冒険記録日誌
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2013年10月19日(土) ソーサリーの魔法レッスン その20

 ソーサリーの魔法レッスンのコーナーです。今回のテーマは創元推理文庫のゲームブックです。
 今日はドルアーガの塔と言えばこの人!メスロンが登場する例題ですよ。
 下の例題を読んで適切な呪文を一つ選んでください。


(例題) もしも「パンタクル」でソーサリーの魔法が使えたら

 鬼哭谷の荒れ地を僕は歩いていた。小ぬか雨の降り続く中、ギルのような体力のない僕は息を切らしながら岩棚までたどりついた。
 岩棚の一部を踏みしめた時、地面が砂糖菓子のようにもろく崩れて僕を呑み込んだ。
 巧妙に仕組まれた落とし穴だ。幸いにも穴は深くなく流れ込む雨水が溜まっていたので、落下のショックは小さく怪我はなかった。
 「ガチャン!」と嫌な音がして、見上げるとぽっかり空いた穴の上に鉄柵がいつのまにか下りている。柵の目越しに煩悩魔入道がこちらを覗き込んでいた。奴はくもぐった笑い声を笑い声をあげて、手に持った鉄鍵をヒラヒラさせた。弱いくせに人が苦しむのを見るのが大好きな鬼だ。
 「この鍵が欲しかろう?どうだ。出してくださいと土下座しろ」
 「嫌なこった。僕はおまえなんかに頭はさげない。自分の力で出てみせる」
 土下座しようと奴が僕を出す気なんかないのはわかっていた。とはいえ、このままではいずれ雨水で水位があがって穴は水没してしまうだろう。
 この状態から脱出できる呪文を知っていれば一つ選ぼう。ちなみに今の僕が持っているのは愛剣「鬼麻呂」以外にはハンカチとチリ紙だけだ。

DOP
DOZ
DUD
DIP
DUM

 選んだら下を読むこと。僕の運命は?











































(DOP)
 体力点を2減らす。呪文を唱えると、鉄鎖の錠から「カチャリ」と音が聞こえた。鍵が開いた!
 次の瞬間には僕は鉄柵を跳ね上げ、慌てて逃げ出そうとする入道に鬼麻呂を突きつける。これで立場は逆転だ。


(DOZ)
 体力点を2減らす。呪文を唱えると煩悩魔入道の動きが目に見えて鈍くなった。
 だけど、それだけだった。入道も異変を察知すると、鍵を見せびらかすのは止め、悪態をつきながらヨタヨタと立ち去って行った。
 その声が遠ざかっていくにつれて脱出のチャンスも去っていくのがわかった。


(DUD)
 体力点を2減らす。僕は呪文で出現させた金貨や宝石の山を見せ、煩悩魔入道に交換にここを出してくれるように言った。
 宝の山を見て、欲深い煩悩魔入道の相好が崩れる。だけど、返事は期待とは違っていた。
 「いいものを持ってるな。お前がすっかり水に埋まっちまうのが楽しみだ。後でゆっくり戴くよ」
 ずる賢い奴だ。慰めは、後で宝が見つからなくて入道はさぞ悔しがるだろうという事だ。


(DIP)
 僕が呪文を唱えるや否や、5点もの体力点を減らしてしまう。
 しまった。
 存在しない呪文を唱えるという初歩的なミスに、僕はほぞを噛んで穴の壁に寄り掛かり、消耗した身体が倒れないように支えた。
 入道は笑いながら立ち去って行く。その声も消え、脱出のチャンスがついえたことを知った。


(DUM)
 体力点を4減らす。呪文を唱えると、煩悩魔入道がこれ見よがしに振り回していた鉄鍵がスルリと奴の手からすべり落ちて、僕の足元に落ちてきた。
 僕が水たまりから鍵を拾い上げ、鉄鎖の錠を外して鉄柵を跳ね上げるまで、ほんの数秒しかかからなかった。
 僕はニコリと笑うと鬼麻呂を抜いて、慌てて逃げ出す入道を追いかけ始めた。


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