冒険記録日誌
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2013年09月02日(月) バニラのお菓子配達便!〜スイーツデリバリー〜(藤浪智之/角川つばさ文庫)

 今回も藤浪智之さんのゲームブックの紹介です。(後書きによれば、イラスト担当の佐々木さんとアイデアを出し合って考えたので、ある意味共作のようなものらしい)
 最近発売されたゲームブックという認識でしたが、2010年の発行だから3年もたってるのですねぇ。いや、ゲームブックブーム当時の本はもうすぐ発売30年を迎えるくらいですから、ゲームブックとしては新刊といっても良いのですが。
 本書は今でも普通に書店で見かけることができるし、続編も発売されていることからも、一定の人気を得ているようです。
 私自身は本書を発売当時にすぐ買ったはずなのに、読む気になるまでこんなに間が開いてしまいました。
 藤浪さんの作品なので、まあ作品自体がハズレとかの心配はしていなかったのですが、低年齢向けのうえ女の子向けの内容が、少年の心を持ってるとはいえ、おっさんには読むのが気恥ずかしかったわけです。
 双葉ゲームブックとか今でも読んでいて何を今更かもしれませんが、メルヘンっぽい世界観は、耽美系とダーク系と皮肉系(謎かけ盗賊とか)に続いて苦手でして。

 さて、ゲーム内容を紹介します。
 主人公はケーキ屋「パティスリー・エイル」を経営している3姉妹の末娘ばにらちゃん。小学生です。舞台設定こそ、日本の現実的な街ですが、ばにらちゃんには彼女にしか見えないティンカーベルのような姿の妖精、デコがついているのがメルヘン。
 2人のお姉ちゃんはケーキ作りや店の接客をしていますが、エイルではケーキの宅配もしているのが特徴で、その配達がばにらの仕事です。 
 本書には3つのショートゲームブック(パラグラフ数にして50〜80)が収録されており、どのストーリーも主な展開は、変わり者で悩みをかかえている依頼人にケーキの注文を受けるところからゲームが始まり、ばにらの笑顔と、デコと一緒に作った魔法のケーキで、問題を解決していくというもの。
 2話目の依頼人の性格と行動はいくらなんでも歪みすぎだろっと思った他は、ほのぼのした雰囲気で好印象。ベタな女の子向けアニメになりそうな感じなので、私の脳内でも30分TVアニメ風に場面が再現されてしまいました。
 皆様も本書はそんなノリで読むと楽しめるのではないでしょうか。ツンデレなデコを始め、登場人物もベタなキャラが多いので、アニメ好きなら声優さんまで指定できそうです。
 ゲームシステムの方はトランプを使用するルールですが、トランプがなくても遊べるようにフォローもされているので遊びやすいでしょう。
 マップを見て調査したい場所に表示されているパラグラフ番号を見ていくというタイプの双方向システムを交えながら、ストーリーが展開していきます。
 難易度でいれば2話目のエピソードにちょっと手こずったものの、クリアを目指すには易しい内容です。ハッピーエンドは何種類かあったり、1・2話の結末が3話に影響したりと、単純になりすぎないよう仕掛けも見られ、さすがにベテラン作者だけに手馴れているようです。
 ちなみに私は続編も発売当初に買ってますが、そのままになってます。せっかくなので、このまま4話目以降の続きを読む感覚で読んでみようかと思います。


山口プリン |HomePage

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