冒険記録日誌
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2013年10月13日(日) |
ゲームブックが好きなら仕方ない。全て許す。 その3 |
堕女神ユリスシリーズ(北沢慶/富士見書房)の3巻(最終巻)を読了しました。 序盤こそ一つしかないケーキを勝手に食ったとかユリスカロアとザウエルの痴話喧嘩という、テメェらいい加減にしろよ羨ましくなんかないんだからね的な始まりなのですが、今回ついに今までの事件の背後にいた黒幕の正体が判明します。 その真相はザウエルの語りだした子供時代のエピソードで明らかに、ってザウエルの知り合いが黒幕だったのかい。知ってるなら仲間にもっと早く言えよ。
世界の破滅から辛くも2度も逃れたラクシアの世界ですが、今度の危機は50匹以上のドラゴンが群れをなして街を襲ってくるというもの。さすがは最終巻です。 さしものザウエル達も絶体絶命かと思いきや、女神ユリスカロアの力で、街から防御塔がビョンビョンはえるわ、建物は動いて道は変わるわ、たちまち街が一大要塞へと変貌します。 今までそんな伏線なかったじゃん!とつっこみたい気もしますが、ここはさすがは神様パワーと感心するべきでしょう。 その有無を言わせぬ迫力ある展開に、昔、学校の校舎が巨大ロボットに変形して小学生達が悪と戦うアニメとかあったなぁ、と思い出したほどです。
衝撃の終盤はネタバレになるので書かないとして、私がいいたいことは最終巻にはゲームブックネタがないです!これは酷い!期待していたのに! エピローグでユリスカロアが序盤でもめていた有名店のケーキをこっそり新しく用意していたというシーンがあるのですが、ここがステファン・ヤクソンの“ツァオベラー”の幻の3巻をザウエルのプレゼントに用意していたというエピソードだったら全ての伏線を回収する大団円を迎えたのに!
しかたありません。幻の3巻は同作者の今後のリプレイ小説などで、後日談として登場することに期待しましょう。 ソードワールド2.0のセッションで、ザウエル達をNPCとして登場させようかなと考えているゲームマスターさんは、伏線にこの3巻を入手するエピソードを入れるなんてどうでしょうか。ザウエルは喜ぶと思いますよ? 彼のもう一つの冒険が完遂することを願いつつ感想を終わります。
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