所に書かれているパラグラフ番号にジャンプしながら探索していくシステムは他の巻と大体同じです。ただし、2巻では時間経過の概念があったのに対し、今回は船内で見つけた仲間をつれていくと展開が変わるという仕掛けがあります。怪しい場所は文章中にヒントがでるので、ゲーム攻略でそんなに苦労する箇所はなく、難易度的には1巻と2巻の中間くらいかな。
 ゲームの途中から2つのまったく真実の違うストーリーに分岐するのも、1・2巻と同じ。このシリーズのお約束になってきましたね。ただ、今回はなかなか面白い仕掛けでシナリオが分岐していまして、このアイデアは気に入りました。このあたりは、さすがベテランゲームブック作家というところ。
 どちらのルートにしても最後に謎がとけないと、どちらでもない第3の設定が真実となりバッドエンドです。こちらはなかなかやるせない結末ですよ。
 


山口プリン |HomePage

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