冒険記録日誌
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2013年10月20日(日) |
ソーサリーの魔法レッスン その21 |
ソーサリーの魔法レッスンのコーナーです。創元推理文庫のゲームブック、つまりスーパーアドベンチャーゲームブックシリーズの1シーンが次々に登場しますよ。 スーパーアドベンチャーゲームブックには、ソーサリー以外にも翻訳ものの作品がいつくかあります。その中から同じように魔法使いが主人公の、この作品はいかがでしょうか。 下の例題を読んで適切な呪文を一つ選んでください。
(例題) もしも「ドラゴンの目」でソーサリーの魔法が使えたら
あなたは探索を終えた建物を出て、芝生に足を踏み出そうとして、一瞬ためらった。 なにかがおかしい。 月の光に照らされた中庭にさっと視線を走らせ、ついで正面玄関の前にあるからっぽの台座に目を止めた。 からっぽ?建物に入るときには、苔むした巨大な銅の像、それも筋骨隆々の姿で片手に剣をかまえた戦士の像が立っていたはずだが? そのとき背後から男の叫び声が聞こえた。さっきの建物の中でなにかの恐怖の為か白髪になった姿で震えていた男だ。 その叫び声は警告だった。いつのまにか銅像が無表情なまま、あなたの傍に立っていた。 君がとっさに身を投げ出すと、さっきまで自分の頭があった空間を、銅像のこぶしが重い音をたててなぎはらった。 地面に倒れてあえぐあなたに銅像はにじりより、足で踏みつぶそうと片足をあげる。 恐怖に麻痺したあなたの前に、白髪の男が奇声をあげて玄関から飛び出した。剣を抜いて銅像に切りつける。 男は何度も剣を銅像に叩きつけるが、銅像はまったく傷つかず、逆に刃こぼれしていく。 硬直のとけたあなたは一目散に逃げ出した。恐怖のあまり白髪の男に加勢をするなど、思いも浮かばなかった。 背後で白髪の男が叫んでいるのが聞こえる。 「ちくしょう!俺は怖くなんかないぞ!脅えてなんかないぞ!」 声が途切れたので、走りながら振り向くと、銅像の剣が白髪の男の頭を粉砕したところだ。脳漿がしたたる剣を下げた銅像は、あなたに向かって石畳の上を歩き始めた。その歩みは意外と速い。 そのときには、あなたはWALの呪文を唱え終わることができた。あなたと銅像の間に魔法の障壁が発生する。
銅像が魔法の障壁にこぶしを打ち付けると、魔法の力が大きくたわむのをあなたは感じとった。何物にも破壊できないはずの障壁が今にも打ち破られそうな光景に、あなたにはとても信じられなかった。 銅像の無表情な瞳があなたを見つめている。たが、障壁が持ちこたえている間に、かろうじて次の呪文を用意する時間は残っていた。 この状況から逃れられる呪文を一つ選べ。今回は魔法に必要な道具は全て持ってきている。
KIN MUD GUM ZAP GAK
選んだら下を読むこと。あなたの運命は?
(KIN) 体力点を1減らす。こんな化け物に対抗できるのは、化け物自身のコピーしかない。 あなたは裏が金張りの鏡を出すと銅像に向け、魔法の障壁が消えると同時に呪文を唱えた。 鏡の中の銅像が出てこようとするが、本物の銅像はそんな時間はあたえず、こぶしで鏡を叩き割った。 不運にもガラスの破片の一つがあなたの顔に飛び込み、あなたは血がふきだす目を手でおおい絶叫する。 銅像はそんなあなたの様子になんの頓着も見せない。ただ剣を一閃させ、あなたの頭を跳ね飛ばした。
(MUD) 体力点を1減らす。かすかに震える手で袋を取り出し、中の砂を自分の前にまく。 そのとき魔法の壁が消滅し、あなたはすぐに次の呪文を唱える。 銅像はあなたを見据えたまま、砂の中に足を踏み出した。 突如ぬかるみと化した砂に銅像の足がとられた。砂の中を重い銅像はゆっくりと前に傾いていく。 すでに底なし沼となった流砂に、銅像の全身は完全に沈んでいき、脅威は去って行った。
(GUM) 体力点を1減らす。あなたは魔法の障壁が消えると同時ににかわの入った瓶を銅像の足元に投げつける。 この一瞬が間に合うかが分かれ目だ。瓶が割れるとすぐさま呪文を唱える。 あなたに向かっていた銅像の動きが止まった。魔法の力で強化されたにかわが、石畳に銅像の足を張り付けているのだ。 石畳の大きなブロッグが揺れ始め、小さな亀裂が走る。想像もできないほどの怪力で、石畳をつけたまま動こうとしているのだ。 足止めも時間の問題だ。 あなたは踵を返すと無我夢中でその場を走り去り、逃げ延びることに成功した。
(ZAP) 体力点を4減らす。魔法の障壁が消滅すると、すぐさま君は銅像に指を指して輝く雷を放った。 強力な力にさしもの銅像がよろめき、あなたはほっとする。 しかし、銅像は万力のような右手であなたの頭をつかみ、おもちゃのように持ち上げた。恐怖と苦しさにゆがむあなたの顔を、銅像は無表情に見据えたかと思うと頭を握りつぶしてしまった。
(GAK) 体力点を1減らす。黒い仮面をかぶり、魔法の障壁が消えると同時に呪文を唱える。 相手に恐怖を呼び起こす呪文であるが、銅像には何の変化も見られなかった。強力な相手に対してはこの呪文の効力は弱いようだ。果たしてこの銅像には感情が存在するのだろうか。 銅像が君の頭をつかむ。そして本物の恐怖の表情を浮かべるあなたを、そのまま握りつぶした。
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